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(短編集)
架空の球を追う
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架空の球を追うの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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森絵都さんの短編集を何冊か読んで、面白かったのでこの本も読んでみました。 短編というには短すぎ、ショートショートというには少し長いような・・、そんな物語が11編おさめられています。 感想としては、面白かったのは2、3個くらいで、全体的には面白いと感じられる作品が少なかったように思います。 ほぼ1年の間に書かれた作品ばかりなので、どの作品も雰囲気が似てしまっているのと、突然終わりを迎えたり、ストーリーのの方向性が変わったり、「なぜ急にこの展開になるのか。」「この登場人物はなぜこんな気持ちになったのか。」と疑問に思うことが多かったです。 好みの問題もあるでしょうが、あまり私は好きではないので、自分の正直な気持ちに従って星2で。 最後まで読んだのと、1時間くらいで読了し、あまり時間を無駄にせず済んだので、そこは評価しても、やっぱり星2かな。自分の中で甘い評価で星2です。 | ||||
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いま一番大好きな作家である森絵都さんの短編。 この作品以前に読んできた森さんの本に比べると、僕には少し物足りなさが残りました。 読み手の感受性の問題なのだと思うのですが、ストーリーに迫力みたいなものが感じられませんでした。 もっとも、軽妙で、示唆的なのでよしと思う方もいらっしゃるとは思いますが。 | ||||
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森絵都さんファンのアラフォー(というか40歳!)女性です。 『風ビニ』以来久しぶりに読んだんですが、彼女の作品でこんなに 笑ったのは初めてだと思います。過去の作品もユーモアはありましたが 今回は声を出して笑っちゃいました。特に『ハチの巣退治』『パパイヤ と五家宝』は共感しまくりでめっちゃ笑いました。 昔女子だった私達・仕事と生活に追われる忙しい世代へ、ニヤニヤ笑って もらうために書かれた短編作品集なのでしょう。ドストライク世代の方々 是非このノスタルジーと現実とのギャップを面白可笑しく堪能しましょう! | ||||
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言葉にできないなにか大切なものを 短いお話の中で伝えてくれる そんな作品です 読んだあと、大切なものに気付かされました | ||||
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本作で著者の本を初めて読んだ森絵都ビギナーです。 「カラフル」が気になり、カバーデザインに惹かれてついでにこちらも手にしましたが まず一言でいうと…… 何の味もしなかった。 短編集の中で登場する複数の主人公である「私」と 本を読んでいる「私」との間にすごく壁を感じ、 なんだかふわっとした違和感がありました。 きっと次の話では何かが、次の話こそ何かがと 最後まで読んでみましたが何も見つけられませんでした。 お話は日常生活でもありえそうなシーンで展開されるので、 主人公と似たような体験をしたことがある女性なら きっと共感できる部分があるのでしょう。 ウケる層がピンポイントなのではという感じがします。 著者のファン。登場人物に共感できる女性。 上記のような方にとっては心打たれる作品かもしれませんが、 それ以外だった私のような人間にとっては ありきたりな短編集だなというのが正直な感想です。何も印象に残らない。 高評価を付けられる部分を私には見つけられませんでした。 少なくとも私のように著者の作品を初めて読む、 という森絵都ビギナーにはこの本は向かないと思います。 面白い作家なのだとしてもこれが1冊目では 次に手が伸びなくなってしまう可能性もあるので 無難に他の賞を受賞した本から入るべきだと思います。 受賞歴とレビューも高評価な作家さんだということで 読む前から期待しすぎたのかもしれません。 | ||||
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短編小説というよりはショートストーリーをいくつか集めた作品だと思います。 短い小説の中に何かのメッセージが隠れていて、それを見つける楽しみのある作品というよりは、短い物語そのものを楽しむ作品です。 森絵都らしく読みやすい文章で、だれでもストレスなく読めると思いますが、読み終えても、もの足りなさのほうが大きかったです。 簡素な文章でメッセージを伝えることに長けている森絵都のいちファンとして今回は星を少なめに評価しました。 | ||||
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このタイトルと、このカバーデザイン……正直言って、“森絵都”でなければ 読まないよなあと思いつつ手にした(けれども、中扉の写真はとてもいい!)。 これは『ラン』のときも思ったこと。 が、ひとたび読み始めれば、悔しいけれど、というべきか、 嬉しいことにというべきか、話に引きこまれてしまい、前言を忘れるほど。 やっぱり、短編もうまいね。 むしろ、『ラン』の、長さの割に中盤までのもたもたした感じより、私自身は この短編集の方が好みだ。 どの話にも登場する女性たちの目線と内心の迷いやとまどいが ユーモラスであったり、尖っていたり。 日常を生きる時の私たちって、まさにこんなふうだ。 心の襞をのばしたり畳んだりしつつ、何事かを選びとり、何事かを置き去りにし、 現実とちょっとした憧れめいたものの間を行きつ戻りつしているのだ。 「パパイヤと五家宝」を筆頭に、どれもおもしろかったが、 「太陽のうた」、「彼らが失ったものと失わなかったもの」が示す矜持が小気味よい。 「ドバイ@建設中」の泣き笑いのような現実、「二人姉妹」の女同士のちくちくした 間柄の機微などを愉しんだ。 | ||||
