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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全127件 101~120 6/7ページ
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小惑星が地球に向かっているという。 残された時間はあと三年。その三年をどう過ごすのか。 仙台のニュータウンに住む8組の家族の肖像。 きっと、大概の人はこう思っているはずだ。「余命が分かれば、楽なのに」 本当にそうなのだろうか。この小説はそのことに一石を投じている。 ここに書かれているように、社会は退廃するかもしれない 理性とか知性とか、欲望が暴走するかもしれない。 その可能性は極めて高い。 命の終わりと、世界の終わり。似ているようで、両者はかけ離れたものだということ。 平穏に生きることの強さや、最悪の環境の中で生まれてくる命。その必然と超然。 極限状況の愛情は我が儘であるが故に、真摯な響きを持つ。 人が生きていくために必要なものは?生きている理由は?存在の基礎は? 考えさせること多く、でもそれが、否定的ではないところが素晴らしい。 平凡の肯定。それを説得力を持って語っている。 さて、僕は終末を知ったとき、どうなるのだろうか。 | ||||
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まあ割りとよくあるネタといえばネタ。漫画とか小説で読んだことがある人も多いはずです。隕石が地球におちてくるのがわかって、それが「○年後」それを知らされた人たちはどうするか? と一言でいえばそんな話です。 絶望に走るのか? 残された時間を有意義に生きるか? 伊坂さん節で描かれたこの作品、テーマはありふれてますが、面白いですよ。 このテーマでかかれたものの中では一番よかったです。 | ||||
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読み終わったとき泣き終わった後みたいな爽快感が残りました。もうすぐ死ぬとか後何年生きるとかそうゆう話なんだけれど、人が生きるのにそれは関係ないんじゃないかって思わされる気がしました。きれいな夕暮れみてたら悩みをその時は忘れてた。みたいな その繰り返しが結果生きる事なのかなって思いました。訳わかんないけど、そんな物語でした。お勧めは、太陽のシールです。これは私の想像する伊坂さんの作品て感じでした。読み終わったときに、あまりの幸せそうな3人の未来に胸が熱くなりました | ||||
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「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」 「8年後に小惑星が衝突する」衝撃のニュースから5年。3年後に迫る人類滅亡の刻。死刑宣告をされた人々は日々をどう生きるのか。 絶望に駆られた人々が繰り広げる殺人や強盗、自殺などの場面を直接描くのではなく、また、某映画のようにそれに立ち向かう人類、という視点でもない。むしろ、それらが収まった後の今とさして変わらない日常のちょっとしたエピソードを描いているのが非常に伊坂らしい(村上龍なら間違いなく、凄惨な殺しあいの世界を描いていることでしょう。小松左京なら、小惑星衝突の場面か?)。 絶望的なお話のはずなのに、いつもの伊坂節も健在。ウィットに富んだ軽妙な会話や、各話が独立しているようで、重層的に繋がっている点などは、伊坂の他の作品と同様だ。 人はいつか死ぬ。なのに、何のために生きるのか。これは僕たち一人一人の問題でもある。深刻になりすぎずに、むしろ陽気に重大な問いを僕たちに投げつける作品。 伊坂ファンにはもちろん、はじめての方にもおすすめする。なお、各話のタイトルが楽しい。「天体のヨール」は無理しすぎで、笑えます。 | ||||
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三年後、この世界はやがて小惑星の衝突によって消滅する――。 その時、あなたなら何をしますか――? 終焉を迎える地球に残された人間達のヒューマンドラマ。 私的には『家族』というテーマが強く出ていたように感じる。 強い感動があるわけではないが、それでも読み終わった後に残る読了感とほんのりと残る寂しさと優しさが癖になる一冊だ。 決別していた家族のエピソード。 終焉を三年後に控えた世界を前に、子供の命の選択を迫られる男。 最期の世界で素敵な恋を夢見る少女。 伊坂幸太郎先生の世界は、激しい情熱を感じないが、だが静かに秘められた熱い想いが小説の中に眠っている。涙が溢れる程出てくる感動悲話でも無い、頭をふる回転して解くような特別な謎掛けがある訳でも無い。けれど彼の小説がこれほどまで人気を呼ぶのは、恐らく登場人物達の個性の強さと、その人たちの間に存在するドラマがしつこくもないのに濃厚で、心を惹きつけられる。(無論、伊坂幸太郎先生の魅力はそれだけでは収まらないが/笑)今回はその一様が色濃く出た作品に思える。 ふとした時に手を伸ばしてもらいたい一品です。 そして読み終わった後、存分に家族と仲良くしていただきたいと思います(笑) | ||||
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3年後に地球に隕石が落下して地球が滅亡してしまうかもしれないという設定。 こういうif物はリアリティに欠けすぎて面白みのない物になってしまうケースが多いのですが、そこはやっぱり伊坂幸太郎。本当にあってもおかしくない様な現実味をもたせて納得行く内容に仕上がっています。 発狂する者、絶望する物がいる中でこの小説の主人公達は(全員ではない)どうやら生きることを選んだ様だ。例え明日死ぬことになったとしてもどぶくさく、しぶとく生きることを。 この小説のテーマは次の一文に集約されている様に感じる。 「明日死ぬとしても生き方が変わるんですか?」 やはり伊坂作品は面白い。 | ||||
