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最後の記憶
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最後の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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「あとがき」にあるように、この小説は綾辻作品のなかでは「冒険」として書かれたもののようだ。たしかに、いままでの作品とはひと味ちがう。本格ミステリではないし、殺人鬼シリーズのような(叙述ミステリ的な部分を含んだ)いわゆるホラーとも違う。彼自身はこの小説を「本格ホラー小説」と呼んでいるが、果たしてこれは「ホラー」だろうか。それほど怖くないじゃないか。どっちかというと、つげ義春の「ねじ式」の雰囲気や、「終わらない今日」という設定は夢野久作の「ドグラ・マグラ」や、押尾守監督脚本「うる星やつら ビューティフルドリーマー」のそれに重なるのではないかと思う。これはおそらく「大量殺人」が描かれた「ファンタジー」で、「永遠の今日」の世界についてはあくまでも森吾という主人公が「解析」できた部分しか明示されていない。(それも当たっているかどうかはわからない)筆者の「あとがき」にもあるように「明示されている部分と、明示されていない部分」が混在しており、そこに企みがあるのは明らかだ。だとすれば、キツネの面をかぶった人物が主人公に語った「君がそのように思うから、そのように見えるのさ」ということば通り、「確実な内容、答え」なるものはそこにはないと思うべきだろう。そのことは、もうひとつ別の角度からもいえる。それは内容ではなく、この本そのものの構成からだ。巻末に「痴呆症」(「認知症」)についての「参考文献」があがっているのだが、そのなかに架空のものが一冊だけある。おそらくこれも作者の「企み」=明示と非明示の混在をあらわしているのだろう。綾辻のこの「企み」には星5つをあげたいと思う。 | ||||
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推理小説テイストのホラーです。 謎解きとホラーのコラボ、綾辻行人ならではの組み合わせではあるのですが淡々としてて「え?」ってな感じで終わってしまいます。 | ||||
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今までの『眼球奇譚』や『殺人鬼シリーズ』から比べるとやや切れが悪い。 主人公の母親の生い立ちを丁寧な描写で綴るが、多少中盤だれ気味であったが、こんなとんでもない展開でどうやって幕を引くのだろうと、ハラハラドキドキもした。 物語の冒頭から、壮大な結末を迎えるための緻密な伏線が張りめぐらされており、きちんとラストには落としてくれた。 ここまでの長編でなくても、ピリッとした中編でも良かったかもしれない。 どことなく、シュワルツ・ネッカーの某映画とシンクロしてしまった。 | ||||
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シリーズの中でも、綾辻作品の中でも駄作に近い出来。 記憶シリーズで常に漂っていた独特な空気は完全に消えてしまっており、ホラーだかなんだか解らないどっちつかずの展開にとまどうばかり。 中盤から終盤にかけての展開・描写はますます劣化していく。 はっきり言えば今回のような作風は、まったくこの作者には合致しない。 緻密さとリアルさが常に備わっているからこそ、ホラーとしての恐怖感や衝撃も増すのであって、その肝心な部分をぼやかしたままに話が収束していくことに落胆した。 | ||||
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繊細な筆致で、じわじわと主人公の心をむしばむ恐怖が描かれているホラー小説。もっと大ざっぱで力強い物語が好きな人はだめかもしれないけど、じっくりとこの雰囲気に浸ることのできる人はハマると思います。わたしはハマりました。とっても深く。 「恐怖の風景」しか残っていない「最後の記憶」という設定が、まず怖いです。「白髪痴呆」という架空の病気の設定も、怖いです。それを恐れる主人公の心理も、怖いし、なんか悲しい。 母が子供の頃に経験した「恐怖」とは何なのか?を探る旅に出た主人公を待ち受けていたものは……? 終盤の展開には、驚くよりも、まいりました。じっくりと深読みすればするほど、ラストシーンの意味には心が震えます。 | ||||
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綾辻行人著、最後の記憶を読みました。ええ、いつもの通り、お風呂で(笑)。2時間くらいで読み終わりました。 私の好きな本格ミステリではなくって、ホラーな終わり方だったので、 ・・・なんとなく気分はモヤモヤ〜。 綾辻作品を読むときはいつも、どこにトリックの糸口があるかを考えながら読むクセが付いてしまっているので・・。 でもやっぱり綾辻先生作品大好きです。 | ||||
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終盤まで、これといって怖いと思う事件が起こるわけでもなく、ただ長ったらしいだけなので、だんだん飽きてしまい、引き込まれるのは最後の1割くらい。結末も、「ホラーだから許される」という変な設定だし、わざわざ長編でやるほどの話ではないと思う。前回の長編から7年でコレというのもいかがなものかと思うが、これを読んで、『暗黒館』の1300ページを読むのが「心底怖くなった」 | ||||