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素晴らしい作品集だ。非常に短い一編一編が、それぞれ味わいを変えて高度に完成している。モノ書き魂を感じる。文句なしに読者を楽しませる。そして作者自身が楽しんで書いている。また、「まんじりと日没を待ち続けた」というような挑戦的な表現もある。あきらかに、直木賞受賞時よりひとまわり力量を上げている。 友人から聞いたネタや身辺エッセイを、全力投球で小説に仕立て上げた感じだ。ユーモラスな「パパイヤと五家宝」、しっとりと心優しい気分になる「彼らが失ったものと失わなかったもの」、危険な予感を残す「あの角を過ぎたところに」。 ドバイという、今世界で最も注目すべき都市を題材にする国際感覚も確か。しかし私の一押しは「太陽のうた」だ。どこにも書かれていないが、ここはルワンダとブルンジの国境難民キャンプに違いない。アフリカの一女性の生き様が、息づかいが感じられるような生々しさで描かれている。ツチ族とフツ族の確執・虐殺を背景に、この一編はものすごく力を持った作品である。この物語は、長編になりうるすさまじく深い背景を有している。 | ||||
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本のタイトルになっている「架空の球を追う」なんて7ページしかないし、 11編すべて完成度は高く、はずれはないんだけど、その短さゆえに読んだ後の充実感は少ないです。 “もうちょっと読みたかった”という思いがどうしてもつきまといます。 だから評価の星はあえて低くして3つ。 生活のなかでのちょっとした瞬間を切り取った短編集。 その瞬間のチョイスが素晴らしくうまく、女性ならではの視点と観点で感じるものが多かったなぁ。 なかでも秀逸なのは「パパイヤと五家宝」。 高級スーパーマーケットへ非日常のファンタジーを求めにやってきた主人公。 2000円の高級マンゴーをなんの躊躇もせずにかごの中に入れる優雅マダムが目に止まり、 彼女がかごの中に入れるものとまったく同じものを自分もどんどん入れていく。 自分が本当に食べたいと思う食品を見つけて我に返ったのだけど、最後のレジの会計の時に・・・・サイコーです! このお話に限らず、「ドバイ@建設中」も「二人姉妹」も「架空の球を追う」もラストの落とし方がうまい。 なのに・・・もったいない。こんな短い短編じゃなく、しっかりじっくり長編で読みたかったです。 | ||||
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日常生活で「イエス」か「ノー」か決着がついていても、無意識下では心の天秤が揺れていて、ちょっとした匙加減で逆転してしまう。そんな心の機微を鮮やかに描き出す。 「パパイヤと五家宝」はこの短編集の中も秀逸で、だまし絵に隠された美女と老婆の顔のように心象風景が反転する。まるでマジックを観ているような気分でハッとさせられた。 実は、この作品が雑誌に掲載されたのを読んで以来、私は森絵都の大ファンになった。是非一度、森ワールドをご体験下さい。 | ||||
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自由自在に偏在する森さんの目線。 日常のありふれた風景の中に溶け込んでいるかと思えば、見知らぬ外国のワンシーンを捉えている。 この短編集をいっきに読むと、駆け足で世界一周旅行をして、時差ボケになったような気分がします。 一番印象に残っているのは「彼らが失ったものと失わなかったもの」。 この短編に出てくる英国人の夫婦の姿に、上質のものに触れたときに感じる、心地良さを感じ、また、まばゆいものを見たという高揚感すらありました。 森さんが演出する極上の「出会い」を贅沢に楽しめる短編集です。 | ||||
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今の森さんの目線で描かれているだろう短編集。 「銀座か、あるいは新宿か」「パパイヤと五家宝」「夏の森」「ドバイ@建設中」「あの角を過ぎたところに」女の本性が描かれた以上5作品が良かった。 一番、面白かったのは「パパイヤと五家宝」 スーパーで、他人の籠の中って気になります。 まして高級スーパーなら…。 マダムのまねをして食材を籠に入れて… 五家宝が、現実に引き戻してくれた段階で、もう大満足なのに、最後のレジのシーンは、もう最高! 短編も良いけど、この感じの中・長編を是非書いていただきたいです。 | ||||
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西日が注ぐグラウンドから、アフリカのどこかのキャンプ、スペインの空港まで、日本と世界の様々な場所での出来事を描いた話が、全部で十一。6頁の掌編から、長くても30頁に満たない短編まで。国籍も様々な十一の女の視点で語られていくそれらの話には、どれもカメラのファインダーが捉えたワンショットとでもいった風情がありましたね。気の向くまま風の吹くまま、ふわりと自由に世界のあちこちをショートトリップしたみたいな、そんなに気持ちに誘われました。 ジャームッシュ監督の映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』のように、十一の話が連続して起こり、繋がっていくというシチュエーションだったら、さらに洒落た、面白い読み物になったかもしれない、なんてね。これはまあ、一読者のつぶやき、無いものねだりってことで、ご容赦いただきたく。 『オール讀物』誌の2007年2月号〜12月号にわたって掲載された十一の話たち。 H・E・ベイツの短編小説に似た味がした「ハチの巣退治」、コミカルなファンタジーとでもいったテイストの「パパイヤと五家宝(ごかぼう)」、作品の底に静かに、しかし深く流れている何か、かけがえのないものにと胸を衝かれた「彼らが失ったものと失わなかったもの」、この三つの話がよかったな。格別、バルセロナ空港のリカーショップを舞台にしたおしまいの掌編が味わい深く、印象に強く残りました。 | ||||
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