イタリアン・シューズ

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評判

イタリアン・シューズの評価:

4.38/5点 レビュー 16件。 B ランク

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平均点4.38pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 1〜20 1/2ページ
No.34
(5pt)

存在と時間

ヘニング・マンケルの作品で有名なのは『刑事ヴァランダー』全18巻で、したがって彼は「推理作家」というカテゴリーに入れられているが、どうして『イタリアン・シューズ』とその実質的な続編である『スウェーディッシュ・ブーツ』は存在と時間あるいは存在と無を意識した作品で、彼自身「いずれ推理作家がノーベル文学賞を取る」と言ったのは「・・の誰かが」ではなく「自分が」ということではなかったか思わせるぐらいで、この二つの非推理作品はその方向への決意を示したものではなかったか。とすればそこに至る前に逝ってしまったのは惜しい。一方、こちらは実際にノーベル文学賞を受賞した川端康成の『眠れる美女』と比較してみると、ほぼ同じ歳の作者が、同じ老年に向き合った作品として、あまりに違うものになっている。これを文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、国柄、習慣、伝統その他地域的な個別事情とは別に人間として見たときに、「フレドリック・ヴェリーン」と「江口老人」の違いは何なのだろうと思ってしまう。二人の「老人」に共通するのは年相応の性的能力の衰えに対する寂寥と、なお消え去らない女性への関心であるが、その精神的健康さの度合いは比べ物にならない。後者(江口老人)はまさに死者と同衾する死者同然の者だが前者は今生きて時間をたぐっている存在そのものである。その川端を美意識という観点から盲目的に評価する向きもあるが、そういう人には是非この『イタリアン・シューズ』と『スウェーディッシュ・ブーツ』を読ませたい。美とはまさに存在の美しさであり力強さであり、優しさであることを知らせるために。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.33
(5pt)

存在と時間

ヘニング・マンケルの作品で有名なのは『刑事ヴァランダー』全18巻で、したがって彼は「推理作家」というカテゴリーに入れられているが、どうして『イタリアン・シューズ』とその実質的な続編である『スウェーディッシュ・ブーツ』は存在と時間あるいは存在と無を意識した作品で、彼自身「いずれ推理作家がノーベル文学賞を取る」と言ったのは「・・の誰かが」ではなく「自分が」ということではなかったか思わせるぐらいで、この二つの非推理作品はその方向への決意を示したものではなかったか。とすればそこに至る前に逝ってしまったのは惜しい。一方、こちらは実際にノーベル文学賞を受賞した川端康成の『眠れる美女』と比較してみると、ほぼ同じ歳の作者が、同じ老年に向き合った作品として、あまりに違うものになっている。これを文化の違いと言ってしまえばそれまでだが、国柄、習慣、伝統その他地域的な個別事情とは別に人間として見たときに、「フレドリック・ヴェリーン」と「江口老人」の違いは何なのだろうと思ってしまう。二人の「老人」に共通するのは年相応の性的能力の衰えに対する寂寥と、なお消え去らない女性への関心であるが、その精神的健康さの度合いは比べ物にならない。後者(江口老人)はまさに死者と同衾する死者同然の者だが前者は今生きて時間をたぐっている存在そのものである。その川端を美意識という観点から盲目的に評価する向きもあるが、そういう人には是非この『イタリアン・シューズ』と『スウェーディッシュ・ブーツ』を読ませたい。美とはまさに存在の美しさであり力強さであり、優しさであることを知らせるために。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.32
(4pt)

老人の止まっていた時計が、動き出す。

スウェーデンの小島で、孤独に暮らす元医師のフレデリック、66歳。取り返しのつかない医療ミスを犯した後、島に来て12年になる。共に暮らすのは犬と猫だけ。会話するのは毎日2時頃にやってくる郵便配達人のヤンソンだけ。そんな冬の日、37年前に捨てた恋人ハリエットが訪ねてくる。これをきっかけにフレデリックの人生の時計が再び動き出すのだった… スウェーデンの冬の荒涼とした白い風景と主人公の悲哀がかさなり、胸にせまる。フレデリックが様々な人と交流して行く中、コミカルなシーンもはさまれていく。続編「スウェーディッシュ・ブーツ」があるようなので、そちらもこれから読むことに決めた。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.31
(4pt)

