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罪と罰



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罪と罰の評価: 4.34/5点 レビュー 425件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.34pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全356件 321~340 17/18ページ
No.36:
(5pt)

罪と救い

もう紹介するのもいまさら…という名作ですが、 「おもしろくてずっしりしていて、深い」本です。 殺人をするラスコーリニコフの動機が、現代的でびっくりします。 こんな人、今の日本のどこかにもいそうです。 人を殺すというのはどういうことか。 そして、その重い重い罪は、どうやって償われていかなくてはならないのか。 深い罪を負った人間を救うのはなんなのか。 テーマは重いのに、お話はミステリみたいで飽きさせません。 登場人物で好きなのはやはりソーニャです。 マリア様のような、観音様のような女性だと思います。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.35:
(5pt)

すべてを乗り越える愛

これほど素晴らしい愛の小説は、他にはありません。 人間が犯した罪を償うことができるのは、愛だけなのです。
罪と罰〈下〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈下〉 (岩波文庫)より
4003261372
No.34:
(5pt)

ミステリー仕立ての名作。

私が知る「古典的」長編小説の中で、かなり読みやすい部類に入ると思います。一つの微細な悪は百の善行に償われるという理論の元、老婆を殺した主人公ラスコーリニコフ。そこに立ちはだかる刑事ボルフィーリイとの心理的な駆け引き。ミステリーの原点ともいえる見所があります。前編では終わりの方に少し二人のやりとりがあるだけですが、後編でボルフィーリイがじわじわと追い詰めるシーンは『古畑任三郎』を想像させます。もちろんそれだけではありません。妹と母の突然の上京。そこに共に現れた婚約者。街を放浪する主人公の前に現れるソーニャ。人物それぞれが主人公と複雑に絡み合い、彼の運命を決定づけていきます。とても精巧に描かれた緻密な物語です。読み始めると、ロシアの長い人名と饒舌な登場人物に苦しめられますが、最後まで、後編まで読めば「面白かった」と言える小説だと思います。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.33:
(5pt)

現代に生きる重い問いかけ

 自らの出世のために、世の中の役に立たないと判断した金貸しの老婆を殺害した主人公の若者。独自の「殺人理論」で武装する若者の周囲で、極限の生活にあえぐ人間群像がロシアの都会の片隅で繰り広げられる。若者は救われるのか、この世界に希望はあるのか。「勝ち組」「負け組」という一種、露骨な言葉で人間を峻別する現代、ドストエフスキーの問いかけは重い。 ナニワ金融道で知られる故・青木雄二氏が座右の書とした古典的名著。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.32:
(5pt)

やっと読み終えました

この物語はロシア革命よりも前に書かれたもののはずで、その頃のロシア人の人民性など自分には全く知る術も無いのですが、この物語に出てくるロシアの男たちの考え方は、真面目で、真剣で、そして暗いように自分は感じました。そして考えた結果や行動も暗く、何だか救いすら無いような気がします。ロシアの男たちは昔から、昼間からウォッカを、あおっていたらしく、この物語にも救いようの無い酔っ払いが出てきます。そして彼らは、しっかりとした考えを持っているにも関わらず(だからこそ?)働きません(自分はNHKの番組で見たのですが、ロシア人の平均死亡年齢は年々下がっているらしく、その原因は男たちの酒の飲み過ぎにあるらしいです)。それに対して物語の中の女性たちは、とても元気で良く働いているのが、唯一の救いです。ロシア人に較べれば、日本人は、それほどに深い考えを持っていないけれど、普通は生活のために働いています。自分の信念のために働かないのと、あまり深く考えないで生きていくために仕方が無く働くのと、どちらが良いのかと言えば自分は日本人であるので後者であると思います。主人公も同様に、真面目で真剣なのですが、鬱々としていて、何日間も身動きすらできなくて、もちろん働きもせず、起こした行動と言えば「人殺し」でした。この物語の中で最も印象に残ったのは、主人公の夢の中で、老いぼれた馬車馬が、大勢多数にリンチされているときに、主人公(夢の中では子供)が父親に助けを請う場面です(この馬車馬は殺されるまでリンチを受け続けました)。「フランダースの犬」の「パトラッシュ」も、そうだけれど、道具として扱われていた動物たちは、今では考えられないくらいに残酷な扱いを受けていたものも居たようです。この場面で「ニーチェ」という哲学者が狂気に陥る前に、やはり主人に残酷な扱いを受けている馬に抱きつくエピソードを思い出しました。上巻は一応、最後まで読めましたが、余りにも陰鬱としていたので下巻には手が出なさそうです。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.31:
(5pt)

