■スポンサードリンク


罪と罰



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

罪と罰の評価: 4.33/5点 レビュー 440件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全369件 321~340 17/19ページ
No.49:
(5pt)

何を隠そう・・・

私は本を読む気は満々なのに、本を読むのが苦手。 本棚には読んでない本ばっかりが増える一方な私。 そんな私がカッコつけて「罪と罰」を手にとってしまいました(笑)。 最初の方はぶっちゃけかなり苦痛でした。 しかし、物語が進むうちにどんどん引き込まれ、夜も寝ないで読んでおりました。 やっぱり時を越えて読まれている本は本物だなと思いました。 とにかく人間の洞察力が鋭く、主人公が身近に思えてきます。 終わり方も満足しました。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.48:
(5pt)

ああ青春

とにかくドフトエフスキーはあたしの青春と言っても過言では無いと言うのは過言でしょうか?この罪と罰、いわゆる人間と人間の感情移入の紛争と言っていいでしょう。 あの時あたしは、その時きみは、そんな事を思ってしまいDILENMAにまってしまいます。 しかしそれがドフトエフスキーでしょう。 最高でしょう!
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.47:
(5pt)

あらすじではわかりません

少し前に「あらすじで名作を読む」とか「名作が五分でわかる」とかそんな感じの本がやたら本屋にありましたが(今もあるのかな?)、この本のよさはあらすじだけでは絶対わかりません。    まず人を殺すの早すぎです。 殺人は、机上の空論ではなく実際に行動をおこした者として、主人公のことばに説得力をもたせるためだけのもので、サクッと終わってしまいます。    この本の醍醐味がもっと別のところにあることは読まないとわかりませんよ。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.46:
(5pt)

存在のすべてを受け入れれば・・・・

この本に書かれている「罪」と「罰」。 私はこのように解釈しました。 自分を特別な存在とみる「罪」、無意味さを受け入れること、それがこの罪に対する「罰」。 人をも切り裂く高慢さ、そして埋没していく不安。 その前提がなければ味わうこともない焦燥。 美や正しさ、高みに憧れをもつものなら誰でも陥りやすい「罪」。 罪を憎む「罪」。 ある価値のみ価値とする「罪」。 対して存在のすべてを受け入れること、それが愛。 しかしそこに到達するまでの絶望的な道程、それが「罰」。
罪と罰〈下〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈下〉 (岩波文庫)より
4003261372
No.45:
(5pt)

秀逸な人物・心理描写

 かなり長い小説ですが、登場人物たちの個性が非常に強く、異様なテンションの高さが始終継続していて、想像していた以上に面白く読み進めることができました。
 個人的には、主人公Raskolnikovがお気に入りです。彼は序盤でいきなり女性二人を惨殺してとことん悪印象を与えておきつつ、物語が進むにつれ、貧しい家族にお金をあげたりして、実は結構いい奴です。主人公に限らず、一人一人の登場人物が、単純には割り切れないキャラとして細かく深く描写されているところが面白いです。
 また、登場人物の心理描写の緻密さも秀逸です。とくに主人公が罪を自覚して不安・恐怖・葛藤に苦しむ様子はリアル過ぎて、著者は実際に人をあやめた経験があるのではないかと疑ってしまったほどです。
 読み終えたとき、「主人公とSonyaはこの後どうなるのだろう」と、とても気になりました。著者には、お亡くなりになる前に、 是非”Crime and Punishment Part 2を書いて欲しかったです。
 
 ちなみにロシア人の名前はただでさえ複雑なのに、あだ名で呼ぶ場合まであるので混乱しました。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.44:
(5pt)

5★究極の結末が待ち伏せ、頑張って読破した人だけが出会う「生きてく力」

「涙」なんて安い言葉じゃ表現できんな、コレは。この本の中には、
追詰められた人間の本能が詰まってる。今まで自分は、誰にも言えない
様な失敗もしてきたし。誰にでも言いふらしたい様な成功もしてきた、
けど。そんな価値基準全部ひっくりかえっちまったよ。ここに描か
れてる絶望に比べれば、俺の人生なんてまだ何度でもやり直しが効く
じゃねぇか。なんか逆説的だが力をもらったな。長‾い暗‾いトンネルが
延々と続くこの物語に。「生きてく力/明日を信じる力」をもらったな。
いつかキット光が見えてくるんだ。

