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シャーロック・ホームズ対伊藤博文
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シャーロック・ホームズ対伊藤博文の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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本の帯で島田荘司が「興奮作」と推薦している。解説では北原尚彦が「第一級エンターテインメント」と褒め、細谷正充という人も「一気読み」と絶賛している。こうした美辞麗句に目をくらまされてしまった、という感じだ。 面白くなかったのである。本書はミステリとしての体をなしていないと思う。ホームズが行く先々で例の相手を驚倒させる芸当を披露するのだが、全編そのオンパレードなのだ。もはや千里眼か神通力の類である。 それでどしどしと都合よく話が運んでいく。文章はなべて達者だし、ラストのアクションシーンには畳みかけるような迫力も感じたが、皇室やロシア皇太子のことを書く際に変な二重敬語が頻出するな、とか、そんなことばかり気になっていた。 思えば、ありとあらゆるホームズ・パスティーシュを読んできた。しかしそろそろパスティーシュに決別してもよいのではないか、という思いが本書を読み終えるとともに沸き起こった。さらばホームズ・パスティーシュよ、これまでありがとう。 | ||||
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明治時代の物語なのに、頑張るという昭和時代の造語が台詞に出てくるのが完全アウト。 | ||||
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あのシャーロックホームズと、お札にもなった伊藤博文。これが対決するとは、それだけで面白くないはずが無い。しかも書くのは松岡圭祐。 しかし読了後の感想は、面白くないはずは無いのに面白くなかった、である。 特に巻末の二名によるそれぞれの解説を読んで、更に評価は下がった。 膨大な知識を縦横無尽に組み合わせて物語を創造していく松岡圭祐。作家が創造した人物をスピンオフ的に登場させたりするのは良くある。それでもホームズと伊藤と言う組み合わせは凄いと思ったのだが、巻末の解説を読むと、別作家のホームズ譚としてホームズと実在の人物を組み合わせる物語は結構あるらしい。 で、1983年には既に日本人作家によって ”大失踪期間” にホームズが日本を訪問していたと言う小説が発表されており、1984年にはホームズがロンドンで夏目漱石に会っていたと言う本も出版されている。 松岡圭祐レベルの作家が、そんな二番煎じ三番煎じをやるのかと、それだけでがっかり。 内容も、実際の大津事件を中心に書かれており、当初のロシア側の対応が急遽反転していく辺りから、創作の世界に入っていく。しかし、ホームズが解決するその創作部分が、どうにもお粗末。 但し、実際の大津事件に黒幕がおり、それがロシアのオフラーナと言う組織に属するロシア人二人だったと言うのは、面白かった。 また、本作に限らず松岡圭祐氏の著作には、日本のみならず世界の武道や武術に関する記述が良く出てくる。しかし多少なりとも経験が有ると、いかに松岡氏が武道や武術に疎いかが良くわかる。体験はおろか、動画投稿サイトなどでの確認さえしていないのではと思う。 本作では、若かりし頃にロンドンに密航した伊藤博文が幼いシャーロックホームズに出会うシーンが有る。大男を倒した伊藤博文に、若きシャーロックホームズはどうやったのかと尋ね、伊藤博文は「柔術、空手、剣術」と答える。 空手が本土で公式に紹介されたのは1920年代。薩摩藩出身の人間だったらまだ無理が通ったかも知れないが、伊藤博文は長州藩。そもそも伊藤博文がロンドンに密航したのは琉球処分前。空手どころか唐手と言う言葉も怪しく、普通に手(ティー)と呼ばれていた頃。従って、ロンドンを再訪しホームズに冷たい対応をされた際、ホームズが「二年前に日本人の空手師範に会った」と言うセリフも含め、どんなに博学なホームズでも、その頃にkarateと言う言葉を知っていた可能性は無い(もちろん伊藤博文も)。 武道や武術に疎いのは仕方が無いが、時代背景は知っておいて欲しかった。 | ||||
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