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或る豪邸主の死
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或る豪邸主の死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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イギリスで大学教授を勤める傍ら余技として本格推理小説やSF小説を執筆したコニントンの記念すべきミステリ処女作です。日本での紹介は半世紀以上前に2冊抄訳があるのみでしたので、今回の全訳は著者の全貌を窺い知る良い機会といえましょう。本書で特筆すべきは、冒頭に‘読者への挑戦状’が掲げられている点です。この趣向はエラリー・クイーンの国名シリーズが有名ですが、本書はクイーンの処女作より3年先駆ける1926年に発表され、読者に対するフェアプレイを強調し最終章までに謎解きに必要な全ての手掛りを得られるだろうと断言しています。他に著者は科学を専攻としておられ、本書にもSF的な趣向の殺人光線発射装置という物を登場させています。さて、筋書きとしては平和な小村フェーンハースト・パーヴァ村の豪邸スウェイスリング邸の主ハバードの死体が屋敷で発見されて開幕します。最近村に越してきた男ハバードは女性につきまとったり、恐喝屋の疑いを持たれたりと評判が悪かった。死体の発見者で村の老治安判事サンダーステッド大佐は、手掛りが多過ぎる困難な捜査に乗り出して行く。 作者は随所に手掛りを用意します。珍しい蝶のコレクションの消失、毒死か刺殺なのか?、屋敷前に残る車の轍跡、透明人間の謎、怪しげな執事、大佐の男友達とその姉、大佐の甥、知能障害のある村の住人、警句を連発して話す牧師、と誠に多彩です。最後に明かされる真相ですが・・・・残念ながらお見事とは云い難く、使われるトリックも今日の水準では平凡な物です。ミステリーに要求されるレベルや翻訳される基準が厳しかった昔には見送られていた作品が昨今は紹介される事が増えて来ていると思います。本書はもし若い頃に読んだら低い評価を下しただろうなと思う作品ですが、今は推理が全てでは無いなと思えるようになって来まして、暖かく純朴な田舎の人達の人情が味わえる佳作として★4つを進呈したいと思います。 | ||||
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イギリスで大学教授を勤める傍ら余技として本格推理小説やSF小説を執筆したコニントンの記念すべきミステリ処女作です。日本での紹介は半世紀以上前に2冊抄訳があるのみでしたので、今回の全訳は著者の全貌を窺い知る良い機会といえましょう。本書で特筆すべきは、冒頭に‘読者への挑戦状’が掲げられている点です。この趣向はエラリー・クイーンの国名シリーズが有名ですが、本書はクイーンの処女作より3年先駆ける1926年に発表され、読者に対するフェアプレイを強調し最終章までに謎解きに必要な全ての手掛りを得られるだろうと断言しています。他に著者は科学を専攻としておられ、本書にもSF的な趣向の殺人光線発射装置という物を登場させています。さて、筋書きとしては平和な小村フェーンハースト・パーヴァ村の豪邸スウェイスリング邸の主ハバードの死体が屋敷で発見されて開幕します。最近村に越してきた男ハバードは女性につきまとったり、恐喝屋の疑いを持たれたりと評判が悪かった。死体の発見者で村の老治安判事サンダーステッド大佐は、手掛りが多過ぎる困難な捜査に乗り出して行く。 作者は随所に手掛りを用意します。珍しい蝶のコレクションの消失、毒死か刺殺なのか?、屋敷前に残る車の轍跡、透明人間の謎、怪しげな執事、大佐の男友達とその姉、大佐の甥、知能障害のある村の住人、警句を連発して話す牧師、と誠に多彩です。最後に明かされる真相ですが・・・・残念ながらお見事とは云い難く、使われるトリックも今日の水準では平凡な物です。ミステリーに要求されるレベルや翻訳される基準が厳しかった昔には見送られていた作品が昨今は紹介される事が増えて来ていると思います。本書はもし若い頃に読んだら低い評価を下しただろうなと思う作品ですが、今は推理が全てでは無いなと思えるようになって来まして、暖かく純朴な田舎の人達の人情が味わえる佳作として★4つを進呈したいと思います。 | ||||
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