 主人公も痛々しいが、なんと言っても脇役陣の存在がキツすぎる。
この物語には人間のすげぇ嫌な部分が露骨に暴かれてる。人間の傲慢、
人間のズルさ、人間のみにくさ、人間の愚かさ。人間はこんなにも弱い
存在だからこそ、それを素直に認めた者だけが変われるんだ!自分の弱さ
を客観視できない奴は、成長できない退化するだけだ。確かに俺はラスコ
より低能だが、片親極貧学生の彼より多くのチャンスにめぐまれてる。
それを活かせないなら生きててなんの意味がある?

PS●主人公の独白も読ませるが、饒舌な脇役たちの台詞に惹き込まれる。夢の暗示などレトリックも特級品だ。原文で読めない自分が悔しい。正直はじめてロシア人が羨ましく思えた。江川・新訳も◎読み易い。こんな名作を今まで敬遠してて損した。思春期に読めなかったのは、著しい機会損失だった。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.43:
(5pt)

何とも申しようがなく凄い

私がこの『罪と罰』で特に着目したのはドストエーフスキイの卓越した文章能力です。日本語訳ですからやはり訳者が上手いということも一因として挙げられるでしょうが、小説の世界の中で異彩を放つと言いましょうか、見たこともないほどに優れた文章です。具体的にどのような表現が立派なのかを挙げることは出来ません。全体として、とにかく素晴らしいのです。文学評論家でもなんでもない、論理的に文のよさを説明できるわけでもないこんな私にもレビューを書かせるだけの興奮を与える文章です。その純粋な文章力もさることながら、主人公のラスコーリニコフを始めとした人物の心情描写がとても面白くてドストエーフスキイが天才である所以、この本が名作として語り継がれている所以をまざまざと感じます。全く言い過ぎというものはありません。物語自体の纏まり、感動性も非常に優れていて、一見難しげな表現もなくはないのですがそれもすらすらと自然に入ってきます。あまりこういった言葉を使うと胡散臭さのようなものが出ていけませんが、この世のものとは思えないという表現がまさに当てはまる真の世界の名作です。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.42:
(5pt)

読みやすい

新潮社(工藤訳)より、こちらのほうをお勧めします。特に初めて読まれる
方や、本を読むと目が疲れるという方には特に。理由は以下の通り。
 新潮文庫は見開き41字×36行で上下巻。岩波文庫は見開き39字×32行
で上中下巻。紙の色も岩波のほうが読んでいて眩しく感じなかったです。
 訳ですが、私はどちらも味があって好きなのですが、岩波の江川訳のほう
が読みやすいと感じました。
 また、江川のほうは巻末に結構詳しい訳注があり、参考になります。
 この作品は著者の中で一番好きですね。これから入って他も読むようにな
りました。人物の思想が絡んだ心情は実に緻密で、よくもここまで表現でき
るものだ、と思いました。主人公に限らず一人一人の人間が濃いです。
 一生のうちで読んでおかなければならない本だと思います。できれば若い
うちに。何度読んでもその都度違った味がしていいものです。
 内容は、文句無しの星五つ。読みやすさも五つでいいかと。それから文字
の大きさですが、多分同じでしょう。なんとなく岩波のほうが大きい気もす
るのですが。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.41:
(5pt)

名ばかりではない不朽の名作・・・

この作品を軽い気持ちで読まないで欲しい。安易な解釈ばかりされているようで残念だが、この作品のテーマである「罪と罰」とは単に主人公ラスコーリニコフの犯罪の事を言っているのではなく、人間全体を大きく見渡したものだからである。恐ろしく冷たい視線で書かれた物語で、ラストが必ずしもハッピーエンドではないと解ったとき、私は思わず戦慄した。思想のために生きるという、人間だけが持つ矛盾。そしてその後に待っているもの・・・この本を手に取り、読んだ人は幸いである。私は生きているうちにこの本を読めて心から良かったと思う。蛇足だが、夏目漱石の「こころ」と合わせて読むことをお薦めする。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.40:
(5pt)

