■スポンサードリンク


狙撃手のゲーム



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

狙撃手のゲームの評価: 3.75/5点 レビュー 24件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21~24 2/2ページ
<<12
No.4:
(3pt)

『ジャッカルの日』と並べるのは…

お馴染みスワガーの今回の相手はシリア生まれの凄腕スナイパー・ジューバ。彼が米国に潜入して企てるテロをスワガーとFBI、モサドの面々が如何にして阻止するかというお話である。帯にフォーサイスの『ジャッカルの日』に匹敵する傑作と云わんばかりの惹句があるが、そりゃ無理無理。
『ジャッカルの日』の舞台となった1960年代と違って現代のマンハントには電子的な手段が使い放題な上、追っかける側がなぜだか天才的なひらめきの持ち主ばかりで、ジューバを追いつめること度々。それをまた、偶然に助けられてまんまと逃れるジューバとの丁々発止が上下巻にわたって延々と続くのだ。スワガーの視点とジューバの視点が交互に描かれるのだが、実のところスワガー視点の章だけを読んでも何も問題がない。ジューバは高度な射撃技術と抜け目なさを併せ持った男ながら、プロフェッショナルというより射撃オタクに思えていまいち魅力に乏しいからだ。時の仏大統領を狙う謎の暗殺者・ジャッカルとパリ市警のルベル警視の攻防を緊張感あふれる筆致で描いたかの名作と並べようなんておこがましいな。
但し、面白いことは面白いし、十分楽しめますよ。
狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)Amazon書評・レビュー:狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)より
4594082777
No.3:
(2pt)

面白いがかつての勢いはもうない

面白いか面白くないかで聞かれれば面白いんだけれど、なんかもう終わった作家なんだなという感じがところどころしてしまった。僕が彼の作品を小学生のころから読んでいるから面白いと感じるだけで会って、そうでない人がこの本を読んでも面白いと思うかは正直分からない感じ。

まず今回の敵はあるシリア人のスナイパーなのだけれど、なんかこう設定がチープというか、アメリカ的すぎてちょっと寒さを覚える。イラク戦争、ヘイトクライム、右翼・左翼、イスラム、そんな感じ。

物語のエンジンはボブ・リー・スワガーではなく、この敵のスナイパーに息子を殺された素人の母親で、彼女が超人的な働きで国家の危機もボブ・リー・スワガーの危機も結局は救う。そんな馬鹿なという感じがしたが、作家のあとがきをよむと何か個人的な付き合いからそういう構成にしたらしく、特有の伏線を上手く回収しつつ物語を進める作風は見る影もなかった。

今回の作品はひたすら犯人の居場所を突き止めては急襲し、逃げられというのを繰り返す。とにかく敵のスナイパーに行きついていく過程が、何か脈絡がないというか、天才的な人達が天才的な発想でキーを見つけちゃいましたというのがずっと続く。

途中で敵のスナイパーがスナイピングの練習の際に、使ってる測定機器に少し違和感を覚えるシーンがある。計器できちんと測定してるのだけれど、何でこんなに着弾点がずれるんだ?という感じの。確か魔弾でも使っている計器のちょっとした誤差が結局は命取りになるみたいなのがあったので、今回もそういう風につながると思いきや、結局伏線でもなんでもなかった。他にもこれは伏線かな、というのが何点かあったのだけれど、特にそういうわけでもなく、何かこういう作風の人だったかなと思ってしまった。

また敵のスナイパーと彼の世話をする若者の友情みたいなのも描かれ、ダーティ・ホワイト・ボーイズっぽい感じに行くかと思いきや、良く分からない退場をしてよく分からない再登場をしてよく分からない退場をし、何がしたかったのか分からなかった。最後の退場シーンは良かったけど、何かこう違う方向で話を膨らませられたのではと思う。他にもこのキャラクター出す必要ある?みたいなのが2人ほどいた。

最近聞きかじったであろうダークウェブだとかを出したり、敵のスナイパーの目的があまりにも今風すぎるというか、ネットで政治談議をしている連中と同じような発想で、最近新しいことを覚えたおじいちゃんが一生懸命にそれを披露する感じが透けている所も何か歳を感じた。

一番がっかりしたのが、ボブ・リー・スワガーと敵のスナイパーの最後の戦い。前述の母親がとっさのアイディアで敵の真の目的を暴いて、それをするにはこの辺にいるはずだとヘリコプターで急襲し、ぱぱっとみつけてボブ・リー・スワガーがさくっとスナイピングで射殺。何の緊張感もなかった。超長距離のスナイピング合戦になると思っていただけに、がっかり。

