歯と爪

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評判

歯と爪の評価:

3.91/5点 レビュー 32件。 C ランク

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平均点3.91pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全46件 21〜40 2/3ページ
No.26
(4pt)

ミステリーの参考書としてもいいです。

幻冬舎から出版されている、『ミステリーの書き方』で
お勧めしていたので参考書代わりに購入してみました。

その手の本では有名なのかもしれないが、
袋とじ返本システムなんて売り方として面白いし、
サクサク読める翻訳も、
内容もいいです。

また『ミステリーの書き方』を読んでから見ると、
著者の視点で読めるので2度美味しいかもしれないです。

初版が1977年で新版2010年…
名作は読み継がれていくんですね。
古典的名作ミステリーは読んでおくべきと思い知らされました!
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.25
(4pt)

ミステリーの参考書としてもいいです。

幻冬舎から出版されている、『ミステリーの書き方』で
お勧めしていたので参考書代わりに購入してみました。

その手の本では有名なのかもしれないが、
袋とじ返本システムなんて売り方として面白いし、
サクサク読める翻訳も、
内容もいいです。

また『ミステリーの書き方』を読んでから見ると、
著者の視点で読めるので2度美味しいかもしれないです。

初版が1977年で新版2010年…
名作は読み継がれていくんですね。
古典的名作ミステリーは読んでおくべきと思い知らされました!
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.24
(4pt)

“最後の一ページの驚くべき大トリック”という惹句を取り下げた新版

本作は、奇術師リュウと彼の妻となるタリーの物語が描かれた偶数章と、
お抱え運転手が殺害された事件の裁判が描かれた奇数章が交互に展開
される――というカット・バック手法が採られています。

そして、一見何の関係もないように思えるその二つの物語が、
リュウの“一大奇術”によって結び付けられることになります。

つまり偶数章が“一大奇術”が行われるまでを描いた“前日談”、
奇数章が“後日談”に相当し、物語の過去と未来を外堀を埋める
ように描いていくことで、徐々に“一大奇術”の輪郭を浮き彫りに
していくという手法が採られているのです。

なお、その“一大奇術”は〈ある殺人犯人に対して復讐をなし、自分も
殺人を犯し、そして自分も殺された〉という内容なのですが、字義通り
の意味ではなく、多分にレトリックである点は許容されるべきでしょう。

また、旧版では、袋綴じの前段階でメインとなるネタを割っていたのですが、
新版では、そのネタばらしの部分も袋綴じにされており、改善されています。

返金保証という売り方から、ひたすら“意外な結末”ばかりが強調されてきた
本作ですが、その本質はサプライズにあるのではなく、巧みなサスペンス醸成
と、巻措く能ざるストーリーテリングにあるというべきなのではないでしょうか。
歯と爪 (1977年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (1977年) (創元推理文庫)より
B000J8U26K
No.23
(4pt)

“最後の一ページの驚くべき大トリック”という惹句を取り下げた新版

本作は、奇術師リュウと彼の妻となるタリーの物語が描かれた偶数章と、お抱え運転手が殺害された事件の裁判が描かれた奇数章が交互に展開される――というカット・バック手法が採られています。そして、一見何の関係もないように思えるその二つの物語が、リュウの“一大奇術”によって結び付けられることになります。つまり偶数章が“一大奇術”が行われるまでを描いた“前日談”、奇数章が“後日談”に相当し、物語の過去と未来を外堀を埋めるように描いていくことで、徐々に“一大奇術”の輪郭を浮き彫りにしていくという手法が採られているのです。なお、その“一大奇術”は〈ある殺人犯人に対して復讐をなし、自分も殺人を犯し、そして自分も殺された〉という内容なのですが、字義通りの意味ではなく、多分にレトリックである点は許容されるべきでしょう。また、旧版では、袋綴じの前段階でメインとなるネタを割っていたのですが、新版では、そのネタばらしの部分も袋綴じにされており、改善されています。返金保証という売り方から、ひたすら“意外な結末”ばかりが強調されてきた本作ですが、その本質はサプライズにあるのではなく、巧みなサスペンス醸成と、巻措く能ざるストーリーテリングにあるというべきなのではないでしょうか。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.22
(4pt)

