■スポンサードリンク
ウォーターゲーム
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ウォーターゲームの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は「太陽は動かない」、「森は知っている」に続く、3部作の最終編である。作者は初めから娯楽作品を書くことに徹底しているようで、場面の切り替えの速さは、映画を見ているようで、サスペンスも政治的利益のためには何でもする政治屋やその取り巻きの予定調和的な動きは興味を惹くが、どうにも現実感に乏しいのが難である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田修一『ウォーターゲーム』、大沢在昌『爆身』、天童荒太『ペインレス』と併せて、3冊を同時にレビューしておきたい。 『ウォーターゲーム』は、AN通信という産業スパイ組織を主人公にしたシリーズの最新刊で、水を支配しようとする多国籍企業が日本のダムを爆破するというシーンから始まり、タイ、カンボジア、インドネシア、香港、イギリス、中央アジアを舞台に荒唐無稽な活劇が展開していく。 『爆身』は、ボディーガード・キリのシリーズの最新刊で、依頼をしてきたニュージーランドのフィッシングガイドが、打ち合わせで面会する直前に爆燃して死亡してしまう。 そこから、人を呪い殺す集団が登場したりして、これまた荒唐無稽な展開になる。 『ペインレス』は、心に痛みを感じない、進化した人類の女性の登場と、体の痛みをテロ事件によって喪った男との物語で、当然、荒唐無稽である。 が、小説は荒唐無稽な世界に引き込んでくれれば成功だから、それ自体は歓迎である。 むしろ問題は、ディテールなどで、入っていきたいのを邪魔する要素が残っていくことの方である。 その点で、『ペインレス』、『ウォーターゲーム』はディテールが雑ではなく、荒唐無稽な世界に心地よく浸らせてくれた。 これに対して『爆身』はディテールが粗くて、入り込めないのである。 その違いは、大沢が多作で1冊にかける執筆期間が他の二人と比べて短すぎることに理由があるのではないかと感じる。 それから編集者との付き合い方とうか執筆スタイルもあるのではないだろうか。 例えば、『爆身』では、一連の会話の中で、「殺されたのか?」という言葉が、同じ人間から二度も発せられる。 そのすぐ前で否定されているのだから、もう一度同じやり取りになるのはどう考えても変であり、編集者が読んで指摘すれば、こんなのは残らないはずだ。 『ペインレス』のあとがきに、ヒントがあった。 「(担当編集者は)わたしの筆の運びが鈍くなったときは厳しく叱咤し、表現の一つ一つに注意を払ってくれました」 「(もう一人の編集者も)冷静な批評と熱い励ましによって執筆を支えてくれました。原稿を渡すたびに返ってくる、鋭い読み込みと読者への射程を精確に測った彼の感想を弾みにして、次の地点へ、また次の目標まで、と筆を動かし続けたのです」 「(校正者の方々は)表現に対する的確かつ丁寧な指摘は、作品はもちろん、作家個人の成長も助けてくれています」 こういった、関係が作品に結実していると確かに読んでいて感じるのである。 大沢作品には、それが感じられなくなってきている。 そこが残念だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本の過疎地では、民営化による、高額すぎる水道料金が話題になりました。 事実、海外では、水道事業民営化による料金の高額と質の低下が問題になっており、 支払えない人達が汚染水を利用することで、伝染病の蔓延を引き起こしましたね。 この物語では、標的となった日本のダムだけではなく、キルギスが大問題を抱えることになりますが、 決して有り得ないことではないでしょう。 コロナ渦で衛生問題が問われる中、多くの人類が直面する問題です。 現実の社会においても、家庭内でのDV被害が増加傾向ですが、深刻な家庭内暴力のせいで、 「能力が足りない故、必要とされていない」と激しく疎外感を抱きつつ、 それでも、大事件の渦中に入り込むことにより、その問題も解決する様は、救いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
鷹野一彦シリーズ3部作完結篇、前作の「森は知っている」を読んでいると物語の展開が更に面白くなる。この3部作の中では最もスピード感のある作品。エンターテイメント作品。「怒り」の様な重々しさは無い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このシリーズが好き | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先が気になってページをめくる手が止まらないのはいつもの吉田さんの作品と同じ。 ですが、楽園を読んだ後だったからか、物語の当初「この登場人物はどんな人間ドラマを見せてくれるのか」という期待が過剰に膨らんでしまったようです。読後はあっさりとした印象でした。 エンタメとしてはすごくおもしろかったです。吉田さんの、その人物がまるでこの世に浮き上がるような描写は、今作の趣旨ではないようでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかく、ストーリーが面白い!