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革命前夜
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革命前夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 21~40 2/3ページ
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とても面白く拝読しました! 最初手にとった時、クラシック音楽、東ドイツ、シュタージという文字を見て10年以上前に観たドイツ映画「善き人のためのソナタ」を思い出した。監視社会の緊張感をリアルに描かれてたが、留学経験が無いのだとしたらあの映画からもヒントを得てるのではないかな?と読み進める中でも何度か思いました。とはいえ、バロック音楽の知識や音楽家の葛藤の表現など相当なレベルでクラシック愛好家の自分も久々に満足感を得られる小説でした。 結末は色々な意見があると思うが、自分にとってはやや陳腐な終わり方で、全てを明らかにせずとも…と思うが、留学からスタートしてるので、平均律がどう昇華されたのか、主人公がピアニストとして帰国後、どうなっていったのか描いて欲しかったです。 とはいえ、バッハは本当に素晴らしいの一言でyoutubeで聴きましたがオルガンのコーラル本当に癒されました! | ||||
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登場人物の描写 舞台の背景の描写 どれも作者の強みが存分に出ていて期待通り。 驚いたのは 須賀氏の音楽に対する造詣の深さ知見、それと共に楽曲の性格を活かし 物語の背景に浮かばせるテクニックに呑み込まれる。 出典曲をYouTubeを聴きながら読み進めた。ぜひお勧めする。 そういった読書法が楽しめ どっぷり浸かれる至極の一冊。 | ||||
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最近、小説の世界になかなか入り込めないのですが、 これは最初の数ページで小説の中に引き摺り込まれ、 そのまま一気に最後まで引っ張って行かれました。 日本人であり、当時はまだ高校生だったと思われる作者が、 ヨーロッパでおきたあの大変革をこれほどまでの臨場感で 描いていることに驚きを感じます。 壁崩壊の5年後の冬、東欧の国々を旅したことを思い出しました。 まだ、街は革命の傷跡が色濃く、暗く、物資も少なかった。 今はどうなっているのだろう。また、訪れてみたいと思いました。 | ||||
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音の世界に遊ぶのは聴くだけで、音符の世界に弱いので曲名を見ても全くメロディーが思い浮かばず、作者の表現に頼るのみで、少しハードルが高かったのですが、歴史的事実に合わせ、そこに息づく人間模様に引き込まれ、何度も読み返しをしています。物語を深めるどんでん返しの連続に そうなんだ そうだったのかと読み深めました。 「また、桜の国で」とは違ったジャンルの物語とはいえ主人公の姿が重なるように思えたのは・・・私だけでしょうか。 | ||||
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ベルリンを旅する前に読みました。ドイツが東西に分かれていた頃、親、家族との関係が独特な主人公が、あえて西ではなく、社会主義体制側の東ドイツを選んでピアノ留学する話です。 電話は盗聴され、近所、学校内でさえ誰かに監視されてるような感覚、いつも東側、社会主義を感じる生活、日々に、読んでいるこちらが気が滅入る感じで、少しだけ、その時代の雰囲気を垣間見ることができました。 ストーリーそのものは、わたしはあまり、、感動できなかったかな。でも、東西ドイツが統一するきっかけとなった出来事が織り込まれているので、社会主義、東ドイツの表面的にしか知らなかった背景、断面を描いている点で読んでいて興味深かったです。 | ||||
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東ドイツはあまりに遠く思われるが、日本人留学生を主人公に仕立てることで、ベルリンの壁崩壊寸前の東独の雰囲気のなかに読者を引きずり込むのに成功している。ただしその一方で、バブル絶頂の日本を離れ、家族とほぼ絶縁状態で音楽に打ち込むためにドレスデンへ留学に来た主人公が、物語の展開とともに、自分の音楽を追い求めることをやめて、金髪青い目の美女と親しくなり、人々の中へ身を投じていくという変貌ぶりにちょっとついていけなかったことも確か。 周囲の人物の方が魅力的なあまり、主人公は傍観者、狂言回しとなって、ビルドゥングスロマンとしての側面が置き去りになってしまう。それならいっそのこと主人公なしで群像劇として描いてくれてもよかったかもしれない。正直、皆川博子のようなスケールの大きさと物語を紡ぐだけの筆力がこの作家にはある。 | ||||
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この本の帯に、「しばらく他の本が手につかないくらいの放心状態となりました」と書かれており、それに惹かれて読んでみたのですが、本当にその言葉の通りでした。この本に出会わせてくれたこの帯には感謝してもしきれません。 | ||||
