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何者
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何者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 41~60 3/4ページ
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この作品には人間、誰もが持っているだろう醜い本質を現代に絡めて鋭く描き出した作品です。文体は読者に合わせてなのか難しくない言葉選びで読みやすく仕上げられています。 作品として、よく完成されていると思います。 その割に批判の多いこと多いこと、何故なのか。 それは恐らく一番痛いタブーに切り込んだからです。 アマゾンやYouTubeでよくある、表現者に対して見る方が評価し書き込んでいく図式、素人対素人ならまだ分かるのですが、特に成功者に対しても一般人からの上から目線の批評がとても目立ちます。 一般人側から見ていても何様なのかと思うような惨たらしい書き込みも散見されるのですが、この作品はそういった人間に対する矜持になっています。 上から目線で説教された、などと書かれる方がいるのはそういった理由からです。いわゆる批評する側と批評される側の立場が何故か批評する側が異常に上、という歪な構図に対して切り込んだが為の批判になっています。元来精神の弱い方、精神的に疾患のある、そういう自覚のある方は読まない方が良いでしょう、その方が幸せです。 個人的には、この作品を直木賞に選んではいけなかったと思います。確かに題材、人間模様の描き方などとても秀逸ですが、コレを書いてしまったら弱者側たる人間はどうすれば良いのか。 これを消化できる人間は強い人か、もしくは賢ぶらない誠実な人です。 自分のような賢ぶった、虚勢を張った弱い人間は、この作品を鋭く振られた、瑞月や殺されるのみ。成功者たる作者の方にここまでされて、正直死にたくなりました。 成功者からの弱者に対するイジメ、そういう図式にしか思えませんでした。その辺りの感情から評価1にしたいと思いましたが、作品としては間違いなく傑作です。評価1をつけた方は、負け犬の遠吠え、この言葉がぴったり当てはまります、そういう残酷な物語だと思いました。 | ||||
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これから大学に進学する立場として読んでみて感じたのは、就活は何かと大変だなという感想と不安と恐れという感情 特に印象に残ったのは登場人物の光太郎 どちらかと言うと自分は拓人のような人間であり、拓人に同情できる場面の方が圧倒的に多かった。 作品としての感想は文学というより、 ただ就活という壁にぶち当たる大学生の日常を物語にしているだけで 文自体も展開が急に飛んで、読みにくい場面も多々あり。まあ自分の読解力がないだけかもwww ただ、TwitterやFacebookというツールを利用して話を進めたり、就職難という現代の問題を上手く取り上げている点は 著者の凄みだと思った。 あと、桐島面白いのかな? 是非、読んでみたい | ||||
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序盤、中盤までは何か飄々とした軽い文体に軽い登場人物、そこに深い人物描写や際立った展開など皆無で、感情移入など勿論できず、とても退屈な作品だな〜と読み進めました。 何だこの駄作は、これが直木賞受賞作かい?と訝しんでいましたが、、 終盤、主要登場人物である二人の女の子達が「何者でもない男の子達二人」を論破、捻り潰していく様が、現代の「ユトリ&草食男子」を象徴している感じがして、ちょっと爽快でした。 なので平均点の星3つ、ってところです。 | ||||
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他著よりは「切り」「まとめ」がついている感じがあるので、読後の落ち着きはいつもより悪くない。 総括して、「今時の就活は大変だね~」と思うと共に、「今時の人は己の分際わきまえないから決まらないんじゃない?」とも思ったりして。 ひと昔前は「この大学なら〇〇レベル」って判断はおのずとついて、身の丈に合わない志望ってのはしてなかった気がする。100社落ちようと、誰もが名を知ってる大企業を、いわゆる3流大学の単位落としそうな学生が幾ら受けてもそら受かる筈ないよ、と。 それで「100社落とされました」って肩落としてる学生さんは「身の程知らず」なんだろうなあ。 また、ひと昔前は「早く大人になりたい」人間が多かったと思う。「子供」には規制があって、「大人」には自由があったから。けど、今時の子供は規制されず、自由を享受しているからこそ「いつまでも学生でいたい」という人が多くなるんだろう、等々と色々考える所がありました。 | ||||
