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最後の記憶



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最後の記憶の評価: 2.74/5点 レビュー 34件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.74pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

良作だと思います

あまりレビューの評判良くないけれど
自分はすごくミステリー、ホラーなどのジャンルを離れて綾辻行人さんの一つの作品として良いと思いました
ネタバレになってしまうのであまり書けませんが

後書きに綾辻先生自体「なぜ自分は生きているのか」ということが頭から離れなかった時に書いた作品ということで、テーマは人は最終的には孤独、人は誰でも死ぬもの
そういうことをどう受け入れて生きて行くのか、ということでしょうか

最後に主人公が流した涙が何へのものなのか、読む人によってそれぞれ変わってくると思います
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
404385501X
No.9:
(4pt)

何だかんだで傑作です。

白髪痴呆という物凄く恐ろしい病気におかされた母親と母親の幼少時のこれまた物凄く恐ろしい記憶の断片を軸に息子が真実を探ろうと言う話なのだが…前半は一気呵成に読ませるだけの筆力を持った著者に唖然とするほど爽快な恐怖感を味わったのだが、残念ながら後半の天国?のような世界の描写が冗長すぎてまるで夢野久作のドグラマグラを読んでいる錯覚に陥ってしまった。あの部分、前半の恐怖にあまりにそぐわず、ぜひ大幅加筆修正してほしい。期待をしすぎて読んだだけに残念と言うか有り余る才能を水道の蛇口から野放図に垂れ流しているようでもったいない。綾辻行人はもっとも好きな作家だけに辛口の表現になってしまったが、裏を返せば斬新な構成ともいえ、天国の場面では耳にマーラーの交響曲第4番が聴こえてきて、両者相通ずる所があるなんておもったりしてしまった。物語全般を通して非常に重要な役割を持っている女の子がねがわくば主人公と幸せな関係になってほしい等と邪な(^^)ことをつい思ってしまった…。なお、筆者はこの物語の芯となる非常に重要な事でひとつ大嘘をついている。みなさんなにかわかるかな(^^)。
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
404385501X
No.8:
(4pt)

幻想的文学作品

綾辻氏のミステリーを未読であり、『殺人鬼』、『フリークス』から入った為違和感なく、その世界へ入り込めました。 ホラー色の強い幻想的なお話が、絹糸のような繊細さ且つ生々しさを醸し出す文章で綴られていて、読みながら、ぷっつりと切れてしまいそうな、なんとも言えない焦燥感というか、危うい感じが全体に漂っています。 簡単な言葉で短く纏めることも出来そうな話ではありますが、この作品は精神世界の不確かなバランスが、絶妙に書かれていて、その長さも読者をゆっくりと暗闇に誘う手法なのではないでしょうか。 (難しいな…。上手く表現できない…)主人公の 精神世界の病的とも言える葛藤で終わらせるのかと思いきや、『異世界』が出てきてビックリしましたが、確かに子どもの頃って、路地の闇や夕焼け、あちこちに異世界の入り口を見たりしますね。 その時の怖さを思い出しました。
しかし、遠野志帆さんのカバーイラストのピタッリですね〜。
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
404385501X
No.7:
(4pt)

