乳と卵

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評判

乳と卵の評価:

3.35/5点 レビュー 153件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全142件 21〜40 2/8ページ
No.122
(5pt)

まだ読んでいない人がうらやましい。新しい気持ちでもう一回楽しみたい。

衝撃だった。この人の文章が好きだと思った。
流れるようなセリフで、人間の言葉ってこんな風だよなと思った。
キャラクターではなくて、人間を描いていると思った。
三人の距離感によって生まれる、
間を埋めるような言葉たちが共感しかなくて、気持ちいい。
主人公をあまり描かない。名前もほぼ出てこない。
常に客観的な視点で親子を観ている一人称。
でも主人公は二人の拠り所なんだろうなと感じたときに、
描かれていないのに感じる、関係性。作家の力なんだろうなと思った。
あ〜もう一回読み直したい。と純粋に思う。
あと、「あなたたちの恋愛は瀕死」で、
横断歩道のことを「のんきなしましま」と呼んでいるのが好きだった。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.121
(5pt)

まだ読んでいない人がうらやましい。新しい気持ちでもう一回楽しみたい。

衝撃だった。この人の文章が好きだと思った。
流れるようなセリフで、人間の言葉ってこんな風だよなと思った。
キャラクターではなくて、人間を描いていると思った。
三人の距離感によって生まれる、
間を埋めるような言葉たちが共感しかなくて、気持ちいい。
主人公をあまり描かない。名前もほぼ出てこない。
常に客観的な視点で親子を観ている一人称。
でも主人公は二人の拠り所なんだろうなと感じたときに、
描かれていないのに感じる、関係性。作家の力なんだろうなと思った。
あ〜もう一回読み直したい。と純粋に思う。
あと、「あなたたちの恋愛は瀕死」で、
横断歩道のことを「のんきなしましま」と呼んでいるのが好きだった。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.120
(5pt)

このすさまじいドライブ感!

月並みな表現だけど、このすさまじいドライブ感はなんだろう。
しかも上滑りするのではない、粘着質なドライブ感とでも言え
ばいいのか。巻き込まれ感がすごい。おまけに泣ける。これま
での作家では味わったことのない感覚だ。こんな天才をこれま
で読まなかったことを少し後悔。他の作品をもっと読みたくな
る作家だ。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.119
(5pt)

このすさまじいドライブ感!

月並みな表現だけど、このすさまじいドライブ感はなんだろう。
しかも上滑りするのではない、粘着質なドライブ感とでも言え
ばいいのか。巻き込まれ感がすごい。おまけに泣ける。これま
での作家では味わったことのない感覚だ。こんな天才をこれま
で読まなかったことを少し後悔。他の作品をもっと読みたくな
る作家だ。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.118
(4pt)

溶けるような主人公の意識をめぐる文体に特徴

表題作の中編(約100P)と短編(約25P)の二篇収録。
二篇ともにドロドロと溶けるような主人公視点の文体が特徴的でした。

『乳と卵』
東京の三ノ輪に住む私(夏子)のアパートに三日間の予定で大阪から姉と姪が訪れる。
姉の巻子は39歳、離婚しており娘を育てるために京橋の場末のスナックでホステスとして働いている。今回の上京は自身の豊胸手術のための調査を兼ねており、豊胸手術をするということに異様なこだわりを見せている。娘の緑子は、巻子、夏子に対してなぜか口頭での会話は行わず、筆談でコミュニケーションをとる。常に携えているノートに手記を残すことを習慣としており、そこには卵子への好奇心、初潮を迎えることへの少女の怖れや大人になることに対する嫌悪感などが綴られている。物語は私の視点で巻子、緑子の母娘を描写しつつ交互して緑子の手記を挿入するかたちで進められる。
一段落ごとが長めに取られ、地の文のなかに主人公視点による外面描写、三人の会話、それに些細な変化にもその都度反応する私の意識が溶け合うような文体に大きな特徴がみられる。会話文にはやや紋切型からはなれ、現実に即した現代の女性ならではの関西弁が用いられていることもあり、読みづらく感じる読者もいるかもしれない。

