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(短編集)
噛みあわない会話と、ある過去について
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噛みあわない会話と、ある過去についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 41~45 3/3ページ
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二年連続の本屋大賞も狙えるのではないか、と思うくらいの傑作だと思います。 タイトルにもあるように、(1作目をのぞいて)「会話劇」と言ってもいいくらい、一対一の会話で物語が進んでいきます。特に2本目の「パッとしない子」と4本目の「早穂とゆかり」は対立関係にある2人の会話劇で、椅子が1つだけのシンプルな舞台での演劇を見ているような感覚になりました。 1作目を除くと、誰にでもある人生のなかで軽んじられて悔しい思いをした経験を描いているように感じました。被害者側から加害者側への訴えが生々しくつづられるのですが、私自身も被害者として嫌な思いをしたことはよく覚えているのに、加害者になった経験はさっさと忘れてしまう、というよりも、意識すらしていないことに読みながら気づかされました。多分この作品に出てくる被害者も、別の場面では誰かを軽んじているところは絶対にあると思うので、まさに人生はこんなふうに延々と「噛み合わない」まま進んでい行くんだろうなぁ、という悶々とした気持ちになって読み終わりました。 初版だけだと思いますが、リーフレットがついていて、本人のコメント付きの、これまでの講談社作品のリストが掲載されています。とても愛情がこもったつくりになっています。 | ||||
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とにかく 読みやすい。何処にでもある日常 その中にある一人一人の心の中 読み終わった後も ぼーと考えさせられた。 でも なんか こんな考えもあるかもねと 思えた。ちょっと 怖いものみたさで ナベちゃんの嫁に会ってみたい。そして ナベちゃんみたいな人生もありなのかもしれない。幸せはそれぞれ違うから。 | ||||
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相変わらずの辻村深月。辻村深月の真骨頂、という作品ばかりだった。誰もが触れたくない、隠しておきたい、「自分はそんなことしてない」と思ってる部分をわざわざさらけ出してくスタイル。どの話も読んでくうちに心が軋む気がする。「悪気はなくても言った方と言われた方では感じ方が違う」。「パッとしない子」と「早穂とゆかり」は地続きの物語。設定も置かれた状況も違うが、根底は同じで作者が言いたいことも同じ。それをここまで違うテイストで書けるんだなぁ、さすが小説家、と思った。 こういう「人間の嫌な部分、ずるい部分」を書かせたら、若手小説家で言ったら西の辻村深月、東の朝井リョウって感じだと思う。 | ||||
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辻村 深月さん 初読みです。 「ナベちゃんのヨメ」「パッとしない子」「ママ・はは」「早穂とゆかり」の 4篇収録の短編集 タイトル通り、4篇を通して「噛み合わない会話」がイヤな感じで出て来ます。 そしてその原因は全て「ある過去」の出来事とリンクしています。 悪気がなく何の気なしに発した言葉、心の中に狡猾さや毒を持って発した含みのある言葉 言う方と言われた方、それぞれの思惑がヒリヒリと痛いくらいに心に刺さって来る。 人間関係に不可欠な「言葉」だったり行動が、時を経て自分に戻って来る様はまさに因果応報。 読みながら、自分の子供時代からの事を思い出し 自分は誰かに嫌な思いを残していないだろうかと落ち着かない気持ちになりました。 ずっと秘められていた恨みが、表面化する時の なんとも言えない恐ろしさにゾッとさせられた切れ味鋭い短編集 | ||||
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私がこれまで会話をしてきた全ての人に対して、意図せず傷つけたりすることは無かったのだろうかと、そわそわした気持ちになりました。 過去の事実は変えられないにしても、見方や立場によってその捉え方は違うという当たり前のことを改めて認識させられるとともに、そのような過去の「事実」に基づいて一方的な見方を相手に浴びせることの不条理も感じさせられました。 | ||||
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