ベルリンは晴れているか

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ベルリンは晴れているかの評価:

3.53/5点 レビュー 77件。 B ランク

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平均点3.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全152件 101〜120 6/8ページ
No.52
(3pt)

本屋大賞ノミネート10作に選ばれる価値は全く感じません。

ミステリー小説イチオシという煽り文句でしたが、
個人的にはヒロインの恩人の毒殺死の真相は、ミステリー作品としては1番ガッカリな部類であり、戦後直後という背景に繋がる点が過大評価されたに過ぎません。
ただ、『戦争の狂気や悲惨さ』を表現するなら、死の真相はもっと効果的な表現があったように思います。

今作品の真骨頂は、丹念に第二次世界大戦時~戦後のドイツの状況を調べ上げて描く事で、当時のドイツを登場人物と共に歩き、戦争の怖さや愚かさを読書体験出来る点にありまして、
ドイツと言えばヒトラーという歴史的な戦争カリスマの存在、並びにユダヤ人などへの戦慄すべき人種差別&殺戮という2大特徴があり、当時の一般人から見たそれらの影響や感じ方を知れた点では、とても貴重な体験が出来ました。

ただ、何故ドイツを舞台にした戦中~戦後を描いたのか?が不明であり、
たまたま今作品の3作前に読んだ石田衣良さん『不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲』に比べると、日本の戦争作品よりも伝わりにくいもどかしさを感じましたし、
『戦争の狂気や悲惨さ』の表現方法も石田さん作品が最大限に直接的だった点に比べて、今作品は間接的だった部分もあり、物足りなさがありました。

単なる一般作品と読めば、貴重なドイツ戦中~戦後作品として読む価値はありますが、
ミステリーとしてはガッカリであり、1年という区切りの中で厳選されし本屋大賞ノミネート10作に選ばれる価値は全く感じません。

ノミネートに選ばれる資格を得ていた2018年出版作品で挙げるなら、
社会的な問題(ワタミ過労自殺)を取り上げた、村山由佳『風は西から』
純粋に怖さを含むミステリー大作だった、伊岡瞬『冷たい檻』
社会的な問題(生活保護受給問題)とミステリー評価の両方を含んだ、中山七里『護られなかった者たちへ』
の方が名作でありオススメでした。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.51
(1pt)

文章力の欠如は登場人物の素晴らしさを阻害します。

残念ながら、半分呼んで挫折しました。何度かトライしましたが、無理でした。この本のストーリーや背景には大いに興味を持ちましたが、正直、文章に魅力が感じられませんでした。文章力の欠如は登場人物の素晴らしさを阻害します。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.50
(3pt)

本屋大賞ノミネート10作に選ばれる価値は全く感じません。

ミステリー小説イチオシという煽り文句でしたが、
個人的にはヒロインの恩人の毒殺死の真相は、ミステリー作品としては1番ガッカリな部類であり、戦後直後という背景に繋がる点が過大評価されたに過ぎません。
ただ、『戦争の狂気や悲惨さ』を表現するなら、死の真相はもっと効果的な表現があったように思います。

今作品の真骨頂は、丹念に第二次世界大戦時~戦後のドイツの状況を調べ上げて描く事で、当時のドイツを登場人物と共に歩き、戦争の怖さや愚かさを読書体験出来る点にありまして、
ドイツと言えばヒトラーという歴史的な戦争カリスマの存在、並びにユダヤ人などへの戦慄すべき人種差別&殺戮という2大特徴があり、当時の一般人から見たそれらの影響や感じ方を知れた点では、とても貴重な体験が出来ました。

ただ、何故ドイツを舞台にした戦中~戦後を描いたのか?が不明であり、
たまたま今作品の3作前に読んだ石田衣良さん『不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲』に比べると、日本の戦争作品よりも伝わりにくいもどかしさを感じましたし、
『戦争の狂気や悲惨さ』の表現方法も石田さん作品が最大限に直接的だった点に比べて、今作品は間接的だった部分もあり、物足りなさがありました。

単なる一般作品と読めば、貴重なドイツ戦中~戦後作品として読む価値はありますが、
ミステリーとしてはガッカリであり、1年という区切りの中で厳選されし本屋大賞ノミネート10作に選ばれる価値は全く感じません。

