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手のひらの京
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手のひらの京の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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自分は京都生まれで今は他に住んでいるので、京都の雰囲気が味わえるかなと思って読んでみました。 あとがきでは谷崎潤一郎の「細雪」や川端康成の「古都」になぞらえてありましたが、いくらなんでもそれはおこがましいというか・・。私が思い出したのは柴崎友香の「その街の今は」です。こちらは大阪を舞台にした、やはり若い女性が主人公の、何も起こらない話です。どちらも淡々と何ヵ月かの日常を描いた作品で、読み終わってからまあこういうことが言いたいんだろうなと考えながら忘れてしまうような話です。辛口ですみません。純文学というには軽くて少しラノベ的な感じがします。 結婚にあせっているいかにも典型的模範生の長女。 悪目立ちするのが嫌いな京都人らしくない華やかでしっかり自己主張もする次女は女性から嫌われ男性には好かれます。 理系大学院で研究している三女はいかにもそれらしい淡々とした性格。 彼女らが三人三様に恋愛したり結婚を考えたり就職活動に励んだりします。両親はどちらも京都生まれで小学校からの同級生という家庭。三女が京都を出て東京で就職したいというのを頑強に反対するあたりは京都人あるあるかもしれません。京都が一番いいのに、なんで外に出ていかなあかんの?という。 次女のエピソードがその性格らしく一番刺激的というか、イケメンで要領がよくてずるい上司との恋愛関係がこじれる様は会社の地位を利用したパワハラに近く結構怖いです。 この作家さんは初めて読んだので他の作品は知らないのですが、もっと尖ったものを書いておられたという記憶が。作風が変わったんでしょうか。おっとりゆったりした小説です。 祇園祭の宵山、貴船散策、鴨川の床、五山の送り火など京都らしい行事を散りばめて、京都が好きで年に何度も来てしまうようなファンには、京都の雰囲気に浸れるし若い京都人の日常が垣間見れて楽しいと思います。三姉妹と同年配の女性も共感できるでしょう。 | ||||
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京都に両親と暮らす三姉妹の物語。結婚に焦り始めた長女、恋愛に奔放な次女、東京で就職したい三女の日常が描かれる。 どこにでもあるような風景だが、京都に住む人の京都愛を強く感じる。「いけず」って・・・ 次女の一見強くて器用なようでいて、ナイーブなキャラが好み。振った元カレ上司にストーカーされ、現同僚カレとの仲がぎくしゃく。イラっとするこのあたりはページを繰る速度は速まった。 京都を出ようとする三女に両親は大反対。三女から見た小さな世界観がタイトルの意味かなと思う。帯に綿谷版「細雪」とありますがハテ?どうだろう。 | ||||
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いま京都にいるからこそ感空気鮮明に思い描くことができるその季節の空気や情景が目に浮かんでくる。 嫌らしくもなく、どこか懐かしさを誘い、温かい物語。 家族っていいね。だったり、人間関係のやきもきにおこる感情の起伏がほんとうに上手いこと描かれている。 ここはあそこかな、それともここはもしかして?など京都にいるからこそ勘ぐりしてしまう。それも楽しい。 他の方も書かれているが やはり「大文字焼き」じゃなくて「(五山の)送り火」にしてほしかったかな。 東京を舞台にする本がありふれているなか、現代の京都を舞台に書く物語は少ない。サスペンスや時代物語、京大生を主人公にしている某作品以外では。 凜の実験内容は最近まで同じようなことをしてたからか親近感がわく。 羽依は特に自分を見ているかのようでわらけてしまうし、きっとずっと京都で育ってきてたら、性格はこんなんだったのかしらとも思える。 次女の最後のオチは予想内だったがやっぱり上手くいってて欲しくてやきもきしてしまった(笑) 綿矢りさ の書は 蹴りたい背中 にて初めて知った。あのころの書き方等も身に迫るものがあって楽しめたけれど、手のひらの京 のほうが遥かに身に染みてくる。歳を重ねたからこそそう思うのか。 それにしても久々のヒット!な小説。 この本はデータ化せずにしばらく置いておこうと思うくらいお気に入りになりそうだ。 | ||||
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京都が好きなので、楽しんで読みました。 京都の風景と重なる三女・凛の心理描写もステキですが、 長女・綾香の淡々とした生活ぶりに惹かれました。 綾香を主人公にした続編を妄想しています。 ただ、 北大路橋が架かっているのは、「鴨川」ではなくて「賀茂川」では? あと、地元の方は「大文字焼き」って言うととても嫌がりませんか? この2点が気になりました。 | ||||
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ゆるゆるっとたおやかでいかにも京都らしい生活感にあふれた作品。 おとなしすぎてなんだか綿矢りささんらしくないな~と思って読みましたが、 彼女が京都出身だと知り、なるほどそういうことかと納得。 京都ってなにか他の地域とは異なる独特の何かがあるし、そこで生まれ育った作家が故郷を舞台に書きたくならないはずがない。 故郷を慈しむように大切に綴りたい・・・著者のそんな思いが感じられました。 それぞれタイプのまったく違う3姉妹。 でも反目することもなく、家族というかけがえのない集合体の中でワイワイと仲よく暮らしている。 その当たり前すぎる日常感が心地いいです。 私は三姉妹の中では次女の羽依が好き。 ちゃらちゃらしてるけどバカじゃない。いい物・正しい物を見極める目を持っていて、自分の価値も知っている人。 彼女のほんとうの価値に気付ける男性に現れてほしい。 幸せになる彼女が見たいからぜひぜひ続編を期待しています☆ | ||||
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20台半ばから30過ぎの女性の心理と生態が活写されているか。そして十年後に奥沢家はどうなっているのか。長女・綾香はすでに嫁ぎ、東京の会社で研究職の三女・凜は(多分)同僚と結婚。残る次女・羽依は華やかな結婚に破れ再婚準備中、そして父・蛍は癌で他界。自分の時間を取り戻した母親だけが依然元気と奥沢家は全く解体iていそうだ。 三姉妹の銘々伝のような体裁だが中心はエキセントリックな二女の羽依。浮き上がってしまいそうな羽依の話に姉妹を絡ませて受け容れ易くしているのが作者の工夫。反面お話としての破綻を避ける余り説明に堕した面もある。 空いた時間に気楽に読めるのが何より。文庫化されたら電車のお供に。 | ||||
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個人的には「ザ・生活」系に分類。 芸風が井上荒野さんに似てきてる気がした。 ザ・生活だから、オチを望んではいけないのですが、何等かのオチが欲しかった感じ。 なんとなく楽しかったなあ、という印象で満足です。 | ||||
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