■スポンサードリンク
モダンタイムス
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
モダンタイムスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 61~80 4/7ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
またしても再読しました、伊坂さんの作品。『モダンタイムス』です。ぼくが最初に読んだのは単行本ヴァージョンでしたが、こんかいは文庫版です。そういえば伊坂さんは文庫本を出すとき、いつも加筆修正をなさるそうで、いろいろな意味で二度たのしめたかな、とおもいます。 さて。 さて、題名の「モダンタイムス」の意味ですが、やはりこれはチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』からの借用なのですね。上巻のp277に書いてあります。「訊ねる私の脳裏には、昔、祖父の家で見たとてもつもなく古いサイレント映画、確か、『モダン・タイムス』というタイトルだったと思うが、その場面が映し出された。産業革命により、工場が機械化され、人間が翻弄される話だった」とあります。 ここで、キーワードとなるのが、同じページにある、「機械化」と「怪物的なもの」です。「怪物的なもの」とは、ナチスのホロコーストにおいてユダヤ人を工場で商品をつくるように殺した、ということで、それは世の中が機械化されているからである、ということみたいです。 この作品は近未来な作品だなぁ、とおもい読み進めていたのですが、直接何年なのか書かれているところはなく、上巻のp108に探検家の「シャクルトン」というかたのはなしが出てくるのですが、それが「1914年」でそのことを「百五十年前のこと」と書いていますからおそらく「2060年」付近、つまり「22世紀半ば」ということでしょうか。解説を書いていらっしゃる書評家の酒井貞道さんも「22世紀半ばの話」と結論づけています。 未来の話ですので、げんざいとはちがったいろいろな状況、制度・機械等が出てきます。例をあげますと、「徴兵制」、「パスポートにGPS」、「机に埋め込まれたモニター」、「中華人民共和国ではない中国」、「医療カプセル」、「視覚障害者のかたでも運転出来る車」などなどです。 さてさて。この作品の核となるのは、なぞの企業「ゴッシュ」でしょうが、下巻のp156に「ゴッシュとは「ゴッド」のスラングで、つまり「神」のこと」というむねの文章があります。ということは、「ゴッシュ」=「神」で、主人公=渡辺拓海は「神」と戦っている、ということでしょうか。あるいは、なんども言及される「システム」と。「ゴッシュ」=「神」=「システム」。 というわけで、以下はほかに気づいた点を挙げます。 ・「さよならだけが人生だ」という歌人・寺山修司さんの詩がセリフとしてもちいられています。「さよならだけが/人生ならば/また来る春は何だろう/はるかなはるかな地の果てに/咲いてる野の百合何だろう(後略)」。 ・初期作品とちがって、なにかこう、すいすいと書いている感じがします。とくに下巻にそのような雰囲気をかんじます。ただの勘、です。たぶん、講談社文庫さんがつかっている字体や字の大きさのためのような気もします。 ・やっぱりやっぱり伊坂さんの小説の主人公はなぜかモテるみたいです。ふしぎですね。 ・伊坂さんはやはり相対主義者なのでせうか。下巻p121、「善悪なんて、見る角度次第、語り方次第。そして、もっと言えば、何が真実かどうかなんて分からないってこと」とあります。 以上です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国家にとって都合の悪い真実を隠ぺいするために ネットを監視して検索した人間に危害を加えるシステムと それに気付いて抵抗を試みるエンジニア. このように書くと,何やら巨悪に立ち向かう正義のヒーローという感じがするが, 描かれるテーマは,どうすることもできない無力感と, 高度に分業化された社会のシステムのつかみどころのなさである. 「ゴールデンスランバー」では一糸乱れぬ組織として描かれていた国家のシステムが, 今回は分業されて完成した監視・管理システムとして描かれている. 関わる者が誰もその意味や目的を考えないまま, ただ目先の「仕事」を進めることで全体としてのシステムが動き, 最終的に不穏分子が始末される. そんな無機質な不気味さがむしろあっけらんと明かされ, 主人公たちのささやかな抵抗も徒労に終わる. 闘う相手すら判然としないこの無力感の描き方と, エピローグでのそれぞれの人生の選び方が印象的てある. ただ,明らかになっていない謎もたくさんあるし, 何より,ネットが監視の方法として使われる,というところにややリアリティがないと感じた. とくにジャスミン革命でインターネットコミュニケーションが人民解放のツールとして 使われた今ではこの設定はちょっと苦しいと思う. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
次々と事件が起こり、敵も中々見えてこないので、続きが気になり一気に読んでしまいました。 キャラクターもそれぞれ個性的で、テーマも面白かったです。 奥さんや浮気相手など確かに謎の部分もありますが、想像で補っておきます( ' ▽ ` )ノ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
連載ものなだけに、毎回次が気になる終わりかた。 ストーリー性は普通だが、作者のメッセージのよ うなものは解りやすいので、そこで好き嫌いがわ かれるかも・・・ 初めての伊坂さんの作品だったので、違う作品も 読んでみたくなりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