ノミネートに選ばれる資格を得ていた2018年出版作品で挙げるなら、
社会的な問題(ワタミ過労自殺)を取り上げた、村山由佳『風は西から』
純粋に怖さを含むミステリー大作だった、伊岡瞬『冷たい檻』
社会的な問題(生活保護受給問題)とミステリー評価の両方を含んだ、中山七里『護られなかった者たちへ』
の方が名作でありオススメでした。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.49
(2pt)

労作だが凡庸な作品

普段ミステリーにあまり興味はないのだが、ベルリンが舞台ということで手にとってみた。参考文献をいろいろと調べてこれだけのボリュームのものを書き上げた作者には申し訳ないが、作品としては凡庸だと思う。
設定が戦後のベルリンというだけで、登場人物のメンタリティは1990~2000年代の日本人の若者のようでかなり違和感を覚えた。
また、私はベルリンには過去に数年間ほど住んでいたことがあるが、本書の都市の描写にはリアリティを感じなかった。結局、地名や通りの名前を拝借しているだけで、細部がしっかりと描かれていないことに因るものだと思われる。
過去の傑作と比較するのも酷だが、ベルリンが舞台となっている作品、例えばイシャウッド「Goodbye to Berlin」や、本書の参考文献にも挙げられているファラダ「Alone in Berlin」は、ヒトラー政権下のベルリンであるにもかかわらず、現代のベルリンにも息づいている空気感が感じられ、私がベルリンに住んでいたのは2010年代だが、郷愁を覚えたものだ。本書ではそうした感情を得ることができなかった。
残念ながら私にとっては「一気読みの傑作」でも「海外翻訳小説」のような作品でもなかった。そもそも現代において海外翻訳小説風であることが褒め言葉だとは思わないが。。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.48
(5pt)

率直に言って、面白かった。

日本人の作家が書いたとは思えないほどベルリン、そしてその時代のドイツの様子を調べ上げて書かれた本である。読み始めると一気に読める。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.47
(2pt)

労作だが凡庸な作品

普段ミステリーにあまり興味はないのだが、ベルリンが舞台ということで手にとってみた。参考文献をいろいろと調べてこれだけのボリュームのものを書き上げた作者には申し訳ないが、作品としては凡庸だと思う。
設定が戦後のベルリンというだけで、登場人物のメンタリティは1990~2000年代の日本人の若者のようでかなり違和感を覚えた。
また、私はベルリンには過去に数年間ほど住んでいたことがあるが、本書の都市の描写にはリアリティを感じなかった。結局、地名や通りの名前を拝借しているだけで、細部がしっかりと描かれていないことに因るものだと思われる。
過去の傑作と比較するのも酷だが、ベルリンが舞台となっている作品、例えばイシャウッド「Goodbye to Berlin」や、本書の参考文献にも挙げられているファラダ「Alone in Berlin」は、ヒトラー政権下のベルリンであるにもかかわらず、現代のベルリンにも息づいている空気感が感じられ、私がベルリンに住んでいたのは2010年代だが、郷愁を覚えたものだ。本書ではそうした感情を得ることができなかった。
残念ながら私にとっては「一気読みの傑作」でも「海外翻訳小説」のような作品でもなかった。そもそも現代において海外翻訳小説風であることが褒め言葉だとは思わないが。。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.46
(5pt)

率直に言って、面白かった。

日本人の作家が書いたとは思えないほどベルリン、そしてその時代のドイツの様子を調べ上げて書かれた本である。読み始めると一気に読める。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.45
(3pt)

「読ませる」一冊

戦後ドイツの様子が映像としてうかんでくる労作です。
これだけの作品を書き上げられるまで、
筆者はどれほど調査を重ねられたことでしょう。
加えて「読ませる」一冊。筆者の筆力の強さに感嘆しました。
事件の全容が浮かび上がるシーンの位置付けが
全体に比して小さく
舞台装置の大きさを支えきれていないように思われました。
その点だけ残念でした。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.44
(3pt)