素晴らしい。

読んでよかった。完璧に読みこなせたわけではないし、わからないこともたくさんあるが、それでも読んでよかったと思える本。ハリー・ポッターしか読まなかったぼくが、なんかよくわからんが凄い!と思えた本。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.30:
(5pt)

救済

 恵まれない生活環境、鋭敏な頭脳から生まれた独自の哲学、どちらが理由であったにせよ老婆を殺害した主人公ラスコーリニコフ。すべてがうまく運ぶが、どうにも心は晴れない。そんな彼の魂を救済した自己犠牲に徹した生き方をしている幸薄の女性ソーニャ。彼が殺人を彼女に告白したシーンは、読んでいて震えがとまらなかった。 警察に向かう彼が躊躇し後ろを振り返ったとき、ソーニャが悲しそうな顔をしてたっているのを見て結局自首する場面で、彼の思想のベクトルは彼女の愛によって救われ方向を変えた様に感じた。 ドストエフスキーの作品としては「たった七年」の言葉からもわかるように珍しくハッピーエンドとなるこの作品。読み終えた後味も非常によかった。個人的にはソーニャのような女性に会ってみたい。現実にいるのかはともかくとして・・・・ 一番好きなシーンはラスコーリニコフがソーニャに対して跪くシーン。「僕は君に跪いたんじゃない。世界中の全ての不幸に対して跪いたんだ」こんな台詞回し、今後お目にすることはできないだろう。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.29:
(5pt)

様々な要素をもった作品

ドストエフスキーというとなんだか暗い感じがするかもしれないし、その量からしてもなかなか読む気になれないかもしれない。でも、ドストエフスキーとか世界の名著とかっていうブランドを抜きにして、この本は単純に面白いです。あとがきにも書いてあるが、この本は色んな要素をもっている。殺人犯ラスコーリニコフが次第に追い詰められていく推理小説でもあるし、ソ―ニャとラスコーリニコフの信仰の対決と彼らの愛の小説でもある。家族の絆を描いている小説でもあるし、友情や道徳を描いている小説でもある。色んな読み方ができるので、何度読んでも飽きないと思います。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.28:
(5pt)

世界の名著、これは読むしかありません

この大作をどう攻略するかに絞って申しあげましょう。若者の読書離れが指摘されて久しい昨今、長編「罪と罰」を読もうと決意されただけでも立派です。当然ながら出来るだけ若い頃に挑戦して欲しいです、時間がたっぷりある時に。一気に読んでしまうことです。一日くらいのブランクはいいとして一週間も開けてしまうと、もう戦意は喪失したも同然。挫折してしまいます。次に、登場人物がやたら多いので読み進めていくうちにどんな人物だったか忘れてしまいます。そこで私は登場人物一覧表を作りました。登場したページも記入しておきます。そうしておくと再度その人物が現れても一覧表を参照にして元のページに戻って記憶を回復できます。私くらいの年齢になりますと次々に読まなければならない本が出てきて、なかなか読み返すことが出来ません。ですから学生時代に少なくとも二回は読破しようと決めて挑戦なさって下さい。これを読んだか、はなから無視してしまうのとでは、その後にわたって読書に旺盛な意欲を持ちえるか否かの大きな差となって現れます。所詮コミック文庫しか相手にしない人なら本書「罪と罰」なんて検索しないでしょうね。ご健闘をお祈りします。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.27:
(5pt)