A good read

Dostoyevsky's Crime and Punishment is the first classic detective story. But that is not even where it excels. With the Brothers Karamazov, it elevated Dostoyevsky to a mega writer when it comes to dissecting the mind and soul of characters for the readers. It is a great book of psychology. While it competes with Anna Karenina as the most widely read 19th century Russian novel in the English-speaking world, it is judged by many to be superior in its depth and lessons. The book's hero exemplifies all young ideologues who are wrestling with a new idea which they think can elevate them to the levels of great historic figures in their initial steps towards greatness. Often, a barrier has to be crossed which takes the potential legendary figure into an irreversible course. In Crime and Punishment, Raskolnikov who is the hero is a poor, intelligent and thoughtful student who is convinced that he has a mission for the advancement of mankind. He convinces himself that the mission has to start with him crossing over to greatness by robbing and killing an old woman, a pawnbroker, whose death, he had convinced himself would do the world more good than harm. This conviction is based on his judgment that she cheats her clients and holds money that could be used for humanity. He then commits the murder, but is forced to kill the pitiful Elizabetha, the landlady's sister. The novel begins its twists and turns after these murders, with the introduction of the cunning detective who gets to investigate the murder and makes Raskolnikov his principal suspect. Raskolnikov gets to meet the destitute Marmeladovs through the alcoholic father, and is distraught by the plight of his consumptive mother, her three young children, and Sonya-Marmeladov's eighteen-year old daughter who is forced into prostitution in order to support the family.By doing a rich psychology development of his characters, Dostoyevsky made his characters more complexly human, yet reachable. Sonya emerges as a saintly figure who sins for the sakes of those she loves , and who is the mirror through which the so-called devilish characters are redeemed. The plot is rich, deep, enjoyable and action-packed; and the pace is fast and engaging. The overriding strength of the story is the conflict in Raskolnikov's soul, a conflict which began in his quest to be the "Extraordinary Man" like Napoleon, by stepping over the basic bounds of morality by committing murder. That conflict in his soul brought out the rich ideas, discussions and emotions from the characters that interacted with him.Also recommended: DISCIPLES OF FORTUNE, THE BROTHERS KARAMAZOV, THE UNION MOUJIK
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.39:
(5pt)

ハッピーエンドとは…

国家・社会などを描きつつ、一青年の心の動きを描いた「罪と罰」は、すばらしいお話でした。
主人公ラスコーニコフの苦悩は、一種青春の麻疹(はしか)と位置づける。ただ一度、罪無き少女まで殺めてしまう事で、彼の苦悩は深まる加速度を増してしまったのでしょう。
この巨編では、母・妹、ラズミーヒンらの友人のあり方が素敵でした。また、俗物オヤジ達や名刑事ポリフィーの存在は強烈です。あと、中年の奥方の逞しさに驚いた。
終章、「シベリア。」と始まったときには、「彼はついに」と感じた。ところが、知人の娘ソーニャの振る舞いに彼は生きる希望が開けた。しかも、そこで筆を止めたドストエフスキーの技には、降参である。
中年親父が書くのはとても恥ずかしいことですが、「罪と罰」がハッピーエンドとは知らなかった。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.38:
(5pt)

