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宰相A
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宰相Aの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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3.11以後の日本を良くあらわしています。 以後ネタばれがありますので、気をつけてください。 去勢された精神、従順さ、中でのいがみ合い、貧しさ、アングロサクソンによる支配、垂れた目と、むくんだ顔の首相A、平和のためにアメリカとともに戦争をする国家、民主主義を叫ぶ独裁など、今の日本を想起させます。 また、セックスのシーンも含めて、えぐいところがみられます。 だからといって、現在の生々しさを感じるわけでもありません。その点、フィクションとしても読めます。 田中慎弥という作家の特徴なのか、文章が句読点で区切られておらず、また、描写方法も言葉の羅列で、驚くほど読んでいてその場面での光景が浮かんでこないです。頭や心の中で書いているような感じです。 それから、本の作りについてですが、せっかくハードカバーにしたのだから、中に挿絵を入れるとか、章立てを入れるとか、あとがきに、評論も入れて欲しかったです。 | ||||
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もっと奇想天外で諧謔に満ち哄笑を誘う物語を期待していました。たぶん、これはとても私小説的で、作家自身の胸の内を克明に綴っただけのもの。そこには現実の社会の一面もあり、個人的な記憶も幻想もあるけれど、みもふたもない話で、情(じょう)がないと思います。感銘を受けませんでした。でも、通読して、作者がもしかすると謙虚で正直なひとなのかもしれないとも感じました。この人が長年かけて修練を重ねてきたことは、物事をつぶさに見据えて克明に描写すること。それしかないのかもしれない。自分が見たこと感じたこと空想したことを読んだひとが目に浮かべられるように緻密に鮮やかに文章にすることに関してはものすごく自信があるらしい。理想とか信念とか政治的な信条とかいうものはさておいて、どんな状況下でも自分の書きたいことを書く。「紙と鉛筆をくれ。小説が書きたいのだ。それが作家の仕事だ」という主人公の叫びは、そのまま作者の主張でしょう。田中慎弥にとって肝腎なことは、他人がかれをどのように遇しようとも、かれはこの世に起こっていることを見届け書き残し、その作物には必ずなんらかの形で真実の痕跡が刻み込まれる、という確信なのではないかと思いました。この人のほかの作品を読もうという意欲はわいてきません。それは、現実の悪化がこの作家の想像力をはるかに凌いでいるからでしょう。 | ||||
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