娯楽小説として純粋に面白かったです。久々に寝食を忘れて読書に没頭しました。社会の”仕組み”という壮大なテーマに挑んでいるところは素直に讃えたいですし、なるほどと思わされる点も多かったです。特に、アリは賢くないがコロニーは賢いという例えは非常に秀逸でした。個人的には村上龍の『愛と幻想のファシズム』を読んだときの興奮が甦ってきました。その一方で、今から約50年後の近未来を舞台にしたのは正直”逃げ”に思えました。徴兵制の導入など政治や社会の体制が大きく変わっているものもあれば、インターネットの検索などテクノロジーは今と変わっておらず、不自然に感じた点も。どうせなら現代で勝負してほしかったところです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世の中は、システムでできあがっている。 何をやっても同じってことになる。 行きつく先は虚無。 大きな目的の前には個人の力なんて役には立たない。 「そういう事になっている」 本当に面白いです! 登場人物みんなよかったし、 一度使われたセリフをもう一度使うタイミングが抜群でした。 下巻の真相に近づいて行く流れは、サクサク読めた! 結局本当のところがよくわからないところが、逆にいい。 悪がいて、ただそれを倒すだけの話ばかりじゃなくて いいと思うからこんな話も好きでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これぞ伊坂ワールドでしょうという文体に あれよあれよと言う間に頁が進みます。 どんどん先が読みたくなる面白さ。 後半若干失速気味な感じもしましたが 全体的には伊坂ワールド健在、満足です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻にもレビューを書いていますが、私は単行本を読み、そして今回この文庫も読みました。 今作はかなり手を入れているらしい。そのせいか私の記憶力のせいなのかわからないが、非常によく楽しめた。 正直、ハードカバーを読んだ当時はがっかりした。 私は魔王が大好きだったので、本書を読んだ印象として、魔王の世界観、雰囲気、キャラを台無しにされたように感じたのだ。読後もすっきりしなかった。何だよ、システムって。 ところが不思議なことに、今回読み返してみて、そういった不満がまったく消えていた。この変化は、私が成長したからなのか時代が変わったのか、それとも加筆のせいなのか。私はこの作品で語られる“システム”の説明について、いま、非常に腑に落ちている。 ぜひ、ハードカバー既読者にもお勧めしたい。 もちろん、未読者にも薦めたい。 魔王は読まなくても問題なく楽しめる。しかし、読んでいないということは、わさび抜きの握り寿司のようなもの・・・いや、七味唐辛子を入れ忘れて豚汁やうどんを食べてたようなもの・・・あるいは、つゆだくを知らないで牛丼屋に行っている様なもので、それ自体でも美味しいが、入れたほうがより美味い。何が言いたいかというと、つまりは読んでいないと損である。醍醐味である。 それにしても、一度読んだにも関わらず、ラストには普通に驚き感動してしまった。さすが伊坂氏! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
現代そして未来、人は利便性、効率性を追及していくが、その原動力はどこから来るのか?それと引き換えに何を失っていくのか?盲目と目の前の目的を達成しているだけで狭〜広周囲に影響を引き起こすとすると、結果として現れたものの原因はどこにあるのか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めはプログラミングに少し特化した話かなぁ〜と思って読んでましたが、 後半に進むにつれ「システム」ってかくなるものぞ、なるほど、って感じでした。 働いて、働いて、年を重ねるほど余計に過去を振り返って考えたくなるかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さすがだと思った。普段ラノベとか読むことが多いせいか小難しい話は飽きてしまうんだけど、うまく引き込まれた。 全てが明らかになる、って内容ではないけど、終わり方もよかった。 私は「魔王」はたまたま読んでたけど、読まなくても十分楽しめると思う | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作家とのファーストコンタクトの作品が、自分好みではなかったため 氏の著書にはしばらく手を付けていなかったのですが レビューを見て興味をそそれらました。 報道されていることが全ての真実とは限らない。 「最近、中学生絡みの事件が多い」「いや、以前からあったが取りざたされていなかっただけだ」 視聴者の興味を惹く事例だけを集中的に報じられることはあるし、でっちあげだってあり得る。 みな社会や組織の歯車の一つに過ぎない。 全体像は個々には分からないこともある。 小気味良い文章で、サクサク読めました。 物語の展開も大変面白かったです。 文庫本のあとがきによると、単行本に少し手を加えられたそうで、そちらも気になります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『オーデュボンの祈り』の後に読みました。 本書はリアル、『オーデュボン〜』はファンタジー調ですが、いずれも“人間の営み”というものがシステマチックに描かれています。 読者の人生観によって好き嫌いが左右される作品だと思いますが、私と著者の感性が近いのか、非常に共感できました。 我々の営みは所詮「歯車」、されど「歯車」なのです。 本書の「あとがき」は必読です。 若干冗長ぎみなので、マイナス1とします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テンポよく、得たいの知れない力に巻き込まれていきます。上巻はおもしろかったです。おもしろかったが必ず“上巻は”を付けたいです。下巻も読んで低評価付けたんで、フェアーにこちらも評価させて頂きます。ちなみに上下に別れてないなら評価はぐっと下がります。下巻は流し読みしていい部分が多いが、伏線を落とさないように結構真面目に読んでしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