ロシアの文豪が生んだ永遠の「青春小説」

ドストエフスキーの作品で一番最初に紐解かれるのがおそらく本書だろう。確かに犯罪小説であるが、後期の作品に比べれば、それほど深刻な話ではないと思う。結局ラスコーリニコフは罪を認めるし、一緒にシベリアについて行くソーニャとの未来には希望がある。スヴィドリガイロフの毒牙から守るべく殺人を決意した動機となった主人公の妹ドゥーニャと親友ラズミーヒンの仲もうまくいく方向で書かれている。愛娘ソーニャを娼婦にしなければならなかったマルメラードフの苦悩と愛情には胸を打つものがある。この作品には人間愛が溢れている。ラスコーリニコフの老婆殺害に目を向けがちであるが、この作品の細部に込めた文豪の人間に対する確固たる信頼にも気を配りたい。まさに文豪が生んだ「青春小説」である。ちなみに新潮選書の江川卓氏の『謎解き「罪と罰」』はロシア語で書かれた本書のをさらに深く読むのに役立つコメンタールであるから、ぜひ併読されたい。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.26:
(5pt)

繰り返し読みたい作品

ラスコリーニコフは何故、高利貸は有害な職業なので、その職業の者は殺してしまっても罪にならないと考えたのか。それは、当時のヨーロッパ社会では高利貸は禁じられた職業だったのです。ですが、それは「人間」は就いてはならない職業であるから、ユダヤ人は人間ではないので高利貸になっても構わないと言う高利貸に対する非ユダヤ人のユダヤ人に対する意識が根底にあります。ここのところを知らないまま読むのと知って読むのとではこの作品との付き合い方が変わってきます。ただ、非ユダヤ人がユダヤ人の高利貸から金を借りることは合法でした。年齢を重ねるごとにこの作品の持つ意味は私の中で大きくなりそうです。繰り返し読んで人生の肥やしにしたいです。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.25:
(5pt)

思い出の作品なので。

ドストエフスキーを読み始めるきっかけとなった本。わたしの中でこの作品より上をいくものは今のところないですね。読み始めた頃はなんだか分厚いし、哲学書のように難しい本だろうな、と勝手に思っていたのですが、意外と普通の小説のようにスラスラ読めました。主人公の頭のきれるところ。ソーニャの生き方。二人の関係について深く興味を持った作品です。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.24:
(4pt)

自負あればよまねば

「選ばれし者は、~~しても許される」という思想に傾倒する青年の苦悩。手垢に塗れた本ではある文学といえば、ドストエフスキーが有名だが、その中でも有名な「罪と罰」だからこそ、やはり、読んでおくべきであろう。苦悩、恋愛、挫折など生を余すことなく描ききり、かなりのボリュームだが一気に読んでしまう。圧巻。クライマックス、最後の最後でのラスコリーニコフの「たった7年」というセリフには、個人的には、感涙した勢い余ってサンクトペテルブルグまで行って、彼の家まで行った。それほど、パワーのある本である
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.23:
(5pt)