老人の止まっていた時計が、動き出す。

スウェーデンの小島で、孤独に暮らす元医師のフレデリック、66歳。取り返しのつかない医療ミスを犯した後、島に来て12年になる。共に暮らすのは犬と猫だけ。会話するのは毎日2時頃にやってくる郵便配達人のヤンソンだけ。そんな冬の日、37年前に捨てた恋人ハリエットが訪ねてくる。これをきっかけにフレデリックの人生の時計が再び動き出すのだった… スウェーデンの冬の荒涼とした白い風景と主人公の悲哀がかさなり、胸にせまる。フレデリックが様々な人と交流して行く中、コミカルなシーンもはさまれていく。続編「スウェーディッシュ・ブーツ」があるようなので、そちらもこれから読むことに決めた。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.30
(4pt)

ヴァランダー・シリーズより読み応えあり。

気晴らしにミステリー小説を読んでみようと思い、ヘニング・マンケルの本を内容も調べずに入手してしまいました。
読み始めて本書がミステリー小説ではないことに気が付き、訳者あとがきを読んでみたら、ヘニング・マンケルは、クルト・ヴァランダー警部シリーズから離れて小説を書くようになったと記してありました。
評者は、昔読んで面白かった『目くらましの道』などと同じような内容の本を期待していたから『イタリアン・シューズ』は、気晴らしになるような本ではなかったのです。
小説としての評価は優れていると思いましたが、内容が「Serious」なので気分が落ち込んでしまった。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.29
(4pt)

ヴァランダー・シリーズより読み応えあり。

気晴らしにミステリー小説を読んでみようと思い、ヘニング・マンケルの本を内容も調べずに入手してしまいました。
読み始めて本書がミステリー小説ではないことに気が付き、訳者あとがきを読んでみたら、ヘニング・マンケルは、クルト・ヴァランダー警部シリーズから離れて小説を書くようになったと記してありました。
評者は、昔読んで面白かった『目くらましの道』などと同じような内容の本を期待していたから『イタリアン・シューズ』は、気晴らしになるような本ではなかったのです。
小説としての評価は優れていると思いましたが、内容が「Serious」なので気分が落ち込んでしまった。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.28
(4pt)

内容が「Serious」すぎて読むのが辛くなってしまった。

気晴らしにミステリー小説を読んでみようと思い、ヘニング・マンケルの本を内容も調べずに入手してしまいました。
読み始めて本書がミステリー小説ではないことに気が付き、訳者あとがきを読んでみたら、ヘニング・マンケルは、クルト・ヴァランダー警部シリーズから離れて小説を書くようになったと記してありました。
評者は、昔読んで面白かった『目くらましの道』などと同じような内容の本を期待していたから『イタリアン・シューズ』は、気晴らしになるような本ではなかったのです。
小説としての評価は優れていると思いましたが、内容が「Serious」なので気分が落ち込んでしまったのです。
柳沢由実子さんの優れた翻訳を高く評価したいと追記しておきたい。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.27
(4pt)

内容が「Serious」すぎて読むのが辛くなってしまった。

気晴らしにミステリー小説を読んでみようと思い、ヘニング・マンケルの本を内容も調べずに入手してしまいました。
読み始めて本書がミステリー小説ではないことに気が付き、訳者あとがきを読んでみたら、ヘニング・マンケルは、クルト・ヴァランダー警部シリーズから離れて小説を書くようになったと記してありました。
評者は、昔読んで面白かった『目くらましの道』などと同じような内容の本を期待していたから『イタリアン・シューズ』は、気晴らしになるような本ではなかったのです。
小説としての評価は優れていると思いましたが、内容が「Serious」なので気分が落ち込んでしまったのです。
柳沢由実子さんの優れた翻訳を高く評価したいと追記しておきたい。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.26
(5pt)