「読ませる」一冊

戦後ドイツの様子が映像としてうかんでくる労作です。
これだけの作品を書き上げられるまで、
筆者はどれほど調査を重ねられたことでしょう。
加えて「読ませる」一冊。筆者の筆力の強さに感嘆しました。
事件の全容が浮かび上がるシーンの位置付けが
全体に比して小さく
舞台装置の大きさを支えきれていないように思われました。
その点だけ残念でした。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.43
(5pt)

久々のお気に入り

久しぶりに、しっかり読んだ作品です。凄いリサーチ!私まで、主人公と一緒に、ベルリンの瓦礫の中を彷徨っているかの様な、気分になりました。ミステリー作品というよりそれを超えた人間模様に、興味が惹かれるました。 オーブランの少女 Amazonで、早速注文しました。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.42
(5pt)

久々のお気に入り

久しぶりに、しっかり読んだ作品です。凄いリサーチ!私まで、主人公と一緒に、ベルリンの瓦礫の中を彷徨っているかの様な、気分になりました。ミステリー作品というよりそれを超えた人間模様に、興味が惹かれるました。 オーブランの少女 Amazonで、早速注文しました。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.41
(2pt)

ミステリーとしては,残念な作品

ベルリン(フリードリヒ・シュトラッセ駅から徒歩5分くらい)にしばらく住んでいたことがあるので,地図がなくてもベルリン市内ならたいていの所なら行けるということで,終戦前後のベルリンの移動の部分は,懐かしく読んだ.
しかし,帯にあるように「読み出したらとまらない」というようなことはなく(帯は宣伝なので当然か)これだけの長さのストーリーを維持するには,人捜しという主人公の動機はパワーが不足している(むろん,最後にその動機の意味は明らかにされるが).
まず,登場人物の人間性が十分には描けていない.日本人が外国人を主人公にして小説を書く上での限界もあるが,基本的に主要な登場人物の顔があまり見えてこない.大半は,きわめて類型的な人物像に終始しており,魅力に欠ける(感情移入はできない).
そして,最も問題な点は,ミステリーとして読む場合の,完全なルール違反である.
ネタバレを避けるために詳細は書かないが,小説では登場人物の(他者からも見える)「行動」と,(自分にしかわからない)「内面の意識」をかき分けることが重要である.その点で,本作では主人公が「記憶障害」か「解離性同一性障害」でもない限り,ありえない結末になっている.しかし,主人公がそのような障害であったことは書かれていないので,これは著者の読者に対する不正である.
そのため,最後の「驚くべき」結末が,「なーんだ,それはないでしょ」という感じになってしまい,読後感はよくない.
まあ,著者の取材と調査の努力を認め,星2つとするが,小説としては残念なできと言うほかはない.
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.40
(2pt)

ミステリーとしては,残念な作品

ベルリン(フリードリヒ・シュトラッセ駅から徒歩5分くらい)にしばらく住んでいたことがあるので,地図がなくてもベルリン市内ならたいていの所なら行けるということで,終戦前後のベルリンの移動の部分は,懐かしく読んだ.
しかし,帯にあるように「読み出したらとまらない」というようなことはなく(帯は宣伝なので当然か)これだけの長さのストーリーを維持するには,人捜しという主人公の動機はパワーが不足している(むろん,最後にその動機の意味は明らかにされるが).
まず,登場人物の人間性が十分には描けていない.日本人が外国人を主人公にして小説を書く上での限界もあるが,基本的に主要な登場人物の顔があまり見えてこない.大半は,きわめて類型的な人物像に終始しており,魅力に欠ける(感情移入はできない).
そして,最も問題な点は,ミステリーとして読む場合の,完全なルール違反である.
ネタバレを避けるために詳細は書かないが,小説では登場人物の(他者からも見える)「行動」と,(自分にしかわからない)「内面の意識」をかき分けることが重要である.その点で,本作では主人公が「記憶障害」か「解離性同一性障害」でもない限り,ありえない結末になっている.しかし,主人公がそのような障害であったことは書かれていないので,これは著者の読者に対する不正である.
そのため,最後の「驚くべき」結末が,「なーんだ,それはないでしょ」という感じになってしまい,読後感はよくない.
まあ,著者の取材と調査の努力を認め,星2つとするが,小説としては残念なできと言うほかはない.
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.39
(4pt)