あっという間に読み切っちゃう! 三部作の続きは、もう無いのかしら…? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初期の頃から吉田修一がとても好きで、新刊が出たらとりあず買って読んでます。 こちらは「森は知っている」シリーズっていうのかな、エンタメ全開のスパイ小説@日本です。 正直、吉田修一のうまい文章じゃなきゃ読んでられないぞと思うくらい ミッションインポッシブルばりのエンタメなんですが、 そこはやっぱり吉田修一。ガッシリした文章が上手く、読んでて心地いいです。 シリーズを通して鷹野に愛着も湧いてます。 バカンス先や移動中の機内で読むのにぴったり。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田修一さんの本はほとんど読み尽くしてますが いつも文庫本になってから買っています。 今回初スマホで読めるKindle版を購入しました。 バッグに本を持って出掛けると、物に寄っては重くて嫌になるけど、これなら軽いから良いわー。と、思っていたのに、出掛ける間もなく読んでしまいました。 一気に読めると言うか、本のスピードが早くて早くて、更に先を知りたくて早くなる。そんな感じで、読んでしまいました。 まるでスパイ映画を観ていた様な読後感です。 この鷹野のシリーズはとても好きです。 吉田さん、もっと書いて下さいね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後まで読者の目を離さない、ありえないくらいリアルな波乱万丈の大展開!その先にあるものは…? そして、見逃してはいけないもう一つの楽しみ。アヤコと九条麻衣子とすみれという、3人の美女&美少女たちが繰り広げるドラマ。。 男読者代表として、彼女たちの笑顔を早く見たいところだが、、、今回はお預けという事で。 詩織が出てこなかったのはチョイ残念だったが、こちらも次回以降のお楽しみという事で。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このスパイ・シリーズはどれも読んでいる。 純文学とエンタメ小説の垣根を越えて活躍している著者が、エンタメに吹っ切った作品群だ。 前2作とも大好き(特に『森は知っている』は大好物。青春小説としてよんでも傑作でしょう)だが、 掉尾を飾る(?)本作も存分に楽しみました。 文学性がどうのこうのという向きには好まれないところもあるようですが、まあ固いこと言わず、 ハリウッド映画顔負けの世界を楽しめば良いのでは? 私はすごく楽しめました。 しかし、あの伏線に築けなかったとは! 悔しい! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
構想の素晴らしさを感じました。人物の背景にある闇も感じさせます。金の為に生きてる人と、一見そう見えて、そうではない人物とが描かれてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ひゃあ、面白い。一気読みです。 吉田修一の他の作品に比べ、スピード感を重視したドライな文体、かつ世界をまたにかけたワクワクさせてくれる内容で、気が付いたら数時間が経っていたという面白さ、久々に時間を忘れて一気に読了してしまいました。 本書は、「太陽は動かない」「森は知っている」に続く産業スパイ「AN通信」鷹野一彦シリーズ第三弾。 ですので、本書単体でも楽しめますが、前作「森は知っている」を読んでおくと、より一層本書が面白くなると思います。 「森は知っている」は本書の主人公鷹野一彦が17歳のころの青春物語でもあり、本書の背景事情が描かれた超傑作です。本書の前に、ぜひとも一読をお勧めします。そちらも一気読みですから。 政治家の重鎮中尊寺は言う「情報というのは宝ですよ。宝探しに秀でた者がこの世のなかを制する」と。 まさに「情報」が売り買いされる現代社会。 そんな世界で産業スパイが生き抜くには、誰よりも早く有益な「情報」を入手できるか。そして得たその「情報」をいかに生かすことができるかが重要だ。さっきまで味方だった相手が敵になり、また逆に必要とあらば敵を味方にすることもある。 騙し騙される日常では「誰のせいでもないことばかりで成り立っている世界」と割り切った生き方となってしまう。 そんなドライな産業スパイでありながらも、鷹野は部下の田岡にこう伝える。 「どんなことにも突破口はある。それを考えるんだ。これからお前がこの世界で生き残るために必要なことはたった一つ。考える、それだけだ」 そう、本書を含む鷹野一彦シリーズの共通テーマがこの「生き残る」ということかと思います。 そこに、単なるサスペンスを超えた熱い思いが伝わってきます。 また、本書には虐待を受ける子供を見過ごしにできず助けようとする真司という若者が登場します。 「こいつを助けてやるなんて無理だと思う。でも、今日一日だけなら救ってやれる、とも思う。一日、そしてまた一日。それなら続けられそうな気がする」 そんな彼の描かれ方に、これまでの吉田修一作品らしさを感じさせ、本書により好感を持ちました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!