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叛逆航路
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叛逆航路の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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7冠獲得という帯に釣られたが,非常に読みにくい。 世界設定が独特なのに概念も用語もほとんど説明されず, ストーリーも時系列が遠い過去と近い過去と現在が入り乱れてわかりにくい。 かといってワクワクするような設定や出来事がある訳でも無く, 読むのが苦行になり読了できずに放置してます。 | ||||
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7冠は伊達ではないですね、読み応えがありました。おもしろかったです。 SFのおもしろさは、その世界では当たり前に普及している物や・事象であるために あえて説明をせず(たとえば自転車には車輪が二つあって・・・とか、3.11とは大震災のことで あり・・・とか、当たり前なので現代小説では説明されないように)、それが何なのかをわからない まま読み進めて、いずれそれが何かを理解していくことだと思いますが、この作品はその手の ものがすごく多いのでそれを楽しめるかどうかで評価が分かれそうです。 前半が面倒という感想も多いようですが、そのような理由で個人的には前半から引き込まれて 読み進めました。とくにジェンダーという概念はめずらしいのではないでしょうか。 結局のところ男なのか女なのかよくわからず、通常は無意識に自分なりにキャラクターをイメージ して読んでいるはずですが、この作品では最後まで明確に主人公の姿をイメージせずに読むと いう不思議な体験をしました。 ありきたりのAIやクローンではなく、意識を共有できることでその視点を小説のタッチにまで 持ち込んでいるあたりがおもしろいところだと思います。 次回の続編にも期待しています。欲を言えば1000円切るくらいにしてほしいですが・・・。 | ||||
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リアル書店で見かけて購入したけど、結局前半(半分も読めなかった)で挫折しました。 説明的な描写が少なく、読んでいるうちになんとなくどういう世界なのかがわかってくるんだけど、 いろいろな賞を受賞したらしいので期待していたが、面白いと感じず挫折しました。 | ||||
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どえりゃ〜おもしろかったです。(私は60歳を超えている青森県出身の読者ですが。) ヒューゴー賞、ネビュラ賞、その他をそうなめしているというのも、読み終わった後ではわかる。 始まりの何ページかは、ついていくのが大変だったです。そのうち調子が出てきて、 途中からは、「いったいこの話は、どこへ行き、どういう終わり方をするんだろう。」とドキドキしました。 翻訳の題目は何にするのが良かったかしらねえ。「分散人工知能の男のありかた」「与えられた運命」「人工知能のもがき」「オレは生き抜くぞ!」う〜ん、どれもピンとこない。でも、「反逆航路」はないでしょう。何もわからんし面白くないよー。(それでもまあ買って読んでトクしたわけですが。だいたいアンシラリーなんて英単語知らんもんねー。) さて、巨大宇宙船の船長は女性が適しているということは、40年前に読んだハインラインの宇宙の戦士で描かれていたように記憶してます。あの本にあった「くよくよ悩むなら数学をやれ」というメッセージを、この本のアンシラリー(人間の体を持つ人工知能)に当てはめるとどういうことになるのだろうか。アンレッキーさんとは女性か。とか、いろいろと楽しかった本です。 | ||||
