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(短編集)
架空の球を追う
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架空の球を追うの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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森絵都さんファンのアラフォー(というか40歳!)女性です。 『風ビニ』以来久しぶりに読んだんですが、彼女の作品でこんなに 笑ったのは初めてだと思います。過去の作品もユーモアはありましたが 今回は声を出して笑っちゃいました。特に『ハチの巣退治』『パパイヤ と五家宝』は共感しまくりでめっちゃ笑いました。 昔女子だった私達・仕事と生活に追われる忙しい世代へ、ニヤニヤ笑って もらうために書かれた短編作品集なのでしょう。ドストライク世代の方々 是非このノスタルジーと現実とのギャップを面白可笑しく堪能しましょう! | ||||
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言葉にできないなにか大切なものを 短いお話の中で伝えてくれる そんな作品です 読んだあと、大切なものに気付かされました | ||||
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このタイトルと、このカバーデザイン……正直言って、“森絵都”でなければ 読まないよなあと思いつつ手にした(けれども、中扉の写真はとてもいい!)。 これは『ラン』のときも思ったこと。 が、ひとたび読み始めれば、悔しいけれど、というべきか、 嬉しいことにというべきか、話に引きこまれてしまい、前言を忘れるほど。 やっぱり、短編もうまいね。 むしろ、『ラン』の、長さの割に中盤までのもたもたした感じより、私自身は この短編集の方が好みだ。 どの話にも登場する女性たちの目線と内心の迷いやとまどいが ユーモラスであったり、尖っていたり。 日常を生きる時の私たちって、まさにこんなふうだ。 心の襞をのばしたり畳んだりしつつ、何事かを選びとり、何事かを置き去りにし、 現実とちょっとした憧れめいたものの間を行きつ戻りつしているのだ。 「パパイヤと五家宝」を筆頭に、どれもおもしろかったが、 「太陽のうた」、「彼らが失ったものと失わなかったもの」が示す矜持が小気味よい。 「ドバイ@建設中」の泣き笑いのような現実、「二人姉妹」の女同士のちくちくした 間柄の機微などを愉しんだ。 | ||||
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素晴らしい作品集だ。非常に短い一編一編が、それぞれ味わいを変えて高度に完成している。モノ書き魂を感じる。文句なしに読者を楽しませる。そして作者自身が楽しんで書いている。また、「まんじりと日没を待ち続けた」というような挑戦的な表現もある。あきらかに、直木賞受賞時よりひとまわり力量を上げている。 友人から聞いたネタや身辺エッセイを、全力投球で小説に仕立て上げた感じだ。ユーモラスな「パパイヤと五家宝」、しっとりと心優しい気分になる「彼らが失ったものと失わなかったもの」、危険な予感を残す「あの角を過ぎたところに」。 ドバイという、今世界で最も注目すべき都市を題材にする国際感覚も確か。しかし私の一押しは「太陽のうた」だ。どこにも書かれていないが、ここはルワンダとブルンジの国境難民キャンプに違いない。アフリカの一女性の生き様が、息づかいが感じられるような生々しさで描かれている。ツチ族とフツ族の確執・虐殺を背景に、この一編はものすごく力を持った作品である。この物語は、長編になりうるすさまじく深い背景を有している。 | ||||
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日常生活で「イエス」か「ノー」か決着がついていても、無意識下では心の天秤が揺れていて、ちょっとした匙加減で逆転してしまう。そんな心の機微を鮮やかに描き出す。 「パパイヤと五家宝」はこの短編集の中も秀逸で、だまし絵に隠された美女と老婆の顔のように心象風景が反転する。まるでマジックを観ているような気分でハッとさせられた。 実は、この作品が雑誌に掲載されたのを読んで以来、私は森絵都の大ファンになった。是非一度、森ワールドをご体験下さい。 | ||||
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自由自在に偏在する森さんの目線。 日常のありふれた風景の中に溶け込んでいるかと思えば、見知らぬ外国のワンシーンを捉えている。 この短編集をいっきに読むと、駆け足で世界一周旅行をして、時差ボケになったような気分がします。 一番印象に残っているのは「彼らが失ったものと失わなかったもの」。 この短編に出てくる英国人の夫婦の姿に、上質のものに触れたときに感じる、心地良さを感じ、また、まばゆいものを見たという高揚感すらありました。 森さんが演出する極上の「出会い」を贅沢に楽しめる短編集です。 | ||||
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西日が注ぐグラウンドから、アフリカのどこかのキャンプ、スペインの空港まで、日本と世界の様々な場所での出来事を描いた話が、全部で十一。6頁の掌編から、長くても30頁に満たない短編まで。国籍も様々な十一の女の視点で語られていくそれらの話には、どれもカメラのファインダーが捉えたワンショットとでもいった風情がありましたね。気の向くまま風の吹くまま、ふわりと自由に世界のあちこちをショートトリップしたみたいな、そんなに気持ちに誘われました。 ジャームッシュ監督の映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』のように、十一の話が連続して起こり、繋がっていくというシチュエーションだったら、さらに洒落た、面白い読み物になったかもしれない、なんてね。これはまあ、一読者のつぶやき、無いものねだりってことで、ご容赦いただきたく。 『オール讀物』誌の2007年2月号〜12月号にわたって掲載された十一の話たち。 H・E・ベイツの短編小説に似た味がした「ハチの巣退治」、コミカルなファンタジーとでもいったテイストの「パパイヤと五家宝(ごかぼう)」、作品の底に静かに、しかし深く流れている何か、かけがえのないものにと胸を衝かれた「彼らが失ったものと失わなかったもの」、この三つの話がよかったな。格別、バルセロナ空港のリカーショップを舞台にしたおしまいの掌編が味わい深く、印象に強く残りました。 | ||||
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