“最後の一ページの驚くべき大トリック”という惹句を取り下げた新版

本作は、奇術師リュウと彼の妻となるタリーの物語が描かれた偶数章と、お抱え運転手が殺害された事件の裁判が描かれた奇数章が交互に展開される――というカット・バック手法が採られています。そして、一見何の関係もないように思えるその二つの物語が、リュウの“一大奇術”によって結び付けられることになります。つまり偶数章が“一大奇術”が行われるまでを描いた“前日談”、奇数章が“後日談”に相当し、物語の過去と未来を外堀を埋めるように描いていくことで、徐々に“一大奇術”の輪郭を浮き彫りにしていくという手法が採られているのです。なお、その“一大奇術”は〈ある殺人犯人に対して復讐をなし、自分も殺人を犯し、そして自分も殺された〉という内容なのですが、字義通りの意味ではなく、多分にレトリックである点は許容されるべきでしょう。また、旧版では、袋綴じの前段階でメインとなるネタを割っていたのですが、新版では、そのネタばらしの部分も袋綴じにされており、改善されています。返金保証という売り方から、ひたすら“意外な結末”ばかりが強調されてきた本作ですが、その本質はサプライズにあるのではなく、巧みなサスペンス醸成と、巻措く能ざるストーリーテリングにあるというべきなのではないでしょうか。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.21
(4pt)

“最後の一ページの驚くべき大トリック”という惹句を取り下げた新版

本作は、奇術師リュウと彼の妻となるタリーの物語が描かれた偶数章と、
お抱え運転手が殺害された事件の裁判が描かれた奇数章が交互に展開
される――というカット・バック手法が採られています。
そして、一見何の関係もないように思えるその二つの物語が、
リュウの“一大奇術”によって結び付けられることになります。
つまり偶数章が“一大奇術”が行われるまでを描いた“前日談”、
奇数章が“後日談”に相当し、物語の過去と未来を外堀を埋める
ように描いていくことで、徐々に“一大奇術”の輪郭を浮き彫りに
していくという手法が採られているのです。
なお、その“一大奇術”は〈ある殺人犯人に対して復讐をなし、自分も
殺人を犯し、そして自分も殺された〉という内容なのですが、字義通り
の意味ではなく、多分にレトリックである点は許容されるべきでしょう。
また、旧版では、袋綴じの前段階でメインとなるネタを割っていたのですが、
新版では、そのネタばらしの部分も袋綴じにされており、改善されています。
返金保証という売り方から、ひたすら“意外な結末”ばかりが強調されてきた
本作ですが、その本質はサプライズにあるのではなく、巧みなサスペンス醸成
と、巻措く能ざるストーリーテリングにあるというべきなのではないでしょうか。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.20
(4pt)

“最後の一ページの驚くべき大トリック”という惹句を取り下げた新版

本作は、奇術師リュウと彼の妻となるタリーの物語が描かれた偶数章と、
お抱え運転手が殺害された事件の裁判が描かれた奇数章が交互に展開
される――というカット・バック手法が採られています。
そして、一見何の関係もないように思えるその二つの物語が、
リュウの“一大奇術”によって結び付けられることになります。
つまり偶数章が“一大奇術”が行われるまでを描いた“前日談”、
奇数章が“後日談”に相当し、物語の過去と未来を外堀を埋める
ように描いていくことで、徐々に“一大奇術”の輪郭を浮き彫りに
していくという手法が採られているのです。
なお、その“一大奇術”は〈ある殺人犯人に対して復讐をなし、自分も
殺人を犯し、そして自分も殺された〉という内容なのですが、字義通り
の意味ではなく、多分にレトリックである点は許容されるべきでしょう。
また、旧版では、袋綴じの前段階でメインとなるネタを割っていたのですが、
新版では、そのネタばらしの部分も袋綴じにされており、改善されています。
返金保証という売り方から、ひたすら“意外な結末”ばかりが強調されてきた
本作ですが、その本質はサプライズにあるのではなく、巧みなサスペンス醸成
と、巻措く能ざるストーリーテリングにあるというべきなのではないでしょうか。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.19
(5pt)

ユニーク本

決して謎解きとかはなく
回想シーンを追っていけばいいので
ミステリーには珍しく、何も考えずに読めます。
そう、いかにして復讐劇が成し遂げられるか
追っかけていくだけでよいでしょう。
実はこの本は途中で袋とじがされていますが…
多分読まずにはいられない文体なので
たぶん原書を読んでしまうことでしょう。
言葉巧みなものです。
いわゆる「読ませる本」ですね。
昔の作品ですが、なんら目おとりしません。
歯と爪 (1977年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (1977年) (創元推理文庫)より
B000J8U26K
No.18
(5pt)

炎のような怒りと破壊の形式が、氷のような整形外科的な形式と絡み合う!!

