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(短編集)
13の秘密
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13の秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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予想以上の商品がとどきました。 | ||||
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「第1号水門」について: シムノンが最初のヨット「ジネット号」を買ったのが25歳の頃。全長5m、3馬力船外モーター付き。この時期彼はフランスを隅々まで知りたくなった。主要道路や駅のそばの町や村は所詮平凡で無愛想な顔しか見せない。町や村の素顔や秘められた生活は、河と運河に残されていることに思い至ったからである。船にはタイプライター、衣類、鍋を乗せ、しっかりした雨除けテントを備えた。かくて1927年、北部から南部、東部から西部へとフランスを一周する。1000を超えるあらゆる型の水門を超えた。そう、彼にとって川、運河、水上の生活者、刻々変わる水面の色、おい茂った草と堤につづくポプラ並木などはなじみ深いものだった。 パリの南東城壁をくぐるとセーヌはやがて東からのマルヌ川と合流する。この地域がシャラントンで本小説の舞台である。セーヌをさらに上ればブルゴーニュ、ロワール川、リヨン、マルセーユに達し、マルヌ運河の水門から東方に向かえばベルギー、更にはオランダ、ザールへと水路が続く。この地域一帯の採石事業・河川運送・船舶曳航を一手に支配しているのがたたき上げの有力事業家エミール・デュクローで、メグレ警視と丁々発止の心理戦を戦わせることになる。 というのも或る夜彼は背後を刺され運河に突き落とされ、その後長男が自殺、さらに水門管理の助手が絞殺されるという事件が相次いだからで、その捜査がメグレに委ねられた。デュクローはしがない曳船の船長から身を起こし、今や巨富を得てこの地に君臨している。女性には目がなく、捜査には報奨金を、停年まじかのメグレを高給で誘うほどの勢いである・・・ 一方で知恵の遅れた娘と共に水上生活を送る老人がいる。デュクローとは旧い知り合い。この老人と娘とともに送った数か月の療養の舟旅が、自殺した病弱で神経質な事業家の長男の人生で、唯一幸せな体験だった・・・ 1933年4月脱稿。シムノン初期の名作。同じころパリで文学修行中だったヘミングウエイは、愛読したシムノン作品としてこの「第一号水門」と「運河の家」をあげている。(ヘミングウエイ「移動祝祭日」) | ||||
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ベルギー出身の作家ジョルジュ・シムノンによる推理小説集。表題の「13の秘密 Les 13 mystères」は短編小説集で、素人探偵ジョゼフ・ルヴォルニュが新聞記事をもとに少ない手がかりを使って十三の犯罪を解決してみせるという典型的な「安楽椅子探偵」の趣向。推理の楽しみが存分に味わえるし、最後の事件「金の煙草入れ」は、思わぬどんでん返しが…。 本書の半分以上を占める中編「第1号水門 L'eculuse No.1」は、シムノンの警察小説ではおなじみのメグレ警部が捜査をする事件である。「13の秘密」とはちがって、謎解きやトリックより、船主で河川輸送の有力業者であるデュクローの特異な性格、彼の家族とその関係性や心理の動きに興味の重心が置かれる。またパリの運河や水門付近の風景、船上生活の描写も作品を彩っている。 | ||||
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