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魔王
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魔王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全129件 61~80 4/7ページ
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考えろ。考えるんだ。 俺はこの終わり方には納得した。というかすごい本だ。 解説にも書いてあるけど、2005年当時に伊坂さんはなんでこんな物語が書けたんだろう。 | ||||
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ハードカバーのときに読んでいるので二回目。 ファシズムを扱っているにも関わらず、 そこは伊坂ワールド、のほほんとした感が漂う。 特に会話の部分が顕著か? 語り手である主人公と馬券売り場のおばさんの会話なんて正にそれ。 ゆるゆるな感じ。 伊坂氏いわく、ファシズムはテーマではないというが。 結末は尻つぼみなのでやはりモダンタイムスに期待してしまう。 | ||||
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ファシズムと不思議な能力を題材にしたSF作品だ。どちらかというと映画ではなく、全5回のNHK土曜ドラマでじっくり観てみたいなと思った。 ときどき、夢の中にいるような描写−「急に目の前が開け空が明るくなり」「なじみの人がなぜか目の前に立っていて」−のような描写(そういう文章は実際は無いけれど)が挟まる。「夢うつつ」ではないけれど、夢に挟まる現実の混沌さが、うまく強調されているように思えた。 ちょうど初出が2004-2005年の小泉政権の頃、2005.8.8の郵政解散につながる時代。あの「熱狂感」は、ファシズムとは少し異質な気もする。けれど、いま覚めて思い返して気づくあの雰囲気に、当時は気づかなかった気がする。 「魔王」は何の例えだったかとあらためて思い返すと、考えられるのがいくつかあった。主人公自身とも言えるし、犬飼首相、またはマスター、またはそういう主体を求めていた時代そのものとも言える気がする。 | ||||
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今の世の中、流れに乗れるか乗れないか、それが全てである。人々が流されて国全体が一方向へ向かっていく中、その流れを止めようとする主人公。「腹話術」という他人に言わせたいことを言わせることができる能力を身に着けた主人公は、かつての独裁者のような政治家を失脚させることができるのか。 さすがの伊坂節で読みやすく、面白い。印象に残る言葉も多く、遊びごころも忘れていない。「魔王」とはシューベルトの曲から。日本語の歌詞で歌っているのを聞くと「おとーさん、おとーさん」とか言うので笑ってしまいますが、内容は怖い曲。 「消灯ですよー。」もなんかいい。 ノーバディ・グッドマンの話は、ひょっとして読者への挑戦状なのか、はたまた、単なる遊び心をもった実験なのか。どちらにしても、自分が思ったこの作品のテーマ、自分で考え判断する、ということへのきっかけになるものかもしれない。考えろ、考えろマクガイバー。 この話が、都市伝説的に広まったら面白いので使うけど。 | ||||
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個人的に好きな作品です理由はこの兄弟と自分がリンクする部分があるから兄弟姉妹以外に、親子、友人、師弟でもこの感情があるのかも知れない私はこの作品を私の遺書として読んで貰いたい兄弟に最後に残すメッセージとして麗しい兄弟愛の世界と社会の歪みを反映した作品に見えます一部の人間にしか理解できない一部の見方としての意見です。そしてどんな形であれこういう感情を共有できる相手がいることが私の唯一の幸せなのかもしれない | ||||
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何も知らず先に「モダンタイムス」を読んでいたので、そのせいもあってか一気に読めました。 順序としては逆なのでしょうが、十分楽しめました。 今の鳩山さんよりも小泉さんを彷彿させる政治家が登場し、超能力を持った小市民がその能力に気付いて自分なりに闘いを挑むところなど、10代の頃に夢中になった筒井康隆や眉村卓を思い出し何となく懐かしいSF小説を読んでいるような気分になりました。 今までの伊坂作品とは少し違っていて、個人的に伊坂ワールドを一つのエンターテイメントと捉えている分には、それも悪くないと思いました。 | ||||
