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約束の方舟
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約束の方舟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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登場人物の成長とベガーとの共栄の未来、そして物語の根幹がうまくまとめられていて 一気読みできるおもしろさでした 簡単なSFを読みたい人にはとてもおすすめです | ||||
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普段SFを読んだ事が無いので、入門用にラノベっぽい雰囲気の読みやすそうな小説として本書を選んだのですが、こんなにもオモシロイとは思わなかった。 上巻では人口激変してて、その原因となったバケモノと共生せざるおえない世界観とか、そいつらに対する態度で子供世代と大人世代で対立があるとか(そもそも子供が大人と対立できるくらいに労働力として成果を出してて発言力をある程度持ってるっていう)冷静に読むとかなりシビアな世界観をかなりマイルドに包み込んで見せて読者を騙しつつ、十二歳編の最後で普通に人が死ぬシビアさをああやってインパクト大に見せつけてくれるなかなかドキドキする話運びにワクワクが止まりませんでした。 下巻においては世代間対立がかなり顕在化して叛乱勢力が興ったり、「マザー」の存在を通じて結局ベガーとはなにかって言う謎解きがあったりとさらに読み応えがありました。あと、ラスボスもコッチが主犯だとは思わなかったし。良い意味で主人公のシンゴと同じ衝撃を読者が共有できたのは大変良かった。 不満点は多くは無いけど、ただラストからエンドにかけて。 テルがメインヒロインなのはしゃーないけど、後半でのスレインの活躍が大きいのと、キリナが結構長い間抜けてたのに最後ヒロインやらせてもらったのはすこし納得がいかない。スレインに重要な役所振りすぎて脇役としては露出が多くなりすぎてたのと、後半どう見てもパートナーとして行動してたからなぁ。 マザーも、あれだけテルとしてみんなにあんな演説したのに結局ああなってしまったのは。いや、それは仕方ないにしても、それをワザワザ描写しなくても。マザーがテルの内に「彼」がコンタクトとってくれても良かったよね。そもそもシンゴがマザーの知識使うよりはテルに仲介してもらった方が自然だったし。 あと、そもそもその最後の「彼」の存在自体も唐突すぎて。ご都合過ぎてかえってスッキリしなかった。あのまま助からない方が良いとまでは言わないけど。 エンドに至っては時間飛ばしすぎ&人選がオカシイ。 あれだけ作中みんながシンゴを鍛えたのに、その指導者として活躍したであろう部分を全部吹っ飛ばしてとっくに本人生きてない未来の話されても困る。 あと、このキャラが語り部にするにしても・・・はっきり言ってこの人脇役よ? なぜワザワザ最後の最後を締める役としてチョイスしたの? 個人的には後読感を損ねられたレベル。個人の感性なので流石に星は減らしませんが。 最後だけイヤに不満があって揚げ足とってしまいましたが、基本的に誰にでも勧められる傑作中の傑作なのは間違いありません。 どうしようか迷ってる人は買いなさい。絶対損しません。 | ||||
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設定は明らかに「宇宙の孤児」のオマージュ。第二の故郷(星)にむけて航行する宇宙船内でのお話し。 それを土台にして、ちょっとしたロマンスとサスペンスの味付けがされている。 宇宙の孤児との決定的な差は目的地がはっきりしていること、ゼリー状の異種知的生命体ベガーが物語のカギを握っていること。 船長や副船長がちゃんとその名の通りの存在であること(宇宙の孤児では船長は村長のような存在になってしまっていた) こういう小説の場合、異端児が主人公になりやすい(地球の長い午後とか)が、その役割をヒロイン(テル、キリナ)に振り 主人公のシンゴはいたって真面目、品行方正である。そのおかげでわりと巻き込まれタイプ、受身であり、そのために周りが シンゴを動かして行くと言う流れでストーリーは進んでゆく。登場人物は友人のダイスケ以外は見事に使い切ってラストを 迎える。この情報過多の時代、いかに手持ちの素材を料理するかで、面白さが違ってくるが、この作品は見事な味つけだと言って良いだろう。 もともとラノベ作家、非常に読みやすいので、堅いSFが苦手な人にお勧めだと思う。 | ||||