『あなたたちの恋愛は瀕死』
百貨店の化粧品売り場で、ティッシュを配られて、書店にて、さまざまな思いをめぐらす女性の意識が描かれる。ナンセンスにも読める。描写の特徴は表題作と共通している。こちらは関西弁ではない。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.117
(4pt)

溶けるような主人公の意識をめぐる文体に特徴

表題作の中編(約100P)と短編(約25P)の二篇収録。
二篇ともにドロドロと溶けるような主人公視点の文体が特徴的でした。

『乳と卵』
東京の三ノ輪に住む私(夏子)のアパートに三日間の予定で大阪から姉と姪が訪れる。
姉の巻子は39歳、離婚しており娘を育てるために京橋の場末のスナックでホステスとして働いている。今回の上京は自身の豊胸手術のための調査を兼ねており、豊胸手術をするということに異様なこだわりを見せている。娘の緑子は、巻子、夏子に対してなぜか口頭での会話は行わず、筆談でコミュニケーションをとる。常に携えているノートに手記を残すことを習慣としており、そこには卵子への好奇心、初潮を迎えることへの少女の怖れや大人になることに対する嫌悪感などが綴られている。物語は私の視点で巻子、緑子の母娘を描写しつつ交互して緑子の手記を挿入するかたちで進められる。
一段落ごとが長めに取られ、地の文のなかに主人公視点による外面描写、三人の会話、それに些細な変化にもその都度反応する私の意識が溶け合うような文体に大きな特徴がみられる。会話文にはやや紋切型からはなれ、現実に即した現代の女性ならではの関西弁が用いられていることもあり、読みづらく感じる読者もいるかもしれない。

『あなたたちの恋愛は瀕死』
百貨店の化粧品売り場で、ティッシュを配られて、書店にて、さまざまな思いをめぐらす女性の意識が描かれる。ナンセンスにも読める。描写の特徴は表題作と共通している。こちらは関西弁ではない。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.116
(5pt)

産む性の激しい自己嫌悪を描く

川上未映子は、物語の作り手としては今いちだけれど、ある種の身体感覚のシャープな描写にかけては、右に出る者はいない。女性の性愛の享楽jouissanceを言語化した『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』が、たぶん最高傑作だと思うが、この『乳と卵』も、産む性としての女性の肉体への激しい自己嫌悪を描いており、ネガティブな身体感覚の描写に傑出している。本作は、毎月の出血である月経がいかに気持ちの悪いものであるかが執拗に描かれ、その根本には卵子への激しい憎悪がある。決して目に見えない微小な大きさの卵子、だが卵子への激しい憎悪をここまで主題化した小説は稀であろう。姉が狂気のように自分の豊胸手術にこだわるのは、娘の緑子を産んで乳を飲ませた結果、液体の乳は全部出て行ってしまい、その結果、自分の乳房は、抜け殻になり、脱いだ靴下のようにみじめにぺちゃんこになってしまったからである。そして、娘の緑子は、母の乳房がそんな風になってしまったのは、自分を産んだからで、自分はこの世に生まれてこない方がよかったと、反出生主義になって母を憎悪する。乳房への憎悪、月経への憎悪、卵子への憎悪、それは産む性としての女性の身体への自己嫌悪である。それをかくも激しく描出したことに、この作品の稀な価値があるのだろう。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.115
(5pt)

産む性の激しい自己嫌悪を描く

川上未映子は、物語の作り手としては今いちだけれど、ある種の身体感覚のシャープな描写にかけては、右に出る者はいない。女性の性愛の享楽jouissanceを言語化した『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』が、たぶん最高傑作だと思うが、この『乳と卵』も、産む性としての女性の肉体への激しい自己嫌悪を描いており、ネガティブな身体感覚の描写に傑出している。本作は、毎月の出血である月経がいかに気持ちの悪いものであるかが執拗に描かれ、その根本には卵子への激しい憎悪がある。決して目に見えない微小な大きさの卵子、だが卵子への激しい憎悪をここまで主題化した小説は稀であろう。姉が狂気のように自分の豊胸手術にこだわるのは、娘の緑子を産んで乳を飲ませた結果、液体の乳は全部出て行ってしまい、その結果、自分の乳房は、抜け殻になり、脱いだ靴下のようにみじめにぺちゃんこになってしまったからである。そして、娘の緑子は、母の乳房がそんな風になってしまったのは、自分を産んだからで、自分はこの世に生まれてこない方がよかったと、反出生主義になって母を憎悪する。乳房への憎悪、月経への憎悪、卵子への憎悪、それは産む性としての女性の身体への自己嫌悪である。それをかくも激しく描出したことに、この作品の稀な価値があるのだろう。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.114
(5pt)