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宇宙の様々な場所での出来事が語られ、やがて1つのストーリーに繋がっていきます。 前半は、物語の世界や、出来事が把握ができず、何がどうなっているのかわかりませんでした。 回想により過去の話が出てきたりして、時系列に沿っていないことも、全体像の把握に手間取った理由です。 後半になり全体が見えてくると、この物語の素晴らしさが分かってきました。 ・コンピュータと人間の関係が素晴らしくユニークです。 ・SFで時々登場する、個にして全/全ににして個という知性が どういうものであるかが、初めて具体的に理解できた気がしています。 ・闘争の構図が素晴らしくユニークで驚きました。 正義vs悪でもなく、人類vsエイリアンでもなく、皇帝vs市民でもありません。びっくりです。 ・「ANCILLARY JUSTICE」という原題が、なるほど!と思える展開に思わず唸りました。 ・綿密で緻密な世界設定にハマりました。 これだけの広大で緻密な世界設定の上に展開される壮大な物語に入っていくためには、 わかりにくい前半も必要だったのだろうと思っています。 後半で面白さが加速的にUPしてきたので、続きを読みたくなりましたが、続編の邦訳は未刊です。 全3部シリーズ作品になる予定だそうですので、続編が待ち遠しいです。 とはいえ、「ここで完結です」と言われたら、「それもありだな」と思えるような 展開になって本巻(第1部)は終わっていますので、続編待ちのイライラはありません。 | ||||
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読み進むうちにストーリーのバックグラウンドにある社会観・文化観を理解させられつつ、あぁなるほど、とずんずん読み進まされる という感じの作品です 翻訳刊行を待てず、原文の2作目に手をつけてしまいました(笑) | ||||
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他の皆さんの書評にある通り、確かに前半は読むのに根気が要りました。でも後半はもう一気! 一体何なのこの作品?!と思って最後のページを捲ったらちゃんと注釈リストがありました。 それに目を通して、出てくる単語の意味を抑えてから再挑戦、、と、今度はめちゃくちゃ面白い、カッコいい! 壮大なSF世界にどっぷりはまって幸せな読了でした。早く続きが読みたいです。 | ||||
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*なんという完成度の高いSF。 7冠受賞ということで期待値が高すぎたのか、正直、読み終えた時点では物足りなさを感じました。ですが、思い返してみて、世界観の奥深さ・隙のなさに驚いています。 *前半と後半で、かなりテイストが変わります。 前半は多用されるカットバック、同一シーンで跳ね回る視点(計算されたものであり、作家の未熟のせいではない)、ジェンダーがらみや「上町」「下町」といった数々の叙述トリックをかきわけて、どのような背景なのか、何が起こったかを読み解くスリリングな楽しさがあります。 一転、後半では舞台も視点もひとつに定まり、張り巡らされた伏線を回収しながら邁進するストーリーを追いかける楽しさとカタルシスが待っています。 *SF的なアイデアとしては、「属躰」「多重化」が抜群によいです。これはぜひ、予備知識なしに読んでいただきたいです。 それ以外のアイデア、「AI戦艦」「帝国」「クリエンテラ」「ゲート」などは、それほど目新しさはありません。ですが、単なるフレーバーにとどまるのではなく、プロットにがっちり食い込んで代替がきかないものとなっています。奇をてらうのではなく、必然性を重視した設定だと思います。 *その設定を踏まえた上で、女性作家らしく、登場人物の行動や心の動きを丁寧に扱っているのも好印象です。遠未来が舞台のSFですが、人間性は大きくは変わっていません。そこは少し物足りないのですが、設定や語り口がトリッキーな上に人間性まで変容しては本当に難解になってしまうため、わざと抑えているのかもしれません。 物語の骨格も復讐譚であり、基本に忠実なエンターテイメントです。 *まとめ。歯ごたえはありますが、豊かな読書体験が待っています。SFファンだけでなく、幻想文学ファンにも(もしかしたら純文学ファンにも)チャレンジしていただきたいです。 巻末の解説、用語集、年表も、読む楽しみを削がないように収まっているため、先に読んでも大丈夫です。 | ||||
