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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全127件 81~100 5/7ページ
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7年後に地球に小惑星が落下することがわかった。 遙か昔にも小惑星が地球に落下したことがあった。 その時に滅んだのは恐竜である。(もちろん恐竜だけが滅んだわけではない・・・) 今度は人間が滅びる番だ。 それから4年が過ぎた、日本の、東北の、仙台市郊外の、と或るニュータウンがこの連作短編集の舞台である。 世界は7年後の滅亡を知って大パニックを起こし、暴動が起き、殺人や自殺が頻発、生きる目的を失った人間たちは社会生活を放棄した。 物語では直接触れていないが、物語の始まりまで生き延びた人間は全体の何割だったのだろう。 死の宣告から4年目、なぜかはわからないが世界は落ち着きを取り戻してきたように見える。 細々ながら流通機能が戻ってきて、食べ物が手に入るようになった。 いつ誰に襲われるかわからない、まちがっても一人歩きはできなかった治安の悪さもなんとなく収まってきた。 そして、終末まではあと3年だ。 8つの短い物語はこの状況下のニュータウンに暮らす人々の、日常と心理を描いている。 ひとつひとつの物語は独立した作品でありながら、緩い繋がりもあって、最終話ではすべての登場人物が顔を見せていた。 そういえば伊坂幸太郎の小説では、前作の主人公が次作に顔を見せるのは恒例行事だから、いつもの手法とも言える。 エリオットの「世の終わり」を思い出しました。 (人類最後の日を描いた小説「渚にて」の原詩です。 映画のほうが有名かな) In this last of meeting placesWe grope togetherAnd avoid speechGathered on this beach of the tumid river伊坂流で同じテーマを扱うと、渚がニュータウンになるのね。 | ||||
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設定にかなり無理があるけれど、読み進むうちにその設定のなかで物事を考えさせてくれます。 SFが好きな方からすると、小惑星とぶつかることがわかった混乱期がないのは物足りないかもしれませんし、他の作品のように、「最後に氷解」というほど見事ではないけれど、悪役のいない世界で人が繋がりあう点で最後まで面白く読むことができました。 | ||||
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伊坂作品は基本的にすべて満点だと思っているが、友人の評判を聞いて単行本は買い控えていた。 作家の個性は処女作に凝縮されるというが、「オーデュポンの祈り」のシュール感、音楽や小動物(自然)を愛する気持ち、キャラの立った2枚目というその後の作品に受け継がれていく「伊坂節」が確かに感じられなかった。 しゃれた台詞(それをキザと評価する人もいるが)がないのも伊坂さんにしては珍しい。 唯一、タイトルは忘れたが、夕食中の家族に復讐をする作品には伊坂ワールドが垣間見えた。 配送費がかからないように一緒に買った名もない作家の無限ループ (講談社文庫)のほうが面白かったのは、嬉しい誤算であると同時に、やはり伊坂さんの今後に期待せずにいられない。 乙一さんのように、一線を退いてしまわないように祈るばかりだ。 | ||||
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三年後、人類は滅亡する最後の瞬間あなたは何を想い誰と過ごすのだろう | ||||
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3年後に小惑星が地球に衝突する。 物語は短編ですが、それぞれが微妙に繋がっています。 地球が滅亡すると言う状態での世界を描いていますが、成る程と思える設定でした。 普通は壮絶な殺し合いや、食料の奪い合い、治安崩壊となると思いますが、物語ではそれを経験し、何故かそれなりの従来の生活に戻っていると言う設定です。 そういう発想もありだなぁ、と妙に納得しました。 あまり現実的な世界とは感じられませんでしたが、それぞれの人間の描写が旨く描かれており、あまり伊坂氏の本は好きではなかったのですが、この本で見方が少し変わりました。 | ||||
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隕石の存在がわかって5年,落下まで3年. 当初の混乱が落ち着くのにかかる時間と 奇妙な穏やかさと安定を維持している時期として妙にリアルな数字である. ディストピアを扱ったフィクションとしては世界観の緻密さに欠けるものの この時間設定だけで作者のセンスを感じる. 迫りつつある終末を背景に繰り広げられる群像劇であるが 深刻さの中にも,どことなく肩の力の抜けた空気感が漂っていて 諦観とも前向きとも違う伊坂作品独特の離人感とでもいうべきムードは健在. この種のテーマにありがちな重苦しさ,押し付けがましさがなく 舞台設定のシリアスさとは乖離している分 読む人によっては軽薄で不謹慎な印象を受けるかもしれない. ま,その辺は好き好きではあるが 1つのテーマに沿った短編集としてはよくまとまっていると思う. 個人的には,主人公格としては扱われていないが 障害を持った子供の親のセリフが印象に残った. 世界の終わりにもそれを救いと感じる人間がいる. 万人に等しい価値などないと思い知る場面である. | ||||
