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破滅の王
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破滅の王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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本書は、COVID-19パンデミック前、2017年11月に刊行された。 戦時中の魔都、上海からはじまる細菌兵器をめぐるフィクション。 壮絶極まる戦いが待っていた。 歪んだヒューマニストの行為は許されるべきではない。 ”科学上の発明は人々に利益を与えるものであること”を切に願う。 | ||||
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日本軍の細菌兵器開発に巻き込まれた医師・軍人たちの苦悩の物語。題材が厳しいだけに、迫力があります。難を言えば、登場するのが立派な人ばかりで、心情がきれいゆえに、生々しさに欠けています。加えて、文章がまずい。しかし、真直ぐな倫理感に基づいているため、読んでよかったと思う本です。 | ||||
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ヘーゼルの密書が面白かったので、続けて読んでみましたがすごく面白かった。 帝国陸軍、731部隊の同調圧力に屈しなかった軍人と研究者が密かに組織に背いて協力し合い細菌兵器の撲滅を試みる話で、途中同様にナチスに馴染めなかった軍人も加わります。作者さんの情熱、魂の叫びが伝わってくるような読み応えある文章でした。 歴史、SFにハードボイルド、ブロマンスが楽しめます。 | ||||
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著者の生み出す多彩な作品群のなかでも、本書は重要なものに位置付けられるだろう。 形式としては『セント・イージス号の武勲』と同じく歴史フィクション、 そして内容的には『華竜の宮』からSF的要素を抜いたような、政治的問題を正面から扱うものとなっている。 いわゆる娯楽的要素は少なく、日本の恥部である731部隊という非常に重いテーマが 正面から扱われていることに驚く。巻末の文献リストからも、著者がこの作品に かけた意気込みが伝わってくる。 人生をかけるような重要な問題であればあるほど、判断は白か黒かで割り切れるようなものではない。 立ちすくみ、思い悩み、ときに絶望を抱え、それでも少しでも自分の信念や理想に近い道を 選び取ろうとする、そんな人間たちを著者は巧みに描き出す。心に深く響く作品である。 企画的にあまり売れそうもない気がするが、文庫化されたのだから立派なものだ。 売り上げはともかくとして、著者の代表作の一つと言ってよいと思う。 ところで文庫版解説は上田作品を内在的に理解した素晴らしいものだが、Amazonの紹介文や 帯の宣伝文句は的外れのように思える。執筆途中で方針変更があったのかもしれない。 | ||||
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731部隊と石井四郎など、実在の人物を登場させながら、R2vという架空の細菌兵器を巡って、諜報機関やマッドサイエンティストが暗闘する。力作である。リアリティーもある。ただ、作者は何を描きたかったのだろうか。細菌兵器開発という、人の道を踏み外していく狂気をなのか、諜報機関のスリリングでサスペンスフルなストーリーをなのか。それとも、日独中露それぞれの思惑が入り組んだ歴史上の真実に迫りたかったのか。 あれもこれも正面から描きすぎて、作者が素材に飲みこまれていった感じが否めない。 | ||||
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第二次世界大戦の前後で開発された細菌(R2v)をめぐる群像劇。細菌兵器として使われる恐れがあるR2vを日本と中国、ドイツなどが奪い合うような廃棄しあうような戦いがある。戦争が引き起こす狂気により、細菌の恐怖を感じつつも、細菌ひとつに振り回される関係者の姿は滑稽でさえある。人が戦闘であれ細菌であれ、たくさんの人が死ぬことを滑稽であると表現するのは良くないことと認識はしている。人の生き死にをかけた戦争が悪いのだ。 | ||||
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とてもかなしいことではあるが、この小説の題材になっているであろう部隊はあったのだ。 そして、この小説に描かれている内容ではなくても、このような辛い事実もあったのだ。 事実、実名も混在している小説でいろいろと戸惑い驚きながら、どこからが作家の想像したものであろうかと考えながら読んだので、時間はかなりかかった。 よく書かれている小説で、ここまで調べるのは大層大変だったのだろうと推測する。 直木賞候補とはなったが、残念ながら受賞にはならなかった。 描かれている歴史、もしくは裏にある歴史の辛さ故か? 戦争に係る科学の持つ、暗さはもっと深いということか? フィクションということで、少々盛ったところもあれば、軽く流したところもあるだろう、どこかもう一歩踏み込んで登場人物たちに感情を与えてほしくもあった。 できれば、灰島とか、石口静子とか、この小説の登場人物のスピンオフ小説が書かれることを願う。 | ||||
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通州事件を取り上げている事にまず驚いた。全体的に丁寧に調べてあるのではないか、という印象。 日中戦争と第二次大戦を舞台に書かれているのでもっと暗い話だと思っていた。時代背景と扱う題材上、説明に割かれる分量が全体的に多い印象だがエンターテイメントとして成立している。終わり方はああならざるを得ないと思うが、面白く読めた。 | ||||
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太平洋戦争の中国を舞台に、治療法皆無の細菌兵器を巡る追跡劇! 最初の60頁ほどは時代背景の説明等に割かれいまひとつテンポが悪いのですが、1943年になり主人公が陸軍特務機関の将校とその細菌の捜索に巻き込まれると物語は一気に加速します。戦場における人間の残忍さに絶望し「最終兵器」となる細菌を開発した研究者の悪魔の計略。そしてそれを止める事ができなかった友人である医師の告白は、まさに「頁を繰る手を止められない」緊迫感です。こういったサスペンスにありがちなゴールである「治療薬を開発すること」が、逆に「細菌兵器として完成させる事」になるというジレンマも物語を引き立てます。 ただし、様々な国のそれぞれの立場の登場人物たちが皆魅力的に描かれている一方で、よくよく考えると主人公があまり能動的には関わっていない(直接的には活躍していない?)のか人物像がぼやけてしまっている印象でした。その点で星-1です。 | ||||
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