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匠だ。匠である。ユーモアと読みやすい文体で体が伊坂ワールドへどんどん吸い込まされていく。身体の内側が重なるように。話自体は何気ないのだが、作者自身が日頃感じている何かを小説という形で物事を解説しているようだ。確かにそうだと思うことがある。アメリカはイラクは核はないというのに攻撃し持っていると明言している北朝鮮には攻撃しない。これはおかしな話だ!勝手に戦争をおこし後始末に巻き込むアメリカについてもさりげなく痛烈に批判している。だれがどこかに利益があることによって国民はだまされ誘導されているのか('д`)超能力物かなと思わせつつユーモアと匠の筆さばきで描かれたさりげない傑作です。 | ||||
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2005年に出た単行本の文庫化。続編に『モダンタイムス』(2008年)があり、合わせて読むべきだろう。 本書は「魔王」と「呼吸」という2本の中篇からなる。非常に政治的な内容で、全体主義への警鐘を鳴らすような作品だ(著者は政治的な意図はないと言うものの)。そこに超能力がからみ、一種の寓話とでもいうべきものに仕上がっている。物語としての魅力も十分だし、いい本であった。 それにしても、初期の作品とくらべると、伊坂氏も随分と読みやすい小説を書くようになったものだ。 | ||||
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もとから社会的メッセージを含ませるのが作風だったが、今回はついにメインテーマとして政治を扱っている。 とはいっても作風は変わっていない。重々しい感じではない。 いつものように軽快な会話が繰り広げられている。 超能力という堅苦しさとは正反対の要素を入れることで、うまくバランスをとっているように感じた。 実際はそうでもないのだが、むしろ超能力の話の中に、政治が紛れ込んでいるようなそんな印象。 珍しく、著者の考え方が表面化しているセリフが多い。 だが、その主張を得意の圧倒的に楽しい会話の中に含ませているので読みやすい。 あまり深く考えずに読むもよし、きちんと政治のことも考えながら読むもよし。 とくに「呼吸」での憲法改定にまつわる台詞には考えさせられました。 けっこう鋭いことを書いていると思いました。 「ってことはさ、逆に言えば、世界とか環境とか大きいことを悩んだり、憂慮する人ってのは、よっぽど暇で余裕のある人なのかもしれない。小説家とか、学者とか、みんなさ、余裕があるから、偉そうなことことを考えるんだって」 「この国の人間はさ、怒り続けたり、反対し続けることが苦手なんだ」 この2つはけっこうお気に入りです。 個人的には、潤也が超能力で遊ぶ件が好きです。 なんだかわくわくしました。 「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」これはモダンタイムスへのつながりを感じます。 この作品は文庫になっています。 魔王 (講談社文庫) | ||||
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伊坂さんの魅力は投げっぱなしなところです。メインのストーリーは一応の完結はみるけど、あとは投げっぱなしです。だから、他の作品とリンクしてくるんだけど。漫画家に喩えると石川賢です。なので伊坂作品を最初によむのはこれです。間違っても「重力ピエロ」は読まないように。あっ駄作があったっていいでしょ。天才のうんこですよ。 | ||||
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伊坂さんの作品には毎回影響されてるけど、この作品ほど自分に変化を与えた作品はないと思う。 個人的に一番好きな作品。 情報って、メディアを通じて自分の耳や目に入ってくるわけだけど、メディアっていうフィルターを介すことで、どっかの偉いやつらに操作されてる感じがする。そんな情報を鵜呑みにしてる人達がたくさんいる。我々はある方向に束ねられている。お偉い様のご都合主義で。 ボーっとしてたら時代に流されてしまう。俺達は考えなければいけない。常に考えなければいけない。自分の力で。インターネットが生まれて、検索が容易になったことで俺たちはなんでも調べるようになってしまった。考える力の欠如だ。また、時代に流されないためには、情報を遮断するというのも一つの手だ。お偉い様たちの情報操作の魔の手の範疇の外にいればいい。でも俺は職業柄、時代を誰よりも知る必要があるから後者の方法は選べない。でも時代に流されたくない。とにかく時代に流されたくない。自分の信念を貫き通したい。その結果、貧乏になろうともかまわない。人生にとって一番大事なことは自分を見失わない、ということだと俺は思う。 | ||||