伊坂作品で一番面白かった。魔王を読み返し、またモダンタイムスが読むたくなる。作家の井坂さんがとにかく面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ゴールデンスランバー」と並んで伊坂作品が新しい段階に入ったことを示すような作品であるように感じました。 これまでも「アヒルと鴨のコインロッカー」の犬殺しや「重力ピエロ」の連続レイプ犯など伊坂作品にはどうしようもない悪が度々登場してきましたが、本作ではこれらこれまで描いてきた、結果として生み出される末端の悪ではなく、それらを生み出しうる仕組みそのもの、世界そのものに焦点を当てています。 それはとんでもない悪を生み出しうる仕組みに私たち自身も加担しうる、もしくは既にそうなってしまっているということも必然的に描き出すことになり、それが可能であれば、真に私たちに迫ってくるメッセージをもった作品足り得るという至極真っ当な作風の変化であると思います。まぁ説教くさいといえばそうなのですが、エンタテインメントとしての展開の妙やキャラクター像はこれまでと変わらず高いクオリティを保っているので、単純に読み物としても面白いです。 読み終えて受け取るものは人それぞれだとは思いますが、私は「言い訳すんな。自分で考えればわかんだろ。」という結構良いメッセージを受け取りました。確かにそりゃそうだ。自己防衛のための言い訳だよなぁ。「しょうがない」は。 以上賛否が分かれうる本作ですが、私は賛でした。次回作にも期待したいです。次回は、じゃあみんながちゃんと自分で考えて社会が変わっていくってどういうことなんですか?どうやったらそうなるんですか?というのをやってみて欲しいなぁ。。 ちなみに「魔王」は読んでからの方が楽しめるとは思いますが、別に読んでなくても問題はないと思います。胡椒がなくてもこのラーメンは美味いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
資本主義社会は、それが真実かどうかを求めていない。 面白いかどうか、儲かるかどうか、速くて便利かどうか。 作業は分業化され、それそのものの大義や理由は見えなくなり 人は目の前の作業だけに専念し、その達成だけに満足を覚えるようになる。 いつしか世の中は自分が動かしていると錯覚するが、外から見ればただの操り人形である。 ネットはその資本主義の究極の申し子だと言える。 人はまず「検索」し、分かったような気になり、溢れる情報に埋もれ、レッテルを張り、疑心暗鬼になってゆく。 社会を動かすのは真実ではなく、面白さを演出したファシズムであると。 伊坂氏のシュールな演出で、未来社会に名を借りて現代のネット社会と壊れていく人間の怖さをあぶり出していくエンターテイメント。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
色々書こうと思ったのですがどうにも陳腐になってしまうのでそこは他の方にお任せして本当に自分の感想を書こうと思います。 凄い面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は、魔王の続編として書かれている。 それを知ってから、早く文庫化されないかずっと期待していて やっと文庫化されました!! 個人的に本作の好きな点は、主人公が私と同じ職種のSEということ。 随所×2にSEならではの共感できる点があり、おもしろかった。 そして、読んでいる最中に、「えっ、真実ってこんなもん?」、 「え〜、そんな落とし方するのぉ??」と残念に思う点があったが、 そこはさすがの伊坂氏!そのままでは終わらなかった。 期待を裏切らない。 また、本作には、井坂という作家が登場するが、 考え方がユニークでおもしろい。 魔王も読んでおけば、なおおもしろいので、 先に魔王を読むことをお奨めします!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
他の評者の方が書かれているとおり、魔王の続編的作品。昔読んだ同書を思い出しながら読んだ。 他に監視社会を元にしたゴールデンスランバー (新潮文庫)や上記書物より、舞台は近未来的になっている。2050年以降? ガジェット的に「未来」が顔を覗かせる。 主人公が勤める情報システム会社の状態が、現状のそれと変わっていないのが可笑しく、悲しい。 本書のメインストーリーである社会のシステム化、管理化においては、国家元首も一介の民草もその部品であることには変わりがない、それを担保しているのがネットワークであるという認識は共感する(オーウェル+モダンタイムス)。 伏線のはり方とその解消はさすがだが、他の著者の作品と比較すると最後の「大団円」が弱いように思う。これは、「敵」の存在があまりに大きく、とらえどころがないため、仕方が無いのではあるが。(それに対し、本書も含め、筆者は筆者なりの結論を出してはいる) 現実に、ネットを使った管理社会化は着々と進み、コンピュータネットワークは勿論、「犯罪防止・犯人検挙」の名目で多くの監視カメラが備え付けられつつある。GPSなど完全に生活の一部になっているが、あれこそ「管理社会」の最大の勝利ではないだろうか? 逃げるか?戦うか?取り込まれるか? 願わくば、管理社会を泳ぎきるだけのリテラシーを持ちたいと評者はかすかな希望を持っている.... | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!