いつものマンケルです。

ヴァランダーは殺人事件の謎を追っていたが、本作の主人公は自分の人生という謎を追っているのだ。読後感はヴァランダーシリーズと一緒である。笑っていいところなのかどうか分かりにくい笑いどころが随所にある点も、主人公がしょっちゅう「こうするべきだと思った。が、そうしなかった」と思っているところは『タンゴ・ステップ』と一緒である。多分ヘニング・マンケルがそういう人なんだろう。
本作は一応いい感じに終わるが、続編はあの家が火事になるところから始まるらしい。ええー?!と思うが、マンケルは、人生に最終回はないと思っていたのかもしれない。ただ、時間切れ、みたいに終わるだけだと。ヴァランダーの終わり方もそんな感じだ。
58歳で66歳の主人公を書き、主人公より一年多く生きただけのマンケルは、死んでみてどう思っただろう。きいてみたくなる。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.25
(5pt)

いつものマンケルです。

ヴァランダーは殺人事件の謎を追っていたが、本作の主人公は自分の人生という謎を追っているのだ。読後感はヴァランダーシリーズと一緒である。笑っていいところなのかどうか分かりにくい笑いどころが随所にある点も、主人公がしょっちゅう「こうするべきだと思った。が、そうしなかった」と思っているところは『タンゴ・ステップ』と一緒である。多分ヘニング・マンケルがそういう人なんだろう。
本作は一応いい感じに終わるが、続編はあの家が火事になるところから始まるらしい。ええー?!と思うが、マンケルは、人生に最終回はないと思っていたのかもしれない。ただ、時間切れ、みたいに終わるだけだと。ヴァランダーの終わり方もそんな感じだ。
58歳で66歳の主人公を書き、主人公より一年多く生きただけのマンケルは、死んでみてどう思っただろう。きいてみたくなる。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.24
(5pt)

感無量の読後感。。。

過去にオリンピック級の水泳選手の腕を誤って切断してしまって、引退した老いた外科医。

舞台は、北欧だ。北欧といえばサウナ。この外科医は、サウナに入らず冬の凍った海に穴を開けて浸かるのを日課にしている。贖罪の日々だが一人で島に移住し一切の人との交わりを絶っている。医療過誤の前には、フィアンセを何の前触れもなく捨てて逃亡したこともある。物語は、そのフィアンセが凍った海を渡って再会するところから始まるのだ。

とにかく独りよがりで逃亡癖のある外科医だが、癌で余命いくばくもないフィアンセや、問題児を引き取ってボランティアをする片腕の水泳選手との望まぬ交流が再開し様々な事件が起こる。そのストーリー展開は、さながらジェットコースターのような興奮に溢れている。森の中にひっそりと住むローマ法王の靴を作る職人、芸術家、愛、信頼、孤独、自殺、病との闘い、様々なキーワードが散りばめられる。

イタリアンシューズは、その最高の靴職人が、外科医とフィアンセとの娘のために一年かけて作った靴だ。外科医が、フィアンセを捨ててから娘は生まれたので外科医との再会も劇的だった。

読んだ時あとに感無量の溜め息のでる作品だった。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.23
(5pt)

感無量の読後感。。。

過去にオリンピック級の水泳選手の腕を誤って切断してしまって、引退した老いた外科医。

舞台は、北欧だ。北欧といえばサウナ。この外科医は、サウナに入らず冬の凍った海に穴を開けて浸かるのを日課にしている。贖罪の日々だが一人で島に移住し一切の人との交わりを絶っている。医療過誤の前には、フィアンセを何の前触れもなく捨てて逃亡したこともある。物語は、そのフィアンセが凍った海を渡って再会するところから始まるのだ。