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この短編集を読んでまず思ったのは、登場人物がみんな素敵で魅力的だなあ、ということです。優柔不断な富士夫くんとそんな彼を深く理解している美咲さん夫妻をはじめ、伊坂ワールドの根っこはやはり登場人物、そして彼らがやりとりするまるでダンスのような会話、にこそ あるのだと再認識しました。三年後に世界が滅亡する、という状況にも関わらず今作に溢れる穏やかさ、楽しさはさすが伊坂さんと思わずにはいられません。実はあまり期待せずに読んだのですが、僕は何の問題もなく楽しめました。ただ読む、のではなくこの小説世界に入り込んでみて下さい。絶望的な状況に陥っても彼らのように生きれればなぁ、そんなこと考えました。 | ||||
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(毎週更新されるが)ブック総合ランキング一位。それだけ売れている本です。 私は書店に言って「面白そうだな」と思い購入。期待はそこそこでしたが、期待以上に面白く、見事に期待を裏切ってくれました。 2xxx年、8年後に「小惑星」が衝突し地球が滅亡されると予言された。世界はパニックに陥り、逃げ出すもの(意味が無いが)、自殺するもの、または貴重な食料を取り合い殺されてしまうもの、そんな状態が続いた。 それから5年たち、争いはなくなり平穏な小康状態となった。仙台北部の団地、「ヒルズタウン」の住民達も同様であった。彼らは「余命3年」という短い時間の中、人生を見つめなおした。 そんなヒルズタウンの住民たちにスポットをあてた短編集。余命3年という短い時間の中で前向きに生きる人々を描く。 生きることとは何か、それを訴えかけてくるような1冊。短編集なので息抜きなんかにもいいと思います。 結構面白かったので☆4つです。 | ||||
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3年後に小惑星の衝突により、人類滅亡の危機が迫る。 実際にこのシチュエ−ションにいたったとき、自分がどのような心理で、どのような行動に出るのか?想像ができません。 言い換えると、生きることの意味をなくし、仕事や社会貢献の責務から開放されたとき、人は(いろいろな立場のなかで)なにを求め、どう生きるのか(死ぬのか) 死期を知らされた人が、自分の人生をどう総括するのか?を問いかけているのかもしれません。 あと3年の世界に新しい命を誕生させるのか? 完遂していない夢を実現させるのか? 社会に貢献するのか? おる意味、その人の本質が問われる中で、ポジティブに生きるのか、ネガティブに生きるのか? とても、興味深い作品です。 | ||||
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今の時代にぴったりだと思った。 各篇の主人公達は沢山泣いたんだろーし割と冷静に動向を見つめているけど、生きてる。多分消滅するときも誰といるのかが思い描ける、それまで生きてる、それが嬉しい。 | ||||
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伊坂作品は単行本で持っていたり、読んでいても 文庫化されると その度にまた買ってしまう…。 久々に読み直した今作は やはり伊坂らしい世界観で、この世の終わりが近いという設定なのに読んでると浮き浮きしてきてしまう。 私は特に 主人公が可愛い「冬眠のガール」、大円団の「演劇のオール」、流石の最終章「深海のポール」が好きです♪ | ||||
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どこか人を喰ったような、浮遊感のあるエキセントリックな伊坂幸太郎の世界。そんな伊坂テイストを残しながらも、本書ではミステリーではなく、SFちっくな極限状態におかれた人間群像を描いている。 2***年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから5年が経った。 恐怖心が巻き起こす、暴動、殺人、放火、強盗、デマ、そしてパニック的な逃避行動・・・。社会に秩序がなくなり、世界中は大混乱に陥っていたが、ここへきて“5年ぶりに祭りが終わったかのように町に落ち着きが戻り”(「鋼鉄のウール」)、世間は危うい均衡が保たれていた。 舞台は伊坂小説のフランチャイズ、仙台。本書は、その北部の丘を造成して作られた団地「ヒルズタウン」に建つ、築20年のとあるマンションの、“世界の終わり”騒動の後も、今なお生き残って住んでいる人たちが、入れ替わるように一人称で語る8話の連作短編集である。 彼らはいずれも今回のパニックか、あるいはもっと以前に何らかの理由で家族を亡くしている。心の中にあるのは絶望のはずである。冒頭から主人公の自殺未遂で始まる物語もあるくらいだ(「天体のヨール」)。 しかし、本書のすごいところは、ただ単に人々の絶望やパニックを描いているのではなく、その向こうに「生きる道のある限り、あと3年の命を精一杯生きよう」という前向きの姿勢を導き出しているところだ。8つの物語はいずれも主人公の前向きな「生きる決意」で終わっている。 「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうのだよ、きっとさ」(「深海のポール」)。 本書は、極限状態に置かれてもなお生き抜こうとする人間の強さを静かに訴えた傑作である。 | ||||
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地球滅亡が分かり混乱が去ったあとの様子を描いた作品。 混乱を描くのはありがちだが、これは見たことがない。 そんなわけで構想勝ちだと思う。 物語は不安定な上に気づかれた変な安定がある 日常を淡々と描いたオムニバス形式。 意外にこういう状況で人はこんなものなのかな、と 妙に納得してしまう感があった。 全編通じてバラード調のエンディングテーマが私の頭の中で流れていた。 | ||||