『罪と罰』は、たえず変化する小説である。

 この作品について多くの研究がなされており、学問的には出尽くした感がありますが、まだまだ『罪と罰』は私たちの前に立ちふさがっています。 『罪と罰』は、読者にあわせて変化する多様な「読み」を許容する作品だと思われます。だから、ある「読み」でつかんでも、また『罪と罰』は新しい別の形で現れてくる。ときには、探偵小説、ときには人生と死についての教化小説、そして形而上小説、またペテルブルグを主人公とする小説といったふうに。またそれとともに、主人公も変わっていきます。最初は、もちろんラスコーリニコフを追いかけます。けれども、もう一度読むと、私たちは別の人に出会います。ソーニャ、ラズミーヒン、ドーニャ、マルメラードフ、スヴィドリガイロフ。 物語も人物たちもたえず動いているので、完全に私たちは『罪と罰』をつかまえられません。バフチンも、『死霊』もドストエフスキイの作品のごく一部しかとらえていないような気がします(どちらも、おもしろいことに変わりはないんですが)。 私は、『罪と罰』を何度も読み、わかったということができるのか、はなはだ不安になってきます。その不安を解消するために、また読む。そしてまた不安に陥る、という繰り返しです。 埴谷雄高は、ドストエフスキイを「成長する作家」であるといいました。『罪と罰』は、私たちの成長にあわせて成長する。そのような変化する巨大な小説であると思います。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.37:
(5pt)

多面的な小説

この小説はジャンル分け不可能だ、というのは訳者の江川卓さんもおっしゃっていることですが、
私自身は思想小説的雰囲気を味わいながら読んでいました。
不思議なことに、推理小説だとは微塵も思わなかったのです。
しかし考えてみると本当に多様な読み方のできる小説で、読むたびに新しい発見が
あるからすばらしいのですね。
読んだことはなくても大体の話は知っているという方もたくさんいらっしゃると思われますが、
この小説はある若者が金貸しの老婆を殺せば皆が幸せになれるという
思想にとりつかれ、ひどく悩むのですが・・・という話です。
ミステリー的要素の他にも注目できるところはたくさんあります。
翻訳された本の苦手な私も読めました。
それは一つは作品自体がすばらしかったということ、
もう一つはやはり名訳だったということが言えるのでしょう。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.36:
(5pt)

罪と救い

もう紹介するのもいまさら…という名作ですが、 「おもしろくてずっしりしていて、深い」本です。 殺人をするラスコーリニコフの動機が、現代的でびっくりします。 こんな人、今の日本のどこかにもいそうです。 人を殺すというのはどういうことか。 そして、その重い重い罪は、どうやって償われていかなくてはならないのか。 深い罪を負った人間を救うのはなんなのか。 テーマは重いのに、お話はミステリみたいで飽きさせません。 登場人物で好きなのはやはりソーニャです。 マリア様のような、観音様のような女性だと思います。
罪と罰〈上〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈上〉 (岩波文庫)より
4003261356
No.35:
(5pt)

すべてを乗り越える愛

これほど素晴らしい愛の小説は、他にはありません。 人間が犯した罪を償うことができるのは、愛だけなのです。
罪と罰〈下〉 (岩波文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰〈下〉 (岩波文庫)より
4003261372
No.34:
(5pt)

ミステリー仕立ての名作。

私が知る「古典的」長編小説の中で、かなり読みやすい部類に入ると思います。一つの微細な悪は百の善行に償われるという理論の元、老婆を殺した主人公ラスコーリニコフ。そこに立ちはだかる刑事ボルフィーリイとの心理的な駆け引き。ミステリーの原点ともいえる見所があります。前編では終わりの方に少し二人のやりとりがあるだけですが、後編でボルフィーリイがじわじわと追い詰めるシーンは『古畑任三郎』を想像させます。もちろんそれだけではありません。妹と母の突然の上京。そこに共に現れた婚約者。街を放浪する主人公の前に現れるソーニャ。人物それぞれが主人公と複雑に絡み合い、彼の運命を決定づけていきます。とても精巧に描かれた緻密な物語です。読み始めると、ロシアの長い人名と饒舌な登場人物に苦しめられますが、最後まで、後編まで読めば「面白かった」と言える小説だと思います。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.33:
(5pt)