とにかく独りよがりで逃亡癖のある外科医だが、癌で余命いくばくもないフィアンセや、問題児を引き取ってボランティアをする片腕の水泳選手との望まぬ交流が再開し様々な事件が起こる。そのストーリー展開は、さながらジェットコースターのような興奮に溢れている。森の中にひっそりと住むローマ法王の靴を作る職人、芸術家、愛、信頼、孤独、自殺、病との闘い、様々なキーワードが散りばめられる。

イタリアンシューズは、その最高の靴職人が、外科医とフィアンセとの娘のために一年かけて作った靴だ。外科医が、フィアンセを捨ててから娘は生まれたので外科医との再会も劇的だった。

読んだ時あとに感無量の溜め息のでる作品だった。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.22
(1pt)

最低男の末路

主人公の男がどこをとっても最低なので、まったく共感できなかった。
愛する女を理由も言わず別れも告げず重荷だからとポイ捨てし、その女性が37年ぶりに会いにきたというのに責任を感じるどころか責められることに不快感を持ち、実は娘がいたと知らされてどうして黙っていたのかと怒り、全面的ではないにしろ自分のミスで健康な片腕を切断してしまった女性に心からの謝罪をするどころか相手の気持ちも考えずに襲いかかり、母親は施設に入れたきり一度しか会いに行かず葬式にすら出ない。この愚かで薄情な66歳の男のどこに魅力を感じろというのだろう。
身勝手、無責任、愚劣、冷酷、卑劣、自己憐憫。そんな言葉しか思い浮かばない。「自分を捨てた」などと自己陶酔しているが、ちっとも捨ててないだろう。娘やアグネスとの和解にほぼ成功して平安な老後を手に入れようとする。呆れて物も言えない。
途中でやめようかと思いつつ、シマの刀で腕を切り落とされるなど大きな罰を受けるとか、どんでん返しでもあるのかと一応最後まで斜め読みしたが結局何もなく。ハリエットの亡骸を自分たちで焼いて埋めるというのも、神聖な気持ちや人間に対する尊厳の意識も感じられず、まるで死んだ犬を無造作に埋めてるようにしか見えない。
あえて収穫を挙げるとすれば、スウェーデンの人心の荒廃がかなり深刻だと分かったことぐらいか。理由はよく分からないが、スウェーデンなど北欧は世間で言われてるほど良い社会ではなく、人の心は荒み、暴力が蔓延っているようだ。そういう社会で心を病んだ老人の再生物語として見れば、それなりに意味のある小説なのかもしれないが、何しろやってきたことが酷すぎるので、最期を娘に看取ってもらう資格すらないだろうと思ってしまう。母親は心を病んで家族の負担だったかもしれないが、子供を虐待していたわけでもないのだから、一人息子ならせめて老後の面倒くらい見てやれよ。葬式くらい自分で出してやれよ。何なんだよこの男。
はっきり言って読む価値はないですね。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.21
(1pt)

