高い窓

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評判

高い窓の評価:

4.44/5点 レビュー 41件。 B ランク

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平均点4.44pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 21〜40 2/3ページ
No.30
(4pt)

読みやすい

文庫本にしては字が大きくて読みやすいし、表紙もすっきりしていてよい。なぜ村上春樹が翻訳したのか分かった気がした。レイモンドチャンドラーが描く情景描写が、村上春樹にとってすごく好みで、作品を書く参考になったのだろう。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.29
(4pt)

マーロウ好きなら読んで損はない

村上春樹訳のチャンドラー作品は、「ロング・グッド・バイ」→「大いなる眠り」→「さよなら、愛しい人」と読んできています。

「高い窓」はストーリーの面白さ、マーロウの格好良さなどは他作品より劣っていると思います。

ただ、それでも面白いことには変わらず1日で読んでしまいました。

チャンドラーファンなら本作も、チャンドラー作品が初見の方は「大いなる眠り」とか「ロング・グッド・バイ」をオススメします。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.28
(4pt)

読むのに時間がかかったが、その分ハードボイルドの雰囲気を長く味わえた

古い金貨をめぐる事件が発生し、私立探偵のマーロウが引き受ける。物語が進むに連れ殺人事件も発生する。運がいいのか悪いのか、マーロウは他の人に先駆けて死体を発見する。最後は見事に事件解決と相成るわけだが、その解決するシーンが格好いい。犯人を目の前にして、静かに真相を語るのだが、そこが人情味溢れる語りなのだ。また、犯人ではない、過去に利用された女の扱いもハードボイルドらしく男の優しさが滲み出てくる。なお、本書はそれほど長い作品ではないが、読むのに時間がかかった。チャンドラーの他の作品(訳者は村上春樹さんではない)を読んだ時にも時間がかかったので、もともと読み進めるのに時間がかかる作家なのだろう。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.27
(5pt)

電話のベルの音は、なぜか不吉にひびく

1942年に書かれ、チャンドラーが創造した探偵フィリップ・マーロウが活躍するハードボイルド小説としては第3作目。田中小実昌の軽快な訳が合っているのではないかと思い、この版を選びました。この作品を「名作100選」に選んだH・R・F・キーティングがいうとおり、この作品の魅力はプロットではなく、南カリフォルニアの湿気や匂いまで喚起させる背景描写と人物の造型にあると思います。

マーロウはロサンジェルスのパサデナに住む富豪の未亡人に、亡き夫のコレクションだった古い金貨が紛失したのでそれを探して欲しいという依頼を受ける。家を出て行った息子の嫁が盗んだのだ、と未亡人はいう。ダウンタウンを中心に調査を進めていく間に、事件の鍵を握ると思われる3人の人物が次々と死んでいく…。

フィリップ・マーロウものは初めて読みましたが、冗談や軽口で手強い相手とやりとりし、なかなか本心を見せようとしないマーロウは、ありふれたタフガイではないようです。
高い窓 (1959年) (世界ミステリー・シリーズ) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (1959年) (世界ミステリー・シリーズ)より
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No.26
(4pt)

マーロウの旅情

村上春樹訳でやわらかい雰囲気。マーロウは今夏は、あまり暴力にあいません。嘘ばかりの古い家でトラウマをかかえ神経症となった秘書マールのしあわせを願うマーロウってタフでいい奴。

「マールはエプロンをかけてパイの皮をのばしていた。粉のついた両手をエプロンで拭きながら戸口にやってきて、私の口にキスし、泣き出し、家の中に駆け戻っていった」 
マーロウ主演って、いつも旅しているような旅情がありますね。

もう少し引用。189頁、黒髪の美女リンダのセリフ「こういう派手な高級クラブに通う道楽者たちを次々にはねのけることで、腕の筋肉がくたびれてしまったような娘たちがね」 なにかこう眼にうかびますね。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.25
(4pt)

本音で。

コミさん版よりは、こちらの訳のほうが好きです。

何しろ創元推理文庫版『大いなる眠り』で初めてレイモンド・チャンドラーの作品に出会いましたから。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704554
No.24
(4pt)

本音で。

コミさん版よりは、こちらの訳のほうが好きです。

何しろ創元推理文庫版『大いなる眠り』で初めてレイモンド・チャンドラーの作品に出会いましたから。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513)より
4150005133
No.23
(5pt)