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良くわからない表現や単語、理解しがたい状況説明の連続でページが進みません。 出てくる単語の説明は一切ありません。だから読者は想像するだけです。 さらに登場人物が多く観念的な会話も続き複雑怪奇です。とてもとても疲れます。 だから、本作はまるで睡眠薬のような効果を発揮します。 朝起きると、ページにしおりを挟んでいない本書が枕元に、ベットの下に転がっています。 そして全体的に訳も良くないですねえ。「上町」「下町」ってなんなんでしょうか? アップタウン、ダウンタウンでは駄目なのでしょうか? 文字数が増える為、そういう訳の仕方をしているのでしょうか? 7冠受賞!と大々的に宣伝していますが、その冠を疑いたくなります。 商業的な意図がいやが上にも感じられます。 本作はとてもお薦めできませんねえ。残念(-_-;) | ||||
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ヒューゴー章・ネビュラ賞などを総なめにした作品と言うことでワクワクしながら手にとった作品であるが、他の評者も記している通り、とにかく展開が遅い。 確かにこのような世界を構築し、それを説明するだけで時間がかかるのはわかるけど。また、最後の結末に至る過程もややわかりにくい。ただ、続編もあるようなので、この 世界の構造が更に明らかになり、スケールの大きいシリーズに育つかを楽しみ・不安半分で待ちたい。 | ||||
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そのスケールの大きさ。綿密な設定。何よりも実に魅力的な人物描写。もっとも主人公は人間ではないが… いや、むしろ人間ではないこの物語の主人公の「人間的な、遥かに人間的な」姿が胸を打つ。続編が楽しみだー。 どんなに科学や技術が進んでも、人類は人類でありつづけるだろう、という希望と絶望。登場人物たちの気高さと愚かさのコントラストが印象的。 考えて見てほしい。確かに文明の歴史は数千年にしか過ぎないけれど、現生人類の起源は数万年前にさかのぼる。だから、百世紀先の話だって、このように語られる時代が来るかもしれない。 「“人類”ですって、そんなものは抽象名詞です。存在するのは人間だけです。これからもずっと変わりないでしょう」(ゲーテ) 19世紀に生きた文豪にとってはそうかもしれない。しかし新しい世紀に生きていくわたくしたちには「人類」を抽象名詞から脱すすことが求められていると思うのだ。 ※目次には載っていないけれど、巻末に「用語解説」がある。これを参照しないと、間違いなくわたくしのように再読が必要になるので要注意(笑) | ||||
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艦隊の人工知能が、数千の「属躰(アンシラリー)」と呼ばれる生体兵器(主に捕虜など)に自我を転写し、一部の将校(通常の生体)の配下として、軍事力を背景に領土拡張を進める銀河帝国「ラドチ」。その艦隊のひとつであった<トーレンの正義>は、謀略により本体と「属躰」を失う。辛うじて生き延びたたった1体の「属躰」ブレクは、千年以上前に消息不明となっていた<ナスタスの剣>の艦長、セイヴァーデンと共に、復讐の旅を続ける‥ 筋書きだけ読むと結構期待度が高いのですが、「名だたるSF界の賞を総なめにした!」という宣伝文句とは裏腹に、かなり読者を選ぶであろう作品です。 人類の中核をなすラドチとその属国の文明の差異を物語の重要な要素としている割には、分かりやすいようで、もう一つ明確ではなく、名家間の確執も消化不良気味。その「モヤモヤ感」のためか、ようやくブレクの巻き込まれた事件が描かれるようになる8章(140頁)あたりまでは、かなり読み進めるのが苦痛です。手に取る人の半分ほどが挫折するのではないかと思います。 いよいよクライマックスへと突入する16章(293頁)以降は、何とか(読む)スピードが上がります。ラストもやや中途半端な印象がありますが、まぁ、ここまで来れれば、それなりにブレクたちに感情移入ができてきて、「続巻も読んでみようかな?」というくらいの気分にはなります(でも、多分読みません)。 | ||||