最低男の末路

主人公の男がどこをとっても最低なので、まったく共感できなかった。
愛する女を理由も言わず別れも告げず重荷だからとポイ捨てし、その女性が37年ぶりに会いにきたというのに責任を感じるどころか責められることに不快感を持ち、実は娘がいたと知らされてどうして黙っていたのかと怒り、全面的ではないにしろ自分のミスで健康な片腕を切断してしまった女性に心からの謝罪をするどころか相手の気持ちも考えずに襲いかかり、母親は施設に入れたきり一度しか会いに行かず葬式にすら出ない。この愚かで薄情な66歳の男のどこに魅力を感じろというのだろう。
身勝手、無責任、愚劣、冷酷、卑劣、自己憐憫。そんな言葉しか思い浮かばない。「自分を捨てた」などと自己陶酔しているが、ちっとも捨ててないだろう。娘やアグネスとの和解にほぼ成功して平安な老後を手に入れようとする。呆れて物も言えない。
途中でやめようかと思いつつ、シマの刀で腕を切り落とされるなど大きな罰を受けるとか、どんでん返しでもあるのかと一応最後まで斜め読みしたが結局何もなく。ハリエットの亡骸を自分たちで焼いて埋めるというのも、神聖な気持ちや人間に対する尊厳の意識も感じられず、まるで死んだ犬を無造作に埋めてるようにしか見えない。
あえて収穫を挙げるとすれば、スウェーデンの人心の荒廃がかなり深刻だと分かったことぐらいか。理由はよく分からないが、スウェーデンなど北欧は世間で言われてるほど良い社会ではなく、人の心は荒み、暴力が蔓延っているようだ。そういう社会で心を病んだ老人の再生物語として見れば、それなりに意味のある小説なのかもしれないが、何しろやってきたことが酷すぎるので、最期を娘に看取ってもらう資格すらないだろうと思ってしまう。母親は心を病んで家族の負担だったかもしれないが、子供を虐待していたわけでもないのだから、一人息子ならせめて老後の面倒くらい見てやれよ。葬式くらい自分で出してやれよ。何なんだよこの男。
はっきり言って読む価値はないですね。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.20
(5pt)

老年をどう生きるのか

老年をどう生きるか、ひとりの老人と登場人物たちに自分を重ね合わせて、凍った湖に旅をしました。北欧の自然描写が素晴らしく、何度もゆっくりと読み返すつもりです。美しいイタリアンシューズが全体をキリリと引き締めてくれます。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.19
(5pt)

老年をどう生きるのか

老年をどう生きるか、ひとりの老人と登場人物たちに自分を重ね合わせて、凍った湖に旅をしました。北欧の自然描写が素晴らしく、何度もゆっくりと読み返すつもりです。美しいイタリアンシューズが全体をキリリと引き締めてくれます。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.18
(4pt)

これからもこんな家族が増えてくるでしょう

私は83歳です古い体系の家族で1男1女をもうけ二人は結婚して、私は戦前の生まれで未だ離婚せず共にもう直ぐにこの世から去りゆく、家族は平和な生活な平凡過ぎる、おもしろくもない。本はこれからはこんな家族が増えることだろう。
是非とも読んでみてください。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873
No.17
(4pt)

これからもこんな家族が増えてくるでしょう

私は83歳です古い体系の家族で1男1女をもうけ二人は結婚して、私は戦前の生まれで未だ離婚せず共にもう直ぐにこの世から去りゆく、家族は平和な生活な平凡過ぎる、おもしろくもない。本はこれからはこんな家族が増えることだろう。
是非とも読んでみてください。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.16
(5pt)

トラウマを抱えた男の再生物語

ヴァランダー刑事シリーズが好きだ。この作品はそれとは違う趣きの味わい深い小説だ。サスペンスでもないのだが、終始ドキドキしながら読んだ。この猛暑の時期に氷と雪の世界を旅してきたような気分であった。

主人公は元外科医のフレドリック・ヴェリーン。66歳。過去にある出来事のために外科医をやめ、スウェーデン東海岸群島の突端にある小さな島に犬と猫と一緒に住んでいる。ほぼ世捨て人のような暮らしで、たまに喋る相手は郵便配達員のヤンソンだけ。
彼の日課は氷に穴を開けて身体を沈めること。ある日身体を引き上げて帰ろうとした時氷の上に女の姿を見る。それはかつて自分が捨てた恋人のハリエットだった。

主人公フレドリックの孤独な暮らしに昔の恋人が現れたことで静かな世界が崩れ始める。固い氷がひび割れるようにフレドリックの過去が露わになり、それが彼を苛立たせ、やるせない想いが読者に伝わる。ハリエットの他にも彼に関係する女達の心情は同性として痛いほど理解できる。外科医をやめるキッカケとなったある事件の被害者の患者も女性だ。彼女の壮絶な人生に比べてもフレドリックの反省とも逃げとも言えない姿に呆れる。男としては最低なクズだと思うが、その心の弱さに寄り添うことも、身を引くことも女ならあり得る選択肢だろう。

