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蒲生邸事件
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蒲生邸事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全100件 21~40 2/5ページ
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平成の時代に生きる主人公は「2.26事件当日に国の将来を見通した内容の遺書を残して 自決した陸軍大将」の館の跡地にあるホテルの火災で危うく死ぬところを、タイムスリップ 能力者に救われ生き延びる。時間跳躍した先は2.26事件当日で、雪に覆われた館の中で 大将はまもなく自決するも、家族や使用人を巻き込んで殺人が疑われる事態になる。 綿密な時代考証による当時の日常の描写が興味深い。 殺人事件をめぐるミステリ-、そして時間跳躍能力によって変わる未来のミステリーの 二つが楽しめる興味深い作品だった。 (以下は文中で作品の内容に触れています) 危うく死ぬところをタイムスリップ能力者に命を救われ、2.26事件の起こっている 現場近くの洋館にタイムスリップした平成に生きる主人公。 言っては何だが、どちらかと言えば失礼な若者だと思った。 しかしそんな彼も、能力者の時間跳躍失敗によって空襲の現場に出現して自分が 思いを寄せる女性の死ぬ場面を目撃してしまったりしたことや、過去の世界を見、 過去の世界の人々との事件を通した密な交流を重ねたことを経て、徐々に何かが変わっていく。 能力者平田(仮)は最終的に、彼にとって暮らしやすかった戦前の日本で一市民として 人生を全うすることを決意するが、懲罰徴兵の巻き添えで向かった激戦地の硫黄島で 本当に戦死したのだろうか。生命の危機にさらされた時、生存本能から能力を使って 逃亡したことも十分考えられると思う。 「誰かが銃を持っているかもしれない」という事態にははらはらした。 能力者の伯母が脅迫者二人を連れて飛んだ先は、もし脅迫者二人が生き残った場合、 終戦前であることから脅迫を再開する可能性もあり、しかもいきなり二人の遺体が出現した場合、 洋館の人々が新たな疑惑に晒される可能性もあるのではと思った。 また、伯母は大まかな事象や数しか気にしない「歴史」に生け贄を差し出して 結果的に「彼女」を救ったのかもしれないと思った。 | ||||
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面白すぎて後半は一気に読んでしまいました。 戦前史を復習してからもう一回読んでみたい本です。 | ||||
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分厚い本なので、始めは少し気合いが入りましたが、ページをめくるとそこは宮部みゆきさんの世界に引き込まれ、タイムスリップのスリルに引き込まれました。 戦争に突き進む悲しさを読んで、事件の解決をドキドキしながら進んでいくと、最後にまさかの展開で、不意打ちをくらい大号泣。 人の人生って名もない一般人でも立派に人生があるのだなあと感動。 1人でいいから誰かに会ってほしかった。 | ||||
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本書の時間SFだが、ユニークなのは、過去に来た人がどんだけ歴史を変えようとしても、大方の歴史の流れは変わらず細部の差異は歴史の大きなうねりの中では殆ど影響を与えないという世界感で進行していくことである。 それ故、従来のちょっと変えてしまった事が後の出来事に大きく左右するというタイムパラドックス的サスペンスは意識的に全面に打ち出しておらず、大きな歴史の中での小市民の様子を描くことに主眼が置かれている。 中盤くらいまでタイムスリップものに定番の展開ではなく、2.26事件時の屋敷でのミステリーっぽい密室殺人がメインで進行する。そして最後で時間SFらしい現代と過去を隔てた浪漫に落ちつく。 非常にウェルメイドな出来でいいのだが、個人的には時間SFでは広瀬正のマイナスゼロの方が好みである。 | ||||
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大学予備校受験のため上京した主人公の孝史が、宿泊したホテルの火災現場から、時間旅行の能力を持つ平田により、2.26事件前夜にタイムトリップしてかろうじて逃れます。物語は、そのトリップ先の蒲生大将邸での出来事と、孝史が現代に戻ってからのエピソードから成ります。 タイムトリップを主題にしたSFなのですが、蒲生憲之陸軍大将が架空なだけで、出て来る軍人の名前や2.26事件の経緯は史実に沿っていますので、リアリティがあります。きっと無いのだろうと思いつつも、”蒲生憲之陸軍大将”のWikipediaを捜してしまったほどです。 そのリアリティは、2.26事件をターニングポイントとして戦争に傾斜していく日本がたどる厳しく悲しくつらい道を知っている現代の読み手のわたしに、失われたとても沢山の命と、それを切り抜けてここまで復活させた人々の健気さに対し、腹にこたえる重い切なさを感じさせるものでした。 | ||||
