九つの解決
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 | 2016年07月01日 九つの解決 (論創海外ミステリ) 化学者としての専門知識を縦横無尽に駆使した本格ミステリ!九つに分類された可能性を検討し、真実を覆い隠す濃霧の如き謎の数々を解き明かせ。(「BOOK」データベースより) |
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| 文庫化希望これのみ！！ ★評価は5！！ 文庫化希望これのみ！！！ | ||||
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| とてもフェアで、とても面白い本格推理。しっかりと謎は提示され、手がかりもフェアに示されている。もちろんちゃんと読者探偵を惑わせるミスディレクションも適量。タイトルの「九つの解決」自体、二つの死亡事件について、理論的にそれぞれ事故・自殺・他殺の３通りが考えられるのだから、３×３=９通りについて検討すれば、見落としがないという、極めて論理的なアプローチを示している。 読者に要らぬ心理的負荷をかけないように、残酷描写や心理的葛藤描写はスルーしてあり、読者は謎解きパズルに集中できるように配慮されている。まことに良質な知的パズル。簡単な暗号解読も含まれていてサービス満点。 なお、どうでもいいことだが、90年前のイギリスの濃霧は、健康に悪いスモッグであったことが本作からよく分かる。古い作品を読む面白さである。 訳はこなれていて、読みやすい。 | ||||
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