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(短編集)
インスマスの影: クトゥルー神話傑作選
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インスマスの影: クトゥルー神話傑作選の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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| 「ラヴクラフトならこれ」という作品が並んで、作品のチョイスに異論のある人は殆どいないだろう。「インスマスの影」を初めて読んだときは、確かにちと怖かった。気味の悪さでそれに次ぐのが「闇にささやくもの」。 にも拘わらず星3つにしたのは、邪神や架空の地名・書名の訳語に不満があるから。 訳者自身もそんな意見が出るのは先刻承知で、訳者解説のなかでわざわざ紙幅を割き、これまで一般化してきた読み方は「アルファベットの綴りが持っていた視覚的効果、すなわち怪異な感じや異国的、異世界的な感じなどがごっそりこそげ落ちてしまう不都合がある」と記している。考え方として一概に否定はできないにしろ、そんなにこだわるべきところか? と思う。クトゥルー物に数多の翻訳作を持つ先達・大瀧啓裕の訳語を踏襲しておけばよいだろう。些細なことで独自性を主張するのは愚かだ。 2019/8/2追記 上記のレビューは些か抽象的過ぎ、根拠も示さず悪口を云っているように見られかねないので、本書の訳文について追記しておく。以下、例示。 まずは、「ふんぐるい~」から始まるクトゥルー教団の詠唱句から。 原典の英文は ”In his house at R'lyeh dead Cthulhu waits dreaming.” [既訳] 死せるクトゥルー、ルルイエの館にて夢見るままに待ちいたり [本書] ル・リエーなる館にて、死せるクトゥルーは夢見て待つ 次いで『ネクロノミコン』の有名な一節。 “That is not dead which can eternal lie. And with strange aeons even death may die.” [既訳] そは永久(とこしえ)に横たわる死者にあらねど、測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの [本書] 永遠(とこしえ)に寝(いぬ)るものは死せるにあらず、奇しき永劫ののちには死もまた死すべし インスマス譚に登場する半人半魚の異形のもの。 “the deep ones” [既訳] 深きものども [本書] 深海のものら 「先人の訳業をそのままパクるのもはばかられるし」というので苦心したのかも知れないし、むしろ原文に忠実でもあるだろうが、どちらが作品の雰囲気によりマッチしているかの話だ。少なくとも、私は断然既訳の方を推す。 それ以外の文章も全体として生硬いひと昔前の翻訳という感じで、大瀧啓裕らの手練の文体にはるかに及ばないと思う。さらに、”Pnakotic manuscripts (ナコト写本)” を「プナコトゥス写本」とするのは、英語読みの基本からしておかしいだろう。 | ||||
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| しかし、驚きましたね!!新潮文庫からラヴクラフトの選集が出るなんて、夢のようです!! しかも収録作品は、一部不満はあるものの、異次元の色彩、ダンウィッチの怪、インスマウスの影、 など代表作が含め、全7編が収録されています。 後、一部作品を差し替え、チャールズ・ウォードの奇怪な事件、ランドルフ・カーターもの、 狂気の山脈、個人的好みとしては、アウト・サイダーを入れてもらえば最高だったんですが!! 私がラヴクラフトの作品で最初に読んだのは、アウト・サイダーで、これにはビックリしましたね!! しかし、当時は、ラヴクラフトの作品がほとんど翻訳されておらず、 かろうじて読めたのが、ダンウィッチの怪とインスマウスの影、位でしたかね! しかし、コリン・ウィルソンが、「夢見る力」でラヴクラフトの作品を取り上げたころから、 徐々に認知され、現在では全集も出ているといった状態になってきているのです。 しかも、日本ではコミック化され、本もたくさん出ています。 ラヴクラフトの作品は、旧神、大いなる旧支配者、ネクロノミカン、等いろんな仕掛けがあり、 独自の世界を形成していて、 そのため、カルト的な人気があるようなのです。 本作品でもそのような特徴がよく出ていて、特に、異次元の色彩、ダンウィッチの怪、 クトゥルーの叫び声、インスマウスの影、等は必読でしょうね!! また、全編南條氏の新訳というのも注目すべきでしょう。 | ||||
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| あれほど有名なラブクラフトなのに、手軽に読める文庫本が、実はありませんでした。 文庫で手に入るのは創元推理文庫の『ラブクラフト全集』しかなくて、「全集」とあるせいでハードルが高い。有名な作品だけ読みたい人は、どこから手をつけていいのかわからない。おまけに、文字が小さくてつらい…。小説、アニメ、ゲームなど、様々な作品で引用されたり、パロディになったりしているのに、意外なことです。 そのような状況に風穴を開けたのがこの本です。すばらしい! ありがたい! うれしい! しかも、500頁以上もあるのに810円とは、お買い得にもほどがある。さらに、南條竹則先生がてがけられたのですから、信頼感もばっちし。 まだ読みかけなので、読み終わったら翻訳の雰囲気とか、レビューに書き加えます。日本では翻訳の独特さも含めてラブクラフトが読まれてきたので、違和感を感じる人も多いかもしれませんね。南條先生の翻訳は誠実なものだと思いますが、今まで積み重ねられてきたサブカル文脈の中ではどう評価されるのでしょうか。 まずはうれしさを伝えたくて、いてもたってもいられず、レビューしました。 | ||||
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