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朝井リョウさんの作品。(本名は佐々井遼) 朝井さんは岐阜県立大垣北高等学校、早稲田大学文化構想学部卒業。 現在は企業に就職し兼業作家として活躍。 専業作家になって大変な事になった人も多い世界だ。 極めて懸命な選択であると思う。 本書は第148回(2012年、平成24年度上半期) 直木賞受賞。 現代の大学生の就職活動をテーマにした小説。 就職活動というテーマにした小説はあまり無い。 その意味で良かった。 ただ直木賞なのかって言われると??な気がした。 かつての直木賞候補の作品郡と比べるとどうなのだろうと 思わずにはいられない。 池井戸潤の空飛ぶタイヤや東野圭吾の天空の蜂が 直木賞に届かず本作が直木賞と言われれても違和感がある。 賞そのものに対して違和感が出てきそうだ。 本作に登場するルームシェアする2組の学生たちの就職活動に追われる様子は リアルである。 ただ二宮拓人という主人公が最後に実は就活2年目であるという 設定が明らかにされる。 観察者になって他人を馬鹿にしているのが駄目だということだろうか。 確かにアイデアや観察力があってもそれをアウトプットや行動に移すことが 出来ないと良くない。 にしても理香さんにしても瑞樹さんにしても言いたいことを 言いたいだけとちゃうのかと。 ぶった切られた主人公二宮、また理香さんの恋人宮本が 哀れだ。 Twitterの裏アカウントつくって突っ込むという姿勢がいやしいのか・・ でも2chとかもっと酷いネット空間もあるわけで・・ | ||||
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作者のいろいろなものを読んでみたかったがいまどきの小説であった。 | ||||
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ちょっと痛々しい人たちを 俯瞰して冷静、なつもりで分析しているシャープな自分。 現実世界ではフラットな関係をキープしているけれど 仮想世界では少しでも「上から目線」をキープしていたい。 自分の存在感を証明するため。 心地よくその上から目線に乗って 読み進めていると最後の最後で 作者の仕掛けた罠に、一気に冷や水を浴びせられる。 自分は一歩手前でぎりぎり気づけてよかった、 と思うことでまた「上から目線」を キープしていたい自分に気づくんだけど(笑) こ、これがデビュー作なら手放しで賞賛なんだけど。 もう「何者」かになっている「今、注目の新進作家」が書いた作品かと思うと 常に「上から目線」で観察されている居心地の悪さを感じてしまうのは また作品とはぜっんぜん別なお話なのですが。 就職活動や同じ職場で作者と一緒になるほど 優秀でも若くもないことに感謝!?(笑) | ||||
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今時の若者の就職活動を描いた作品。 登場人物も若いし、著者も若いせいかものっすごく軽く感じるけど、こういうのこそがこの世代のリアル。 ツイッターも上手に利用してて、まさにこの著者が今この時にしか書けない小説であることは間違いない。 社会にも出てないのに、ちょっと留学したとかボランティアに励んだとか、 自分が持ってる数少ないカードを、さも特別な強いカードに見せかけようと必死に知恵と努力を駆使して エントリーシートを詰めていく様は大人の私なんかから見たら痛々しくもあり滑稽。 協力しているフリをしながら肝心なことは絶対に話さない、影では小馬鹿にして、いつでも裏切って出し抜いてやることだってできる。 この冷めた感じがとにかく生々しかった。 ほんと、客観的に見れば「あんたら何者なの?(笑)」って感じ。 だからこそ最後の最後に仕掛けられた爆弾が小気味よく感じられます!スッキリ!! それにしてもこれで直木賞ってどうなんだろう。 芥川なら納得だけど、これで直木賞とれるなんて一気に賞のレベルが落ちた気がします。 | ||||
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就活。。。 そんな言葉もなかったころに 就職活動した中年で かつ「男女機会均等法」などもなかったので 「女子」というだけで門前払いする会社も多々存在。 さらに「指定校制度」というようなものもあり 在学している大学によっては、 就職試験を受けることすら不能な場合も。 それでも、 数十年前の就職活動や就職面接を思い出します。 エントリーシートだとかWEBテストだとか SNSとかTwitterとかLineとか 就活中の友達と繋がっているようで それでも本当に肝心なことは話さない。 それは私の就活とも同じ。 同じ下宿の中の良かった友達が 解禁日以前に就活して、内定もらったというのを 別のクラスの友達からきかされた衝撃は 未だに忘れられません。 でも 就活なんて、その後の人生のいろいろに比べたら 甘い甘い思い出。。。。 人生においての選択の一つだったな〜と思います。 甘い青春時代を思い出させてくれた1冊でした。 著者は今は就職しているそうですが 次回作にも期待したいと思います。 | ||||
