ベルリンは晴れているか
評判
ベルリンは晴れているかの評価:
3.53/5点 レビュー 77件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全152件 141〜152 8/8ページ
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ベルリンは晴れているかの評価:
3.53/5点 レビュー 77件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
戦後、クリストフはソ連に近い立場にいたことから、地下に潜伏したナチス工作員による犯行の可能性があるとしたソ連軍は、クリストフの甥であるエーリヒという人物を探すことをアウグステに命じた。
そしてアウグステは、ソ連軍に同行を命じられたカフカを道連れに、エーリヒを探す旅に出たが…。
焼け跡を行くアウグステとカフカが遭遇する様々な困難が描かれていくが 、ナチスの台頭から敗戦に至るベルリンの状況も合間に挿し込まれ、現在と過去とが交錯しながら物語が進展する。
本書が過去の幕で繰り返し読者に投げ掛けてくるのは、国家が人間に突き付けるグロテスクで圧倒的なまでの不条理だ。それに対して、現在の幕で示されるのは、個としての人間が人間にもたらす不条理。
戦争により理性の皮を剥ぎ取られた状況下での人間の醜さを描くことにより、「国家」や「集団化した人間により組織された政権」などの抽象的な存在ではなく、不条理を生み出す核はそもそも個人にこそ内在しているのだということを語りかけてくる。
エーリヒ捜索にかけるアウグステの「執念」の理由、苛酷な目に遭いながらも逃亡せずにアウグステと行動を共にするカフカの「真意」、そしてアウグステが暴いたある人物の行動の「動機」など、本書にはいくつかの謎が織り込まれている。そして終盤でのどんでん返しと、ストーリー的にもかなり読ませる作品だ。
戦後の荒廃したベルリンの描写や、ナチスによりベルリンが息苦しくなっていくさまなどは、実にリアリティがある。脇役に至るまで、人物造形も細やかだ。
ヨーロッパを舞台としたこれほどの深みのある作品が、まだ若い著者の手によって産み出されたことに、素直に驚きを覚える。