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幻想文学、と言った方がしっくりくるんじゃないかなあ、と思いました。雰囲気のある文章は怖いというよりも不思議でモヤモヤとした感じがあって、なんとなく、恩田陸さんの「球形の季節」を彷彿とさせる話だなあという印象も。ホラーだとかミステリーだとか、そういうジャンルに拘らずに読めば、それなりに面白く読める本なのではないかと思います。 | ||||
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綾辻行人の中核を成すミステリーでない小説主人公の恐怖が伝わってこないしむしろ、主人公の告白を聞かされた印象のみ残る近年新人発掘の思いからか審査員を手がける綾辻さん7年振りのミステリーは駄作では? | ||||
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母・千鶴が、簑浦=レマート症候群(白髪痴呆)にかかり、もしかしたらそれが家族性で、いずれ自分も母のようになってしまうんじゃないかと恐れている森吾。また、母が病気のせいで記憶をほとんど失いつつも、最後まで残っている幼い頃の゛恐怖の記憶〝。森吾は真相を突き止めるべく、幼馴染の藍川唯とともに、母の故郷へと訪れる・・・。ストーリーとしては面白かったです。楽しめました。しかし、ホラーとしてはいまいちですね。あまり怖くなかったですし。ミステリーとしてはミステリーらしさに欠けているというか・・・゛囁き〝シリーズほどではないです。途中で読めてしまいました、バッタの羽音とかも。森吾が恐れていた、母の白髪痴呆は家族性なのではないかということも、前半あれだけ引っ張っていたのに、真相解明はたった数ページですし。やはり、ホラーとミステリーをまとめようとせずに、どちらかに絞り込んであるほうが、綾辻作品は面白いようです。綾辻先生の次回作に期待したいです! | ||||
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綾辻行人氏の久々の長編。 母親が若年性のアルツハイマー病にかかって入院した。母は新しい記憶から徐々に忘れていく。そして幼いころに体験したある「記憶」に非常におびえるようになった。ばったの飛ぶ音、黒い男、飛び散る血、逃げ惑う子供たち。記憶を失っていく彼女の「最後の記憶」となるであろう、その光景を息子森吾も幻視し始める。母の病気が遺伝性かもしれないという可能性に怯える森吾は、「記憶」と病気の真相を確かめるべく母の実家に向かう。 綾辻氏はこんなに文章の上手い作家さんでしたっけ?暗くなんともモヤモヤした話ですがすらすら読ませます。といっても薄いわけではなく、アイデンティティーが揺らぐ恐怖をしっかりと感じさせてくれます。行の下段にフラッシュバックを配置㡊??る描写の仕方は綾辻作品によく登場しますが、それまでは「本格」のアクセントとして使われていたのを、今回はそのテクニックによって表現されていたアイデンティティーの不安定さを正面から題材に持ってきたようです。 しかし、確かに読ませるものの、こんなに長い話にする内容だったでしょうか?母の実家に帰るまではもっと切れたのでは。結末の仕掛けにしても、大いに不満です。ああいった形もいいですけど、長々と読まされてきただけに尻切れトンボに感じました。ずっと問題であった病気の遺伝も一言で片付けていたり、重要人物の女の子が何の結末が用意されていないなど、もういいやと無理に終わらしてしまったような感じも漂います。これが「フリークス」のような中短編に仕上げられていたら、印象も!変わったんでしょうけど。 ホラーにも本格にもなれなかった中途半端な作品。文章のうまさと綾辻節を読む楽しさのみ好印象でした。これでアイデアが凄ければとてつもない傑作が書けるかも。「暗黒館」を期待して待ちたい。 | ||||
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痴呆の病気にかかってしまった母の 奇妙な記憶に悩まされ、 またその病気が遺伝性ではないのかと 恐怖を感じている主人公。 母の記憶の真相とは?またその記憶と 周りで起こる殺人事件との関連は? この様々な謎が少し解きあかされていく ミステリーとホラーを融合させた 綾辻行人の意欲作である。 感想としては、話しの流れもいいし、 ページも多からず少なからずといった感じで、 読みやすい作品でした。 ホラーといったら、綾辻先生の殺人鬼を思い浮かべて しまいますが、あれは血みどろぐちゃぐちゃの スプリッターホラーですから、読む前はそう想像する かもしれませんが、それよりはかなり平和ですw。 | ||||
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面白く読めました。ただ、殺人鬼と囁きシリーズを足して割ったような作品でしたので目新しさや綾辻作品らしい大ドンデン返しが無く少し寂しかったです(^^;。久々の長編だったので嬉しかったのですが(^^;ちょっとがっかり。暗黒館期待してます(^^;;;;; | ||||
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『新本格』の元祖、綾辻さんの新作は、サイコホラーと本格の融合を目指した意欲作である。痴呆症によって記憶を失っていく母にまつわる心理的圧迫感の描写はさすがに著者の面目躍如という感じであるが、本格との融合が成功しているとは必ずしもいえないのではないか。むしろミステリの部分を切り捨てて、ホラーに徹していた方が面白い作品だったような気がする。ただ、ホラーとミステリを融合させようとする著者のバランス感覚はさすがで、綾辻ファンならずとも一読の価値がある作品であろう。 | ||||
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