深緑最高

翻訳本のつもりで読み進めた。一気によむというより、じわりじわりと丁寧に読んだ。前世ナチス側だったのか最後まで罪悪感で一杯だった。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.38
(5pt)

ドイツ人少女が見たもの。

戦争直後の米ソ英仏統治下のベルリンが舞台。
その2日間のドイツ人少女の濃厚な行動を追っていく。
そして、戦争前から戦争中を顧みる。
ミステリーは終盤段階にボルテージが上がります。
それよりも、悲惨な戦禍の数々。
恐怖と混乱と狂気が混在した怒涛の中。
すさまじい惨状が眼下に広がっていく。
ドイツ人少女が見た光景が浮かび上がってくる。
守るべきもの。
ひとが作った負の歴史。
その様子が臨場感たっぷりに描写されている。
人道、道理に外れた行為が日常だった戦禍で、何が正しい行為なのか。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.37
(4pt)

深緑最高

翻訳本のつもりで読み進めた。一気によむというより、じわりじわりと丁寧に読んだ。前世ナチス側だったのか最後まで罪悪感で一杯だった。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.36
(5pt)

ドイツ人少女が見たもの。

戦争直後の米ソ英仏統治下のベルリンが舞台。
その2日間のドイツ人少女の濃厚な行動を追っていく。
そして、戦争前から戦争中を顧みる。
ミステリーは終盤段階にボルテージが上がります。
それよりも、悲惨な戦禍の数々。
恐怖と混乱と狂気が混在した怒涛の中。
すさまじい惨状が眼下に広がっていく。
ドイツ人少女が見た光景が浮かび上がってくる。
守るべきもの。
ひとが作った負の歴史。
その様子が臨場感たっぷりに描写されている。
人道、道理に外れた行為が日常だった戦禍で、何が正しい行為なのか。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.35
(5pt)

世界中から戦争を追い出そう

中心になるストーリーと戦前からここまでを物語る幕間、どちらも目の前で起こっていることのように丁寧で細かい描写に思わず引き込まれます。
ただ、辛くて苦しい場面も多く、なかなか読み進められないなかをアウグステとジギのキャラクターがぐんぐん引っ張る。
戦争は世界中のどこでも起きる、やってよかった、傷つくひとが誰もいない戦争なんてない。
そういう、強いメッセージを受け取りました。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983
No.34
(5pt)

世界中から戦争を追い出そう

中心になるストーリーと戦前からここまでを物語る幕間、どちらも目の前で起こっていることのように丁寧で細かい描写に思わず引き込まれます。
ただ、辛くて苦しい場面も多く、なかなか読み進められないなかをアウグステとジギのキャラクターがぐんぐん引っ張る。
戦争は世界中のどこでも起きる、やってよかった、傷つくひとが誰もいない戦争なんてない。
そういう、強いメッセージを受け取りました。
ベルリンは晴れているか (単行本) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (単行本)より
448080482X
No.33
(4pt)

(2019年―第15冊)被害者クリストフの背景が不明瞭だが、終戦直後のベルリンを精緻に描いた、あたかも海外翻訳ミステリーを読むような小説

1945年7月、戦争に敗れたドイツの帝都ベルリンは連合国側の4カ国が占領していた。アメリカ軍の兵員食堂で働く17歳のドイツ人少女アウグステ・ニッケルは、突然NKVD(内務人民委員部)の尋問を受ける。戦時中に自分をかくまってくれた音楽家クリストフ・ローレンツが毒殺され、アウグステに嫌疑がかかったのだ。NKVDはやがてローレンツの妻フレデリカの甥エーリヒに目をつける。エーリヒは一時ローレンツ家の養子として迎えられたが、後に家を出たまま同家とは縁が切れていた。NKVDは映画の街バーベルスベルクにいるかもしれないエーリヒを探すようアウグステに依頼する。おりしも近郊でポツダム会談が開催されようとしていて、スターリンがドイツに向かっていた…。
------------------------------
 2019年の直木賞候補作であり、本屋大賞ノミネート作です。終戦直後のベルリンの崩壊ぶりを日本人作家がここまで精緻に描き出すことができるのかと驚きをもって読みました。

