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凶器は壊れた黒の叫び



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【この小説が収録されている参考書籍】
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)

凶器は壊れた黒の叫びの評価: 4.44/5点 レビュー 16件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.44pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(5pt)

夢中になって読んじゃう

面白い。寝る前に読んでる。
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.12:
(5pt)

『魔女』がなぜ『魔女』たるのかが分かるSF(すこし不思議)な物語

舞台は再び階段島。
まだ寒さが残る三月。唐突に掛かってきた「このままだともうすぐ、階段島が崩壊します」という
魔女からの電話を受けた七草。
階段島が崩壊するとはどういう意味なのかということに考えを巡らせると同時に、唯一の小学生である
相原大地がなぜこの島にやって来たのかという理由を、夕食後に彼からヒアリングをしながら
推察すればするほど、幼い身でありながら母親に自身の存在を否定され続け、ついには母親を嫌うという
感情を抱く自分を捨て、階段島にやって来ただけでなく、母親が自分の声を嫌うという自分では
どうしようもないことが自己責任にすり替えられてしまったことに心を痛めていた。
そんな折、魔女を探し続けている謎の女子高生・安達は相原大地のために新しい部活である新聞部を
立ち上げることを提案するとともに、なぜか衆人環境のもとで七草に告白する。
果たして安達の目論見とは一体何なのか。そして「階段島が崩壊する」とはどういう意味なのか――が
本作の簡単なあらすじであり、一言で言えば『魔女の条件』がテーマとなっている。

階段島を出るには階段島の外にいる『本来の自分』と折り合いをつける必要があるというジレンマを
思い出させるとともに、真辺由宇のあまりにも真っ直ぐすぎるその人となりを通じ、なぜ
『本土にいる真辺由宇』がかつての自分を捨てたのかを窺い知ることができる。言い換えてしまえば、
基本的にこの島に住む人々は、現代社会を生き抜くにはあまりに純粋すぎたり優しすぎたりするのだ。
物語は如何にして階段島は作られたのかという謎そして七草は一度のみならず二度までも――に迫る
とともに、堀・七草と真辺・安達による魔女を巡る争いを表面化させ、次巻への煽りとしている
のが分かる。
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.11:
(5pt)

まだ終わらない

今回はああそういやミステリだったわーと思い起こされる内容でした。とはいえ相変わらずミステリでなくても、
全然問題無くて、作者の世界観を十二分に味わえます。

1~4通して変わらないのはセンス?カッコ良さ?単なる分かりにくさ?今作で間違いなく
完結まで追いかけるシリーズになりました。メディアミックスされるといいなー思う反面、
この小説の文章が映像化されて、俳優が喋るとしたらミステリの探偵が真相を発表しない理由(ry状態に
なっちまうだろうなーともどかしい、、、
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.10:
(5pt)

七草のお話 *ネタバレ注意

本作は階段島に安達と言う魔女が訪れるところから始まります。彼女は階段島の魔女である堀から、魔法を奪うと宣言し、七草(本作のヒロイン)はそれを阻止するべく奔走する・・・という形で物語は進んでいきます。
 そして、そんなヒロインの姿がシリーズでは初めて真辺(本作のヒーロー)の視点から描かれており、とても新鮮な印象とともに読み進めることが出来ます。
 物語が進む中で、ヒロインはヒーローにある質問をされます。

”” 「夢と幸せ」
 どうしてその言葉を選んだのか、真辺にもわからない。でも、いい切った。
 「どちらしか選べないなら、どちらを選ぶべきだとおもう?」(kindle版 2602/3597より引用)””

 夢を追い求めるとき、そこに幸せはあるのか。また特別な人が夢を追い求めるとき、その人にどうあってほしいのか。あるいは、その人にとって自分はどうありたいのか。そんな葛藤が、ヒロインを通して描かれています。
 最後に、本作の堀さんはめちゃくちゃ可愛いです。ぜひ読んで下さい。
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.9:
(5pt)

ここで終わりもあり

二人の関係性というか、想いというか、それがはっきりしたので、この物語はここで終わりでもいいような気がする。と、個人的には思います。
島の秘密はこれまでの話の中でかなり明らかになっていて、今回、魔女のことも明らかになった。その上で、七草のあの言葉、なので、このお話は、もうここまで。島も魔女も、二人の関係性を際立たせるための道具です。
いいお話だなあ、と思います、これ。
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.8:
(5pt)

最高!

