切羽へ

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評判

切羽への評価:

3.98/5点 レビュー 43件。 B ランク

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平均点3.98pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全86件 81〜86 5/5ページ
No.6
(4pt)

微妙な文章の彩

井上荒野の作品は、短編は読んだことはあるのですが、長編は今回が初めてです。
今回読んでみて、非常に読みやすくどんどん読み進むことが出来ました。

物語は、九州のとある小さな島での物語です。
そこで養護教諭を務めるセイが主人公です。彼女は島育ちの女性で画家の夫も島育ちです。
この島へ新任の教師石和がやって来て、そんなセイの心を乱します。

ここで、タイトルの「切羽」が意味を持ってきます。
「切羽」とは、「トンネルを掘っている一番先端の場所」と定義されており、更に掘り進まなければ繋がることのない地点です。
セイはこの「切羽」に立ち、「妻」という立場に従順です。同僚の月江からは「妖怪」とまで揶揄されますが、この「切羽」までくるのが彼女の限界でした。

この小説自体全体が「切羽」を意識し、セイのギリギリの心情を追って行きます。本人の意識では、それが周りに知られていることは意識されてないのですが、それを周りの言葉、態度によって既知の事実として語られます。この微妙な文章の彩が堪らない作品です。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.5
(4pt)

切羽とは

今回、直木賞受賞とのことで井上さんの本を初めて読みました。
サラサラ流れる文体は読んでいて全く苦痛にならないので4時間ほどで読みきってしまいました。
「切羽」とは帯では「それ以上先へは進めない場所」とされていますが、
作品中では「トンネルを掘っている一番先端の場所」と表現されています。
切羽をどちらで取るか、またはまったく別の意味と取るかで物語はがらりと色を変えます。
(私は後者の表現を取りましたが。)
トンネルはセイと石和の惹かれあう思い。切羽は切羽であり続ける限り絶対に突き抜けることはない。
切羽が突き抜けてしまったらそれはトンネルの開通を意味するからです。
切羽までしか行かなかったセイと切羽を超えてしまった周囲の人物たちが対照的に描かれていて、
セイの揺れ動く内情が巧妙にあぶりだされています。
さらりと読める文章の中にいろいろなものが隠されている。
面白い作品だと思いました。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.4
(4pt)

うつろう

行間にあふれるものを掬いあげながら読まないと、と思いつつもさらさらと
読めてしまう文体につい先を急いでしまう。
「三月」から月を追って、ぐるりと季節がめぐり「四月」まで。
舞台は九州の小さな島。主人公のセイは島の小学校の養護教諭。夫は画家だ。
このセイの秘めた恋心の移ろいが綴られてゆく。
新任教師・石和に惹かれながら、なにも進展はない。
石和の気配やことばの端々や、行動の意味するところや、さまざまな
触れることのかなわない彼の痕跡に、セイはただ心を這わせる。
その描写が妙に官能的だ。
心に夫以外の人がいて、それを周りに気取られまいとはするが、
醸しだされる凝縮された、ある感じが非常にリアルで
ちりちりと灼かれるセイの胸のうちが滲み出る。

のんきな島暮らし。なんでも筒抜けだが、それと認めあってしまえば気楽なものだ。
まわりの人々も性に関することでさえ鷹揚に口にしてからかったりするほどだ。
セイとは対照的な位置に在るのが、島の住民も公認の奔放な不倫を続ける
女教師・月江だ。月江の派手な恋愛模様が描かれることで、
セイの心のたゆたいが匂やかに引き立つ。
登場人物のなかで忘れてならないのは、老女・しずか。「きっきっき」といやらしい笑い方を
してはセイをやりこめることで、コミュニケーションをとるばあさんだ。
病を得て入院中でも、命の残り火を点すように口にする男の名前。エロティックなのだが
むしろその思いにあるエネルギーに、私は気圧された。

セイの恋は「切羽」ということばに象徴されているが、これは荒野さんの妹の名前
でもあるという。としてみれば、荒野さんには「切羽」のイメージも意味も身に親しんだもの
であったに違いない。

ラストのセイの行動が意味するところは、二通りの解釈ができそうだ。
しばし、思いを致し余韻を楽しんだ。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.3
(4pt)

うつろう

行間にあふれるものを掬いあげながら読まないと、と思いつつもさらさらと
読めてしまう文体につい先を急いでしまう。
「三月」から月を追って、ぐるりと季節がめぐり「四月」まで。
舞台は九州の小さな島。主人公のセイは島の小学校の養護教諭。夫は画家だ。
このセイの秘めた恋心の移ろいが綴られてゆく。
新任教師・石和に惹かれながら、なにも進展はない。
石和の気配やことばの端々や、行動の意味するところや、さまざまな
触れることのかなわない彼の痕跡に、セイはただ心を這わせる。
その描写が妙に官能的だ。
心に夫以外の人がいて、それを周りに気取られまいとはするが、
醸しだされる凝縮された、ある感じが非常にリアルで
ちりちりと灼かれるセイの胸のうちが滲み出る。

のんきな島暮らし。なんでも筒抜けだが、それと認めあってしまえば気楽なものだ。
まわりの人々も性に関することでさえ鷹揚に口にしてからかったりするほどだ。
セイとは対照的な位置に在るのが、島の住民も公認の奔放な不倫を続ける
女教師・月江だ。月江の派手な恋愛模様が描かれることで、
セイの心のたゆたいが匂やかに引き立つ。
登場人物のなかで忘れてならないのは、老女・しずか。「きっきっき」といやらしい笑い方を
してはセイをやりこめることで、コミュニケーションをとるばあさんだ。
病を得て入院中でも、命の残り火を点すように口にする男の名前。エロティックなのだが
むしろその思いにあるエネルギーに、私は気圧された。

セイの恋は「切羽」ということばに象徴されているが、これは荒野さんの妹の名前
でもあるという。としてみれば、荒野さんには「切羽」のイメージも意味も身に親しんだもの
であったに違いない。

ラストのセイの行動が意味するところは、二通りの解釈ができそうだ。
しばし、思いを致し余韻を楽しんだ。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545
No.2
(3pt)

えーっ!意味がわからない…

最近井上荒野さんの本をよく読みます。どうやら、文章のスタイルが好きなようで。この本もずんずん引き込まれたのですが、なんと!ラストの意味が全くわからず、あっけなく終わってしまって、結局筆者が言わんとすることがわかりませんでした。それはおそらく読者にゆだねられているのかもしれませんが、もうちょっとこう、ヒントというか手がかりのようなものがほしかったです。
切羽へ Amazon書評・レビュー: 切羽へより
4104731021
No.1
(3pt)

えーっ!意味がわからない…

最近井上荒野さんの本をよく読みます。どうやら、文章のスタイルが好きなようで。この本もずんずん引き込まれたのですが、なんと!ラストの意味が全くわからず、あっけなく終わってしまって、結局筆者が言わんとすることがわかりませんでした。それはおそらく読者にゆだねられているのかもしれませんが、もうちょっとこう、ヒントというか手がかりのようなものがほしかったです。
切羽へ (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 切羽へ (新潮文庫)より
4101302545