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(短編集)
フィッシュストーリー
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フィッシュストーリーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 1~20 1/3ページ
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本作フィッシュストーリーは伊坂氏には珍しく、中編集とでも言ったところ。 それぞれ独立した物語、「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の四編からなります。 ・・・ 取り敢えず、ページをつらつらとめくっているうちに、速攻没入しました。 たまに顔を上げてトイレ休憩などしながらふと思ったのは「いかにも初期っぽい作品だなあ」ということ。読了後、終わりの解説を再読すると、単行本出版は2007年とのこと。デビューして数年の作品ですね。 この頃の作品というと、シュールで奇想天外、異時代で物語を構成、洒脱で知性を感じさせる会話、作品をまたぐ登場人物、そして登場人物の核に性善的な強さが見える、といったところが特徴であると感じます。 例えば、今回も大活躍の泥棒の黒澤氏。『ラッシュライフ』にて主役級の活躍の彼ですが、「ポテチ」では後輩やその彼女のサポートをしたり、「サクリファイス」では金田一少年よろしく古い村落の習俗を暴いたり、大活躍。でも人を傷つけない優しさ?が見え隠れ。 またフィッシュストーリーは、場面がシャッフルしますが、徐々に時間軸が飛んでいることに気づくことでしょう。このパズルのピースが徐々に埋まっていくかのような理解の進捗の快感こそ伊坂作品の真骨頂!? 「フィッシュストーリー」は、売れないバンドが生み出した迷曲が地球を救う、というなんとも壮大な話。マネージャーの岡崎さんが連れてきた敏腕プロデューサー谷が、実はそのバンドのことを大いに評価していると分かるのが、根は「いい人」が多い伊坂作品らしいです。 ・・・ ということで一か月ちょっとぶりの伊坂作品読了でした。 伊坂作品、本当に好きです。 面白い。グイグイ読ませて、展開も面白く、それでいて何だかほっこりする展開に落とし、締める。今回もそれですよ。 単純に読んでいて面白いので、多くの人におすすめできる作品かと思います。読書嫌い、活字が苦手な人に読んでみてほしいなあ。どう反応するんだろう。 | ||||
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伊坂ワールドの人気キャラ〈黒澤〉が登場する二篇──「サクリファイス」(初出は2004年)、「ポテチ」(2007年)──と、ノンシリーズの短篇「動物園のエンジン」(2001年)、「フィッシュストーリー」(2005年)の、全部で四篇を収めた作品集。 おしまいの中篇「ポテチ」がすごく良くて、「ふんふーん」なんて鼻歌まじりで読んでたら、ラスト、泣いてましたわ。〈今村〉がどうしてそういうおかしな言動をするのか、話の途中でその理由に思い至った時、「ああ、そうなんかあ。こりゃあ、展開次第ではヤバイなあ」思ってたら、ほんま、胸あつの展開で‥‥。涙、止まらんくなってました。 この話ではあと、タイトルになってる〝ポテチ〟が出てくるシーンが絶妙の上手さで、ここでまず、うるっとなったんでした。 | ||||
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小説の一部分を切り出しては、、、、、、、 ああでもないこうでもないと、木を見て森を見ず、、、、、 作者なら、 ンなこたァ、どうだっていいんだよ!! って云う。きっと。 アソートクッキーみたいに。一つひとつ、美味しく頂きましょう。 短編の詰め合わせです。 ハイ。 . | ||||
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コロナと言う目に見えないウイルスがこの世界を震撼させてもう一年。何度も緊急事態が宣言されて、緊急という緊張感を維持するのが難しくなってくる。イソップ寓話のオオカミ少年を思い出したりもするが、ひっ迫の度を増す医療現場 への負担を減らすため、何よりも自分たちの命を守るために外出は自粛され、それが効果的な対策なのかは不明だけど、街を歩く姿が明らかに減った。飲食店には要請と補助が出ているが、製造業や卸、小売店のダメージは計り知れない。 じっと耐え「いらっしゃいませ」を言う機会を奪われたお店、開店しても「いらっしゃいませ」を言う機会が限りなくゼロに近いお店。夢や希望の恍惚とした理想に近づくために日々励んでいた「働く」という存在意義。