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仙台市のマンションに住む8つの家庭のそれぞれの視点から世界の終末の様子が描かれ、一見内容に何のつながりがないように思える話だが、ところどころで他の家族との関連性を持たせているのがうまいと思った。また、タイトルも熟語にカタカタが付属し統一された形となっているが、ヨールについては夜をのばしているだけなので、ちょっとムリがあるように思った。8つの物語の中では「演劇のオール」が一番おもしろかった。終末騒動の混乱で一人ぼっちになってしまった人間に対し、演技をすることでつながりを持つことを考えた女性、そしてその女性が憧れる引退した俳優の発言がとても印象に残った。 | ||||
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伊坂幸太郎氏の著書として初めて手に取りましたが、傑作です! 小惑星衝突を3年後に控えて、という状況設定にはムリがあるかも しれませんが、だからこそ“人がなぜ生きるのかどう生きるのか” ということを不純物を排除して考えることが出来るのかと思います。 家族を持つ身だからこそ個人的にグッとくるものがあったかもしれ ませんが、小惑星衝突という背景に変に捉われずに読み進めること が出来ましたし、読後は心温まるものがありました。 著者の作品を次も次も読んでみたい!と思います。 | ||||
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8年後に小惑星が落ちて地球が滅亡すると発表された5年後の、 仙台の団地に住む人々のお話。 短編集なのですが、ひとつひとつが結びつきます。 発表当初は荒れまくっていた世界も、5年たって、少し落ち着いて。 両親が自殺したり、殺されたり、そして残された人たちが、 残り3年間という運命の中で、淡々と?生活している風景。 諦念が溢れている中で、どうにか生活を楽しくしようと。 なんていうか、あと、8年っていうのが微妙な長さだなと。 自分だったらどうするだろうなぁ。 荒れてる間は、ひたすら引きこもり、落ち着いたら・・・ 何をしましょう? やはり、生活するしかないわけで。 違う本で、「生まれたときに、死ぬことは運命付けられている」みたいなせりふがあったけど。 やはり、死ぬのはわかっていても、あと8年といわれたら・・・ 人間って弱いなぁ。 でも、この本、妙に明るいのですよ。 生々しさがなくて、一枚ガラスをとおして、世界を見ているような感じ。 神の目線なのかしら? | ||||
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伊坂さんの作品は「チルドレン」に続いて二作品目。 今回も面白い作品でした。 巨大隕石が3年後に落ちて人類は死滅する、そのときどう生きるか。 この舞台を8つの角度から描いています。 舞台は仙台のあるマンションながら、さまざまな葛藤や陰影をつけて描かれる8つの物語はとても読み応えがあり、楽しめる作品でした。 その8つの作品の中心にあったのが「許す」という言葉のように感じました。 自分を、人生のパートナーを、肉親の仇を、許すことができるのか。許せないのか。 どうなれば許せるのか。 許しなさいと作者はお説教じみた展開はしません。 さりげなく、あなたなら許せるのかとドラマを通じて問いかけてきます。 この舞台であなたは許せますか? また、あなたは自分自身を許せますか? あなたにとって「許せない」と握っている思い、出来事、人はいますか? そう問いかけてくる作品でした。 できればそんな思いを引きずったまま、末期のときを迎えたくない、ボクはそう思いました。。 | ||||
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3年後に滅びる世界に生きる人々の一見淡々とした日常を描く。小惑星を爆破するヒーローも軌道をそらす未来技術もない文字通り死刑宣告をされた社会にあっても残された日々をそれぞれのやり方で生きようとする登場人物を見ると、逆説的ではあるが希望を感じた。考えてみれば、この世界は全世界的に不治の病で余命宣告を受けた状態なので、「難病に負けずに精一杯生きる」という内容の小説と同様の感動を得られるのかもしれないと思った。 | ||||
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SF的な設定ではあるけれども、 物語の時間を区切ることによって 生の意味を考えていこうという 不治の病モノと同じテクニック。 アイデアに斬新さはないが 絶望感の後の奇妙な静けさの中で それでも本源的な希望を失わない姿に 胸がほのかに温かくなる佳作。 | ||||
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3年後、小惑星が落ちてきて地球が滅亡する。 そんな報道があった時、人は残された日々をどのように過ごすのか。 犯罪が蔓延し、秩序は崩壊し混乱が続く中、仙台市の「ヒルズタウン」という団地の住人の生き様、8編が描かれています。 それぞれのお話が、他のお話とビミョウに控えめにつながりを持たせているところが面白かったです。 「終末のフール」、「太陽のシール」、「籠城のビール」あたりまではおもしろく読めましたが、終始テンションの低いお話に疲れてきてしまい、途中で飽きてしまいました。 | ||||
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