現代に生きる重い問いかけ

 自らの出世のために、世の中の役に立たないと判断した金貸しの老婆を殺害した主人公の若者。独自の「殺人理論」で武装する若者の周囲で、極限の生活にあえぐ人間群像がロシアの都会の片隅で繰り広げられる。若者は救われるのか、この世界に希望はあるのか。「勝ち組」「負け組」という一種、露骨な言葉で人間を峻別する現代、ドストエフスキーの問いかけは重い。 ナニワ金融道で知られる故・青木雄二氏が座右の書とした古典的名著。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.32:
(5pt)

やっと読み終えました

この物語はロシア革命よりも前に書かれたもののはずで、その頃のロシア人の人民性など自分には全く知る術も無いのですが、この物語に出てくるロシアの男たちの考え方は、真面目で、真剣で、そして暗いように自分は感じました。そして考えた結果や行動も暗く、何だか救いすら無いような気がします。ロシアの男たちは昔から、昼間からウォッカを、あおっていたらしく、この物語にも救いようの無い酔っ払いが出てきます。そして彼らは、しっかりとした考えを持っているにも関わらず(だからこそ?)働きません(自分はNHKの番組で見たのですが、ロシア人の平均死亡年齢は年々下がっているらしく、その原因は男たちの酒の飲み過ぎにあるらしいです)。それに対して物語の中の女性たちは、とても元気で良く働いているのが、唯一の救いです。ロシア人に較べれば、日本人は、それほどに深い考えを持っていないけれど、普通は生活のために働いています。自分の信念のために働かないのと、あまり深く考えないで生きていくために仕方が無く働くのと、どちらが良いのかと言えば自分は日本人であるので後者であると思います。主人公も同様に、真面目で真剣なのですが、鬱々としていて、何日間も身動きすらできなくて、もちろん働きもせず、起こした行動と言えば「人殺し」でした。この物語の中で最も印象に残ったのは、主人公の夢の中で、老いぼれた馬車馬が、大勢多数にリンチされているときに、主人公(夢の中では子供)が父親に助けを請う場面です(この馬車馬は殺されるまでリンチを受け続けました)。「フランダースの犬」の「パトラッシュ」も、そうだけれど、道具として扱われていた動物たちは、今では考えられないくらいに残酷な扱いを受けていたものも居たようです。この場面で「ニーチェ」という哲学者が狂気に陥る前に、やはり主人に残酷な扱いを受けている馬に抱きつくエピソードを思い出しました。上巻は一応、最後まで読めましたが、余りにも陰鬱としていたので下巻には手が出なさそうです。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.31:
(5pt)

素晴らしい。

読んでよかった。完璧に読みこなせたわけではないし、わからないこともたくさんあるが、それでも読んでよかったと思える本。ハリー・ポッターしか読まなかったぼくが、なんかよくわからんが凄い!と思えた本。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211
No.30:
(5pt)

救済

 恵まれない生活環境、鋭敏な頭脳から生まれた独自の哲学、どちらが理由であったにせよ老婆を殺害した主人公ラスコーリニコフ。すべてがうまく運ぶが、どうにも心は晴れない。そんな彼の魂を救済した自己犠牲に徹した生き方をしている幸薄の女性ソーニャ。彼が殺人を彼女に告白したシーンは、読んでいて震えがとまらなかった。 警察に向かう彼が躊躇し後ろを振り返ったとき、ソーニャが悲しそうな顔をしてたっているのを見て結局自首する場面で、彼の思想のベクトルは彼女の愛によって救われ方向を変えた様に感じた。 ドストエフスキーの作品としては「たった七年」の言葉からもわかるように珍しくハッピーエンドとなるこの作品。読み終えた後味も非常によかった。個人的にはソーニャのような女性に会ってみたい。現実にいるのかはともかくとして・・・・ 一番好きなシーンはラスコーリニコフがソーニャに対して跪くシーン。「僕は君に跪いたんじゃない。世界中の全ての不幸に対して跪いたんだ」こんな台詞回し、今後お目にすることはできないだろう。
罪と罰 (上巻) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:罪と罰 (上巻) (新潮文庫)より
4102010211

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!