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忠実な元戦艦だったAI が、絶対権力者の皇帝に復讐を誓う物語。しかし状況的にどう見ても皇帝に逆らうなど無謀だし、おまけに冒頭で何故かデクノボウのセイヴァーデンを拾ってしまう。そもそも何があったのか。だれが避けようのない陰謀を仕掛けたのか。過去1000年にわたる三つのエピソードが明らかになる三分の二過ぎまでは、何が何だかよくわからない。 そして、この世界の人類を示す「ラドチ」は、ジェンダーについてほぼ平等な価値観をもち、すべての三人称は「She」なのである。こういうところとか、種としてのラドチに対して自立した個を指す「ラドチャーイ」という言葉の使い分けなどは、あきらかにル・グィンの影響を受けている。また、唯一神アマートの教えを広め、未開民族を併呑・教化することが、正義だとする傲慢な考えで勢力拡大を図るやり方は、中世の十字軍のようである。 ヒューゴー、ネヴュラのダブルクラウンを始め七冠に輝く作品だが、ライバル作家とのめぐりあわせもあるので、ほどほどの期待にとどめた方がよい。D.プリンやダン・シモンズほどではないと思う。 | ||||
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あらすじを読み、ハリウッド的アクションSFを期待して本書を手に取ったのですが、内容は想像したものと全く違いました。 内容的には、女性作家らしい?BLライクな宇宙放浪記と言ったほうが正しいくらい、手に汗握るアクションやサスペンス要素が少ない物語でした。 個人的には、海外のSF賞を総なめにしていたり、続編があるというのが信じられないです。 以下、この本が個人的に容認できなかったことを列挙します。 ・物語設定が壮大で複雑だけれど、会話や主人公のモノローグでしか情報が開示されないため、用語や地名、単位、宗教名等内容が理解しにくい。 ・物語が1000年単位の時間軸をもって語られていたり、作者が思いついた設定を全部ぶち込んだ結果、枝葉を削るととても単純な物語が無駄に膨らんで、冗長になっているように見受けられる。 ・主人公の特徴として「性別をうまく見分けられない」という設定があるが、それによってさらに話がわからなくなる。 ※英語で本書を読んだ場合にこの部分が面白いのかもしれないですが… ・解説の後ろに用語集が載っているのですが、ネタばれにつながると判断されたのか、ページをめくるまで分からず不親切。 -以上- | ||||
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1つの宇宙戦艦が、4000人の群体で構成されている世界。 裏切りにあってひとりだけ生き残り、1/4000の能力と4000人分の強い意志で復讐を成し遂げる。 誰がどう書いたって面白くなりそうなのに、なんでこんなにつまらなく書けるのか、筆者の才能には驚くばかりですよ。 ジェンダー関連も物語の必然がない出オチでしかないし、その割に頑張ってジェンダーを匂わすような服装や姿かたちの描写を徹底的に省くから、情景が浮かばないし、感情移入が出来ないだけの阻害要因にしかなっていない。 さらには主人公の行動も、連れの行動も、仇の行動もバカすぎてまったく共感できない。 あんな○一個で何しようとしたのよ。 なんでそんな奴毎回助けるのよ。 なんでそんな前時代的な情報統制しようとすんのよ。 ジェンダーの仕掛けで感情移入できなくて、行動がバカすぎて感情移入できない、こんな小説でSF賞史上初の7冠とはいったいどんな才能を持っているのか常人には見当もつかない。 ちなみに属躰以外の設定の凡庸さも驚くばかりで、銀河帝国には皇帝がいて、謎の蛮族から襲われてます。 びっくり。 あ、皇帝が供もつけずに普通に乗り込んでくる感じは良かったです。あれは面白かった。 正直言って日本のラノベ作家に1艦丸ごと美少女姉妹の群体で書かせたほうがよっぽどSF成分高いものができると思う。 | ||||
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なにやらたくさん賞を受賞しているとのことで購入。 一章毎に現在と過去の話が描かれていくのだが、過去の背景・出来事が徐々に現在へとリンクしていき、 主人公に秘められた謎が明らかになっていく過程にぐいぐい引き込まれていく。 また三人称が全て「彼女」と表現されるため、読んでいてシーンを想像しにくいのも、 この靄に包まれた世界観とマッチしており、どっぷりハマる。 | ||||
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常々賞を取った作品にガッカリさせられてきたが、今回は違った!!! 本当に進化した作品というモノは、かくまで素晴らしいと感動でした。 EEスミスのレンズマンシリーズ、スカイラークシリーズとは違った意味でのスペースオペラで、是非読んでみて欲しい。 AIの一部が人格転移するとどうなるのか、その点は読んでのお楽しみ!!! | ||||
