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奇譚蒐集録 弔い少女の鎮魂歌
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奇譚蒐集録 弔い少女の鎮魂歌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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話の序盤は、特異な用語などもあってかなり読みづらかったんですが、その言葉に慣れ始めて、主要登場人物の性格や関係などが掴めてくるに連れて、ぐんぐん面白くなっていきました。 わけても、「ぎょえぇぇっ!」と目をむきながら読んでたのが、「三章 儀式」の中の〝抜き御骨(ヌジミクチ)〟の描写で、これは相当にエグかったっす。遺体から四肢(しし)の骨を抜き取る光景が、眼前に展開されます。相当に強烈なシーンなので、この手の描写が苦手な方はご注意いただきますよう。 〝呪いの痣(あざ)〟の真相が判明する終盤以降は、もう怒濤(どとう)の展開に息をのみながらの一気読みに走りました。いやあ、凄ぇ迫力で、鳥肌立ちましたわ。 実に面白い民俗学ミステリでしたねぇ。新聞広告見て、「なんか面白そう」と手にとってみて、大正解でした。 2023年12月現在、あと二冊、清水 朔(しみず はじめ)さんのこの【奇譚蒐集録(きたんしゅうしゅうろく)】シリーズの文庫本が出てるみたい。読むのが、とても楽しみです。 | ||||
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「民俗学ミステリ」と称される小説にあまり良い思い出がない。そのほとんどが無理な設定だったり、民俗学とは名ばかりだったり、あるいはその両方だったりしたからだ。そして本書も、民俗学とは銘打っているものの、その内容はまるで異なる。確かにミステリではあるのだろうが、単なるミステリではない。ホラーの要素と多分にSF的な要素も備えてそれ以上である。南西諸島の島を舞台とし、琉球方言的な言葉遣いを小道具として使いながら出来上がったのは、およそ「ミステリ」のような単純な言葉では覆えない内容を持つ物語だった。描写に一切の躊躇なく紡ぎ出されるのは無残な作業を中心に据えた光景であるし、その光景が島の風習の核心として創造されたものだ。しかも無残であるにも増して哀れでさえある。火葬でも土葬でも風葬でも鳥葬でもなく、洗骨ではあろうがそれ以上の葬送の風習を仮想的に創り出し、それを骨組みとしてより大きな風景を描く本書のような作品は滅多に現れない。久し振りにとんでもない物語を読んだ気がする。 | ||||
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プロローグで慣れない言葉に戸惑いましたが、その後のストーリーが引き込んでくれました。 不気味(グロテスク)なのか、 神聖なのか、 分からなくしてくれる不思議さがあります。 | ||||
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面白かった。続編読みたい。 | ||||
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良い | ||||
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謎の作り方や世界観へ引っ張っていく力は強いが、肝腎の見せ場では全く引き付けられなかった。 せっかく骨を洗う場面という独特の設定があるのに、それを文章で生かしきれていないように感じる。緊張感や幻想的な感じが出せれば、もっと引き締まると思うのだが……。所々で文章の習熟の低さを感じてしまい、現実に引き戻されてしまった。話全体の完成度は高かったのに惜しいと思う。 | ||||
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”日本ファンタジーノベル大賞最終候補作” 「民俗学好き、ホラー好き(プラス美少年好き)なあなたを満足させる新シリーズ開幕に注目!-----恩田陸」 最初、帯にこのようなキャッチコピーがあって、勘違いにも自分は恩田さん自身が、すわ!民俗学ミステリを 始めたのかッ!と興奮してしまったのだが、それは早合点で作者は福岡在住の新人作家、清水朔だった・・(笑) 閉ざされた島に伝わる青い鬼の伝承、怪しげで凄惨な弔いの因習とそれに縛られ使役されるいたいけな少女たち。 民俗学的ミステリーあるいは伝奇ファンタジーの物語り運びが南方の孤島の沖縄口(琉球方言)の独特の味付けを 加えて一気に読ませます。 