■スポンサードリンク
(短編集)
噛みあわない会話と、ある過去について
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
噛みあわない会話と、ある過去についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
傷つけられた側の復讐の視点で書かれている二つのストーリーは、流れがほぼ同じて、昔されたことを仕返しする話。 でもこんなこと、誰しも当たり前にされてきたし多少なりしてきたでしょう。学校なんてそんなもの。 それを自覚してない人がたくさん居ますね。このレビュー見てても思いました。恐怖!って思っている人は自分が傷つけた、傷つけられた記憶忘れちゃったのかと不思議に思います。 でも、それは大人になってもよくあること。職場の人、友達に何気ない一言で傷つけられたり傷ついたり。それをいちいち爆発させてたらキリがありません。今のことでも昔のことでも大人になったら大人の対応が求められます。こんなこと多くの人は抱えていますがそれをぶつけません。 ですが、その言葉が人を傷つけているということを自覚できていない鈍感で無自覚な人があまりに多いのでそういう人にはおすすめですし、おすすめしたいですね。皮肉として。 自覚がある人には薄い内容と思います。転生して最強になったラノベの主人公の話と同じジャンルです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もし過去に誰かに傷つけられ、軽んじられ、踏みにじられたと怨む心を持っていたらこれを読んだ時にスカッとするのか…?そんな風に思った読後です。 私は底の浅い俗人なので、どちらかと言うと佑やゆかりではなく美穂や早穂に感情移入してしまいました。 この2人ってとても普通の人だと思いました。 暗くてパッとしない人を好ましく思わないし、友達になりたいと思えないのって普通じゃないのかなあ。 美穂は無関心、早穂は下に見ていたようだけど、イジメてたように読めなかった。 合わない人と無理に仲良くしてないだけじゃないですか? 佑やゆかりが有名人になったからって掌返しでチヤホヤしないとこなんか逆に評価したいくらいですが…。 (ただ大人になった早穂は明確にゆかりを嫌っている印象は受けたし、最初は早穂のことを攻撃的な嫌な人と感じながら読みました) 特に早穂は周囲に人がいる状態で酷い言われようで、なんでそこまで言うんだろうと私まで思ってしまいました笑 この作者さんの作品では有り得ない展開かもしれませんが、早穂も本人に霊感少女がイタイだの言っちゃうなら早穂とゆかりの全力大人ゲンカ!!からの、言い切ったことでお互いにスッキリして昨日の敵は今日の友みたいな流れだったら読後感はまだ良かっただろうに〜!! お互いの言い分と、理解や和解が欲しい…タイトル見ればそんなもの無いんでしょうけど…。 2話と4話が美穂&早穂の自己保身・弁解まみれの復讐されたという嫌な思い出を軌道修正するための言い訳つらつらで惨めに終わりというのも、佑やゆかりが復讐遂げた感があって…辛かったです。 私自身も過去にこんな風に誰かを傷つけたんじゃないか、こんな風に思われたことがあったんじゃないかという呵責で、読んでいてずっと辛かったです…。 この本を楽しめる人は ・佑やゆかりに自己投影して過去の大嫌いな人を見返したつもりになってスッキリ出来る人 ・人間の嫌〜な感情を味わいたい人(ハートフルボッコ系が好きな人?) なんですかね…? 私にはグサグサと悪い意味で刺さりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2と4話は特に。昔の被害者が偉くなって加害者に復讐する話だが、よしんば被害者のような感じ方をしてもあんな風に殴り返すか? いい大人だぞ。 やってることは子供の喧嘩の延長線でしかない。しかも被害者と加害者両方の描写を見てもせいぜい「嫌なことされたのはわかるけど、大人になったらもう距離置いて忘れて、幸せになってやろう」くらいにしか思わない、と思ってしまう。わざわざかつての加害者をえぐりに行くかな? 攻撃性が強すぎて辟易してしまった。表紙裏に「怒りは消えない」とか書いてあったが、いやそんなトゲトゲした人生は嫌だなあと思ってしまった(当方嫌なことした経験もされた経験もあるが)。 ただナベチャンのよめは良かった。結局他人事なんだから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
巻末の解説を担当していらっしゃる臨床心理士の東畑開人氏は、ひとは時として自分の暗い不都合な過去から自分の中に「幽霊」を抱え込んでしまうといった分析をされていますが、わたしは逆にそれを受け止める側の態度に現代独特の病というかうそ寒いものを感じてしまいました。現代社会は自らを少数派・弱者・被害者と規定して自分を取り巻いていたマジョリティを加害者と規定して展開される論理に対して異常な程寛容というか弱腰なのです。作品中、発言者よりも、それを受け止める側の対応に多大な疑問を感じずにはいられませんでした。 最も典型的なのが第2話の『パッとしない子』でしょう。高輪の論理は一見明晰のようにみえますが、その根っこにあるのは幼稚な被害者意識で、その実論理の体をなしていません。それにも拘わらず主人公はショックを受け、碌に言い返すこともできなどころか涙ぐんでしまいます。「貴方は現在成功者として皆からこのように歓迎されているけれども、小学校時代に(貴方ご自身が云うように)パッとしない子であったのは事実だ。それを学校や友人たちの責任であるかのように言うのは筋違いというものだ。わたしの担任した弟さんが精神的に落ち込んだことはお気の毒だと思うが、実際にいじめが行われたという事実がある訳ではない。学校はそこまで責任を持つことはできない。現在の社会的な立場を利用して嘗ての恩師や友人たちをそこまであしざまに言うことは失礼きわまる非常識な行為だ」とはっきり突っぱねればいいのです。というか本来そうすべきなのですが、それができない何かがあるのが現代社会の病根であるように思えてならないのです。ちょっと飛躍した議論になりますが、昨今のLGBTを巡る社会的議論封殺に一脈通じるような感じがして、怒りとか憤懣という以前に背筋に寒いものが走りました。 ひとはどんなに恵まれているように見えても、その実ひとに言えない劣等感や人生に対する不満を持って成長していくものです。それを乗り越えていくことが「大人になる」ということであり、乗り越えて自己実現していくことが「成功する」というのではないでしょうか。その意味で最終話に出てくる日比野ゆかりのような人物を成功者と誤解するひとが出ることを危惧するものです。文学は筋論や道徳論ではないという反論は充分覚悟しておりますが、病的な心理・行動をアッサリ肯定する姿勢には絶対に賛成できない危険なものを感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テーマは面白いが、大人になりある程度の人生経験があれば、この物語に出てくるようなことは、ある程度認識できているような気がする。 そういう意味では、これと言って得られるものは少なかったように思う。 それよりも、そうした自分と他者との認知の違いをまだ理解しきれていない子どもの頃に読めたら、とても参考になったと感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イマイチ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
辻村さんファンでずっと読んで来ましたが この作品が始めて、決定的に共感できなかった作品です 特に二部と四部 弱者だった側が、強者に回り 過去の不平と、今の強い立ち位置を武器に、強者(現時点では弱者)に殴りかかる内容でしたが、過去や人となりの掘り下げが少ないせいか、どちらの行為も幼稚に見えました どちらも加害者になってしまい、一切共感できない 殴られて殴り返しただけの話です その一切共感できなさも、そこをフォローする文章があれば、作品として成立したかなと思います 暗くて、学生っぽくて 分析屋っぽい内容は好きなので 多めに二つ星をつけますが 他の人の評価が穏便でビックリしています このくらいの攻撃性って 今や普通なんでしょうか | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!