独特の感性と文体:二度目、読んでみると、そこに見えてくる景色がまったく異なる !!・・・・文体を含め、一旦、面白さ凄さに気がつくと中毒になる、そんな凄い小説

最初、この小説を読んだ時、芥川賞も・・・・直木賞と類例で、数年に一度は特定の出版社(冬幻舎?)からの出版小説を選出しなければならない、そんな縛りがあるのかな、と失礼な思考をしてしまいました。 それほどに、「何、この酷い小説」という心を抑えられませんでした。 ただ、この小説を繰り返し(2回目)読んでいる途中で、自分の不明、思考ロジックの単純さに思いが―――やっと―――至りました。

 この小説に、わたしが素直なタイトルを付けるとすれば、『女、そして母と娘』 ということでしょう。小説の構成要素は、
①母と娘の恩讐(怨讐?)と、そして和解。
②少女から女になることの鬱陶しさ、怖れ、途惑い。
③老いることへの恐怖と焦燥、そして哀しさ。

ということになるのでしょう。この小説は、たとえば、東野圭吾や林真理子といった人畜無害小説に慢性的に感染している人の治癒・治療になる可能性があります(いうまでもないことですが、当世稀代の売れっ子小説家お二人への悪口では、断じてありません。自身、精神が疲れた時、よく読んでおります)。
 娘さんが追い詰められていることは《彼女が誰とも口をきかない》という状況で良く分かりますが、お母さんが精神的に追い詰められていることは、咳止めシロップ中毒(リン酸コデイン、エフェドリン)などの表現で、読者に分かるようになっている。

  わたしごときが云うまでもなく(云う:著者の好んでつかう漢字)、彼女の小説には新規の視軸があり、表現法にも独自の筆法があります。 ただ、ずらずらと会話と説明が連続しており、パラグラフによっては、会話の部分が【「 」】でくくられなかったり、隣のパラグラフでは、会話の内容に【「 」】を丁寧に使用してくれたり、気まぐれですので、そこには少々閉口しました。ただ、そこには彼女なりルールがあるようで、誰かのセリフであっても、それが状況・場面の説明の要素を含んでいれば【「 」】無しで書いているような傾向はあるかもしれません。仮に彼女が、雰囲気で適当にやっているのなら、同類の性向が感じられ、楽しくはありますが。
世界の、ジェンダー・フリーの趨勢には反するのかもしれませんが、川上さんも男性的気質なのかも?
  とにかく、すばらしい小説であることには間違いありません。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.113
(5pt)

独特の感性と文体:二度目、読んでみると、そこに見えてくる景色がまったく異なる !!・・・・文体を含め、一旦、面白さ凄さに気がつくと中毒になる、そんな凄い小説

最初、この小説を読んだ時、芥川賞も・・・・直木賞と類例で、数年に一度は特定の出版社(冬幻舎?)からの出版小説を選出しなければならない、そんな縛りがあるのかな、と失礼な思考をしてしまいました。 それほどに、「何、この酷い小説」という心を抑えられませんでした。 ただ、この小説を繰り返し(2回目)読んでいる途中で、自分の不明、思考ロジックの単純さに思いが―――やっと―――至りました。

 この小説に、わたしが素直なタイトルを付けるとすれば、『女、そして母と娘』 ということでしょう。小説の構成要素は、
①母と娘の恩讐(怨讐?)と、そして和解。
②少女から女になることの鬱陶しさ、怖れ、途惑い。
③老いることへの恐怖と焦燥、そして哀しさ。

ということになるのでしょう。この小説は、たとえば、東野圭吾や林真理子といった人畜無害小説に慢性的に感染している人の治癒・治療になる可能性があります(いうまでもないことですが、当世稀代の売れっ子小説家お二人への悪口では、断じてありません。自身、精神が疲れた時、よく読んでおります)。
 娘さんが追い詰められていることは《彼女が誰とも口をきかない》という状況で良く分かりますが、お母さんが精神的に追い詰められていることは、咳止めシロップ中毒(リン酸コデイン、エフェドリン)などの表現で、読者に分かるようになっている。