以前と同じようにと思い出せば辛くなり、方向転換しようにも出口が見えない。 「何のためにお店をやってたんだっけ。」 あまりにも豹変したこの世界では、去年までの価値観は通用しない。風になびく雑草のように、雨や雪にもさらされて前後左右から予測も回避もできぬ攻撃をくらっても、飛ばされないように何とか根を張る。隣の雑草と目に見える範囲で励まし合いは出来るけど、それぞれの環境や状況によって、根っこの部分で共感し合う事も難しくなってきた。 誰かに喜んでもらいたい。その為に用意していた商品や言葉。 それはきちんと誰かに届けられるかな。 -------------------------------------- 「僕の孤独が魚だったら、巨大さと獰猛さに鯨でさえ逃げ出す」 -------------------------------------- ある小説の一節から始まる伊坂幸太郎の短編「フィッシュストーリー」 小説の中に登場するこの小説が、3つの時代にそっと足跡を残す。ある人はドライブ中に思い出し。ある人はハイジャックが起きる前のフェリーの中で。ある人はその独特な文章を引用して曲にして歌う。伊坂幸太郎ワールド全開の緻密な伏線が最後は束になって回収される奇跡のような物語は、それぞれの時代から託されていくバトンが心地よく繋がり、最後は本当の奇跡を届ける。 -------------------------------------- 「これ、いい曲なのに、誰にも届かないのかよ、嘘だろ。岡崎さん、誰に届くんだよ。俺たち全部やったよ。やりたいことやって、楽しかったけど、ここまでだった。届けよ、誰かに」五郎は言って、そして清々しい笑い声を上げた。「頼むから」 -------------------------------------- 全く売れないパンクバンドのボーカルが最後の収録に残した言葉。1人の孤独が生み出した言葉。この時代には誰にも届かなかった言葉は時空を超えて、やがて世界を救う奇跡を起こす。 中村義洋監督によって映画も素晴らしかったけど、これ以外の短編も抜群に面白いので小説で読むのがおすすめ。現実はハッピーエンドの映画のようには簡単に行かないけれど、みんなが戦っているそれぞれの孤独。 「いつか認められるんじゃないかな。」 それくらいの儚く薄っぺらい気の持ちようが、明日に繋がる希望になると信じたい。 | ||||
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30年前、あなたがもし青函連絡船に乗って、わざわざ北海道にまで羊の研究に来ていなければ、世界(日本を含む)のコンピューター・ネットワークは悪い人達にハイジャック (! ! ? ?) されてズタズタにされていた。 ただし、今回の「コロナ禍」は起こっていなかった・・・・・(かもしれない)。 伊坂幸太郎氏の小説は唐突で乱暴なのですが、不思議と作りもののお話、という気は起こらない。すごい作家ですね。 | ||||
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伊坂幸太郎作品のうち、純粋な短編集(連作短編集や短編集と思わせながら最終的には一つの作品とみることができる作品を除く、それぞれが完全独立した純粋な短編集)を読むのは本作が初めてでしたが、いずれの話もなかなかに楽しめました。 短編といっても文庫本で4短編ですので、それぞれそこそこの分量があったため、読み応えはしっかりあり消化不良になることなく4度楽しめた印象です。 たとえば表題作「フィッシュストーリー」。 無名のロックバンドの音楽をキーに、さまざまな人や時代において何らかの影響を与えている、あなたのその何でもない行動も、どこかで誰かになんらかの影響を与えているのかもしれません。 そういうことを思わせる粋な作品で、特に高校教師瀬川が述べる「争いは全部、正義のために起こるんですよ」という言葉が、コロナ下における現在の社会においては非常に印象的です。 またたとえば最終話の「ポテチ」。 「コンソメ食べたい気分だったけど、塩は塩で食べてみるといいもんだね、間違えてもらってかえってよかったかも」という大西の言葉を聞いて涙を流す今村。 本作を最後まで読んで、この場面に戻るとこちらも涙が出そうになります。 そしてタイトルが「ポテチ」であることに納得。 この「ポテチ」と2話めの「サクリファイス」には伊坂作品のいくつかに登場する空き巣兼探偵の黒澤が登場します。彼が登場するだけで、どこか安心感があります。 そして冒頭の「動物園のエンジン」における伊坂幸太郎の言葉遊びの巧さ。 短編集も良いと気づかされた粒ぞろいの作品集です。 | ||||
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伊坂作品にハズレはないのだけど、私が求めているのはモダンタイムズやキャプテンサンダーボルトの様な作品なので、それではなかった。 | ||||