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須賀氏の作品ははじめて読ませていただいた。東西ドイツのスパイ小説や東から西への脱出劇はこれまで数々読んできたが、東側で否応なくじっと息をつめて生きている人びとの生きざまが、ドレスデンの音大に留学中の日本人若者の目を通すという新たな切り口から描かれている。彼とその周囲の人びとが演奏する曲がやや陳腐な気がしないでもないが、留学先に東独を選ぶへそ曲がりな若者が状況に目覚め、内なる正義感に突き動かされる姿がなかなかいい。 この作家の異ジャンルの作品も読んでみたい。 | ||||
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ベルリンの壁崩壊当時の東ドイツの社会の一端を知り参考になりました。 | ||||
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すごく面白いです。当時の東ドイツの状況をよく調べているし、ロマンスも素晴らしい | ||||
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前半は暗い重苦しい展開で読むのに時間がかかってしまったが、後半はミステリ的でテンポがよく、スラスラ読めた。読後感のよい終わり方も良かった。 朝井リョウも解説で書いていたが、東ドイツの空気感、生活感、一人一人がそこで生きていたことを、さも自分が体験したことのように書いている筆者の取材力や想像力、筆力は恐ろしい。 また、人生において何を表現し、何を残せるのか、という問題は個人的にも考えるところが多く、心惹かれるテーマだった。 今までこの作家さんを読んでこなかったことを後悔しつつも、まだまだ読めていない物語がたくさんあると思うとわくわくする。 | ||||
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この作品の三つの要素、すなわち、人物・社会・音楽、いずれの表現についても共感するものがありませんでした。 この小説は、日本人留学生マヤマを主人公として東欧民主化の状況を描いた作品です。ところがマヤマは一貫して歴史の傍観者にすぎず、何らかの事件に関わることがありません。もちろん作者の狙いがそうしたところになかったのだから仕方のないことですが、盛り上がりに欠ける感があります。また細かなことですが、至近距離から拳銃で撃たれそうになると手刀で拳銃を払い落として応戦するシーンは、ふだんピアノの演奏しかしていない人間の行動としては不自然に思いました。 そして、一人称という形式をとったが故に、全ての事象がマヤマの目を通してしか描かれないため、ベルリンの壁崩壊へのうねりが表面的で真に迫る感じがしません。 さらに、作中に具体的な曲名や音楽の専門的なことが述べられますが、そうした知識のない者には何のことなのかさっぱり分からず置いてけぼりです。もっともこの点に関しては、作者の須賀しのぶさんの力量不足というわけではなく、そもそも文章で音楽を表現することには限界があるということなのかもしれません。 以上、批判的なレビューになってしまいましたが、総じて皆さんが高く評価していますので、単に私の読解力が足りないだけということも考えられます。 | ||||
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今から31年前。ハンガリーの小さな街Shopron にピクニックと称して大勢の東ドイツ人が集まった。ハンガリー側からオーストリアへ亡命するためである。この出国劇が契機となり、東ドイツ政府は無秩序状態に陥り、両ドイツを分断していた国境線の開放へと繋がる。この闘いの中に現ドイツ首相のメルケル氏もいたのだ。移動の自由を制限することの意味を彼女は身をもって知っている。 | ||||
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書店の平棚であえて未知の作家の作品ばかりを買う、という中で入手した1冊。読書量はけっして少ない方ではないと思うが、読了してこれほどの小説家をまったく知らなかったことを恥じました。 平成元年のドレスデン、登場する日本人は一人だけというとっつきにくい舞台設定にもかかわらず、読み出したらまあやめられない。国家的な大陰謀といった大風呂敷は広げないが、誰が敵で誰が味方か、何が正義で何が悪か、複数のエピソードで重層的に問いかけながら、他方では音楽というもっとも文章化しにくいものの描写をこれでもかと注ぎ込んでくる離れ業を、他の誰ができるだろう。最後の1行で本書のタイトルが画竜点睛の役割を果たす。この老練さに舌を巻く。 朝井リョウの解説も非常に的確で、大満足の1冊であった。 | ||||
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文字通り、東西ドイツのベルリンの壁崩壊の時代に、東ドイツにピアノ留学をした日本人の僕が日々体験するさまざまな人との出会い、音楽、政治に対する思いを綴っている。主人公の僕はあの当時の私と同じくらいの年齢で、TVの画面を通しても、私にも壁崩壊の瞬間は衝撃だった。 緊張する場面もでてくるが一貫して切なく哀し物語だった。最後は涙で、今年初めて久しぶりに感動させてくれた一冊となった。あの頃の僕、僕の友人たちは今どうしているだろうか? 会えるなら会ってみたい・ドイツの今も観てみたい。 | ||||