  わたしごときが云うまでもなく(云う:著者の好んでつかう漢字)、彼女の小説には新規の視軸があり、表現法にも独自の筆法があります。 ただ、ずらずらと会話と説明が連続しており、パラグラフによっては、会話の部分が【「 」】でくくられなかったり、隣のパラグラフでは、会話の内容に【「 」】を丁寧に使用してくれたり、気まぐれですので、そこには少々閉口しました。ただ、そこには彼女なりルールがあるようで、誰かのセリフであっても、それが状況・場面の説明の要素を含んでいれば【「 」】無しで書いているような傾向はあるかもしれません。仮に彼女が、雰囲気で適当にやっているのなら、同類の性向が感じられ、楽しくはありますが。
世界の、ジェンダー・フリーの趨勢には反するのかもしれませんが、川上さんも男性的気質なのかも?
  とにかく、すばらしい小説であることには間違いありません。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.112
(5pt)

音楽的な大阪弁のやわらかな魅力を感じたい誰かへ

"卵子というのは卵細胞って名前で呼ぶのがほんとうで、ならばなぜ子、という字がつくのか、っていうのは、精子、という言葉にあわせて子、を付けてるだけなのです。"改行なし、読点によって区切られ、延々と続いていく女性達の大阪弁が心地良い本書は、声に出したくなるリズミカルさ。‬

個人的には、何となく東京に滞在していると【懐かしく大阪弁に触れたくなる】と本書を手にとったのですが。夏に上京してきた親子と、それを迎え入れる女性との3日間を描いた本書は、各所に【化粧、豊胸、初潮、卵子、乳】といった女性を象徴する言葉を散りばめつつ、詩的な文章、言葉選びが素晴らしく残り、芥川賞受賞も納得の短編だとやはり感じます。

また、これは私自身が卵及び目玉焼きやオムレツといった【無類の卵料理好きだからか?】終盤の卵まみれになるユーモラスな展開はクライマックス的な感情の爆発に引き込まれつつも【卵が。。もったいない】と何だかそんな、割とどうでもいい事に感情がもっていかれてしまって、お腹がなったり。(なんかほんまにすいません)

音楽的な大阪弁のやわらかな魅力を感じたい誰かに、また女性性を感じさせる短編を探す誰かにオススメ。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.111
(5pt)

音楽的な大阪弁のやわらかな魅力を感じたい誰かへ

"卵子というのは卵細胞って名前で呼ぶのがほんとうで、ならばなぜ子、という字がつくのか、っていうのは、精子、という言葉にあわせて子、を付けてるだけなのです。"改行なし、読点によって区切られ、延々と続いていく女性達の大阪弁が心地良い本書は、声に出したくなるリズミカルさ。‬

個人的には、何となく東京に滞在していると【懐かしく大阪弁に触れたくなる】と本書を手にとったのですが。夏に上京してきた親子と、それを迎え入れる女性との3日間を描いた本書は、各所に【化粧、豊胸、初潮、卵子、乳】といった女性を象徴する言葉を散りばめつつ、詩的な文章、言葉選びが素晴らしく残り、芥川賞受賞も納得の短編だとやはり感じます。

また、これは私自身が卵及び目玉焼きやオムレツといった【無類の卵料理好きだからか?】終盤の卵まみれになるユーモラスな展開はクライマックス的な感情の爆発に引き込まれつつも【卵が。。もったいない】と何だかそんな、割とどうでもいい事に感情がもっていかれてしまって、お腹がなったり。(なんかほんまにすいません)

音楽的な大阪弁のやわらかな魅力を感じたい誰かに、また女性性を感じさせる短編を探す誰かにオススメ。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.110
(5pt)

完全に非凡な文章力

純文学好きは読まないとダメ 凄い文章力だと思う、話の内容よりも文章の詩的で自由律な部分に感嘆した 合う合わないじゃない、否定するか賞賛するかだと思う 表題作と短編が入っているが短編の方が如実にそれを感じた 今まで好きだった小説家が馬鹿にされたような気がしたくらいで、腹が立った それくらい素晴らしい感性の文章
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.109
(5pt)