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魔王 (講談社文庫) 独特、ですね…。 少なくともミステリではありません。 兄の「魔王」、弟の「呼吸」の二本収録。 これは近い未来の日本の姿なのでしょうか。 それとも今もうそうなりつつある気もしてきます。 最近、自身、躁状態にも近い大きな流れに流される世の中に 少し怖さを感じていたので読んでいて呆然としました。 群集心理の怖さ、皆がやっているからいいだろうという認識。 そうですね、全体にあのシューベルトの 「魔王」の怖さを感じます。 宮沢賢治先生が好きなので所々に引用されているのも 印象に残りました。ああいう清々しくそれでいて淋しい言葉で 終わりを迎えるというのは色々な意味ですごいな、と。 そんな中での弟とその彼女詩織ちゃんの存在に 救われていたのですが… 弟、潤也の性格がすごく好きです。 無邪気で、流れの中でも自分は見失わない人間。 その彼が「呼吸」でみせる変貌と作りだすであろう未来。 それでもそういう「スカートを直せる人間」に なりたいように思うのです。 伊坂作品にお約束の他作品の登場人物が 出てくるのがまたありましたね。 私あれが大好きで…他の作品を読んでいないと 彼が何者なのか、ただの胡散臭い人にしか思えないでしょうし… 特に今回は私の好きだったあの人が 出ていてウフフとなりました。 読み終えて思ったのは 「もうちょっと色々勉強しよう…」と思いました。 怖いのは無知。 知らずにいる事で流されている事にすら気づかない事、 かもしれません。 | ||||
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青臭いとしても、陳腐だとしても、この作品に流れている姿勢がすごく好きだ。 「集団に流されるな、自分で考えろ。」 ムッソリーニの恋人のスカートが直せる人間・・は無理でも、直してあげたいなと思うくらいの人間に私もなりたいと思う。 個人的には、本屋大賞・このミス一位をとった「ゴールデンスランバー」より、この作品を評価したい。 | ||||
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現在及び未来の日本社会の在り方について非常に考えさせられる内容である. 日本人の大多数は,欧米と日本を比較し,日本にも欧米のようなカリスマ性とリーダーシップを持ったリーダーを待望する声が強い. しかし,本書ではそれが必ずしも良いとは限らないことを主張している.これは単にこの当時首相だった小泉氏への批判だけでなく,時代の潮流に流されやすい日本人への批判となっている. とにかく日本にもっと中心軸がしっかりした人間が増えないといけない.いわゆる大人な社会を目指さなければならない. 更に『魔王』と『呼吸』の続編といえる『モダンタイムス』は,ネットワーク社会への警鐘を鳴らしている.これら三つの作品は,日本社会へ著者が問題提起する伊坂三部作となっている. | ||||
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シューベルトの歌曲「魔王」も紹介されているが、表題の「魔王」は読者自身が感じ取るものではないかと思う。 両親を事故で亡くした兄弟と弟の恋人の三人のバランスがとれた共同生活に変化が訪れるのは、兄が突然人の言葉を操る事ができるという能力に気づいた時だった。 兄は昨今話題になっている政治家に近づこうとするが・・・ 作者は独自のストーリー運びで読者を彼の世界観に引き込むが読者自身にテーマを見つけさせるという手法をとっている。 それゆえこの作品の感想や解釈は種種であるとは思うが、三人他喫茶店のマスター、兄の同僚、そして心理がまったく描かれない政治家他の人物の描き方、そして語り方がうまい。 読み返すたびに違った感想が出てくる作品。 | ||||
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私自身が文芸というものに固定観念を抱いているのかもしれませんが、文芸作品全般に感じられる深み? または陰影? のようなものがしっかりと提示されていたように感じられなくて、それが違和感になったのかなと思う。いや、面白いのは認めます。この手の作風は確かに娯楽要素もあるし魅力的です。ただ、ライトノベルっぽい設定が強烈というか……。挿し絵とかが入っても違和感がないです。 | ||||