女達はとにかく現実的で前に向かって進んでいく。一方フレドリックが回想する父親との場面は医者となって父に認められた誇らしい自分でしかない。部屋にある蟻塚をただ放置することでしかないように、彼の中で時間は過去のまま止まってそこに反省も後悔も見出せない。ハリエットが現れたことで否が応にも事態が動き出し過去の自分を見つめ直さなければならない。老年と言える年齢ではもはや頑固さしか残されていないだろうが、そこに微かな柔軟性を見い出すこともできる。森の奥に住む靴職人が作った靴を履き、新たな人生に踏み出そうとする彼の姿にやれやれと思う。
対して彼の周りにいる女性たちは、世の中の虐げられた人、あるいは不条理に対して手を差し伸べ、声を上げる勇気を持っている。時に声を荒らげ自己抑制ができなくなるフレドリックに比べて、彼女たちの静かな闘志は同性として賞賛に値する。登場人物たちのその後が気になりつつもこの小説はこれで完結でもいいと思える読後感だった。
イタリアン・シューズ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズ (創元推理文庫)より
4488209246
No.15
(5pt)

トラウマを抱えた男の再生物語

ヴァランダー刑事シリーズが好きだ。この作品はそれとは違う趣きの味わい深い小説だ。サスペンスでもないのだが、終始ドキドキしながら読んだ。この猛暑の時期に氷と雪の世界を旅してきたような気分であった。

主人公は元外科医のフレドリック・ヴェリーン。66歳。過去にある出来事のために外科医をやめ、スウェーデン東海岸群島の突端にある小さな島に犬と猫と一緒に住んでいる。ほぼ世捨て人のような暮らしで、たまに喋る相手は郵便配達員のヤンソンだけ。
彼の日課は氷に穴を開けて身体を沈めること。ある日身体を引き上げて帰ろうとした時氷の上に女の姿を見る。それはかつて自分が捨てた恋人のハリエットだった。

主人公フレドリックの孤独な暮らしに昔の恋人が現れたことで静かな世界が崩れ始める。固い氷がひび割れるようにフレドリックの過去が露わになり、それが彼を苛立たせ、やるせない想いが読者に伝わる。ハリエットの他にも彼に関係する女達の心情は同性として痛いほど理解できる。外科医をやめるキッカケとなったある事件の被害者の患者も女性だ。彼女の壮絶な人生に比べてもフレドリックの反省とも逃げとも言えない姿に呆れる。男としては最低なクズだと思うが、その心の弱さに寄り添うことも、身を引くことも女ならあり得る選択肢だろう。

女達はとにかく現実的で前に向かって進んでいく。一方フレドリックが回想する父親との場面は医者となって父に認められた誇らしい自分でしかない。部屋にある蟻塚をただ放置することでしかないように、彼の中で時間は過去のまま止まってそこに反省も後悔も見出せない。ハリエットが現れたことで否が応にも事態が動き出し過去の自分を見つめ直さなければならない。老年と言える年齢ではもはや頑固さしか残されていないだろうが、そこに微かな柔軟性を見い出すこともできる。森の奥に住む靴職人が作った靴を履き、新たな人生に踏み出そうとする彼の姿にやれやれと思う。
対して彼の周りにいる女性たちは、世の中の虐げられた人、あるいは不条理に対して手を差し伸べ、声を上げる勇気を持っている。時に声を荒らげ自己抑制ができなくなるフレドリックに比べて、彼女たちの静かな闘志は同性として賞賛に値する。登場人物たちのその後が気になりつつもこの小説はこれで完結でもいいと思える読後感だった。
イタリアン・シューズ Amazon書評・レビュー: イタリアン・シューズより
4488010873