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登場人物の成長の描き方というのはそれこそ千差万別でありまして、物語の冒頭では無力な虐められっ子だった主人公が ほとんどスーパーマンになってしまう作品もあれば、間違い探しいかと思うぐらい僅かな変化しか描かれない作品もあります しかし、この作品ほど丁寧に、それも主人公に限らず主な登場人物の成長の過程を描ききった作品を私は読んだ事がありません 上巻で「テルの死」という重荷を背負わされたシンゴやスイレン、兄二人の暴走からパートナーであるベガ―を殺されてしまったキリカ、 「掛け替えのないもの」を失った三人の各々の成長がこの下巻で物語の総決算となる第三章の軸となって展開されます うおー、第三章で「テル」が戻ってくるとは思わなかった。何故カギカッコ付きになっているかはネタバレ防止のため伏せますが 「テル」が再会したシンゴやスイレンの第二章を挟んでの成長の描き方が素晴らしかった。二人とも「テルの死」を決して忘れる事は 出来ないでいるのですが、その上で這い上がってきた人間の強さという物を感じさせます 「ベガ―との共生」を巡って「ベガー憎し」で凝り固まってしまった戦前世代や、逆にベガ―との共生をシンクという形で当然の様に 受け入れる事で反ベガ―派に対する反発で歪んでしまった若い世代という「成長しない人々」の対立を描く事で調停者として成長する シンゴの姿は最後の最後で明らかになる「掛け替えのないものの喪失」から立ち直れなかった人物と対置される事で見事に描き出されました それ以上に本作品におけるヒロイン勢、スイレンやキリカ、そして「テル」の成長は逞しいというか「強かさ」をひしひしと感じさせます 特に自分を「テルの死」の直接原因と信じて疑わないスイレンが何度壁にぶち当たっても、その度に砂を掴んで立ちあがる姿は 登場人物の成長に「唐突さ」を感じずにはいられないライトノベルでは描けない物を感じさせてくれます SFとしては終盤で物語の舞台となった恒星間移民船が地球を旅だった理由や明らかなオーバーテクノロジーの産物であるベガーや アンドロイドたちの秘密、ベガ―との戦争の切っ掛けとなった事故の真相が明かされるのですが…うーん、この辺りの展開は少し駆け足だったかな? そして迎えたエピローグでシンゴが、スイレンが、キリカが、そしてテルが目指した世界があんな形で描かれるとは…ベタと言えばベタですけど やっぱり丁寧に描かれたSFの結末はあれでなくてはならなかったと実感します。ああいう「時間」の描き方はSFにしか出来ませんよね 丁寧に作り込まれたSFベースの成長物語。ライトノベルの読者にも十分読みやすい文体も優しい本当に文句のない大傑作でした | ||||
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普段はライトノベルを手当たり次第に読み耽っているので、たまにはキチンとしたSFを、と手を出したのがこの作品 正直、ラノベのレーベルの中でも中高生向けというイメージが強い富士見ファンタジアや、お色気でごり押しをする一迅社で 書いている作家の瀬尾つかさ氏がハヤカワという名門で出した本と聞いて手を出した不純な部分もあるのですが… 舞台が恒星間移民船、それも近く目的地に到着しつつある船と聞いてスクウェアの「α」を思い出したりしたのですが その宇宙船の中で起きているのが深刻な世代間対立という点が興味を引きます。15年前に突如船内に現れ、人間と殺し合いをした 謎のスライム状生命体「ベガ―」。戦争の結果技術の失伝や人口の激減という深刻な問題を抱えた人類はベガ―と共生を果たす事で 生き残りの道を見出すが、そこには共生に抵抗を感じない若い世代とベガ―の存在を受け入れられない旧世代の対立が厳然と存在し… 読む前の予想を完全に覆されました。これはまぎれも無い本格的なSFです。特に異なる存在との共生を恒星間移民船という 閉じられた空間で繰り広げる事で回避できない世代間対立が浮き彫りにされていく過程の描き方が実に素晴らしい。共生を綺麗事だけで 済ませられない様、肉体的に「一体化」を果たさなければならないという条件を設けた点も上手い。