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バラエティに富んでいて、かつ軽く読める短編集なので、あまり構えず読むことが出来た。個人的には「重力ピエロ」と重なる、家族の絆を描いた「ポテチ」の出来が突出してると感じる。最後のホームランは、正に絵に描いたような展開だけど、素直に感動出来た。赤ちゃんの取り違えと言うありがちな話を、これだけの感動作に仕上げたのは作者の手腕だろう。変人だらけのようで、なぜかリアリティも感じられるのが伊坂幸太郎らしい。 全体的に作者の作品としては標準的な出来と思う。名作とまでは思わないが、買って損はない | ||||
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久々に伊坂さんの本を読みました 犯罪がらみの短編小説が4編 ちっとも生臭くなく、大きく撒かれた伏線をしっかりとつみ取りながら 終結するストーリーと、決して他では味わえないユーモアにほっこりします 他で読んだ登場人物がでてくるのも楽しいですね 気負わず読める良い本です | ||||
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正義の味方瀬川さんのセリフの原典は、中島敦「弟子」中で語られた孔子の弟子、子路の言葉です。 "大きな疑問が一つある。、、、邪が栄えて正がしいたげられるという・ありきたりの事実についてである。、、、悪は一時栄えても結局はその報いを受けると人はいう。なるほどそういう例もあるかもしれぬ。しかし、それも人間というものが結局は破滅に終わるという一般的な場合の一例なのではないか。善人が窮極の勝利を得たなどという例は、遠い昔は知らず、今の世ではほとんど聞いたことさえない。何故だ?何故だ?" 中島敦「弟子」をこのような形でリライトしてくれる、伊坂氏のような作家がいてくれることを大変嬉しく思っております。 | ||||
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『フィッシュストーリー』は、ありそうでなさそうな4っつ物語が収められた作品集である。 伊坂ワールドお馴染みの黒澤が2作品に顔を出す他、その他の作品とクロスオーバする人物、出来事等が見られるようだ。fish story=ほら話。伊坂ワールドがそもそも、壮大なほら話になんじゃなかろうか。 ■動物園のエンジン 深夜になると動物園で眠る中年男 永沢。朝になるとマンション建設反対運動に参加しているようだ。私と知人の河原崎、恩田は、永沢をめぐり「推理ゲーム」を試みる。はたして、ここらさ推測できることは ・・・ 主人公たちが繰り広げる思索が、作中の仕掛けと相まって、謎めいた発展をしていく過程が楽しい。オチは、スカっとはいかないが、ほのぼのとした余韻を残してくれる。 ■サクリファイス 人捜しを請け負い小暮村へ辿り着いた黒澤。小暮村は生贄を捧げる風習「こもり様」を続けていた。それは、サイコロで選んだ村人を一定期間、洞窟に閉じ込めるというものだった。話を聞いた黒澤はそこに胡散臭さを感じて探りを入れ始める ・・・ 村に隠された秘密を暴く黒澤の洞察力が堪能できる作品。犯罪者 黒澤ならではの締めくくり方がいい。黒澤の「人を信じてみるというのは、人生の有意義なイベントの一つだ」は名言である。 ■フィッシュストーリー 現在のハイジャック現場から、二十数年前、三十数年前、十年後とひとつの音楽を通じで紡ぎだされる時空を超えたほら話。「無音の間奏」が奏でるロマンチックなドラマ。あらすじを語るのは野暮というものだろう。 ■ポテチ 空き巣の今村、そして同棲相手の大西。野球選手 尾崎宅で仕事の最中、今村は、留守番電話に入った尾崎に助けを求める女性のメッセージを聞いてしまう。今村は、その女性を助けようと決意して ・・・ 塩味ポテトチップスに重ねた今村の切ない思い。ほろりとさせてくれる本作品集の中でお気に入りの逸品である。ピタゴラスの定理や万有引力の法則を発見した!という天才(?)今村。特に、純粋無垢な彼のキャラクターがすばらしい。 | ||||
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オーデュボンの祈りに出てくる伊藤やその他の小説からの 登場人物が参加しています。 伊坂さんの小説を読んでいると、こう言うことが良くあります。 こんなところで繋がっていたんだぁって思え、大きな楽しみの ひとつになっています。 | ||||
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映画面白かったし 小説も面白かった!!! 伊坂さんの作品が好きなので 何度も見てしまいました!! お薦め! | ||||