マーロウの生き様に惚れる

村上春樹新訳を読了。もっともこの作品は初読なので新訳うんぬんは関係ない。どうも作者のチャンドラーにとっては良い出来ではないようだが、一読者としては大満足。長過ぎるきらいがある、世評高い「長いお別れ」より上の出来なのではないか。ミステリとしてのまとまりがあり、目まぐるしく場面を変えながらスリリングなストーリー展開で全く読者を飽きさせることがない。
 だがやはりファンとして嬉しいのは、ハードボイルドでNo.1の好漢である私立探偵フィリップ・マーロウの活躍と、筋を曲げない硬骨ぶり。あるいは権力におもねらず弱者に暖かい視線を向けるチャンドラー節だ。仮に本格物だとすればミステリーとして破綻が多いと指摘されるチャンドラー作品だが、そんなのは目じゃない。
 ミステリーとしてでなくとも十分読ませるのがチャンドラーなのだ。特別に秀でた人間ではないけれど、これほど格好良い男はいないフィリップ・マーロウの生き様には男として憧れざるを得ないが・・・たぶんチャンドラー自身がマーロウのようなメンタリティーの人間だったんだろうな。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.22
(5pt)

翻訳者が田中小実昌氏で、読みやすく、また面白い。

古い本だが、読み物としては最高。直木賞作家の翻訳だけに、スラスラ読める。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ 513)より
4150005133
No.21
(5pt)

翻訳者が田中小実昌氏で、読みやすく、また面白い。

古い本だが、読み物としては最高。直木賞作家の翻訳だけに、スラスラ読める。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704554
No.20
(5pt)

面白い!

村上さんの小説は同にもなじめませんが、チャンドラーの翻訳は実に面白いです。今までのほかの人の翻訳ものはかなり端折っていたからかもしれません。翻訳者に夜のでしょうね。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.19
(5pt)

良い作品、映像化されているのも納得した。

チャンドラー作品の中で村上春樹氏の翻訳が最もフィットしているように思いました。作品中のときどきのユーモラスな文章と、事件の核心に対する心象が見事な対比を生み出しています。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.18
(4pt)

〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第3作の新訳

アメリカの作家レイモンド・チャンドラー(1888 - 1959)が1942年に発表した、〈私立探偵フィリップ・マーロウ〉シリーズ第3作 “The high window” の邦訳。本書は村上春樹氏により2014年出版された新訳の文庫化です。

あとがきで村上氏が指摘するとおり、本作はプロットに難があるチャンドラー作品のなかでは比較的破綻の少ない作品です。それでもやはり、プロットや言い回しをひねりすぎてチャンドラー自身の手にあまっているのが伝わる箇所もあります。シリーズのなかではバイオレンス描写がおとなしめで、物語の起伏もさほど大きくありません。
けれどワイズクラックを放つ私立探偵、失踪した美女、秘密を抱えた富豪、裏社会の大立者など、ハードボイルドお約束のモチーフが散りばめられており、探偵小説が好きであれば読んでいてワクワクせざるをえません。社会の矛盾を告発するチャンドラーの舌鋒の鋭さも健在です。

とくに好きなのは、マーロウが高級ゲイテッドコミュニティを訪れるシーン。圧倒的な格差が存在する資本主義社会に対して、マーロウが警備員と交わし合う皮肉。高慢ちきな金持ちに侮辱されたバーテンダーに向ける、マーロウの優しさ。辛辣とあたたかさを同居させ、たえずユーモアを忘れないマーロウのキャラクターがよく表れています。作中で言及されるとおり、まさしくその姿は、高潔な精神を宿し不条理な世界に立ち向かう「時代遅れの騎士ギャラハッド」です。

シリーズ全7作品のうち、村上氏の手による翻訳はこれで5冊目。氏の訳文も作品を重ねるごとに、チャンドラーの文体になじんできているように感じられます。残り2冊を翻訳する意欲もあるようで、全巻完訳される日をこころ待ちにしています。

(以下、訳文について)

本作には村上訳の前に、田中小実昌訳(早川書房、1959年)、清水俊二訳(早川書房、1989年)があります。マーロウの一人称を「おれ」と訳した田中訳を読んだことがありませんが、本作が最後の仕事になった清水氏の訳にはお世話になりました(残された部分を引き受けたのは弟子の戸田奈津子氏)。

清水訳は今読んでも通用する日本語で訳されており、村上訳とどちらがいいかは読者の好みによると思います。ただ評者の印象としては村上訳のほうが清水訳よりも、マーロウの皮肉っぽさが強調されており、チャンドラーの長めの原文が自在に区切られていると感じました。たとえば、