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SFの主要賞総なめ、ということを知らずに読んでいれば、もっと高い評価をつけたかもしれません。知っていたがゆえに減点法で読んでしまったような気がします。 ストーリーはシンプルで、中国の古典あたりに元ネタがありそうな感じです。科学的にも特に目新しい設定やガジェットが登場するわけではありません。それでも賞をたくさん獲っているのは世界観とか全体の雰囲気が選者のツボにはまったせいでしょうか。例えば創造神アマートを頂点とする多神教を信仰する宗教観や氏姓制度、登場人物が茶を飲み海苔巻きを食べるシーンに見られるようなオリエンタリズム、またジェンダーの曖昧さなど。 氏姓制度はかなりストーリーにも深くかかわってきますが、ジェンダーの曖昧さなどは雰囲気作りだけのように見えます。アジア風味添加に一役買っている茶や海苔巻きにしても、記述から作者は飲んだり食べたりしたことは無いだろうなとわかってしまう底の浅いものです。例えば主人公のブレクが洋品店に入り供された茶を0.5リットル飲んだという記述がありますが、こんな状況でお茶を0.5リットルって。 雰囲気作りのために、あえてそうしているのだと思いますが説明が少なく、しかも小出しにされるので作品の世界になじみづらかったのもマイナス点です。6割ほど進んでからは楽しみながら読みましたが、それまではスムーズに入ってきませんでした。読了後気づいたのですが巻末に用語解説と簡略な年表があります。目を通してから読みはじめることをお勧めします。 | ||||
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2013年の新作ハードSFである。 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞など7冠という帯紙が躍る。店頭で平積みになっていたのを見かけて購入。 ホットな作品ということで、ほかに積読があったのを差しおいて先に読む。 ものがたりは、人類世界ではあるが、遠い未来のかなり特異な世界が舞台。まず、かつて宇宙戦艦のA.I.であったという「わたし」という人物が登場。さらには「わたし」が1000年前にかかわったという人間の将校が登場。ジェンダーに関わるややこしい風習や、人々の行動規範がやたらややこしい。現在の話と過去の話を行ったり来たりする記述手法は、しかしミステリ作品では多用されるので読んでいて違和感はないが、どうしても話についていくのが苦しい。どんどん新しい単語と概念(「1エスク1」って、いったい何なんだ)がでてくるのだが、全くと言っていいほど説明的な文章がないためではないかと思う。「わたし」の独白の表現(文章)がとても微妙で、わかったようなわからないようなことがたびたびあるのだが、おそらく邦訳のせいではなく、「わたし」の特異性によるものなのだろうと前向きに解釈。 さて、舞台を少しずつ移しながらも冒頭の2名を中心に、ちゃくちゃくと世界感が広げられていく。過去の話と現在の話も次第に合流する気配を見せ、そして最後の1/5くらいは巨大宇宙ステーションでの息詰まる攻防・・・そしてストーリーはクライマックスへと・・・。 ということなのだが、結局どうも最後まで世界観をよく理解したとは言い難いまま読了してしまった。蛮族の条約と○○の分裂とにどういう関係があるのか、保護関係が何故それほど重大か、改革とはいったい何なのか、「銃」の原理が意味不明、などなど。 解説を読むと、シリーズで3部作が予定されていて本作はその第1作とのこと。続編を読むと謎が徐々に明らかになる、という趣向のようであった。 個人的には文章的にもストーリー的にも、読み進むのに努力が必要な状況がかなり辛いので、続編は手を出さないかもしれない。 | ||||
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ストーリーも練られていて、背景世界が徐々に語られる展開など作者の技巧的な上手さを感じる。しかし具体的描写をあえて避けているのか、SFの楽しみの1つのビジュアル的な魅力に欠ける。伏線なのか、主人公の外見もあまり描かれていない。続編ではカバーイラストなどにも工夫が欲しい。 | ||||
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