汚れた赤を恋と呼ぶんだは個人的にそこまで面白くはなかったが、これは相当おもしろい!本を読むペースの遅い自分が2日で読み終えることができました!オススメです!
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No.7:
(5pt)

別離ははぐれた二人の出会い  ごみ箱と人格再統合の関係・・・。

1作目の「いなくなれ、群青」から続く、階段島シリーズの第4弾。それがこの『凶器は壊れた黒の叫び』です。
 群青の青から始まって、2作目の白、3作目の赤、4作目の黒、と来たので、中国古来の‶五色”からすると次は黄色という感じでしょうか、どうでしょうか・・・(違うかも・・・)。
 階段島は捨てられた人々の島。中学生以下の子供は、大地君という少年以外、何故か存在していない。島の外部とは連絡も取れない。・・・なんていうとちょっと怖い感じがしますが、そんなことはない、平和で物質的に不自由の無い、日々穏やかに時が過ぎる島です。そして失くしたものを見つけると島から出られるとのこと。
 だけど、真実は、全員が自分に捨てられていて、階段島は心優しい魔女が作り上げた島(世界)というお話です(今のところは・・・)。
 このシリーズは、七草と真辺由宇という高校生男女が中心に描かれています。真辺は正義感が強く、理想主義的。一方の七草はひかえめで現実主義的。まっすぐな真辺を自分の恒星(ピストルスター)と位置づけ尊敬しながらも、やや悲観的でひねくれたとこがあって、由宇の暴走を止める役割に徹しています。しかしその合間にも、この島の謎を解き続けている。というか真実に一番近い青年(関係性は少しづづ変化していきますが・・・)。
 今作では、その他のキャラクターの過去が、そして階段島の成立過程が明らかにされてゆきます。そこのところはシリーズ中一番の見どころではないかと思われます(人それぞれですが・・・)。
 この作品の一番の肝は、個人的には、‶自分が自分を捨てた”という部分です。そして自分は自分を捨てた自分と対峙します。このことから私は、この作品は、心理学的な‶人格統合”の話のように思いました。統合といっても、分裂病とか、二重人格、といったことではなく、意識が未だ統合されていない要素、無意識の部分を、積極的に吸収してゆくという、ユング心理学的なあり方です。
 後日知ったのですが(ネットの河野さんとどなたかの対談)、河野さん曰く、この作品のテーマは‶ごみ箱”とのこと。階段はそれに一番近いイメージだったとか・・・。‶ごみ箱”を起点に、この世界を立ち上げてしまうところが驚きです。
 私は、物語作りはど素人ですが、昔、何か漫画のストーリーを作れたらと考えたことがあります(コンセプトだけで、しかもたったの数行の、ほぼ妄想ですが・・・)。そのとき浮かんだのが、‶自分が自分と出会う”というモチーフです。前述の心理学的な、意識と無意識を人格化して、再統合してパワーupするバトルものという設定です。もっとも”捨てられた”というのは思いつきませんでした。‶自分が自分を捨てる”という、能動的なマイナス要素はありません。ただ自然に分裂していたことを知って、その再統合の可能性に喜ぶ、といった具合です。
 なので、河野さんの作品を読んだとき(一流の作家さん相手に恐縮ですが・・・)、‶着眼点が近い‼”と一人心浮き立ちました。
 考えてみれば、他の作品にも、そのモチーフに近い例があります。例えば「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドは自らの一部が現出したものです。また「ヒカルの碁」では、ヒカルの中に藤原佐為が宿ります。ゲームの「ヴァルキリープロファイル2」では三人の女神が合体して一つの新しい人格になります。また仮面ライダーwは2人で変身し(一人のライダーになる)、古いですが、ウルトラマンAも同様です。「遊戯王」は(ほんのちょっぴり見ただけですが・・・)確か、もう一人の人格が現れた気がします。
 これらはどれも、‶自分自身”にまつわる、精神的、肉体的な、分裂と統合と進化、の問題のように思えます。
 河野さんはさすがはプロですね。人格の再統合的なテーマが(かどうかはわかりませんが・・・)、ファンタジー、SF、ミステリー、そしてほのぼのとした日常性といった、それらが合わさった世界観で包み込まれています。そして”自分が自分を捨てる”というのは、ショッキングではありますが、とても印象的な見せ方だと思います。何よりも作品内のルールに強度がある気がします(魔女は他の魔女に不幸を証明されたら、資格をはく奪されるとか、新しく島に来た人には最初に島の説明を必ずするとか、その他もろもろ・・・)。
 読み進めて三人目の七草が出てきたときには、意識と無意識の2項対立というよりは、不要なメールを削除してゆくような、より日常的な感覚、すなわち
‶ごみ箱”という、河野さんの物語の起点が、より明確に感じられるようになりました。
 しかしながら、堀を一番に考える3人目(出てきた順)の七草と、真辺を一番とする2人目の七草の対立の末、3人目は消滅し、その精神は、2人目の真辺派の七草に統合されてゆきます。そして以前の七草よりも、物事を大局的に見る七草へパワーupしています。するとやはり、この物語は‶人格の再統合”の物語といえるのではないでしょうか・・・。
 堀派の3人目を吸収したのだから、堀を好きなことと真辺を好きなことはバッティングしないのかと少し疑問に思いましたが、それは、昔好きだった芸能人、も今ではいい思い出・・・みたいなことなのでしょうか・・・。それなら確かに納得いきます(拾う方が強いんですね・・・)。
 さて、4作目でかなり幸せ度の増した七草ですが、おおもとの自分と融合した際には、一体どうなってしまうのでしょうか?
 別れた人格はやはり元に戻る以外、道はないよう気がします。
 こんな分けで、私は、この話の続きが大変気になります。1冊と1冊の間が空くと、多少忘れてしまう所もありますが、丁寧に補足説明を入れてくれてるところが良いです。
 階段島ともとの世界。この世界を2世界で説明する思想というのは結構ありますね。プラトンだとか、カントだとか・・・(世界といっても島とかじゃないですけど・・・)。考えてみれば、我々もなんだか、階段島にいるように見えなくもないですね・・・。人はいつも何か探して生きてますし、この世にあることを被投性のように感じたりとか・・・。生きることの果てが何かは誰にとっても未知ですが、分からないぶん、可能性も多々あると信じて良いのではないでしょうか・・・。