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個人的に2019年に読んだ本の中で、1番心に響いた作品です。 素晴らしい文章で、革命前夜の世界に浸りきりでした。 東ドイツに留学した音大生の成長(音楽性、精神面)が主軸の小説です。 シュタージなどの言葉の意味を頭で理解していても、感覚レベルでは理解できない日本人がいかに彼らと関わり、理解し、折り合いを付けるのか。 東ドイツ、西ドイツ、その他の国から来ている留学生。 其々が自分の想いを胸に秘め、どのように生きていくのか。 自身の胸の内にある相反する気持ちが生む矛盾が、どう行動に作用していくのか。 ハッピーエンド、バットエンドという様な明確な終わり方ではありませんが、 胸が締め付けられるような気持ちにもなりますし、人の未来に希望を持って良いのだなという気持ちにもなれる本でした。 | ||||
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登場人物に赤い血が流れている感じがあまりしないというか……生きてそこに動いている感覚が、立ち上がってくる存在感が、ない。人物に魅力がないからか、恋愛を描いても全然ぐっとこない。日本人留学生の配置も無理やり感があってしっくりこない。。日本人作家に多いちまちました世界観じゃない魅力が、人物造形の空虚さで半減しているように感じました。 | ||||
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ピアノを勉強するため、旧東ドイツへ留学した日本人青年が、ベルリンの壁崩壊直前の動乱に巻き込まれる物語。フィクションの中に、歴史的な大事件がいくつも盛り込まれるので、ノンフィクションを読んだような気分になる。そして、日本という国はいかに安全で自由な場所かということを痛感させられる。 独裁国家では、秘密警察と情報操作が国民を縛り付ける。第2次世界大戦中のドイツではゲシュタポとナチスのプロパガンダ。戦争中の日本では特高と大本営発表。そして、国民がお互いを監視し合うシステムを築くことが独裁国家の基盤を補強する。そのために密告が奨励され、情報をコントロールする組織が網の目のように張り巡らされる。 主人公の青年・眞山柊史(まやま・しゅうじ)は、東ドイツ(当時の国民は自国をDDRと呼ぶ)の音楽大学に留学生としてやってきた。慣れない共産主義国で、彼を助けてくれた友人や周囲の親切な人々によって何とか学生生活を続けてきたのだが…。 まるでイーサン・ハントのように次々と裏切りにあい、信頼していた人々によって窮地に陥れられる柊史。しかし、ただのピアノ科学生には秘密兵器もバックアップしてくれる諜報部員もいない。怯え悩み傷つきながら、DDRの真実の姿と、そこで生き残るために必死で活動する人々を見つめる柊史。ベルリン壁崩壊に向かう奔流に巻き込まれながら、柊史は本当に大切なものの存在に気づく。 アクションなら『ミッション・インポッシブル』や『007』の方がスマートだし躍動感がある。音楽の描写なら『蜜蜂と遠雷』の方がずっと心にしみる。しかし、本書は読後にずっしりと重い認識とすっきりと爽快な開放感を与えてくれる。東ドイツという国はもうないが、「シュタージ」と似たような組織で国民を縛り付けている国は、あそこにもここにもはびこっている。 | ||||
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今年、平成から令和になった。ああ、昭和は、さらに遠くなったな、と想っていた矢先この小説に出逢った。 「今日、昭和が終わったのだそうだ」という出だしに惹きつけられた。 ベルリンの壁崩壊前のドイツ。 若き才能ある音楽家たちの成長に、歴史的背景を重ねている。 その場所に筆者が居たわけでもないのに、さも、そこに存在しているような臨場感。 参考文献や、取材があるにしても、これほどまでに読み手を唸らせる筆致は凄いと思う。 どんどん読み進めたいのはやまやまだが、中で演奏される曲目がある度にページを繰る手が止まり、YouTubeを検索してしまうのである。そして聴きながら、また物語の中へ。 聴いた曲に付箋を貼りながら読み終えると、ザッと20曲近くは聴いたと思う。 中でも、美しきオルガニスト、クリスタが弾いた、ラインベルガーのオルガンソナタ11 番がとても心に残った。 ドイツの歴史も興味深かったし、多少なりとも短大で音楽を学んだ私としては、当時オーストリアやドイツは憧れた。 しかし、動乱時の国への留学がいかに大変で、命の危険すらある事かわかった。それは今でも同じかも知れない。若い人たちが世界に飛び立ちたい想いを存分に解放できるような世の中であって欲しいと、この小説を読んだ人は思うのではないだろうか。。 | ||||
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壁崩壊前の東ドイツの雰囲気が感じられました | ||||
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