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(短編集)
人質カノン
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人質カノンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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収録されている「八月の雪」には本当に感動した。 今現在、自身の生活や将来に息苦しさや行き詰まりを感じている人に、ぜひ読んでいただきたい作品。 | ||||
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7編の短編が納められた作品集です。 読んでみると、子どものイジメや男に捨てられた女性を題材にした作品が多いなど、人生の理不尽や、やるせなさが息苦しいほどに迫ってくる先品集であり、どの作品も重苦しくほの暗いイメージがします。 しかし、その中にも、宮部みゆきさんの、弱者である子どもや女性に寄り添った気持ちが感じられ、多くの作品でラストは生きることの希望を見出す作品が多いです。なので、暗いわりに読後感はけっして悪くはありません。 宮部みゆき作品らしい、ていねいに紡がれた作品ばかりであり、私は、1日1~2話づつ丁寧に読ませていただきました。読む価値の十分にある短編集と思います。 なお、私は文庫本ではなく、ハードカバーの単行本(1996年1月30日発刊)で読んだのですが、カバーの絵のデザインや色合い、紙質は不思議に印象に残ります。装画は井筒啓之、装幀は木本百子の各氏となっており、作品のほの暗い静けさとていねいな作風と相まって、この本の空気感を形作っています。作品だけでなく、本としての作りもていねいさを感じる、良い本と思います。 | ||||
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あまり関連のない短編集に思えるが、本来あまり関りのない、違う世代の人間が関りを持つことによって、人間性を回復する、と言った話が多いと思った。中でも良かったのは「八月の雪」。それも含めていじめの問題が多く取り上げられているが、同じ世代同士では解決の糸口がつかめない問題が、違う世代との関わりの中で何らかの突破口が見つかることもある、と言うのは説得力がある。 どの話も単調な予定調和に終わらず味わい深いのは、さすがのストーリーテリングである。宮部みゆきは力の入った長編も良いが、短編を書かせても一級品だと再確認。 | ||||
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宮部みゆき氏の得意とする、市井の人に起きるちょっとした出来事を集めた短編集。でも、普通には起きないこと、が起きるので読まされます。浅田次郎氏の短編集のような、感情の起伏が激しい?ものではないですが、一話ずつそれぞれ趣があり楽しく読みました。 | ||||
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単行本は、あまり見かけなかったのでよかったです。全体的によかったです。 | ||||
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どれも素晴らしい短編揃いですが、ここでの評価も高い「八月の雪」は本当に良かった。 世の中に絶望して自暴自棄気味の少年・充が、 亡くなった祖父が過去に書いたという遺書をきっかけに変わりはじめる。 若い頃の壮絶な経験を、正しいと思っていたことが裏切られた過去をいつか笑って話せるのか? それを知るために充は生きていこうと思う。 その思いに至るまでの過程も短編と思えないほど丁寧に描かれていると感じます。 また自分も、当時の出来事を教科書上で習った過去の事実としてだけでなく、 実感できるくらいに、知りたい・知る必要があると思った。 | ||||
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20年前初出の7つの短編を集めたものです。 昔のものはたいてい読んでいるはずなのですが、 表紙とタイトルのマッチングがなんだか不気味な内容をイメージさせてなかなか手に取らなかったのかなぁと思います(結構表紙に左右されるお子様なのです…) この表紙、すごく印象に残るので調べたら井筒啓之氏というイラストレーターのもので、色々な挿絵を描かれているんですね。。。 で、手に取ってみましたら、ちっとも不気味な話ではありませんでした。 文庫タイトルでもある「人質カノン」が一番良いと思いました。たいていは警察や犯人や被害者の中心人物目線で書かれるシチュエーションかと思いますが、著者にかかるとこういう書き方ができるのか…という構成です。少し悲しいお話ですが、悲しすぎない?書き方もまた、さすがだと思います。 20年前に書かれたお話なので、全体的に細かい小道具や設定に時代を感じる部分が多かったですが(特に携帯電話がないとか)、昔書かれた今を切り取る話、と理解して読めばとても面白いですし、当時の社会問題などが想起されます。 いじめ問題はこのころからあったなぁとか、今やコンビニはすっかり定着しているなあとか、時代や社会の経過を振り返ることのできる内容が盛りだくさんです。 | ||||
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テレビドラマで宮部作品が始まった。それを観て久しぶりに同氏の作品が読みたくなり手に取った。 一作目から作品に引き込まれた。過去「理由」「火車」「ぼんくら」等長編しか読んでいなかったのだが、この短編が非常に良い。 日常生活をこの作家が描くとこうなるのか、と言ったことの連続。 本とか絵画とか自分と違った見方を与えてくれるものだがその切れ味が素晴らしい。 生活の彩りを変える本です。 | ||||
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ミステリー短編集。 ミステリーと表されているが、どの物語もメッセージ性があり、なかでも「八月の雪」は衝撃を受けた。短編とは思えないほどの、物語の濃さを感じた。 いじめや理不尽が、この短編集の大きなテーマなのだろう。八月の雪は、学校生活というある意味理不尽の集合体である恐怖を生々しくも、繊細に描いている。 どの学校にもいるであろう下らないくせに、威張っている連中。その理不尽に負け、生きる意味を失った主人公。彼は頑張れ、立ち直れと叱咤する前に、その立ち直る意味を教えてほしいと強く訴えている。 そんなときに亡くなったおじいちゃんの遺書が見つかり、いつもぼーっとしていたおじいちゃんがこれまで生きてきたその意味が気になり、、、という話しだ。 何度も言うが、とても短編とは思えない。八月に降る雪は、主人公に生きる意味を。そして読者には生きる希望をエールを与えてくれる。 | ||||