完全に非凡な文章力

純文学好きは読まないとダメ 凄い文章力だと思う、話の内容よりも文章の詩的で自由律な部分に感嘆した 合う合わないじゃない、否定するか賞賛するかだと思う 表題作と短編が入っているが短編の方が如実にそれを感じた 今まで好きだった小説家が馬鹿にされたような気がしたくらいで、腹が立った それくらい素晴らしい感性の文章
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.108
(5pt)

おもしろかったです。

表現がとてもおもしろい小説でした。友人からのすすめで呼んでみました。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.107
(5pt)

おもしろかったです。

表現がとてもおもしろい小説でした。友人からのすすめで呼んでみました。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.106
(5pt)

文章の身体性を感じさせられる傑作

とても好きな小説のひとつです。
いろいろなレビューにも書かれているように、まどろっこしい長回しの文体にクセがあり、テーマとしても女性性というナイーブなものなので、身構えたくもなってしまいますが、、、そういったことは一旦置いておいて。
生き生きとした登場人物たちの描写/言動がいちいち笑えるし、長回しの文章も大阪弁の小気味良いリズムも相まって、するすると心地よい読書感覚に変わっていく瞬間があります。
文章の中身(テーマ)以上に、文章の身体(文体)という側面が前面化されていくのです。

人間(女性)の身体と文章の身体(文体)という
2つの「身体性」が巧妙に重ね合わせられている作品だということに気付かされ、作者の技巧には圧倒させられます。
「乳と卵」というタイトルにしても「父取らん」という別の意味が浮かび上がってきますよね。

言葉というものと向き合い尽くし作られた渾身の一作ではないかと思います。
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.105
(5pt)

文章の身体性を感じさせられる傑作

とても好きな小説のひとつです。
いろいろなレビューにも書かれているように、まどろっこしい長回しの文体にクセがあり、テーマとしても女性性というナイーブなものなので、身構えたくもなってしまいますが、、、そういったことは一旦置いておいて。
生き生きとした登場人物たちの描写/言動がいちいち笑えるし、長回しの文章も大阪弁の小気味良いリズムも相まって、するすると心地よい読書感覚に変わっていく瞬間があります。
文章の中身(テーマ)以上に、文章の身体(文体)という側面が前面化されていくのです。

人間(女性)の身体と文章の身体(文体)という
2つの「身体性」が巧妙に重ね合わせられている作品だということに気付かされ、作者の技巧には圧倒させられます。
「乳と卵」というタイトルにしても「父取らん」という別の意味が浮かび上がってきますよね。

言葉というものと向き合い尽くし作られた渾身の一作ではないかと思います。
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108
No.104
(5pt)

大阪的なるもの

あっははは、何ともパラノチックな滑稽さがあっておもしろいです。
言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書くことで思いを伝える緑子という娘とホステスをしながらシングルでその子を育てる巻子。その母と娘が東京暮らしの妹のところに上京してくる夏の三日間の話だ。
どういうわけか巻子は豊胸願望がありその手術を考えている。言葉と身体、この三人の女たちは切羽詰まった状況にありながらどこか偏執狂的なところがあって否応なく過剰な感情が露出する。それ故にシリアスでありながらも滑稽さがつきまとう。
そのような状況を描いたこの作品で芥川賞を受賞し川上未映子の名を知らしめたのだが、とりわけ言葉と身体を軸にした描写がなんとも言えないおもしろさがある。それは本当に見事でありほど良いリズムさえ感じさせる。
冒頭、緑子はこのようにノートに書いている。

卵子というのは卵細胞って名前で呼ぶのが本当で、ならばなぜ子、という字がつくのか、
っていうのは、精子、という言葉にあわせて子、をつけているだけなのです。(p9)