若いというよりもアイデンティティが 未成熟な幼い世代がベガ―を受け入れる事で大人と同等の立場に立ち得るアドバンテージを手に入れた事で深まっていく世代間対立の描き方も良い 登場人物の描き方もベガ―との共生を受け入れた若い世代の一人一人が、ベガ―との距離を軸に上手く書き分けられていると感じました ベガ―と一心同体であり共生を推し進めたいテルと、彼女に求婚されたシンゴ、彼らと同世代ながらベガ―におびえて立てこもっていた為 大人以上に反ベガ―の立場を取る子供たちとテンプレートなキャラ付けでは無く、ベガ―という存在との距離でキャラを描き分けている点が 物語にしっかりとした軸を築く上で上手く機能している 船の出発時から働き続けてきたアンドロイドたちの存在や大人たちの思惑、ベガ―という存在が何故突然現れたかという点は伏せられている為 下巻でこれらの伏線をどのように回収するのか、シンゴたちの世代がどのように成長していくのか、下巻に手を出すのに十分な期待を抱かせる一冊でした | ||||
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なかなかに面白い。 人類とは異なる知的生命体ベガーが登場するが、 その設定はとても独特。 そのゼリー状のベガーは心からの友情を育める 隣人となり得る存在として描かれている。 しかし、移民船の運営が困難になるほどの人的被害を蒙った ベガー・人類間の戦争が15年前にあったにも拘らず、 ベガーをここまで社会的に親和させる下地をどう作ったのかの描写は少ないことは事実。 その他の描写についてはリアルで面白い。 閉鎖社会での異種族と否が応無く始まった共生。 これが人の心に何を落とすのか、また世代間の思考格差も見所。 ベガーの正体も気になる | ||||
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面白かった。 SFに限らず小さな閉鎖世界では内部分裂して壊れるか、 皆が仲間とどっちかに偏りがちだが、 本作は丁度良い描き加減だとおもう。分裂しすぎず纏り過ぎず。 もちろんベガー・人間が共存できる社会がこの先作られていく未来があるように感じるので、 ゆるやかなハッピーエンドと言えるところが良いですね。 何気に彼らが移民船に乗ることになった原因に驚きた。 開拓精神でも星の死でもない理由での移民船団ストーリーは初めてかもしれない。 人類にとって遥かな距離を、ちょっと間違えたwと言ってしまえるベガーが 居た事に人間臭さを感じつつ感謝を | ||||
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上下纏めて扱う.これだけ複雑で途方もない内容を,一見すべてが論理的必然であるように構成し,物語った著者の偉大な才能に敬意と謝意を申し述べたい.それにしても,大詰め近くになって,愛する少女の中に愛する少年が入り込んで一体化するという永遠のエロティシズムの理想をここまで完璧に達成するなんて,なんと言う奇跡だろう.このシーンに巡り合うだけでも,この作品は読む価値がある.そうしてこの長い物語をきれいな日本語で破綻もみせずに語り抜いた事実は特筆に価する.空前の作品として,強く推薦. | ||||
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上下巻合わせての論評とさせていただきます。 SF物は普段の読まない私でもすんなり読むことができました。 SF的な設定やアイテムの説明はややこしくなく表面的で「後は想像にお任せ」みたいに感じました。 ストーリーも単純でサスペンス性が強いと思いました。 ミステリー要素もあることにはあるのですが、設定を後出しにしてくるので推理することはできません。 私がこの作品に一番魅力を感じた部分はキャラクター達の成長です。 恋愛や愛に関する成長がとても切なく描かれています。 あまりの切なさに思わず涙してしまいました。(正直、上巻の表紙を見てるだけで泣けてきます…。) とても過酷な状態に置かれているヒーローやヒロインがその状況を受け入れながらも「好きだ」と、叫べる強さに感動しました。 星の評価ですが本当は限りなく5に近い4です。 4にした理由は単純にストーリーがもっとハッピーエンドよりになって欲しかっという願望です。主要キャラクターにはもっと幸せになって欲しかったです。なので-1。 ヒロインの『テル』がとても可愛いです。 店頭で博打表紙買いしましたが、大正解でした。 上巻を二日で読んで三日目には書店に走って下巻を買い一日で読みました。 とても良い買い物ができました。満足です。 | ||||
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