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これらの作品に登場する人物たちの行動が、ともすれば余計なおせっかい、厚かましいと感じられてしまうのは、表面はクールに見える都会の人々の寂しい気持ちとか、ほんとうはもっと人に関わってほしいと願う、孤独な内面心理の代弁だからなのかもしれません。 いつも会うけど名前は知らない、よく見る顔だけど話しかけない、生死をともにする経験をした相手でさえ店を離れればただの他人、といった「匿名性が望まれる場所=コンビニ」をモチーフにした表題作「人質カノン」が印象的でした。 | ||||
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ミステリアスな要素はありますが、それが主体ではないので、ミステリー小説というとちょっと違う気がします。 身近なテーマを取り上げ、問題提起をしていて、メッセージ性のある短編小説です。 すっかり宮部さんのファンになりました。宮部さんの他の作品も読んでみたいと思います。 長編小説だと他のことを何もせずにひたすら読み続けてしまう私にはちょうど良い長さで、読みやすい作品でした。 他の方のレビューで好評の「八月の雪」はタイトルも素晴らしいと思いました。 | ||||
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全ての短編作品を通して問題を提示されているような感じがする。 しかしそれは、読者に丸投げではなく、 「大事な事だからこそ、自ら考えて欲しい」 というメッセージ色が強いような気がした。 誰もが体験しそうでし得ない、日常に潜む落とし穴を描いた短編集。 | ||||
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著者は、『火車』で山本周五郎賞を受賞した宮部みゆき。 (2001/9/10 第1刷発行) 宮部みゆきの90年代、全7作ショートストーリーで綴られている一冊。 宮部みゆきは、サスペンス作家ではあるけれど、そのサスペンスは、塩ラーメンの白ゴマくらいのポジションで、良い感じの脇役なのだ。 自分は中でも『過ぎたこと』と『生者の特権』がお気に入りかな。 何気ない日常の中で、少しだけ何気なくもない出来事が起こる、しかし、その出来事が終わればまた何気ない日常が待っており、進んでいく。 けれど、その出来事の前と後では、明らかとはいかないまでの登場人物の何気ない上向きの心境の変化が心地よい。この“普通感”がステキ。 ───「おじいちゃんが遺書を書いた日に降っていた雪が、いつの日か僕の目にも見えるようになるかもしれない。それが真っ青な空から降ってくるところを。」(『八月の雪』p.180) | ||||
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宮部みゆきの短篇集です。 数年ぶりに著者の作品を読みました。 どれも一捻りあって、やっぱり面白なと思いました。 | ||||
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7編のうち「いじめ」を根底においている作品が三編ある。 しかし、どれも決して深刻ではなく、なんとなく考えさせられて、 結果として、希望を抱くことができる作品となっている。 これらの作品は、いま「いじめ」にあっている人への著者からの メッセージかもしれない。 その他の作品も、今の日本が抱えている問題を実にたくみに取り 込んでいる。短編ながら、読み終えて物足りなさを感じることも なく、しばし引きつけられ一気に読ませてしまうところは、さすが である。 宮部みゆきは、短編も素晴らしい。 | ||||
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気持ちの深いところと浅いところのちょうど真ん中辺りに 響きます。疲れずゆったりと、すらすら読めました。 | ||||
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宮部さんの文章は読みやすいです。 三面記事だけど心のどこかに気にかかる、そんな新聞記事を読んだような読後感を持ちました。 街のどこかで起きてる事件を作者がそっと観察して書いているような感覚です。 この人は短編もうまいなぁと思います。 どれも面白かったんですが、5年間の時間をひきずっている調査事務所の職員が 主人公の「過ぎたこと」が、変わっていて特におもしろかったです。 | ||||
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宮部みゆきさんの作品を読むのはこの本が初めてですが、まんまと彼女の作品の虜になりました。 身近に起こり得そうなことを題材とし、そこから読者を楽しませてくれる作品を生み出す力からは彼女の文章力の高さを伺うことができます。 読んで損なし。 | ||||
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何となく読んでいなかった宮部みゆき作品。初宮部作品です。殺人がメインとなり、展開していく事が多いミステリー小説の中、この小説では殺人がテーマの話はありません。そういう小説にちょっと疲れていたので、すごく新鮮でした。後味が良いというか、さっぱりする小説。派手なトリックを求める方には少し物足りないかもしれません。でも逆にトリックありきの小説ではないので、何度も読みたくなる、とも言えますよね。是非このさみしくて、あったかい感じを味わって欲しいです。時間待ちをする日が1ヶ月程あって、その時に暇つぶしとして買った本ですが、暇つぶしになりませんでした、面白すぎてあっという間に読んでしまうので。この後、次々宮部作品を買いました。 | ||||
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級友がいじめで自殺したが、いじめグループは何の罪にも問われなかった。そのことが心にひっかかっていた充は、ある日、いじめグループの暴言につい言い返してしまう。逆上した連中から逃げようとした充は、車道に出てトラックにはねられてしまう…。本書収録の「八月の雪」は、事故で片足を失っただけでなく、それでもいじめグループがのうのうとしていることで世の中に失望し、引きこもりになってしまった充少年が、亡くなった祖父の文箱に若い頃書いた遺書を発見して、生きる意欲を取り戻すまでを描いた小品である。もとよりミステリではなく、凝ったストーリーがあるわけでもない。あるのは、現代日本が抱える問題点に正面から向き合った短編らしからぬ重いテーマと、それでも読者を勇気づけようとする、宮部みゆきらしい真っ直ぐなメッセージである。それが感動的で、読みながら不覚にも涙がにじんだ。すべてではないが、他の作品でも、真面目に、誠実に生きている人へのエールが感じられる。宮部みゆきがベストセラー作家であるということは、日本のためになると断言できる。 | ||||
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