などと図書室でいろいろ調べてはその度ごとにしらけきっている。
また、次のようにも書き記している。

クラスのだいたいに初潮、がきているらしいけど、今日はことばについて考えると初潮の初は初めてという意味でわかるけど、じゃあうしろのこの潮というのはなんで、と思いますに調べたら、初潮でははじめての月経、としか説明がなくてなんやごまかさされたような気分ですから、潮というのを調べたら、いろいろ意味がおおくて、書いてあることは月と太陽の引力のあれやこれやで海水が満ちたり引いたり、まあ動くこと、波、それのことで、いい時期、ともあって、んでわからんのがほかにはなぜか愛嬌、とかも書いてあって、愛嬌を調べたら、これにもいろいろあったけれど目にはいってきたのは、商店で客の気を引く、とか、好ましさ、を、感じさせる、とかがあり、なんでこれが、股んとこから血のはじめて出る、初潮と関係があるのかさっぱりわからんでなんとなくむかつく。(p16)

とくるから、本当にいい子だなあと感心するし笑えてくるのである。
一方、豊胸手術を決意させるほどの願望をもつ緑子の母巻子の並々ならぬ思いは強烈なのだ。それはそれは妹や娘も及ばない徹底ぶりである。

「いわゆるシリコン入れるのと、ヒアルロン酸注射して大きくするのと、それから自分の脂肪を抜いてそれ使って膨らますやつ、で、シリコン入れる方法がやっぱいっちゃん高いねんな、んでこれ、これみたいに」・・・(p35)

と捲し立てるようにいうのだ。
やれ男性精神だの男根主義だの、さらには化粧や儀式、文化や魔よけの知恵までもちだして胸を大きくしたい側とそれを冷ややかにみる側の論争(P40~44)もおもしろいのだが、一事が万事この三人のこだわりも相当なものでどこか共通するところがある。

巻子は湯に浸かってる間、風呂場を行き来する女々の体を舐めるように観察し、それは隣のわたしが気を遣うほど無遠慮に視線を打ち続けるので、ちょっと巻きちゃん、見すぎ、と思わず小声で注意するも、ああとかうんとかの生返事をして、その目は入ってくる体、出る体、泡にくるまれる体をじっくりとせわしなく追うのであった。(p51)

笑えてくるほどのこの巻子の体に対する執着がどこからやってくるのか定かではないが当然のことのように日常の混乱を招くことになる。
最後の場面、これまでの鬱憤を晴らすように捲し立てる描写、台所で二人して卵を自分の頭にぶつけて次々と割っていく過剰な感情表現はさすがに圧巻といっていい。

ああ、巻子も緑子もいま現在、言葉が足りん、ほいでこれをここで見ているわたしにも言葉が足りん、云えることが何もない、そして台所が暗い、そして生ゴミの臭いもするなどを思い、緑子の口の辺りの緊張した様子うぃ見ながらに、しかしこんなこと、なんかが阿保みたいだ、なんかがどうでもいいのだという気持ちがあって、わたしは台所の電気をぱちんとつければ蛍光灯が台所の隅々を浮かび上がらせ、巻子は真っ赤になった目を細め、一瞬まぶしそうな顔をしたが、緑子は自分の大股に手をぎゅっと押しつけたまま巻子の首のあたりをみつめ、突然に、お母さん、とすぐ隣に立っている巻子に向かって、大きな声を出した。(p97)

おしまいには二人してまた大阪に帰っていくのだが全体的には何となくさわやかな滑稽さに包まれている。それゆえにと云うべきか読後には不思議な爽快感もあり応援したくなってくるのである。
また、大阪弁で感情を露わにする描写などこの作品に大阪的なるものがあるとすれば、大阪って何だろうとも思えてくるからもしかして厚みのある傑出した小説ということなのかも・・・
乳と卵(らん) (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 乳と卵(らん) (文春文庫)より
4167791013
No.103
(5pt)

大阪的なるもの

あっははは、何ともパラノチックな滑稽さがあっておもしろいです。
言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書くことで思いを伝える緑子という娘とホステスをしながらシングルでその子を育てる巻子。その母と娘が東京暮らしの妹のところに上京してくる夏の三日間の話だ。
どういうわけか巻子は豊胸願望がありその手術を考えている。言葉と身体、この三人の女たちは切羽詰まった状況にありながらどこか偏執狂的なところがあって否応なく過剰な感情が露出する。それ故にシリアスでありながらも滑稽さがつきまとう。
そのような状況を描いたこの作品で芥川賞を受賞し川上未映子の名を知らしめたのだが、とりわけ言葉と身体を軸にした描写がなんとも言えないおもしろさがある。それは本当に見事でありほど良いリズムさえ感じさせる。
冒頭、緑子はこのようにノートに書いている。