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就職浪人たちの日常や若者の気持ちがよく出ていると思った。 でも前作の方が面白かったなあ… 結末もまあ甘いなあ… | ||||
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今風の若者を描いている斬新さはあるが、結論はもう一工夫欲しい。 | ||||
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新刊はやりの読書、もうこれからはキンドルで十分ですね。 読書内容はいまの就活生の気持ちにふれていいですね | ||||
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主人公たちは、就活を行っている大学生たち。 その内の1人(拓人)の眼を通し、現代の就活のあり方や、大学生たちの人間関係が描かれる。 また、現代らしく、ツイッターやフェースブックを活用している姿が見られる。 物語は、拓人という俯瞰者を通し、悲喜こもごもの就活状況を描き出す。 積極的な者が居れば、傍観的な者も居る。 彼らは、彼らなりに自分を納得させ社会人になるべく、エントリーシートを書き面接を受ける。 私には、若者たちが就活のストレスから友人を傷つけているように感じた。 もちろん、皆、真面目に就活に取り組んでいるのも分かる。 しかし、「内定者」イコール「成功者」という認識の前には、現代の友人関係はあまりにも脆かった。 そこには、現代社会の友人関係における希薄さや危うさを感じることとなった。 俯瞰者でるはずの拓人が最後に受ける仕打ちに対しては、少し可哀想に思った。 | ||||
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テクノロジーとか就活とか、他人の設定した条件によって、不自由になってしまっている人たちの話。 でも、この本のレビューをネットに書くということが、この本の提示した罠に嵌っている証拠なので、批判はできない。 その意味で、こういったことをSNSに書き込むことでこの本の読書は完了する、その構造が面白い。 | ||||
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登場人物達が、学生と社会人の狭間で流されないようもがく様は興味を持って読めたが、内容は特に響かない本だった。 登場人物達と年齢が離れすぎているのも一因かも。 だが、ネットとリアルの表裏に加え、ネットの中にも表裏があり・・・というあたりが伏線になって導き出されるラストは好きです。 主人公が評した似ている二人の違いも実にうまく解き明かされていきます。 他人のセリフと主人公の考えがクロスする書き方とか結構よかった。 登場人物達と同世代の時に読めれば心に残る作品となったかも。 もう一点。タイトルについて。 社会人になってからの時間(仕事をして、遊んで、結婚して、子どもが生まれて・・・)で自分は何かをこの世に残せたのだろうか?何かを成し遂げられたのだろうか?と考える時に、自分は「何者」になれたんだろう?と、歳を重ねてからの自分の今いる位置を考える機会を与えてもらった。作中の人物はこれから自分が何者かになっていくスタートにいるわけで、無限の可能性と無限の分かれ道に立っている事になる。自分にもそんな時代だあったわけで、その時に十分考えていただろうか?などと読み終わった後、本の表紙を見て思わされた。 含蓄のある秀逸なタイトルです。 | ||||
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最初の20ページぐらい こういう書き方に慣れなくて 一度挫折した あ〜〜私も歳をとったのかなって でも 数日経って 続きを読み始めたら その後は一人称の独白と観察 その間に挟まれるTwitterが癖になる味というか いつの間にかはまってしまっていたようで そして最後に あ〜〜こういうどんでん返しがあるんだ 何者っていうタイトルは こういう意味があったんだ あ〜〜〜それも青春 (って昔々吉田拓郎が歌ってたなあ・・・) | ||||
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問題提起は分かるんだが、読み手の心の中に自然と文字が浸透して来なければならない。 表現方法というか、言葉の選び方が変だからひっかかる。 この作家の特徴だといえばそれまでだが、今や小説自体が、作法や文体が、作家に見合った素晴らしさを持って文章だけでも感嘆するという言葉や文字の生命力は求める必要もないのか。 外面的な表題作っても読者は釣れない。 | ||||