「聖」と「俗」の見事な大逆転

将来英雄になるであろう非凡な人間は、それが英雄となるために避けられぬことであるならば、社会に有益でない人間を殺めても、許される。ナポレオンに心酔する主人公は、自ら築いたこの理論をもとに、高利貸しの老婆、さらには何の罪もないその妹までも惨殺してしまいます。たしかに歴史を紐解いてみても、ナポレオンのみならず、三国志の曹操や日本の織田信長の例もあるように、既成の概念を打ち破る人間とは、とかく他人の血を流すことを躊躇いません。これら負の英雄像を、チャップリンが映画「殺人狂時代」において、「ひとり殺せば悪党で、100万人だと英雄だ」と大いに皮肉ったことはあまりに有名です。主人公は、第一の殺人でいきなり精神的な行き詰まりに陥り、「英雄」となる前に平凡な「悪党」で終わることを恐れ、苦しむ。本書の大部分はこの非凡と平凡の狭間で揺れる主人公の心の葛藤で構成されています。この物語をいかに捉えるかは、読み手によって千差万別でしょう。私はシンプルに「愛の物語」と捉えています。なぜなら、上記の理論は彼を支える信念であっても、殺人の動機ではないと考えるからです。生活に苦しむ自分のため、富豪との愛のない結婚へ望もうとしている(と主人公は思い込んでいる)妹への愛。そして無力な自己への怒り。それらが相まって彼を殺人へ駆り立てたのではないでしょうか。しかし、平凡な人間に殺人は大事業です。それを完遂するための心の拠り所として、かの英雄論が浮かび上がってくるのです。が、すべからく英雄とは唯一無二のもの。他者を模範に英雄たらんと望む時点で、すでに彼は英雄の資格を失っており、自己の空想の中での「聖」の立場から、現実としての「俗」へ転落します。そんな敗者を救うのが、薄幸の娼婦という「俗」の象徴たるソーニャからの一点の曇りもない愛である、という点こそ、この物語の妙でしょう。主人公とソーニャだけではありません。帝政ロシア時代の輝ける首都サンクトペテルブルクは陰惨で気だるい空気に包まれ、その反面、最後の舞台であるシベリアの流刑地は、陽光の眩しい、さながら楽園のような場所。「聖」も「俗」も人間が作り出したものある以上、人間の意志ひとつでどちらにでも転じてしまえることを、この作品から強く感じることができます。多少取っ付きにくい文体ではありますが、読めば必ず得るもののある一冊です。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.22:
(4pt)

凄いパワー

世界文学と聞くと、とっつきにくくて苦手という人は、何気にこの作品から入ってもいいかも知れません。長さも丁度いいと個人的には思います。集中力のない私でも毎日読むことができました。徹夜で夢中で読んでしまう人もいることでしょう。タイトルも良いですね。罪とは何か、罰とは何ぞや?誰もが考えてしまう命題ですね。私はやはり愛によって人は新生することができるのだと思いました。物語の後も主人公は献身的行為をし続けていかなくてはならない、苦悩はなおも続いていくでしょうが、それでも最後の救いは感動です。特に現代の日本人にはこういう本が必要なのかも知れません。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.21:
(5pt)

不朽の名作

人間は社会との関わりの中で生きていかざるを得ない。自己と世界の関係を徹底的に見つめなおし、人間の真の尊厳のありかを探った不朽の大傑作。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.20:
(5pt)

ここまで深いとは・・・愛の小説

帝政ロシアの都、ぺテルスブルグに住む、大学生ラスコリーニコフは、赤貧で孤独でした。
彼は食べ物にさえ事欠き、「優秀な者は愚劣な者を殺してもかまわない」という
彼独自の論理で、高利貸しの老婆を殺し、金庫の金を奪います。
ところが、そのとき偶然居合わせた、何の咎もない老婆の妹を殺したことに、悩みだします。
下等官吏の娘ソーニャは、継母に強いられて、家庭のために街で体を売っていました。
でも、ソーニャは神への信仰を忘れてはいませんでした。
ラスコリーニコフから罪の告白を受けると、ソーニャは言います。
「十字路の真ん中に立って、ひざまずいて口付けしなさい。そして、神に自分が
人を殺した事を告白しなさい。」
ラスコリーニコフは、十字路の真ん中で、土にキスそします。
見ていた人々は、「気が狂っている」「彼は、聖なるぺテルスブルグに感謝しているのだ」
と大笑いします。
ラスコリーニコフは言います。「私は、人を、殺しました」
彼の告白を陰で聞いていたソーニャ。
ラスコリーニコフは警察に自首して、シベリア流刑になります。
シベリア行きの列車には、ラスコリーニコフと一生をともにしようと決意した
ソーニャが乗っていました。
男の魂を救う売春婦ソーニャ。この小説は二人の愛の小説です。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.19:
(5pt)