なんとも名状しづらい不思議な読後を醸し出す一冊。そこはかとない満足感に包まれます。。
ある復讐劇を目論む奇術師の視点と、検事・弁護士が一進一退の攻防を繰り広げる法廷劇の視点が交互に描かれ、それが驚きをもって交錯する
魅力的な結末に至るには、封を切って進まなければならないとゆう何とも大胆にして憎い演出が施してあります。
既成事実を既成事実のままにデフォルメしてしまった本書はバリンジャーが読者に仕掛けた一大奇術だ。。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.17
(5pt)

炎のような怒りと破壊の形式が、氷のような整形外科的な形式と絡み合う!!

なんとも名状しづらい不思議な読後を醸し出す一冊。そこはかとない満足感に包まれます。。
ある復讐劇を目論む奇術師の視点と、検事・弁護士が一進一退の攻防を繰り広げる法廷劇の視点が交互に描かれ、それが驚きをもって交錯する
魅力的な結末に至るには、封を切って進まなければならないとゆう何とも大胆にして憎い演出が施してあります。
既成事実を既成事実のままにデフォルメしてしまった本書はバリンジャーが読者に仕掛けた一大奇術だ。。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.16
(5pt)

返金してもらった人の顔が見たい

 原著オリジナルは1955年に刊行されている「返金保証」ミステリーである。この手の本はどこから袋綴じが始まるかで、読者が「読むことを止めるかどうか」が決まるようだ。その点、本書はなかなかいいところで袋綴じが始まったので、出版社としては返金せずに済みそうである。さすがにここで読むのを止めるわけにはいかない。
 「返金保証」を付けるくらいだから、出版社としても自信があるはずだ。たしかに、この本は面白い。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.15
(5pt)

返金してもらった人の顔が見たい

 原著オリジナルは1955年に刊行されている「返金保証」ミステリーである。この手の本はどこから袋綴じが始まるかで、読者が「読むことを止めるかどうか」が決まるようだ。その点、本書はなかなかいいところで袋綴じが始まったので、出版社としては返金せずに済みそうである。さすがにここで読むのを止めるわけにはいかない。
 「返金保証」を付けるくらいだから、出版社としても自信があるはずだ。たしかに、この本は面白い。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.14
(4pt)

古本屋で見つけましたぜ

 別に全然、本格ファンではないのだが、恩田陸氏の本に出てきたので探していたら、なんと古本屋にあるではないかっ。しかも帯を破らないまま。結局元の持ち主は全く読まなかったのか、先が気にならなかったのか、そちらの方が気になったりして。
 で、結局は帯を破って最後まで読んでみたが、うーん、確かに意外性はあって損した気分はしないけど、少々自身過多なのではないか、と思った次第。この程度の意外性なら、ミステリーじゃなくても、結構あるよ。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.13
(4pt)

古本屋で見つけましたぜ

 別に全然、本格ファンではないのだが、恩田陸氏の本に出てきたので探していたら、なんと古本屋にあるではないかっ。しかも帯を破らないまま。結局元の持ち主は全く読まなかったのか、先が気にならなかったのか、そちらの方が気になったりして。
 で、結局は帯を破って最後まで読んでみたが、うーん、確かに意外性はあって損した気分はしないけど、少々自身過多なのではないか、と思った次第。この程度の意外性なら、ミステリーじゃなくても、結構あるよ。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.12
(4pt)

結末はさほど‥でも面白い

袋閉じの直前が一番意外でしたね裏表紙に「最後の一ページ〜」とありますが、これには疑問です。途中で明かされるので‥ここから更にどんなドンデン返しが?と思いながら読んだのですが、最後の一、ニページに何かあったとは思えませんしかし主人公にも感情移入でき、面白かったです!
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.11
(4pt)

結末はさほど‥でも面白い

袋閉じの直前が一番意外でしたね裏表紙に「最後の一ページ〜」とありますが、これには疑問です。途中で明かされるので‥ここから更にどんなドンデン返しが?と思いながら読んだのですが、最後の一、ニページに何かあったとは思えませんしかし主人公にも感情移入でき、面白かったです!
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.10
(5pt)

結末はあまり意外ではないが傑作

この作品は袋とじにされている、結末部分を開かずに
出版社に直接持っていくか、郵送をすれば返金されるという画期的な作品だ。
私は結末部分に期待して本書を手に取ったのだが、
物語は始めから展開は十分は面白く、結末近くからはさらに面白くなっていく。
結末部分は衝撃的とは言えなかったがとても満足できたのでお薦めしたい一冊だ。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.9
(5pt)