面白いと思ったのが、作者の政治観。なんとなく戦争大好き・自称愛国者っぽい人だと長年思ってたのだけれど、イラク戦争なんて無駄で何の意味も大義もなく、若者が政治家の票稼ぎで殺された、という作者の思想が作品のところどころに顔を出す。意外とリベラルっぽい人なんだなぁと思い、それが意外だった。
狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)Amazon書評・レビュー:狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)より
4594082777
No.2:
(5pt)

蘇るハンター

「11日間」(リー・カーペンター)は、特殊部隊所属の一人息子が行方不明になり、その安否をひたすら待つ「母親の物語」でした。そのことが頭を掠めながらこの小説をじっくりと読むはずでしたが、一気呵成、とんでもないページ・ターナー、ジェット・コースター・ノベルでした。
 「狙撃手のゲーム(上・下)”Game of Snipers”」(スティーヴン・ハンター 扶桑社)を読む。いつものLegendaryボブ・スワガーが登場しますが、ボブのアイダホの牧場にバグダッドで敵スナイパーの犠牲になった海兵連隊兵士の母親ジャネットがボブの下を訪ねてくることがこの物語の発端です。「極大射程」からおおよそ20年。ハンターも少し作品のボルテージが落ちてきたのかと危惧したこともありましたが、心配ありません。今回はその時以上の興奮がきっと蘇ることになると思います。
 今回もまた、多くのことを書くことができませんね。スリラーについて書くことの「困難さ」と向き合いながら(笑)
 72歳の老シューター、ボブ・スワガー対シリア人、天才スナイパー、ジューバ。舞台は、シリアからアメリカへ。イスラエルが登場し、ミシガン、オハイオ、カンザス、そして今年発売された翻訳小説群の中ではヤマヨモギが連なる「荒野にて」、ジョー・ピケット「鷹の王」、ジャック・リーチャー彷徨う「ミッドナイト・ライン」の土地へと体感的には超高速で物語は推移していきます。そして。。。まあここまでが本当に書ける限界だと思います(笑)
 元FBI、ニック・メンフィス、FBI、チャンドラーも登場し、特にモサドの情報分析官がいぶし銀のキャラクターで登場します。
 西欧世界におけるジハードの脅威、ダーク・ウェブ、メキシカン・カルテル(もはや欠かせない存在(笑))、衛星とドローン画像、上巻は他のスリラーでもよくあるような正攻法のストーリー展開のまま(それはそれでとてもスリリングですが)、下巻はおそらく多くの読者を最良の意味で「裏切る」、<2019年>の翻訳出版がとても意義深い展開に翻弄されることになるのだと思います。ツイストが、もう一度ツイストしてこたえられない(笑)。今回もまた多くの重火器、装備に関する説明、蘊蓄も健在です。(「11日間」を引き合いに出すまでもなく、戦争で子供を失った母親の満たされない心情もまた<文学>を超えて受け取れると思います)
 
 スナイパー、ジューバは、一体誰をターゲットにしているのか?狙撃に関係する要素と判断した属性のすべてが反復され、ボブを含む捜査側はまるでディーヴァーの"リンカーン・ライム"のように推理を積み重ねます。一体どこで、どうやって、誰を?
 そう、そしてスティーヴン・ハンターが書いたスリラーですから、最後は〝クレイジーなじいさん〟による大いなる"Time to Hunt"を迎えることになります。
 繰り返せ。蘇るハンター、「さあ、狩りのときだ」
狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)Amazon書評・レビュー:狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)より
4594082777
No.1:
(5pt)

2年半振りの正当なスナイプアクション(原題:Game Of Snipers)

ある女性から息子がなぜ死んだのか調べて欲しい、と言われたボブリースワガー。

んその殺害の理由を調べている時、母振りは恐るべき好敵手の狙撃手に出会うことになる。

スナイパー大スナイパーの行き詰まる戦いの結末やいかに、と言う話。

今回はボブリースワガーが多数の悪党達と戦う、というより、スナイパー同士の息詰まる死闘を描いている。
2年半振りの大作は、ファンには十分楽しめる出来になっています。
狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)Amazon書評・レビュー:狙撃手のゲーム(上) (海外文庫)より
4594082777

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!