“There was a heavy scent of summer on the morning and everything that grew was perfectly still in the breathless air they get over there on what they call a nice cool day”(原文)

「夏の朝の匂いが強く鼻をつき、目にうつるものすべてが、このへんの人々の口ぐせになっている “さわやかに晴れわたった日” の静止した空気の中で完全に動きを止めていた」(清水訳、p.5)

「夏のもったりとした匂いがする朝だった。植物と名の付くものはすべて、淀んだ空気の中でぴくりとも動かなかった。そういうのがこの辺りでは「爽やかで気持ちの良い日」と呼ばれている」(村上訳、p.5)

全体的に見れば、村上訳はあえて直訳調の日本語に置き換える傾向があるため、清水訳のほうがスピーディさでは上でしょう。また、村上訳では彼の翻訳でおなじみの、「クール」など英単語をそのままカタカナに移し替えた村上節がうかがうことができます。たとえば、

“If you hire me, you’ll get all the delicacy i have. If i don’t have enough delicacy, maybe you’d better not hire me. For instance, I take it you don’t want your daughter-in-law framed. I’m not delicate enough for that”(原文)

「あなたが雇ってくださるのなら、仕事に支障のないかぎり、できるだけこまかく神経を働かせるつもりです。私がそれだけのこまかい神経を持っていないなら、私をお雇いにならぬ方がいいでしょう。たとえば、あなたはおそらく息子さんの嫁に罠をかけることに反対なさる。私はそこまで気を使うわけにいきません」(清水訳、p.22)

「もし私を雇うのであれば、あなたは私の持てるかぎりのデリカシーを手にいれることになります。もしそれだけでは十分でないというのであれば、私を雇うのはよした方がいいでしょう。たとえば、あなたは息子さんの奥さんを罪に陥れたいなんて思ってもいないと私は考えます。その裏を読めと言われても、こちらとしてはそこまでデリケートにはなれません」(村上訳、p.26)

ほかにパッと目につくところでは、清水訳では原文のフィートやインチ、マイルの単位はそのままですが、村上訳ではメートルやキロの単位に変更されています。清水訳で削除されている箇所が、村上訳では訳出されているばあいもありました。たとえば、

“He has a bodyguard who is quite a character. His name’s Eddie Rrue, he’s about six feet five inches tall and thin as an honest alibi. he has a frozen eye, the result of a war wound”(原文)

「ボディガードはひと癖ある男で、エディ・プルーって名だ。六フィート五インチほどの長身でやせていて、戦傷で片目がつぶれてる」(清水訳、p.47)

「彼には一人ボディーガードがついているが、こいつが見ものだ。エディー・プルーという名前で、身長は二メートル近くあり、正直なアリバイみたいにやせ細っている。戦傷のために片方の目は動かない」(村上訳、p.56)

たしかに “thin as an honest alibi” という表現はひねりすぎて意味をとりづらく、清水訳で削られたのもわかる気がします。一方で、村上訳では削られることなく、そのまま訳されていました。
高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704651
No.17
(5pt)

大変丁寧な包装でした

2014年に発行の、初版本にも拘らず大変綺麗な状態の本でした。帯付きで、表紙に汚、傷も無く、内部も、折れ、書き込みも無く、
 新品のような状態でした。そして、包装がキチンと透明シートでされ、大変丁寧でした、こちらの書店さんの書物に対する、愛情が
 感じられました。又、こちらの書店さんから購入しようと思います。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.16
(5pt)

大変丁寧な包装でした

2014年に発行の、初版本にも拘らず大変綺麗な状態の本でした。 帯付きで、表紙に汚、傷も無く、内部も、折れ、書き込みも無く、  新品のような状態でした。 そして、包装がキチンと透明シートでされ、大変丁寧でした、こちらの書店さんの書物に対する、愛情が  感じられました。 又、こちらの書店さんから購入しようと思います。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.15
(5pt)

おもしろさを再発見

清水俊二訳でフィリップ・マーロウシリーズをすべて読んでいますが、
村上春樹訳も出版されるたびに読んでいます。
『高い窓』はどんなストーリーだったかも覚えていないぐらい印象に
なかったのですが、今回村上訳を読んでおもしろさを再発見できました。
『ロング・グッドバイ』や『さよなら、愛しい人』で受けた強烈な哀愁は
ないものの、現実的で細かい人物描写、余韻を残す短いセリフ、そして
フィリップ・マーロウのダンディさは健在です。
むしろ他の作品に比べて、謎解きまでのストーリーが分かりやすく、
まとまった作品のように感じました。
村上春樹のあとがきも、チャンドラー好きにはたまらないと思います。

村上訳はこれで5作目。あとは『湖中の女』と『プレイ・バック』だと
思いますが、訳出されるのを楽しみにしています。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.14
(5pt)

このフィリップ・マーロウがかっこいい!

