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名探偵ルパン
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名探偵ルパンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小学生時代、ポプラ社の怪盗ルパンシリーズを大いに楽しんだ世代です。南洋一郎氏の訳は少年向けのシリーズであることを意識して男女問題などは巧みに避けた抄訳になっていたのですが、もちろん当時はそんなことには気づかず、長じてから何冊か完訳ものを読む機会があってそのイメージの違いに驚いたことを覚えています。 わたしは保篠龍緒氏を不明にして全く知らなかったのですが、わが国における事実上のルパンものの紹介者にして個人全訳者なんですね。とにかくルパンシリーズに対する懐かしさと他では読めない作品であることに大いに期待して手にとったのですが......残念ながら、はっきりいって期待外れでした。話として面白くないかといわれれば、まあそれなりに面白くはあるのですが、何か紙芝居でもみせられているようなというか、下手な講談を聞かされているようなというか、弁士がうるさくまくし立てている無声映画を見ているようなというか、とにかくシラケてしまいます。しかも解説を読むと抄訳で一部翻案され創作部分も加わっているとなると、何故今さらこのような立派なかたちで出版されたのか理解に苦しむというのが正直なところです。 少年時代のことに立ち返ると同じポプラ社からホームズものもシリーズで出版されており、こちらも楽しく読んだのですが、ルパンものと違うのは大人になってから全くいじられていない翻訳を読んでも大人の読み物として大いに楽しめたことです。ルパンものはその中に確かに幾つかの名作がありますが、本質的には大衆小説であって、ルブラン自身翻案したり修飾したりして確立した作品を残そうとは意識していなかったのに対して、ホームズものはミステリーの一つの分野を確立するにいたった文学作品だということです。多くの方々から、何だ今頃分かったのかといわれそうですが、この歳になって一連のルパンものの位置づけが分かったという意味では読んだ価値があったといえなくもありません。...などと一捻りした読み方をするならそれなりに楽しめますよとお勧めしますが、一般的にはお勧めできません。 | ||||
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