 瓦礫の山と化したベルリンで被占領国民の哀しく理不尽な日々が果てしなく続きます。わずか2日間とはいえ、まだ10代の少女に過ぎない主人公とともにする、謎めいた追跡の旅の道行きは大きな緊張を強いるものでした。
 また「幕間」と称して5度にわたって差し挟まれる戦中回想シーンで描かれる、ユダヤ人やツィゴイナー、同性愛者や東欧移民などへの虐待の様子は苛烈を極め、目を覆いたくなるほど微細な描写が幾度も登場します。その抑圧された少数派側の憤怒と焦慮が、アウグステに同行する“ユダヤ人俳優”カフカ、ツィゴイナーとユダヤの血を引くヴァルター、同性愛者のアーリア人ハンスの関係を大きく揺さぶっていくのです。
 彼らの姿の向こうに、戦争のむごさがくっきりと見えてくる物語です。

 しかし、戦中・戦後のベルリンがあれほど詳細に描かれる一方で、殺人事件の被害者であるクリストフがその死を招くきっかけとなった背景そのものには霞がかかったかのようではっきりしません。クリストフの行動の動機が曖昧なまま物語が閉じてしまった印象が拭えないのです。クリストフ殺害犯もそこを明らかにする努力をしていないことにも納得がいきません。

 謎解き物語としては、最後の意外な犯人像も含めて楽しめはしましたし、戦争終結直後のドイツをあたかも海外ミステリーを読むかのような気持ちで味わえたのも事実ですが、被害者の実像が不鮮明なままに終わった点に不満を感じたこともまた否定できないのです。

------------------
*131頁:「リヒテンベルグ」という街の名が出てきますが、Lichtenbergは「リヒテンベルク」とするほうがドイツ語の原音に近いと思います。

*258頁:「帝国文化院」に振られたルビが「ライヒスカルチュアカンマー」となっていますが、Reichskulturkammerは「ライヒスクルトゥアカンマー」とするほうがドイツ語の原音に近いと思います。

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 作者・深緑氏自身、この小説を執筆する上で参考にした文献を巻末に多数掲げていますが、そのリストに載っていない書で、お勧めの書を以下に紹介しておこうと思います。

◆臼井 隆一郎『 アウシュヴィッツのコーヒー―コーヒーが映す総力戦の世界 』(石風社)
:『ベルリンは晴れているか』の中で「代用コーヒー」を口にする場面が幾度か出てきます。コーヒーとは名ばかりで、「栗を砕いて炒った」もの(57頁)や、「タンポポの根」を代用したもの(370頁)など材料は様々です。その一方でフレデリカが「陶器のカップで本物のコーヒーを飲む」(417頁)場面も出てきます。
 代用コーヒーと戦争の関係について描いたノンフィクションが『アウシュヴィッツのコーヒー』です。

◆ローラン・ビネ『 HHhH (プラハ、1942年) 』(東京創元社) 
:『ベルリンは晴れているか』の中で「ベーメン・メーレン保護領のプラハで襲撃され、死亡したラインハルト・ハイドリヒの葬儀が昨日あったばかり」(296頁)と記されます。
 ナチ高官としてユダヤ人問題の“最終的解決”計画の推進者であったラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を描くフランスの小説が『HHhH (プラハ、1942年)』です。
 2014年本屋大賞翻訳小説部門で第1位に選出されています。

◆ハラルト ギルバース『 終焉 』(集英社文庫)
:1945年4月、ソビエト軍が進攻してくる中、帝都ベルリンでユダヤ系の元刑事オッペンハイマーが、旧知のギャングであるエデから奇妙な依頼を受けます。ディーターと名乗る男とそのカバンをかくまうようにというのですが、ディーターは終戦を目前に殺害されてしまいます。一方、進駐してきたソ連軍もそのカバンを探していて…。
 1944年5月に始まる『 ゲルマニア 』、1945年1月を描いた『 オーディンの末裔 』に続くドイツのミステリー・シリーズの第3弾です。ソビエト駐留軍との微妙な関係を背負って敗戦直後のベルリンで謎の解明に走る点で、『ベルリンは晴れているか』と共通するところが多い物語です。

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ベルリンは晴れているか (ちくま文庫) Amazon書評・レビュー: ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)より
4480437983