強烈過ぎる個性

『カラマーゾフ』と言い、ドストエフスキーの凄いところは、よくこんな人物を描けるなあと思わせる特異な人物を登場させる点です。彼らは似たり寄ったりではなく、実に強烈な個性を発揮しています。他の文豪、たとえばトルストイでは描けないような‘アク’の強いキラクターが生み出され、しかも重要な役回りを果たしています。社会の底辺に這いつくばって(あるいは迫害され)、生きる智恵を絞る民衆を描かせたらドストエフスキーの右に出る作家はいないでしょう。かと言ってそれだけではなく、地位や教養の高い人物も必ず登場していて(これもまた個性豊かで)、その接点や対比などがじつに面白く描かれています。漱石なども私の好きな作家なのですが、登場人物が全体的に知的レベルが高すぎるきらいがあります。あらためて話の内容については述べませんが、「読んで後悔しない名作」であることには間違いありません。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.18:
(5pt)

恐れながら……

ウラジミール・ナボコフに言わせるとドストエフスキーは「二流の作家」とのことである。思想的な側面を重視せず、美学的な側面に対して高い価値を置くナボコフらしい言い様である。まあ、ごみくず同然に扱われてるゴーリキーよりはましなんだけど。実はこの私、ナボコフの考えに結構賛同する所が多く、実は大上段に「思想を語る」小説は苦手だったりする。当然、ドストエフスキーの作品とは相性が悪い。『悪霊』なんか「文学愛好家」の意地で読んだところが強く、殆んど苦行ですらあったぐらいだ。私は難解で有名なヘンリー・ジェイムズやフォークナーの作品を読んでいる人間だが、どうも「思想」とは合わないらしい。しかし、『罪と罰』は例外だ。これは文句なく素晴らしい。一級のミステリーとしても充分評価できるし、思想的な側面も(私のような思想嫌いでも)堪能できる。ラスコーリニコフとソーニャの関係に目を向ければ恋愛小説としても読める。あと、訳者の工藤さんの訳、テンションがとにかく高い!
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.17:
(5pt)

ここまで深い作品とは・・・愛の小説

ロシアの大学生ラスコリーニコフは、赤貧で孤独でした。「優秀な人間は、高利貸しを殺してもかまわない。」という独自の発想により、彼は高利貸しの老婆と、偶然居合わせた老婆の妹を殺します。偶然とはいえ、何の咎もない老婆の妹を殺したことに、ラスコリーニコフは悩みだします。彼が偶然出合った、少女ソーネチカ。彼女は、家庭を支えるために、継母に言われて、街で体を売っていました。しかし、ソーネチカは、神への信仰を失っていませんでした。ラスコリーニコフに、犯した犯罪を告白されると、彼女はいいます。「十字路に立って、地面に口付けをして、神に罪を犯したことを告白 しなさい。」罪の意識にさいなまれていたラスコリーニコフは、十字路に立って地面に口付けをします。それを見ている街の人は、「頭が狂っている」「彼は聖なるぺテルスブルグに感謝しているのだ」と大笑いします。ラスコリーニコフは大声で叫びます。「私は、人を、殺しました。」彼の告白を陰から聞いていたソーネチカ。警察にラスコリーニコフが自首し、シベリアに流刑になります。その列車には、一生を彼と過ごそうと決意した、ソーネチカが乗っていました。罪を犯した男の魂を救う売春婦ソーネチカ。「人はなぜ殺人をしてはいけないのか」という主題とともに、ソーネチカのラスコリーニコフに対する愛の描写がとても良いです。世界的な傑作で、星5つです。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211

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