結末はあまり意外ではないが傑作

この作品は袋とじにされている、結末部分を開かずに
出版社に直接持っていくか、郵送をすれば返金されるという画期的な作品だ。
私は結末部分に期待して本書を手に取ったのだが、
物語は始めから展開は十分は面白く、結末近くからはさらに面白くなっていく。
結末部分は衝撃的とは言えなかったがとても満足できたのでお薦めしたい一冊だ。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025
No.8
(5pt)

その奇抜なトリックと意外な真相は、十分、名作の名に値する作品

この作品には、二つの特徴がある。一つ目が、「意外な結末が待っていますが、あなたはここで、おやめになることができますか?」と、結末部分を袋綴じにして、やめられたら返金する体裁にしていることだ。仮に、やめられたとしても、実際に、わずか672円のために、わざわざ出版社に送り返す人がどれだけいるかということを考えれば、読者の好奇心をくすぐる商魂たくましい商法ともいえるのだが、少なくとも、結末に、それだけの自信がなければできない商法であることも事実だろう。実際、私の場合は、袋綴じを開けずに途中で投げ出すことは微塵も考えられず(名作という触れ込みであっても、読み続けるのに苦痛を感じ、途中で投げ出したい誘惑にかられる長編ミステリは、少なくない!)、その結末も、想定範囲を超えたものであったことを付け加えておこう。二つ目が、犯罪が行われるまでの経緯と、名前を伏した被告の法廷での裁判場面を、本当に几帳面に、一場面ごとに交互に描いている点である。こうした構成自体は上手いと思うのだが、率直にいって、このストーリー構成で、この手法を取られると、事件の全貌がなかなか見えてこず、読者としては、もどかしく感じる面なきにしもあらずではある。しかし、移り気な視聴者相手に、特にテンポ感のある展開が求められるテレビ・ドラマの脚本を何と二百以上も書いたというバリンジャーは、さすがにその文体には冗長さがなく、ストーリー・テリングにも長けており、飽きさせずに、最後まで読者を導いてくれている。本書のあとがきでは、この作品と同列、もしくはそれに近い位置を与えられる作品として、アガサ・クリスティーの名作を挙げた論評が紹介されているのだが、それは、少々、誉めすぎとしても、この作品の奇抜なトリックと意外な真相が、それと比較されること自体は確かに納得のいくものであり、この作品は、十分、名作の名に値する作品であると思う。
歯と爪【新版】 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 歯と爪【新版】 (創元推理文庫)より
4488163041
No.7
(5pt)

その奇抜なトリックと意外な真相は、十分、名作の名に値する作品

この作品には、二つの特徴がある。一つ目が、「意外な結末が待っていますが、あなたはここで、おやめになることができますか?」と、結末部分を袋綴じにして、やめられたら返金する体裁にしていることだ。仮に、やめられたとしても、実際に、わずか672円のために、わざわざ出版社に送り返す人がどれだけいるかということを考えれば、読者の好奇心をくすぐる商魂たくましい商法ともいえるのだが、少なくとも、結末に、それだけの自信がなければできない商法であることも事実だろう。実際、私の場合は、袋綴じを開けずに途中で投げ出すことは微塵も考えられず(名作という触れ込みであっても、読み続けるのに苦痛を感じ、途中で投げ出したい誘惑にかられる長編ミステリは、少なくない!)、その結末も、想定範囲を超えたものであったことを付け加えておこう。二つ目が、犯罪が行われるまでの経緯と、名前を伏した被告の法廷での裁判場面を、本当に几帳面に、一場面ごとに交互に描いている点である。こうした構成自体は上手いと思うのだが、率直にいって、このストーリー構成で、この手法を取られると、事件の全貌がなかなか見えてこず、読者としては、もどかしく感じる面なきにしもあらずではある。しかし、移り気な視聴者相手に、特にテンポ感のある展開が求められるテレビ・ドラマの脚本を何と二百以上も書いたというバリンジャーは、さすがにその文体には冗長さがなく、ストーリー・テリングにも長けており、飽きさせずに、最後まで読者を導いてくれている。本書のあとがきでは、この作品と同列、もしくはそれに近い位置を与えられる作品として、アガサ・クリスティーの名作を挙げた論評が紹介されているのだが、それは、少々、誉めすぎとしても、この作品の奇抜なトリックと意外な真相が、それと比較されること自体は確かに納得のいくものであり、この作品は、十分、名作の名に値する作品であると思う。
歯と爪 (創元推理文庫 163-2) Amazon書評・レビュー: 歯と爪 (創元推理文庫 163-2)より
4488163025