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幻色江戸ごよみ
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幻色江戸ごよみの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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期待してたから感動しないというか。期待通りなだけで、十分かもしれないね。 | ||||
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江戸界隈の下町の出来事集。悲しい話とやや楽しい話と色とりどり。怪しげな話もある。幻色といううたい文句の意味通り。通勤電車で読むのによさそう。悲しい話を読むと、一旦本を閉じて、一駅ぼっとしたりする。次の話は悲しい話ではないかもしれないと気を取り直して読む。軟弱な読者。「器量のぞみ」はのぞみが叶った例だろう。他は朝読むとめげる。夕方読む方がよいかも。 | ||||
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これは、私が始めて読んだ宮部みゆきの時代物だった。そして、本当に読んでよかったと思った。宮部みゆきは好きだけれど、時代ものは避けていたのだが、なんて馬鹿だったのだろう、と思った。 この本は、江戸の市井の人々の暮らしを描いた12本の短編をまとめたものである。押しも押されぬ人気ミステリー作家だが、この人ほどまた、江戸情緒を文章ににじませることが出来る人も少ない。この短編集の中では、江戸の人々の生の暮らしが、肌をもって感じられる。中には怪談めいた話や、多少おかしな話、貧乏ながらも必死に暮らす人々のやるせない悲劇が描かれたものもある。特に私が好きなのは「首吊り御本尊」という話だ。奉公が辛く、首を吊ろうと思って行った土蔵には、首吊りの先客がいた―。にこにこ上機嫌で首を吊り、首を吊りにくる奉公人たちを「ここはもういっぱいだよ」と言って追い返す、奉公人の神様、首吊り御本尊。 12話のひとつひとつに大江戸の市井の人々の素朴な暮らしの中にあるおかしさ、温かな人情味、せつなさ、やるせなさがちりばめられ、決して飽きさせない。どの話もまとまりがよく、読み終わった後に、何かを感じさせてくれる。宮部みゆきの時代物を読んだことがないという人は、是非、この本を読んで見てほしい。宮部みゆきの江戸ワールドに病み付きになること間違いない。 | ||||
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短編ですが、ちょうど良いように感じる。 どの話もすばらしい展開を見せます。 すばらしい筆力と話一つ一つへの愛情を感じる。 読後感、最高です。 | ||||
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江戸ごよみというように12月の12話で構成されています。 ほとんどが市井に生きる人々の辛さと孤独と葛藤が書かれていて そこに目に見えない存在(幽霊、因縁)が取り混ぜていて 寝る前にも読んでいたので心底、怖かったものもいくつかありました。 異色としては『紅の玉』ですが病弱な妻の為に働けども幕府の御禁令によって 職を半ば奪われた亭主が心ない老人に騙される話です。。 こちらはホラーではなく世の中の理不尽さ、『人を見たら泥棒と思え』 の様な教訓というかやりきれなさを感じました。 『器量のぞみ』は不器量のお信が評判の美男子に見初められて 玉の輿に乗るお話しです。その真実とは…、かわいい幽霊の祟りでした。 その後のお信の葛藤が楽しかったです。 唯一、手ばなしでハッピーエンドと言える作品だと思います。 全体的に纏まった宮部さんの傑作短編集でありどれをとっても 素晴らしい作品ばかりです。 | ||||
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短編のうち、「神無月」に魅かれた。 「今日は仏滅ですね」 「いい塩梅だ。しんき臭い話をするにはおあつらえむきじゃねえか」 親父はわずかに眉をひそめた。「今年もあったんですかい」・・・ ここまで読んで、どうしても続きが読みたくなってしまった。 まんまと著者のかもしだす雰囲気にのまれてしまった。 | ||||