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宮部みゆきの作品が非常に好きなため、おそらく課題に評価しています。 ただ、好きな人としては楽しくよめます。 どうして過去を変えないのか、という所の問いの回答は、なるほど、と感じました。 | ||||
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今まで読んだ宮部作品ではなかなか異質な感じを受けた読み始めでしたが、さすが!一気でした。 | ||||
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はじめのほうは苦手な歴史のにおいがしたり、 タイムトラベラーの要素があったりで、 はずれかもと思いながら、スローペースに読んでいたのですが、 中盤あたりからぐいっと一気に物語りに引き寄せられて、 読み終わった後はしばらく、余韻に浸っていました。 こんなに読み応えのある話を読んだのは久しぶり。 どっぷりとはまって大満足。 そしてちょっぴり切ない。 | ||||
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2.26事件に素材をとった、SF的な小説。関川夏央氏が解説を書いている。解説の中でこの小説の主人公は「歴史」であると述べている。この小説を読んで宮部みゆきが好きになった思いがする。 「歴史」に対する真摯な思いが伝わってくる。現在の高みから過去の歴史やその時の思想、行動を断罪する一部の左翼的な、イデオロギー過剰の言説とは無縁な視点でこの小説は書かれている。 2.26事件当時に生きた蒲生憲之陸軍大将が、黒井に連れられ戦後の日本を見て、そこから昭和初期の世相を批判する動きは、反射的に戦後の視点で戦前を弾劾、批判する皮相的な人々への風刺になっている。東條は抜け駆けをしなかった。その時代を生で生きていたと著者は語っている。タイムトラベルという手法で書かれているので、歴史、時といった哲学的な問題への思いを誘われる。戦前の家督相続、現代の配偶者への相続との違い等がさりげなく書かれていて興味深い。 | ||||
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松本清張「昭和史発掘」高橋正衛「二・二六事件」を参考に、昭和史を発掘している。時間旅行者(time traveller)と同伴する主人公。最後の約束の待ち合わせが悲しい。会うまで調べなかったという気持ちが宮部流。人が大学や学力で育つのではなく経験で育つということが裏の主題かも。 | ||||
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古本と言う事で、余り気にせずに注文しましたが。。。思っていた以上に状態も良く気持ちよく読む事が出来ました。 | ||||
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とてもせつなかった。せつなくてせつなくてたまらなかった。 一個人じゃどうしようもできない、歴史の流れの残酷さを見た気がする。 確かに自分も、あの時代に道のど真ん中で、悠然と当たり前のように並んで走る軍隊を見て、戦争反対なんて言えただろうか? たぶん言えない。だって怖いから。死にたくないし。 この話は個人の小さな狭い話を主軸としつつ、大きな歴史、戦争に向かって流れていく大きな話がとてもリンクしている。 結局、個人の人の歴史は少し変えられたのかもしれないけど、戦争に向かっていく流れは止められなかった。 主人公がそれを止める気があったのかどうかは別として。 歴史に介入するのはやっぱり不自然だ。逆説的に言うと、戦争があったから、貴族階級は消え、ある程度公平な時代。総中流時代が訪れた。それはとても喜ばしい事だ。 その過程が、個人が散々地獄のような思いをして築き上げた歴史だとしても・・・ 歴史に介入するってやっぱりとても責任が大きいのかもしれない。 結局エンディングを見ると、僕は歴史を少し変えたことに、意義があるし、何より少し幸せそうだった。 歴史を変えるということ、そこにあったものをなくし、元からなかった場所にあたらしいなにかを作る行為だ。 それは幸せの天秤もバンバン振れて動き回る。 もしかしたらそれで不幸な人の総体が増える代わりに、幸せな人が増えるかもしれない。 秤と一緒なのかもしれない。 そしてそれは自然な流れで決めていきたいと僕は少し思いました。 人が人の幸せの目盛を勝手に自分の意のままに計るなんて不謹慎だ。 それは、たとえ戦争で人がたくさん死んでしまっても・・・ もうおこってしまったんだからしょーがないと僕は思う。 過去は生かせばいいんです。次に でも最後の人情話みたいなほろりとする感じ こんぐらいなら、いいんじゃないかな。歴史を変えても | ||||
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とてもおもしろいストーリーでした。 購入前に他者のレビューを見て参考にして買いましたが、 よかったです。 中古品でも十分に醍醐味を堪能できました。 | ||||
