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堪忍箱
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堪忍箱の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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著者にはめずらしく多作の8編を収めた短編集である。物語の主人公は、よんどころない理由により鰥寡孤独であり、かつ、生きていくうえで皆が持っている薄ぐらい心の闇、まるで行灯に照らされない陰の部分のようなそんなものをかかえている。しかし、著者は、時に冷淡な眼差しで、時にはやさしい眼差しでそれを描きあげる。天下泰平で比較的平穏な暮らしができたこのころにあって、その底辺に生きたもの達の生きざま、心模様を丹念に写しとった作品群ともいえる。歴史小説ではあるが、その映し絵が結果として希望や挫折を生むとしても、現代に生きる我々と同じ等身大の人間像がそこにはある。短編集なので、話のそれどれに読み手が甲乙つけるのはやむを得ないことだが、そのうち1つ、2つでも楽しめ、得られるものを見つければ、著者も冥利につきることだろう。 | ||||
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宮部みゆきによる時代小説が八篇が集録されている本。その中の一篇「堪忍箱」では、火事で家の一大事となり、まだ十四歳のお駒が家に伝わる堪忍箱を任されることになる。堪忍箱にまつわる話を全て知らないお駒には不気味な箱としか思えず、その箱に取り巻く展開が静かに、しかし目まぐるしく彼女の目の前で繰り広げられてゆく話である。宮部みゆきの得意とする短編時代小説だが、今までの作品と比較すると幾分か雰囲気が違うように感じられた。「堪忍箱」を始め、「十六夜髑髏」や「砂村新田」などはしっとりとする不気味さがある。その不気味さはまた同じように「お墓の下まで」「謀りごと」などでは日常的である話なのに、その雰囲気は失われていない。宮部みゆきの文才はまだ奥深く、彼女の新しい一面を見て取れる作品ではないかと思う。 | ||||
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8編の短編時代小説です。どれもこれもなんともいえない後味で終わる作品ばかりです。人間の心の微妙さを、難しさが感じられます。面白いかどうかは、かなり微妙ですが。 | ||||
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宮部氏の江戸モノ小説が文庫化されると必ず読んでいます。期待していましたが、「堪忍箱」は、ちとまとめ方に謎が・・・。「堪忍箱」と「十六夜髑髏」は、話の続きがまだあるような気がするのです。「十六夜髑髏」は、途中までホラーだったのに。それ意外は、いつもの江戸市井庶民の話。「てんびんばかり」は、この中で一番の出来では。どうしても自分より恵まれていると思う、自分に近い同性の不幸を心の底で望んでしまう女性心理。一時の自分の気持ちに最も肉薄する話で、女主人公のとった結果に、わかる気がします。 | ||||
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宮部みゆきさんの「模倣犯」を読んでから買ってみたのですが、なんか、あんまり・・・・って感じでした。いくつかは感動ものっぽいのもありましたが、全体的にそれほどでした。「模倣犯」の時のように没頭しちゃうってこともなかったし。短編集だからしょうがないのかな? | ||||
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最初の数編を読んで「今回は外したかな……」と思った。「人は誰でも人には言えない秘密がある」というテーマの連作としての狙いは分かるのだが、表題作含めて終わり方に切れがない。しかし五作目に至り「お墓の下まで」でそのテーマが生き生きと浮かび上がり、「謀りごと」では終わり方の切れ味鋭く、「てんびんばかり」はこの短編集の中ではマイベストになった。結局、この本は後半に名作が詰まっているなかなか充実した短編集なのである。 | ||||
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