村上春樹自身も「あとがき」で書いているように、で、あれはどうなったの?っていう部分もある。でもいい。マーロウがカッコいいから、まあいい。っていうことにしておこう。
 実際、個人的に、ここでの男気のあるマーロウはなかなかに、男が惚れる男!っていう感じでなかなかいいのだ。ブリーズ刑事も最後には、惚れてしまう・・・・・

 最後の方、マーロウがマールにこんなことを言うシーンがある・・・・・「君は漁船団と共に苛酷な夜を送った雪娘みたいに見える」。これって、どういうことなんだろうと考えてしまうけど、このような表現は、村上春樹の小説の中には、ときたま出てくので、「ああ、これって!」って感じ入る読者も多いのではないか。

PS:「英語で読む村上春樹」を聴いていて、「あ!」と感じる部分がある・・・・・2015年7月号を見るべし、講義を聴くべし・・・・
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.13
(4pt)

村上春樹のチャンドラーになってきたかな

正直なところ、「高い窓」と「湖中の女」はほかの作品と比べて、あまり印象がなかった(清水俊二訳)。
でもこれはイイ!とても面白かった。
これで5作目の村上春樹訳ですが、なんていうか・・ここにきてようやく、村上春樹がチャンドラーの目を通してマーロウに語らせたといえるほど、語彙、文体、リズム・・緊密な統一感を保ちながら、淀みなく物語が表現されてます。
作家の逢坂剛が、(翻訳家として)語りにくい作家であるというようなことを言っていたように、自分も1作目の「ロンググッドバイ」から感じていた作家の過剰な意識みたいなものが、本作では力が抜け、チャンドラーとともに筆を動かすような自在さが気持ちいいです(翻訳という作業には、もちろん文章との格闘という側面もあるけれど)。
確かにドライブ感とかシャープさとかは、ほかの作品と比べても不足しているのだろうけど、「高い窓」がマーロウの物語として、心地いい余韻と完成度をもった作品であったという発見も(いまさらですが)うれしかった。

できることならこれが翻訳1作目であったら、既に世に出た4作も、もっとチャンドラーの気分を伝えてくれただろうに、とチョット残念な気持ちにもなってしまった。それほど自分の中での評価は高いです。村上春樹さん、ありがとう!
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.12
(5pt)

新訳

村上訳はいいですね。これを始めて読んだのは高校生の時です。全部訳すとのこと。楽しみです。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067
No.11
(5pt)

チャンドラーの長編中、最もオーソドックスな私立探偵小説

原題 The High Window
1942年発表のチャンドラーの第三長編。
日本では他の作品に比べ言及される機会が少ないが、しばしばプロットの整合性の不足が難点とされるチャンドラー作品にあって、比較的まとまった物語展開を見せ、海外では代表作の一つとみなされることも多い長編。
マーロウ探偵譚として『大いなる眠り』と並んで最もオーソドックスな私立探偵小説の魅力を湛えた作品であり、ハードボイルド・ヒーローとしてのフィリップ・マーロウが存分に堪能できる。
『ロング・グッドバイ』の如く溢れるばかりの切ない感傷や陰影深く複雑な人間描写の妙を含んだ作品ではないが、結末においてマーロウが示す優しさは格別に胸に迫るものがある。
小鷹信光氏がベンジャミン・ブラックによるチャンドラー・パスティーシュ『黒い瞳のブロンド』を意識的に村上文体を模して訳したように、村上訳がスタンダードな存在になりつつある今、残り二作となった長編の完訳をぜひ果たしてもらいたいものだ。そして訳者によるあとがきは、いつもながら興味深く、村上氏のチャンドラーへの愛情が如実に伝わり心地よい。
なお、あとがきで言及されている通り、本作には清水俊二訳(戸田奈津子氏が一部を補足)の他に、ハヤカワ・ポケットミステリ版の田中小実昌訳が存在するが、村上版とはまるで違うアウトローというべきか、チンピラ風で威勢の良いマーロウ像であり非常に面白い。併読をお薦めする。
高い窓 Amazon書評・レビュー: 高い窓より
4152095067