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「就活」という、現代日本の若者の多くが生まれて初めて真剣に自分が何者かを問い、問われる局面を舞台にした、大学生4人の群像劇。就活年代の若者の群像劇といえば『ふぞろいの林檎たち』(1983年、20年前!)を思い出してしまう自分はもう著者の親に近い年齢だが、その頃と比べると「社会人になる」ことのイメージがずいぶん「就活」だけに集約されるようになってきたように思う。『不揃い』の当時は大学進学率は3割未満で、いまは6割に近いことを考えると、無理もないのかもしれないが、『何者』に出てくる4人の学生は、タイプは違っても傍目からは同じような価値観の若者たちに見える。だからこそここに書かれているような息苦しさがあるのだろう。主人公拓人が憧れている瑞月さんのみが「家庭の事情」を抱えた就職活動だが、ほか3人は「己の事情」のみで比較的身軽だ。それを必要以上に重いイベントにしているのがSNSの存在。ツイッターで互いのつぶやきを深読みし合うのは当たり前、同級生や志望企業の人事に読ませる用の本アカのみならず、こっそり本音を吐くための別アカまで探して互いに隠れて読んでいる。そしてリアルには仲良く励まし合い助け合う同級生を演じる。似たもの同士だから、表面的で記号的な差異を過大評価して、相手を仮想敵化していく。「俺はあいつとはちがう」「私には私のやり方がある」と。そうやって「自分は何者か。何者になりたいのか」の答えを求めてもがくのである。 著者にとって就活はまだ生々しい記憶なのであろう。主人公はじめ登場人物たちのちょっとした振る舞いや言葉で表現される彼らの心の揺れには現実味がある。ツイッターをリアルなやりとりの合間にはめこんだ構成も悪くない。不満なのは、あまりにも彼らの世界が自己完結している点。この年代に近い読者以外には、最後まで読み通すのがかなり苦痛なのではないか。少なくとも自分はそうだった。最初から最後まで20歳そこらの若者を通した世界観が貫かれ、顔と言葉のある「大人」が出てこない。短編か中編であれば、いまの世相を映す一篇としてそれなりにどの年代にもインパクトを与えるような作品になったと思う。たとえば以下の主人公の言葉には、はっとさせられるものがあった。 どうして就職活動をしている人は何かに流されていると思うのだろう。(略) 自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして 企業に入れば、また違った形の「何物か」になれるのかもしれない。(略) 「就活をしない」と同じ重さの「就活をする」決断を想像できないのは なぜなのだろう。決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。 スーツの中身までみんな同じなわけではないのだ。 いま、「大企業に勤め続けるなんて能がない」「独立したり転職できない人が大企業にしがみつく」といった言説が一方にある。作家の言葉にかぶせれば、「会社を辞め(て起業・独立す)る」と同じ重さの「会社を辞めない」決断を想像できないのはなぜなのだろう、と思う。どうして同じ会社で働き続ける人は思考停止していると思うのだろう、と。どんな立ち位置にいようと、人みなそれぞれ、折り合いをつけて生きている。20代は「何者か」になることで必死であり、それでいい。しかし30代、40代ともなると、「何でもない者」としてどう生きるかというもっと難しい問いが待っている。そこまで書きこんでほしかったとは言わないけれども、同質的な登場人物のなかに、異質な他者の存在が少しでも垣間見ることができたなら、もっと奥行きのある作品になっていたと思う。 | ||||
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新卒でなければ人生どん底に突き落とされる就活と、TwitterやFacebookなどのツールが現れた、という現代を見事に切りとっていると思う。 文章もたまにクサイけどうまい。 若いのに。 ただ、若者の就活を通したアイデンティティの見直しというテーマに終始しているのが、世界を狭くしていて惜しい気がする。 っていうか、どんなに自己を肯定しても、痛々しい姿勢は痛々しいまんまでしょー。 と思うけどな。 | ||||
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羽田圭介さんも自身の就活体験を元に本を書いていますが 共通するのは「企業に就職することで何か今までと違う自分になれるかもしれない」と思っていること。 そして主人公の周りに同じような大学生しか出て来ず、違う視点を持った大人もいない、とても小さな世界で生きていること。 就職することは変身ベルトで変身するのとは違うと思う。 何故そんな妙な考え方をするのかと言えば他人を見ているようでよく見ていないから。 SNSで本心を別アカでさらけ出す描写は、あぁこういう人いる、と思った。 作者自身もついこの間まで大学生だったからか、大学の雰囲気がとてもリアルに感じられる。 | ||||
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