 『凶器は黒の叫び』まだまだ冬ですが、いかがでしょうか。

 

 
凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)Amazon書評・レビュー:凶器は壊れた黒の叫び (新潮文庫nex)より
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No.6:
(5pt)

キレイ

言葉の使い方が良い
このシリーズは、タイトルの文が作品中に出てくるが本作は非常に気に入った
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4101800804
No.5:
(5pt)

「大好きだよ。」

このシリーズは本当に言葉の遣い方が綺麗だ。前作はそれが悪い方に出てしまったけれど今作はとても良かったと思う。
ついに階段島の謎や魔女の謎も全て明らかになるが、物語を進めるキーとなるのはやはり七草と真辺の考え方、生き方の方向性の違いだ。どちらも誠実ではあるけれど、七草は"優しさ"に、真辺は"正しさ"に誠実であろうとする、私は階段島の七草の優しさが好きだ。
階段島の成り立ちも理想もとても綺麗だけれど、その綺麗さは悲しい。幸せであることは不幸でないことではないというのは至言である。
蛇足ではあるが、過去の七草の言動が大人すぎて少し違和感がある、高校生の七草でさえ大人びて感じるのだから当然と言えば当然なのか。
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No.4:
(5pt)

こんなにファンタジー色強かったの?!

ここにきて伏線をちゃんと回収しにきている点はとても良い。二巻は自分の中では、佐々岡が活躍するだけのお話だと思ってましたが、かなり物語の中で、魔女の中で意味を成していて安心しました。

それにしても、なんというか本当に作者の方は、言葉選びが上手いというか、非現実的というか、僕も高校生ですがこんな会話したことありません。まあ、そこが面白い所でもあるんですが。
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No.3:
(5pt)

非常に奥が深い

今作で階段島の謎がだいぶ明かされていると思います。
これまで疑問に思っていたこともだいぶ晴れたのでよかったです。
一方でかなり理解が難しい部分があると思いました。
しかし非常に奥が深いのでうまく読み解くことができればかなりいい作品だと思います。
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No.2:
(4pt)

なかなか密度が高いです.

階段島と魔女.
そんなことについて,3月からの一週間程度をベースに書かれています.
他の時間軸も存在しますが,そこは実際にこの本を手にしてみてください.
本来のストーリーにガツンと戻された気がします.
また,これからに関しても楽しみな作品.

 特に既刊の読者であれば楽しめると思います.
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4101800804
No.1:
(5pt)

待った甲斐があった!!

2作品目、3作品目で少し話がそれて面白味が薄れてしまっていましたがここから一気に心を穿ちに来たと感じました。 かなりいい仕上がりだと思います!
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