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私は、ほとんどの伊坂さんの作品を読んでいますが、この作品は、題材が終末という事もあって、いつもの作品よりも、ちょっと重く淡々とした時間の経過を感じました。 とはいえ、8つの物語の構成からなり、登場人物が要所要所で交差している事、 伏線の張り方は、伊坂さんならではと思いましたが。 終末を迎える時に人は本当にどう動くのでしょうか。 | ||||
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終末をテーマにした娯楽作品と聞けば、スケールの大きなパニックムービーのようなものを思い浮かべるかも知れません。 しかしこの「終末のフール」では、パニックからくる暴動は「あの頃は本当に酷かったね」という思い出話に過ぎず、出てくる登場人物たちは普通の人々であり、そして終末は3年後という設定です。つまりは娯楽作品としての”大きな見せ場”になりそうなシーンを意図的に描こうとしておらず、それによりSF設定でありながら、娯楽超大作と言うよりスケールの小さな文学といった作品になっています。 ですから”平板で特に何か事件が起こるわけでもない話”が苦手の人は、例え伊坂氏のファンであろうとも読まない方が無難でしょう。 非日常の日常とでも言うべきほのぼのとした話が多い連作短編なのですが、物語中「8年も前から小惑星との衝突を予測することは不可能のはず」ということが確定した情報としてではないながらも言及されるあたりは、伊坂氏の毒が一刺しと言うところ。 大勢の人が死んだ暴動の原因が単なるデマだったというのであれば、生き残った人たちは世の中のバカバカしさを呪いながら、長々とした余生を生きていかねばならないのですから。 この”情報を鵜呑みにする大衆の恐怖”というのは先行作品「魔王」のメインテーマでもあり、魔王の主人公・安藤が感じた危惧をより具体的且つ極端に示せば、終末のフールのような世界になるのかも知れません。 とは言えこのお話の雰囲気は魔王には程遠く、むしろ”死を悟っても坦々と日常を送る人”という共通点から言っても「死神の精度」のラスト「死神vs老女」に近いものです。ああいったほのぼのして爽やかな作品が好きならどうぞ。 | ||||
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5年後に地球が消えるという報道が流されてから2年後の世界を描いた作品。 この説明がないと、大きな誤解を招くと思う。 大混乱が起きて、一通り収まったあとの世界の話。 舞台は仙台。書き方は、各々の登場人物が章を分けて主人公として描かれる。 死に対して、準備することが良いことなのかはわからない。 この作品では、そこまで書き込めていない。伊坂作品なのに、みんな読める本。 パズルが解き合わさった爽快感はあるものの、魔王のような強烈な意識は感じられない。 ガス抜きの意味で書いたのだろうか。 相変わらず、登場人物のセリフの言い回しは、爽快で軽快。 | ||||
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小説やエッセイなど、 最近色々読み始めたばかりの僕ですが、 この作品は非常に読みやすかったです。 ストーリーも絶望的でいて、なにか温かい感じで とても好感がもてます。 ひとつの出来事にそれぞれの想いを廻らす主人公達。 続きが気になって一気に読んでしまいました。 読み終えた後、とても温かい気持ちになりました。 ゲームの「街」を思い出したりもしました。 「あまり小説を読んだことがないけど、 なにか読みやすい本はないかな?」 という方に是非おススメいたします。 | ||||
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三年後に地球が消滅する(本当はちょっとニュアンスが違うのですが)!という状況のもと蠢く人間達を描いた連作短編集。 本当に伊坂作品を読む度に思ってしまうのですが、展開が尋常ではありません。作中人物が「あと・・年ねぇ」とつぶやく場面があり、病気なのかななどと思ってみるのですが、まさか地球が消滅するとは…。 収められた8作品の主人公にはある共通点があり、少しずつ、ほんの少しずつ、交錯しています。 娘と絶縁状態にある父親、一家心中から一人取り残された女性、妻の妊娠に驚く男性などの登場人物達全員に等しく残された時間のなかで、皆それぞれ精一杯生きています。限られた時間の中、ある者は必死に、ある者はおだやかに、暮らしています。 自分ならどんな風に過ごしていくのかな、などと私自身の残された人生についてちょっと考えてしまいました。 | ||||
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2006年度の「本屋大賞」、上位に食い込んだ連作短編集。 仙台の郊外にある住宅街、とある一つのマンションに暮らす人々を通じて8つの エピソードが重層的につづられる。 小説すばるに3ヶ月ごとに連載された作品で、小説内の時系列も章ごとに3ヶ月ずつ 前進し、破滅の日へと向かっていく。 小惑星落下によるカタストロフ前夜、という設定は荒唐無稽でハリウッド映画的だが、 そこに描かれるのは非常に淡々とした日常の延長だ。 まあ、現実の世界だって、今夜にも滅んでしまうかもしれない危うさをはらんでいるわけで、 ここにさりげなく描かれる狂気と殺戮、無慈悲さえもすべて現実の延長線上だけれど。 たくさん登場するキャラクターのいずれもが生気にあふれ、なかでも女性キャラクターは かつさばさばとしているのが印象的だ。 それがまた、この寂寞とした世界観の中で爽やかさを醸している。 各短編のタイトルが「終末のフール」「篭城のビール」「演劇のオール」「天体のヨール」… などと韻を踏んでいて、それぞれ本編中でタイトルのヒントが語られる。 ちょっと苦しげなものもあるのだが、それもまた面白く、作者の遊び心を感じさせる。 | ||||