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時代物短編集。どれも不思議な世界だったり、ちょっとゾッとするホラー的な物語でした。この後どうなったのかと、とても気になる物語もありました。ただ、寝る前に読んだのは失敗だったかな。。物語の続きで怖い夢をみてしまいました。でもこれって、それだけ世界に引き込まれた証拠ですね。 | ||||
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宮部みゆきさんの真骨頂ですね。宮部さんの作品には甘い夢もなく、勧善懲悪もない。ただ、冷徹な現実を見つめる眼があるだけです。たまに結末さえ曖昧にして読者の想像力に任せてしまう。なかなか憎い作家です。でも宮部さんの作品には冷たさがないのです。結末が必ずしもハッピーエンドではない作品が多いにもかかわらず。とんでもない作家さんだと思います。あらゆる分野に於いて活躍ぶりを発揮されている宮部さんですが、私は正直なところ、彼女は短編に於いて最もその才能が輝いているような感を受けます。今後もより活動の場を広げられて、益々のご活躍を期待しています。 | ||||
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ちょっと怖いなぁって話もあったんですが、タイトル通り登場人物の様々な『情』が四季(暦)のように江戸の町を幻色で彩っているなぁ……と。宮部みゆきさんは本当にすごい小説家だなぁ☆と思わずにはいられませんでした。最後を曖昧に終わらせる話は私は嫌いなのですが、それもまたいいのかな…と思ってしまいました。個人的には結末もはっきりしていてハッピーエンドな『器量のぞみ』が好きです☆ | ||||
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宮部みゆきさんは短編が一番良いと思います。特に時代物ではその秀逸な文章が冴えますね。長編は少しダラダラとしてしまう傾向があるようです。きちっと纏まってピリっとした粋な文章が巧いと思います。本編では「神無月」「首吊り御本尊」「紅の玉」などがとても面白かったです。全編にわたって江戸の風景が感じられて奇異なストーリーながら心地よかったです。「神無月」で居酒屋での呑み・食いの描写は著者の真骨頂ですね。 | ||||
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おもしろかった・・・けど、せつなかった。真っ正直に生きている人がいたしかたなくハッピーになれない話が多い。(もちろんハッピーになる話もあるけれど)だから、読んだ後にやるせなさが付きまとう。特に「紙吹雪」「神無月」「紅の玉」・・・、やるせなさすぎて、胸がくーっとなった。 この短編集は前編とおして江戸という時代を生きた人々の暮らしや気持ちが、ものすごく生き生きとナマナマと描かれていると思う。ものすごく江戸の人たちを身近に感じる。おとなりにいるような。 犯人誰だ、事件の発端はこれだ、という「なぞときもの」が中心ではないので、読後、「わあスッキリ」という気分にはなれないけれど、そういう江戸を精一杯生きてた人々の息吹によって、読後、なんだか心が湿るのです。 | ||||
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江戸町人の暮らしぶり、場面場面の情景。眩しく鈍く、私の思想の中にすうっと入ってきた。心地好かった。それらは、とても魅了的で、周囲の雑音も耳に入らない程、ひたすら本の中に広がる世界に溺れた。文字の運び方は、やはり「流石」というふうに、圧巻だった。どことない世界感が在り、読んでいる間中、私の表情にも無意識な変化があったような気がする。何度でも何度でも、繰り返し読みたくなるような、そんな作品だった。 | ||||
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短編を12編収録した、宮部みゆきにはめずらしい短編集です。タイトルのとおりそれぞれの「こよみ」をキーワードにした作品でしょう。構成がしっかりとしているので、短編ながらもうまくまとまった作品群だと思います。怪談めいた話もありますが、江戸町人の人の心の迷い、寂しさを織り交ぜながら丁寧に描いた作品です。中でも「神無月」は、病の幼子のためにやむなく押し込み働きをする男と岡引との心情を繊細に物悲しく書き上げた傑作だと思います。強く生きると言うことを主題とした作品を紙芝居的に次々と生み出す著者の技量に感嘆させられました。 | ||||