主人公側の大正美形男子コンビもさることながら島の少女たちや悪玉の祓い屋の女将、白銀。 祓い屋に対立する由緒ある島の祝女の組織:ネーヤー・根屋のニガミ・根神。 妖しい舞台の中でそれぞれがしっかりと自分のキャラクターを立たせて活き活きと動きだす。 新人とは思えない読者の感情移入を強いる力量だ。 だが逆にここで一読者としてはクレームをつけねばなるまい。 物語の”坐りの良さ”に流れてしまい、折角生を受けたキャラクターたちの生死が上位の存在である作者の手に より理不尽にいいようにされてしまっているという感覚。 貴方はそのような不満感を小説に持ったことはないだろうか?僕はこの作品にそれを感じた。 小説家とは物語世界の創造者であり、産み出した人物たちの運命の責任者である、その重圧を自覚しそれに 耐えなければならない。 自ら産み出した登場人物たちはもはやその読者においては架空の存在ではなく生き、慟哭し、苦吟する リアルな人間たちなのである。 理不尽な死であろうが、応報な報いであろうが、一度産み出された彼女達の生死を正しく決裁することは 創造者の果たすべき債務なのだ。 この物語では作者としてはやむ負えないことかもしれないが登場人物たちが過酷な運命の犠牲となる。 それはファンタジイノベルのストーリー仕立てとしてはきっと避けられなかった必然的な帰着なのだろう。 だが、その割り切りの底に、自分には作者の呻吟の末の「これ以外はどのような展開も運命も無いのよ!」 という作者の自負というか開き直りのような熱が、読み手の思い入れに比べて勝ることが出来ていないように 感じてしまった。要は、まだ性根がすわってないのだ。(失礼・・・!) いやむしろ、このように読者を憤らせたこと自体が作家清水朔にとっては讃えられるべきかもしれない。 更なる進化、脱皮を大いに期待しながらこれから彼女と対決してゆくことにする。 舞台は日露戦争後の大正二年、涼し気な容姿の華族の四男で帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐が コンビで奇譚蒐集のフィールドワークに出る。とは言うものの蒐集調査 などという道楽色は表面の姿、裏では政府、軍部の密命を帯びた剣呑なミッションという展開のシリーズ設定。 二人が降り立つのは沖縄の更に南の長らく本土との交流から隔てられた孤島:恵島。 この島には死者が亡者:オールーヌマジムン 青い鬼となる“黄泉がえり”伝承と、鬼化を防ぐ為に亡骸の四肢の 骨を抜く島独自の葬礼があり、その「ヌキミグチ 抜き御骨」を担う「ミクチヌグウ 御骨子」と呼ぶ少女たちと その元締めの「ハーレーヤア 祓い屋」の女将がいた。 少女たちは幼い頃から女将に買われて島に集められた。 島では忌むべき儀式の執行者として島民にも必要不可欠でありながら忌避される存在だ。 抜き御骨の儀式を重ねるうちに手足に青い痣が現れ、それが身体中に広がりきってしまうと痣の呪いで 青い鬼に変わると信じられている。 だが島には成長した「御骨子」は一人もいない、十八歳になると忽然と姿を消すためだ。 南方の隔絶された島に根付いた美しくも悍ましくもある儀礼に隠された過去の惨劇と現在に続く悲劇を 二人は救済できるのか・・・・・? | ||||
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ラノベ作家が頑張って文学調にやろうとしたけど、途中で力尽きた作品という印象です。オカルトパートとミステリパートとで、情報密度に差が大きいのが引っかかりました。また大正時代の喪をテーマにしたのは良いのですが、推理パートとバトルパートで現実に引き戻されること請け合いです。まあなんだかんだ書きましたが一気に読んじゃいました。主人公コンビで世界中駆け巡ってほしいですね、一話で終わらせるのはもったいないので続けてほしいです。 | ||||
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民族学とミステリーが程よく融合していて面白かったです。作中に登場する島の風習も良く考えられていて、神や霊といったものが信仰されている様子が読み取れました。京極夏彦作品が好きであればハマると思います。 ただ、少しネタバレをすると、終盤はライトノベルを彷彿とさせるバトル展開が繰り広げられます。それまではリアルな推理が行われたりしていたので、読んでいる作品が変わったのかと思いました。 私はライトノベルも好きなので楽しめましたが、人によってはついていけないかも…。 | ||||
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