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伊坂幸太郎さんの作品は、洗練された文体や幾重にも重ねられた物語の構成が目を引きますが、常に感じるのは物語の底辺に流れる暴力(そして悪意)の影です。この作品でも隕石による地球滅亡よりも、それによって引き起こされる人間の愚かさ、残酷さのほうがリアリティを感じさせます。そしてそんな世界の中でさえ、ポジティブに生きて行こうとする登場人物達の姿勢が心を打つのではないでしょうか。さらりとした物語のように思えますが、実に奥深い作品だと思います。 | ||||
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人生。病気で、寿命が決まっているわけではない。 至って健康だ。 しかし、3年後には地球は小惑星により終わりを告げる。 その3年間をわれわれはどのように過ごすだろうか? 最近、「日本沈没」という映画が放映された。 だから、一度は誰もが最後に何をしたいか?は考えた事があると思う。 この小説の場合は、3年ある。 家族と一緒においしいものを食べたり、友達と遊んだり・・・。 あるいは、もう将来等どうでもよくなって自暴自棄になるかもしれない。 3年あれば、様々なドラマが生まれるはず。それも急速に。 人は寿命が決められると精一杯、その時間を有意義に使おうとする。 自分のしたい事、しなければいけない事を成し遂げようとする。 その様々なドラマを小説として、紹介している。 世界が終わりが3年と決まってない、普段の生活の大切さが 身に染みてわかった気がする。 | ||||
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あと3年で世界が終わるなら、 自分なら何をするだろう・・・??? 読者はそう考えずにはいられない。 仙台市のあるマンションに生き残っている人たち それぞれが選んだ生き方を描きつつ、 伊坂幸太郎お得意の巧みなリンクで各章がうまく繋がっています。 私達は自分の死期を知らないから、 日常をなんとなく生きていられるのかもしれない。 しかし、世界に終わりは来なくても 自分の命には必ず終わりは訪れる。 それをしっかりと意識したら、 今よりは充実した、後悔のない、 素敵な人生が送れるのかもしれないなぁ。 8つのお話を読んで、 もし自分がこの境遇に置かれたなら 「演劇のオール」みたいな最後を送りたいと思いました。 | ||||
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たとえば、地球は後8年で消滅しないかもしれない。若くして子供を生んでもその子の成長をみずに死んでいくのかもしれない。私達にとっていつだって、人生そのものに期限があるということ。一番好きな人の側にいたいと思うのは、本当はこの世の中で一番大切な事なのに、忘れてしまうのです。 | ||||
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小惑星との衝突による終末が予告された世界で生きる人達の、9つの物語。 各々の物語は巧みにリンクし、全体で大きな風景を描き出している。 極限状態で前向きな物語を紡ぎだす著者は、自らの資質に挑戦しているかのようだ。 世界全体の終わりでなくても誰にも死という終末はやってくる。 終わりを前にどのように充実した生をおくるか、また大事な人を亡くしたことにどう折り合いをつけて生きていくか。深く考えさせられ、また勇気付けられる。 著者の本を読んでみたいという人に、最初の一冊として自信を持ってお勧めできる傑作。 | ||||
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いい作品ですね。仙台土着作家ってのが、いい味になってるのかも。 あなたの人生での優先順位一位は何ですか? 最後に一緒にいたい人は、誰ですか? そういうテーマが、はっきりしていて良かった。 自分が幸せに生きてることを、再確認できた。 鋼鉄のウールがいいですね。 ストイックなのには、あこがれるんだなあ。 | ||||
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伊坂幸太郎って、仙人になろうとしているのか? いろんな人間を、「あとちょっとで地球壊滅」なんて極限状態に泳がせて、眺めてる感じ。 上からな。上から。 嫌な意味でなくて、ずっと上方から登場人物たちの生活を眺めてるような感じで読み終えた。 自分だったら・・・・ | ||||
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毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えて いる人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を 襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。 人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が 断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが 起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の 中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な 未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く 感じた。 | ||||
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