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残酷に哀しく、だけれども人間味の溢れる江戸の名も無き人々の物語。宮部さんの鋭く淡々と描くその語り口調だからこそ、人々の情緒が生きて伝わってきます。いろいろ考えちゃいますねー。私は「神無月」と「紙吹雪」がお話の中では好きです。 | ||||
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12の月に仮託された12編の短編。怪異あり、人情もの、人間ドラマあり・・・三人称もあれば、商人が古物商、はたまた母親が娘に話す昔語りの形式など、語り口も様様で一編一編が丹念に語られていく。(本書の名前や文庫の紹介を読むと、怪異ものの短編集かと誤解してしまったが、そうでない話のほうが多いし、また怪異ものではない話のほうが余情があってよい。余談)。宮部みゆきの手になる江戸ものを読むと毎回感心するのは、江戸の庶民の生活というものをよく活写していること。長屋住まいの職人から、商家の主の話、奉公人の話。生活、しぐさ、語り口、習慣、などよくもまあここまでと思う。師走の町に紙吹雪を降らせる奉公娘の悲壮な思いを描く「紙吹雪」、病弱な娘のために年に一度だけ押し込み強盗を働く畳職人とそれを追う目明しを描く「神無月」、辛くて自殺しようとした奉公人が出会う首吊り人の姿をした奉公人の神様を描く「首吊り御本尊」などことさら印象的だった。 | ||||
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今まで読んできた宮部みゆきの作品のように、どきどきさせられる内容ではない。が、ほんのり感動させられる作品たちであったと思う。文章はさすがで、読みやすかった。変わった書き方をしているものもあり、そういった面でも楽しめる短編集。 | ||||
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テレビでドラマ化されていて一回見たのですが江戸の市井の人々と江戸の町の空気、江戸独特の言い回しが粋に感じ、ドラマはもうだいぶ進んでいたので本をとにかく読んでみたくなりました。江戸という時代を舞台にどこか幻想的で不思議で美しく、だけど地に足をついて力強く生きている江戸の人々に親しみを覚えました。時代小説は久々に読みましたがこんなに面白く、哀しく、せつないとは・・。12話の短編集それぞれが魅力があります。読み終えた後はとにかく老若男女全ての人々への優しい想いが湧いてきました。 | ||||
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江戸時代の庶民の哀歓を12の物語に書き写す。こういう短編集を旺盛に書いた作家は宮部みゆきの前にも何人かいた。60年代山本周五郎は青年時代の長屋体験を江戸の長屋物語に引き移して書いた。この時代だけが純粋に「人情」を描けるのだと彼は思っていた。70年代、池波正太郎は、自分の内に流れる江戸っ子の気質と人の強さと弱さを演劇で鍛えられた抑制の効いた文章で書き写した。80年代、藤沢周平は、自らの体験(妻の死、貧しい故郷など)からくる弱いものへの限りない愛憎を描くことのできる唯一の舞台として江戸時代を選び、俳句で鍛えられた言葉そのものが持つ力を武器に、何かに憑かれたかのように小説を増産していた。90年代、藤沢より30以上歳の離れた少女がとつじょ時代小説家として登場してくる。彼女はなんと、SFや推理小説も手がけているという。文体は簡潔。時代小説の約束ごと・背景を無視したような文章は一切ない。その一方でSFや推理も作品の中に取り入れたりする。今のところ彼女が何の思い入れがあって江戸時代にやってきたのかは明らかではない。しかし、庶民の生活をこの時代で描くという一点で、彼女は、山本、池波、藤沢の直系なのである。彼女の武器は何か。情報力であると思う。先輩の時代とは違い、小説や舞台だけでなく、あらゆる方法で今は江戸時代を再現することが可能な時代にきている。そして庶民の心のヒダに敏感な才能が出会ったとき、良質な時代小説が生まれる。とはいっても、まだ先輩のように、江戸を離れた物語は(文庫で上梓している限りでは)まだ描かれていないし、武家社会の奥に入り込んだ描写はない。主に下町のみが舞台であって、その意味ではまだ箱ものの世界である。しかし、作品の質がその理由でもって落ちるということはない。箱ものの中に世界を描ききるというのは日本人の得意技だからだ。 この作品、SFがかったものもあるが、むしろそうでない作品のほうが迫力ある。 | ||||
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