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伊坂さんのストーリーはとても軽快で、引き込まれます。とても楽しかったです。 | ||||
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それぞれの話のつながりがいいですね。 この作家の作品をたくさん読みたいと感じました。 | ||||
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短編の「ポテチ」では、 主人公の恋人が、自分の頼んだ味とは違うポテチを主人公から渡されても、 どちらの味も好きだから取りかえなくてよいと言います。 主人公はそれを聞いて泣きます。 なぜ主人公が泣いたのかは話を最後まで読めばわかります。 小説の読後に上記の話を思い返して、私も少し涙しました。 | ||||
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「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の4編が収められています。 所謂「推理小説」とはちょっと違うのですが、それぞれが独特の雰囲気のある作品になっており、その中に「謎解き」の要素が組み入れられている作品になっています。 雰囲気の特殊性は、その登場人物にも表れており、その典型が「サクリファイス」「ポテチ」で探偵役で登場する黒澤で、空き巣兼探偵と言う訳のわからない職業です。 その不思議な世界の中で、ちょっと意外な言葉が大きな役割を果たしており輝きを示しています。 その例としては、「フィッシュストーリー」の「僕の挫折が魚だとしたら、そのあまりの悲痛さと滑稽さに、川にも海にも棲み処がなくなるだろう」です。 そして「ポテチ」の塩味とコンソメ味の問題の様に、その意味を深く考えてしまいます。 その意味では、ちょっと哲学的とも言えます。 雰囲気のある面白い本でした。 | ||||
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収録作の「ポテチ」映画版を見ました。 本自体はずっと前に読んでいたのですが、 映画がかなり良かったのでせっかくだからレビューします。 これといって取り柄なく不思議な感じのある空き巣・今村、 今村がひょんなことから出会い一緒に暮らす女性・大西、 さらに寡黙で腕の立つ空き巣の兄貴役・黒澤の3人が、 地元のプロ野球チームに所属し、現在は補欠に甘んじるも、 かつて高校野球のスターだった尾崎をめぐる数奇な運命に向き合います。 映画、いいんです。 小説と違って今村と黒澤が2人で話すシーンから始まります。 ここは小説では描写が割愛されているのですが読んだ方には想像できるかと。 キャスティングは濱田さん=今村はピッタリ(←デジャヴはありますけどね 笑)、 大森さん=黒澤は何か微妙、木村さん=大西(若葉)はどハマりでした。 あと「親分」とエンドロール後の場面は賛否あるかなあ……。 で、映画泣けます。 「ゴールデンスランバー」以降映画化を慎んできた伊坂さんがGOを出したのは、 伊坂さんの住む東北を襲った東日本大震災の影響もあったと言われていますが、 僕には少なくとも、生きることを勇気づけられるというか、 「どうしようも無いこともあるけど生きてけばいいことだってある」という、 決して押し付けがましくないエールのようにも感じられました。 泣けるのはラスト、尾崎の打席の場面。映画は小説とちょっとだけ違います。 さらっと書いてかすかな余韻を残す小説もとても好きです。 | ||||
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登場人物のキャラクターの濃さは他の作品と変わらず伊坂ワールド炸裂。 今村と尾崎のエピソードは切ないが読了感は清々しいものだった。 しかし黒澤さんかっこいい。 どんでん返しや超展開があるわけでもないが、 淡々とした感じがイイなぁと思う本。 特に最後の「ポテチ」での親子愛がグッドって感じでした。 | ||||
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伊坂節全開の中編4連発! 1作目の「動物園のエンジン」では見事な叙述トリックと華麗なオチに翻弄。 2・4作目では黒澤が大活躍。彼には知性を感じます。 そして3作目の「フィッシュストーリー」。 売れないバンドが送ったメッセージが、めぐりめぐって世界を救う。 思わずニヤッとしてしまう展開に、 いつの間にか伊坂ワールドに肩まで浸かってしまいました。 | ||||
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