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夏の終わりに君が死ねば完璧だったから



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夏の終わりに君が死ねば完璧だったからの評価: 4.28/5点 レビュー 25件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

べたではあるがきれいなお話

分かりやすい文章や構成、登場人物たちなどからすんなりと読める。
二人の選んだ『正解』や『証明』の方法、考え方にも引き込まれ、読後感はとても爽やかだった。

ただ個人的にはタイトルなどからもう少し曖昧さのようなものを期待していたので、少しイメージと違っていた。
たぶん作中としてもそういう曖昧さを残す要素が込められていると思うのだけど、そのわりに登場人物の動き方がくっきりしすぎているというか、負った役割が明確に過ぎていてあっさりした印象を受けてしまう。
あとがきにもある「証明できるのか」というテーマについて、本質的にそれを否定しうるものが存在しないように感じるのが、物語がはっきりし過ぎているようにも感じてしまう理由だと思う。
弥子とエトの関係性についてそれを否定しているものがモブであるマスコミ程度しかなく、大まかの人物たちがそれを肯定している動きをしているのと、なにより当人同士にそうした要素はなく、きれいに通じ合っている印象が強いためテーマ的には証明できている、正解できている……ように思えてしまう。
エトという「少年」の物語なのだとすればその分かりやすい構図というか世界観のようなものは好感が持てるが、エトを視点とする「証明」の物語なのだとすれば、彼の家族や遊川のエピソードなどにはもう少し別の役割を持たせてもよかったように思う。

きれいな物語ではあるしそれ自体は好きだったが、タイトルなどからイメージする深く考えさせられるようなものはあまり受け取れなかった。
少なくとも三億円という要素が二人の間にそれほど強い影響を落としている印象はあまりなく、なんなら金塊病という病でなくともそれは「遺産相続などで急に大金が手に入る(入った)」のような題材で多くの映画や小説、果ては漫画などでも大なり小なり主なり副なり描かれてきたある意味お決まりのテーマだともいえる。あえてその価値と想いの部分に焦点を当てた物語としては、それら以上の解答や、あるいは問いかけを与えるものではなかったと感じた。
過度の期待がなければこのきれいなお話にも、もっと感動できたと思う。

あとこれは細かい部分というか編集さんの仕事だと思うけれど、冒頭から中盤にかけて行頭の空白忘れがあったり、北海道の方言が地の文に使われていて耳慣れない響きに困惑することがあった。
夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:夏の終わりに君が死ねば完璧だったから (メディアワークス文庫)より
4049125838

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