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宮部作品の中ではこれが一番好きだ。 物語は平成の青年が大学受験を前に腐っていろいろ悩んでいたとき、泊まっていたホテルが火事となって絶体絶命に陥った際、一人の男に助けられホテルからなんと昭和、それも226事件が起きる少し前の家にタイムワープしてしまう。その家が題名でもある蒲生邸だった。主人公の青年はその蒲生邸にて戸惑いながらも人と交流をし、そしてその目でもって歴史の教科書でしか知らない226事件を目の当たりにする。 事件あり、恋愛あり、胸躍る展開、次に青年の身に何が起こるのか、はらはらドキドキ、ページをめくる手が止まらなかった。 こんなに面白い小説はそうはない。まさしく面白いの一言。 宮部作品らしい、人物の深みはもちろん、細かい描写は素晴らしい。 本の厚みはあるが、むしろ少ないくらいだった。もっと、もっとこの作品を読んでいたい気持ちにさせてくれる。 | ||||
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間抜けな事に、武田信玄の山の巻を取り出したつもりが、この本を抜き出して、 あろう事か、8年ぶりに全部読み返してしまいました。 ああ、あの2.26.事件を舞台にした宮部作品ね。 そんな感じで思い出して、何とはなしに20ページ。そこはもう、かつて夢中に なった宮部ワールドでした。 え、こここんな感じだったっけ?わーお、これありかよー?って感じで、どん どん読み進む。 所謂タイムトリップもの。孝史と平田の、二週間。昭和11年2月25日への旅。 ひょんなことから出会った孝史と平田。蒲生家へのトリップは、意外な方向。 意外な展開へ。 原文を一部引用します。 「私が、歴史は変えられないって言うのは、そういう意味なんだ。」 「タイムトリップの能力を持つものは、いわば、まがいものの神なんだ」 歴史に対して、人は無力だ。その言葉を孝史は心の中で繰り返してみた。 変わらない歴史に対して、わずかな抵抗を見せる孝史と、そして謎の黒井。 再会はかなわなかった平成6年4月20日の孝史とふきの物語が、なんとなく 「かたみうた」の本屋の親父の景色にも似て、素敵でした。 平田の決意にも感心しました。 一回目よりも二回目の味わいが深かったこの作品。 確かに、2月下旬に予備校の入学試験はありません。高崎から上京した受験生 は、こんなに東京の地理に詳しいわけがありません。 そんなありえない設定も、○にしてしまう初期の宮部ワールド。 お勧めします。満点。8年くらいおいて、二回目もどうぞ。 | ||||
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多作とお聞きしますが、宮部さんの作品あたりはずれがないですね。もちろんこれも大おすすめ。 読んでソンしません。 | ||||
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自分に身が切られるように悲しいことがあった時、 空も、町もいたって普通に動いているのに改めて驚いたことがあった。 たぶん 地球上のだいたいの人はだいたい凡人で、 歴史に名を残すなんてことはないのだろう。 歴史を変えていくこともないのだろう。 では自分の生きる意味はなんなのだろう。 歴史は変えられなくても人の心は変えられる。 思い出を作ることはできる。 希望を持たせることはできる。 スリリングな展開のおもしろさ、 心あたたまるいい本でした。 | ||||
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人物設定や舞台設定が地味というかマイナーですが、そのせいか逆に新鮮で心に残る作品になっています。ラストは凄くグッと来ましたが長〜い中盤はSFとしては盛り上がりに欠けるし、サスペンスとしては当たり前過ぎる展開。しかしこの地味な展開が舞台設定には合ってるのかとも思いました。ただ人物描写が薄く感情移入ができないのがマイナスポイント。人物が魅力的に表現されていれば星5つでも良かったと思います。 | ||||
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タイムトリップを芝居仕掛けに、今を生きることを考えさせる一冊です。 今をどう生きるか、自分はどう生きたいかを考えたとき、人それぞれの生き方があることが分かります。 やはり、宮部みゆきは面白いなと思う一冊です。 | ||||
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ネタバレをしないように、軽くあらすじを書いてみたいと思います。 平成6年。 受験生である主人公が泊まったホテルには、変わった宿泊客がいた。 彼は文字通りの"暗い"人間で、他の人間とはどこか違った雰囲気を持っていた。 ある夜、ホテルは火災に見舞われ、行き場を失った主人公はその男に助けられる。 しかし、男の時間旅行により、次に目を開けたときには昭和11年の世界にたどり着いていた。 ホテルが建っていた場所にあるのは、蒲生大将の住む蒲生邸。 現代に戻りたいと訴えるが、男に今はできないと告げられる。 二・二六事件が勃発しようとする中、蒲生邸で事件が起こる! ちょっと難しいですね。 話がゆっくりめなので頭に入りにくいのも難点です。 ただ宮部トリックは健在で、意外な展開を期待できます。 とても切ない物語です。 | ||||
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