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本書より先にモダンタイムスを読了した。 モダンタイムスは本書の続編という位置づけにあるとのことなので、本書も読んでみた次第である。 ◆読後感はとてもいい。 ◆ファシズム、超能力、平和憲法 ◇ドゥーチェのマスターはモダンタイムスで出てくる老執事? ◇リング・・・の影響もあるのかないのか。 ◇リングをホラーではなく、社会派小説で書くとこんな感じか? ◇モダンタイムスを先に読んでしまったため、 若干ネタばれ的な部分があった。 ◇安藤兄の能力、弟の能力 ◇その後のストーリーについても分かってしまっているところ ◇あとがきで作者は「政治的な主張をする意図はない」とあるが、 思想的なメッセージがあるような気がしてならない。 ◇単純に右よりな話でもなく、左よりな話でもないところに 好感が持てる ◇さらにいうと考えさせられる。 ◇宮沢賢治の詩はそんなに感動的か? ◆この小説のタイトルでもある「魔王」なるもののについて、 考えさせられる。 ◆われわれはもっと自覚的に生きる必要があるのではないか ◆近隣諸国からさらされている脅威・・・ ◆どこかで(ネット掲示板で)見かけたことあるような話だな・・・ | ||||
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人は、世の中の流れに流される者も逆らう者も、 その根拠があるにせよないにせよ、自ら「ある考え方」を どこからか選んできて、その考え方を自分のものにしてしまい、 それをときには「信仰」して生きているのでしょう。 それが人の行動に影響を及ぼす事は言うまでもありません。 宗教、政治的観念、大小様々の思想、哲学、、、 これらすべて個人的な信仰の対象です。 そして、人はそれぞれ自分の信じた、選んだ、、、 「主観的な真理」をなにかしら持ち歩いて生きているのだと思います。 伊坂幸太郎さんの「魔王/呼吸」という一対の小説は、 超能力?による奇跡的な事柄や、政治的な問題を物語の前面に押し出しながらも、 人間心理の脆さ、危うさ、「信仰、思い込み」によるその恐ろしい一面を、 それこそ作家自身の超能力を駆使して登場人物に語らせ、行動させて表現しています。 その危うさは、対決(反動)せざるおえないという人間の本性と同様、 隠されていてなかなか見えないものです。 「魔王」とは、、、全体主義者や平和主義者や無関心な大衆 のように決して目に見える存在ではないのだと思います。 このレビューを書いているおれも、危うい思い込みやろうのひとりです(^^) | ||||
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自分が思ったことと他人が同じ言葉を話す特殊な能力を持つ安藤が主人公の『魔王』とその安藤の弟で、ジャンケンに絶対負けない潤也が主人公の『呼吸』の二編からなる作品です。個人的には『呼吸』の方が好きです。 | ||||
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超能力という要素が含まれているが、それはこの作品をノンフィクションからフィクションにするための手法に過ぎない。そんな気がした。 頭が良いの定義は難しい。人が知らないことを多く知っている人も頭が良いように見えるが、それは知識が豊富なだけだ。本当に頭が良い人は、何もないところから価値あるものを生み出せる人のことを指すのだろう。しかし、この知識がすさまじい量だったらどうだろう。生み出すまでもなく、ただ持って来れば十分に価値あるものに見えるかもしれない。つまり、通常は、情報を入手し、考察し、判断するというプロセスを経なければ行動できないのに、考察するというプロセスをアウトソーシングすることで、考察結果を入手し、判断するということでよしとする世界になりつつあるのではないだろうか。この結果として、人々は誰かの言葉を自分の考えであるかのように錯覚して行動することになる。 安藤は、考えろ、考えろ、マクガイバー、と言う。彼は、考え、行動することによって、世の中の流れを押しとどめようとするが、結局は濁流に飲み込まれてしまう。潤也は、濁流の外にあって、流れを変えようとする。そして犬養は、流れを作り出していた側だったはずなのに、おそらくは、いつの間にか自分も流されてしまっていることに気づいたのだろう。 彼らは自分の考えで行動し、発言しているはずだった。しかし、本当にそれは彼らの言葉だったのか。かつて存在した誰かの言葉だったのではないか。本当に彼らは考えて行動しているのか。そして自分は… おそらくそこに魔王はいる。 | ||||
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