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蛍の森



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【この小説が収録されている参考書籍】
蛍の森
蛍の森 (新潮文庫)

蛍の森の評価: 3.78/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.78pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(5pt)

これもまた現実

ノンフィクションの書き手として、多数の“差別”をテーマにした作品を送り出している石井氏の、フィクション作品。社会派ミステリー(作者ブログより)として、ミステリー仕立てで話しは進んでいく。
ミステリーのハイライトシーンは事件の真相を解決(または犯人が語る)する部分にあると思うが、本作はその部分には非常にがっかりした。「そんな簡単に行くものなの?」、と。
しかし、そのお粗末さがあったとしても、非常に読ませる作品だと思う。

本書は、現在(2013年)に起こった失踪事件を捜査する中で、過去のハンセン病への官民の不理解による差別があった時代に起こった事件が失踪事件の背景に浮かび上がってくると言う、2つの時代を行き来しながら描かれている。そこには、ハンセン病だけでは無く、山深い集落独特の閉鎖的な社会や掟、村の権力者への服従、村の権力者と警察の馴れ合いなども描かれている。

ノンフィクション作家の書くフィクションは、違和感が多くて好きになれない場合が多かったが、本作は粗は多少あるが、ストーリーとしてもしっかりとしている良質の作品に仕上がっていると思う。
蛍の森 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蛍の森 (新潮文庫)より
4101325367
No.6:
(1pt)

ハンセン病の差別問題を描こうとしたこと自体は評価できるが誤りが多すぎる

国賠訴訟終結後も救われないハンセン病患者らを描いた小説と聞いて、読んでみました。著者の他の著作即ちノンフィクションは読んだことがありません。
 初めての小説、しかもミステリーということですが、ミステリーとしても小説としても、説得力を欠くものだと感じました。現代の殺人事件をめぐる描写と、1950年代の四国の仮想の集落を舞台にした描写とが交互に綴られるという、しばしば用いられる手法を採用していますが、最初に違和感を感じたのは、登場人物が全て「きれいな標準語」を使うことです。架空の集落だから、特定の方言を用いることを避けたのかもしれませんが、不自然に感じました。それに、語り手の父親の数奇な生い立ちとその経歴、語り手を何としても医師にしようとしてそれを実現させたことなどを前提とすると、父親と語り手とが非常に疎遠であり、ここに描かれた途方もない事件によって初めて心を通じあわせることができたというのは、いかにも不自然です。語り手と、妻や娘との関係を前提とすると、その後の語り手の行動や推理に至る経過について、どうにも不自然な気持ちを払拭できないのです。
 また、これでもかというほどに残忍な描写が繰り返されますが、過剰に過ぎます。
 これも大変残念な点ですが、ハンセン病問題について描くのであれば、医学的にも正確な記述をしてほしかったと思いますし、国が推し進めた強制隔離政策についての記述も極めて不十分です。
 最後に語り手が小春と出会う場面で、小春の顔貌の描写がありますが、それはまるで発症時を示すような表現であって、感染症としては治癒し、後遺症としての顔貌の変化を遺す状態の描写としては不適切です。
 ハンセン病問題については、数多の参考文献があります。著者はそれらを精読したのでしょうか。また、いったいどのような取材をしたのでしょうか。
 訴訟自体が控訴断念によって終結した後も連綿と続いている国との協議、また、韓国や台湾で日本時代に強制収容された回復者への補償問題や、本書でも取り上げられている収容を免れた「非入所者」の皆さん(その多くは沖縄在住で、未だに殆どの人が差別を怖れて名乗ることをしていません)の被害回復のため、どんな試みが続けられているのか、ご存知ないのでしょうか。
 また、療養所における「園内結婚」について、あるいは女性の扱いについての記述は、確かに園内結婚を認めること自体が隔離政策を確実にするための手段として行われ、女性の比率が圧倒的に少ないために、有無を言わさず結婚が決められたというような側面があったことも事実ですが、療養所において、弱い者どうし、寄り添いながら、助け合いながら、過酷な環境を乗り越えてきた多くの方々が、今も生きておられます。
 高く評価されている方々のレビューを拝見すると、確かにこのようなエキセントリックな表現が読む人の感情を揺さぶるという効果はあるのかもしれませんが、これほどにデフォルメせずとも、淡々と史実に即して記述するだけでも、訴えることはできるはずです。
 裁判から10年以上を経て、多くの人がこの問題を忘れかけているこの時期に、著明な著者があえてこの問題に取り組んだこと自体は評価したいのですが、残念だと思わざるを得ません。
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4101325367
No.5:
(5pt)

すさまじい差別

前近代の日本には恐ろしく閉鎖的な村落共同体とすさまじい差別が存在していたことを再確認させられる作品。
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4101325367
No.4:
(4pt)

迫力のある取材に驚愕

若い作者がここまでハンセン病や昔の慣習や差別、迫害について理解し、小説として作り上げた事に感心しています。
知る。ということの大切さ、無知と言うことの怖さを教えてくれました。
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4101325367
No.3:
(1pt)

紙の無駄とは言わないが・・金は無駄にした(T T)

語り口が気に入って石井氏の本は古本で何冊も読んでます。今回初の小説とゆうことでご祝儀を兼ねて購入しました。・・・・・しかし
 最初からして「車が入れない山道を20分登ると、過疎集落に真新しい舗装道路と信号」・・・資材と重機はいったいどこから搬入したのでしょう。
 死体も出ていないのに刑事10人導入して捜査本部を設営w ・・・失踪者の捜索って消防署とかの仕事ですよね。
等々突っ込みどころ満載でリアリティ皆無。・・・どうせなら舞台を「アジアのどこかの国」にした方がましかも
人物の言動・行動とも不自然且つ存在感無し。
どう考えても18人もが暮らせるはずがない「寺」の食糧事情
最終まで伏線すらない人物がいきなり出てきて謎解き。
年代描写を文章化出来ないのでとってつけたような挿入歌。
「らい予防法」のステレオタイプな理解・療養所収容者の侮辱的な描写
全体的にラノベ水準にも達しない素人の作・・・なのは実際処女作だから仕方ないが、新潮社には最早まともな編集者の一人も居ないのか?石井氏の知名度に頼り切った「売れればいい」のやっつけ仕事としか思えません。
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4101325367
No.2:
(5pt)

読み始めると止まらない徹夜本

石井光太さんの本なので軟弱な本でないことは覚悟して読んだが、本書はハンセン病の暗い歴史がテーマの小説。ハンセン病がテーマと聞くだけで、ちょっと恐れをなす気分になるが、本書は読み始めたら止まらない徹夜本だ。逆に、小説にしたからこそここまで描けたのだろう。
 これまでノンフィクションを書いてきた作家だが、このようなミステリ小説であっても、ぐいぐいと読ませる作品が書けるというのはすごい力量だ。
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4101325367
No.1:
(5pt)

キレイごとがお嫌いな方へ

物乞う仏陀以来の衝撃、傑作。障害に関して石井光太は何度も採りあげてきたけど、障害に関して「キレイごとじゃない」とか、したり顔で言う人いますわね。キレイごとってどんなに大切か、自尊心ってどんなに必要か、どんな人でも幸せを望み、生きる権利があるんだと思いました。
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4101325367

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