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(アンソロジー)

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監獄舎の殺人



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監獄舎の殺人の評価: 4.00/5点 レビュー 3件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

東京創元社からの短編新人賞受賞作をおまとめ

東京創元社が主催するミステリーズの新人賞受賞作をまとめたシリーズの2作目。
バラエティに富んだ題材になっており、各作者の持ち味が堪能できる。
新人賞受賞作なのであまり期待せずに読むとそれなりに上出来の作品が揃っている。
個人的には医療ネタの浅ノ宮遼氏の作品が一番読み応えがあった。
監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)より
4488400604
No.1:
(5pt)

文庫未収録の作品を一冊でまとめて読める親切設計

公募短編小説『ミステリーズ!新人賞』受賞作アンソロジー第二集。
第一集『砂漠を走る船の道』が全五編とも、単行本収録かつ文庫化済みだったのとは対照的にこちらは単行本の文庫化済みは「強欲な羊」の一編のみ。「消えた脳病変」は単行本に収録済み、表題作「監獄舎の殺人」は2016年度の年間アンソロジー『ベスト本格ミステリ』『ザ・ベストミステリ―ズ』に収録されているものの、「かんがえるひとになりかけ」「誘蛾灯とサーチライト」の2編は雑誌掲載以来の初お目見え……のはずであります。
受賞順通りの掲載なので仕方ないものの、いささかバランスが悪い構成のような。まあ文庫未収録の作品を一冊でまとめて読ませるための親切設計なのだと解釈しておきましょう。

収録作品を読み通して再認識したのは「強欲な羊」美輪和音先生の、さすがは脚本家出身という抜群の巧さ。資産も由緒もある一族が破滅するまでの顛末を文庫で50ページ少々の文章量で描き切るという職人芸がまことにおみごと。この内容でしたら、普通はまるまる一冊かけますよ。まあ伏線がかなりあからさまなので、早い時点でオチは見えてしまう難はあるんですが……
いずれも趣向に飛んだ逸品揃いの中、被害者の霊魂が胎児に宿って自分が殺された事件を考えるという奇抜な物語を抜群のリーダビリティとシュールなタッチで読ませ、結末に「え? 謎解きはそっちだったの?」という真相が待っている「かんがえるひとになりかけ」に、ありがちな推理ゲームの医療版と思いきや、終盤にいたって医療とは何ぞやという本質にまっすぐ切り込んでみせる「消えた脳病変」の2編が数歩突出した印象。とりわけ「消えた脳病変」は、不正解扱いの途中の捨て推理という形でほとんど手のうちを明かしてしまっているも同然だということにびっくり。よっぽどメインの仕掛けに自信がないとできることではございません。最後の謎解きで初めて新情報を持ち出してくるようなミステリも多い中、この姿勢はまことに御立派。
お次は佳作アンソロジーと、前身の『創元推理短編小説賞』受賞作アンソロジーの刊行を御期待しています。
監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)より
4488400604

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