卵子というのは卵細胞って名前で呼ぶのが本当で、ならばなぜ子、という字がつくのか、
っていうのは、精子、という言葉にあわせて子、をつけているだけなのです。(p9)

などと図書室でいろいろ調べてはその度ごとにしらけきっている。
また、次のようにも書き記している。

クラスのだいたいに初潮、がきているらしいけど、今日はことばについて考えると初潮の初は初めてという意味でわかるけど、じゃあうしろのこの潮というのはなんで、と思いますに調べたら、初潮でははじめての月経、としか説明がなくてなんやごまかさされたような気分ですから、潮というのを調べたら、いろいろ意味がおおくて、書いてあることは月と太陽の引力のあれやこれやで海水が満ちたり引いたり、まあ動くこと、波、それのことで、いい時期、ともあって、んでわからんのがほかにはなぜか愛嬌、とかも書いてあって、愛嬌を調べたら、これにもいろいろあったけれど目にはいってきたのは、商店で客の気を引く、とか、好ましさ、を、感じさせる、とかがあり、なんでこれが、股んとこから血のはじめて出る、初潮と関係があるのかさっぱりわからんでなんとなくむかつく。(p16)

とくるから、本当にいい子だなあと感心するし笑えてくるのである。
一方、豊胸手術を決意させるほどの願望をもつ緑子の母巻子の並々ならぬ思いは強烈なのだ。それはそれは妹や娘も及ばない徹底ぶりである。

「いわゆるシリコン入れるのと、ヒアルロン酸注射して大きくするのと、それから自分の脂肪を抜いてそれ使って膨らますやつ、で、シリコン入れる方法がやっぱいっちゃん高いねんな、んでこれ、これみたいに」・・・(p35)

と捲し立てるようにいうのだ。
やれ男性精神だの男根主義だの、さらには化粧や儀式、文化や魔よけの知恵までもちだして胸を大きくしたい側とそれを冷ややかにみる側の論争(P40~44)もおもしろいのだが、一事が万事この三人のこだわりも相当なものでどこか共通するところがある。

巻子は湯に浸かってる間、風呂場を行き来する女々の体を舐めるように観察し、それは隣のわたしが気を遣うほど無遠慮に視線を打ち続けるので、ちょっと巻きちゃん、見すぎ、と思わず小声で注意するも、ああとかうんとかの生返事をして、その目は入ってくる体、出る体、泡にくるまれる体をじっくりとせわしなく追うのであった。(p51)

笑えてくるほどのこの巻子の体に対する執着がどこからやってくるのか定かではないが当然のことのように日常の混乱を招くことになる。
最後の場面、これまでの鬱憤を晴らすように捲し立てる描写、台所で二人して卵を自分の頭にぶつけて次々と割っていく過剰な感情表現はさすがに圧巻といっていい。

ああ、巻子も緑子もいま現在、言葉が足りん、ほいでこれをここで見ているわたしにも言葉が足りん、云えることが何もない、そして台所が暗い、そして生ゴミの臭いもするなどを思い、緑子の口の辺りの緊張した様子うぃ見ながらに、しかしこんなこと、なんかが阿保みたいだ、なんかがどうでもいいのだという気持ちがあって、わたしは台所の電気をぱちんとつければ蛍光灯が台所の隅々を浮かび上がらせ、巻子は真っ赤になった目を細め、一瞬まぶしそうな顔をしたが、緑子は自分の大股に手をぎゅっと押しつけたまま巻子の首のあたりをみつめ、突然に、お母さん、とすぐ隣に立っている巻子に向かって、大きな声を出した。(p97)

おしまいには二人してまた大阪に帰っていくのだが全体的には何となくさわやかな滑稽さに包まれている。それゆえにと云うべきか読後には不思議な爽快感もあり応援したくなってくるのである。
また、大阪弁で感情を露わにする描写などこの作品に大阪的なるものがあるとすれば、大阪って何だろうとも思えてくるからもしかして厚みのある傑出した小説ということなのかも・・・
乳と卵 Amazon書評・レビュー: 乳と卵より
4163270108