逆行する母の記憶。精霊飛蝗の翅の音が響く時、世界は血飛沫と断末魔で埋め尽くされる。

大学での研究を途中で辞め、アルバイト生活をしている主人公波多野森吾。
彼には白髪痴呆という若年性痴呆症を患った母、千鶴がいた。
彼女は、薄れゆく記憶の中、本人にしか分からないあるトラウマを思い出す。
それは、精霊飛蝗が飛ぶ翅の音、雷のような真っ白な閃光の中、
顔のない黒ずくめの男が、たくさんの子供達を惨殺する光景だった。
森吾は、専門医から「それは病気の特徴による、記憶の現在から過去への遡りだ」と聞かされた。
ほとんど正体不明のその病気は、場合によっては遺伝する可能性もある。
森吾は、自らも病魔によって記憶を失い、惚けてしまうのではないかと不安になり、そしてふとした時、彼は自分の髪が白いことに気がついた。
不安に駆られる主人公に、顔を切り裂かれた子供や老人、黒ずくめの者達の幻覚、そして飛蝗の翅の音の幻聴が追い打ちをかける。
幻覚に出る彼らは、「生きているのは楽しいかい?」と森吾に問い詰める。
主人公はその質問の答えが自分でも分かっていた。
幻覚は紛れもなく、母の語っていたトラウマが誘因だった。
森吾自身が惚けて死ぬか否かは母の親、つまり森吾の祖母の死因によって決まる。
森吾の幼馴染唯は、彼を連れて母の実家まで調査に乗り出した。
そこで明らかになる母の出生の謎、誰も知らない母が遭遇した事件。
世間では、児童を狙った連続殺人事件が相次いでいた。
死んでいく子供達に、いなくなる子供。
森吾が母の過去に触れた時、彼はこの世と並行して存在する異空間にいた。
迷い込んだ子供達の魂や生命力で構成された世界。
子供達を誘惑し、翻弄させるキツネの仮面の者達。
主人公がカツヤにあった時、母の過去は明らかになる。
顔のない「あいつ」は執拗に読者を不安がらせ、子供達の事件は不明な点を増幅させる。
母の過去を追うことで、自分の夢を思い出す主人公の姿や唯のサポートは
時に、私達からホラーという要素を忘れさせ、青春ストーリーのような美しい哀感をそそらせてくれる。
飛蝗の音の正体が明かされた時、「今日」が繰り返される異世界で子供達への殺戮が執り行われた。
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
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No.6:
(4pt)

後半失速?でも全体としてはお勧め

館シリーズで有名な綾辻さんですが、ホラーや短編もなかなかいいです。綾辻さんのホラーは、おどろおどろした感じやグロテスク感はほとんどなく、美しさや妖しさ、悲しさや切なさを感じさせる作品がほとんどです。この作品もそうです。前半はかなりいい感じです。ただ、後半のストーリーの核心部分(非現実世界の部分)になって、それまでいらいらするくらい思考回路と行動が消極的だった主人公が、まるで別人みたいに思考を働かせ、行動する展開はちょっと不自然な気がしますし、会話(やりとり)がくどい感じがする点が残念ですが全体としてはいい出来です。ラストのオチというか、種明かしでのストーリー構成はあの頃大ヒットした映画「バックトゥザフューチャー」の影響を受けているような気がしますね。この作品のキーワードは「現実逃避」「神隠し」です。
最後の記憶Amazon書評・レビュー:最後の記憶より
4048733990
No.5:
(4pt)

後半失速?でも全体としてはお勧め

館シリーズで有名な綾辻さんですが、ホラーや短編もなかなかいいです。綾辻さんのホラーは、おどろおどろした感じやグロテスク感はほとんどなく、美しさや妖しさ、悲しさや切なさを感じさせる作品がほとんどです。この作品もそうです。前半はかなりいい感じです。ただ、後半のストーリーの核心部分(非現実世界の部分)になって、それまでいらいらするくらい思考回路と行動が消極的だった主人公が、まるで別人みたいに思考を働かせ、行動する展開はちょっと不自然な気がしますし、会話(やりとり)がくどい感じがする点が残念ですが全体としてはいい出来です。ラストのオチというか、種明かしでのストーリー構成はあの頃大ヒットした映画「バックトゥザフューチャー」の影響を受けているような気がしますね。この作品のキーワードは「現実逃避」「神隠し」です。
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No.4:
(5pt)

好みはわかれるかもしれませんが

ふつうのミステリーのような謎解きや、ふつうのホラーのような恐怖にとらわれないで、
繊細な文章で綴られていく物語に身を浸すべき作品ですね。好みはわかれるかもしれま
せんが、わたしはとっても楽しめました。
終盤の展開で主人公が直面する「事実」には胸がしめつけられるようでした。病室のラ
ストシーンの彼の物思いにも。…こういう読後感の小説はひさしぶりかも。
綾辻さんの作品は、「十角館の殺人」や「時計館の殺人」みたいな大トリックものより
も、囁きシリーズとか、こっち系列のほうが肌に合うようです。
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
404385501X
No.3:
(5pt)

ノワール・ファンタジー

「あとがき」にあるように、この小説は綾辻作品のなかでは「冒険」として書かれたもののようだ。たしかに、いままでの作品とはひと味ちがう。本格ミステリではないし、殺人鬼シリーズのような(叙述ミステリ的な部分を含んだ)いわゆるホラーとも違う。彼自身はこの小説を「本格ホラー小説」と呼んでいるが、果たしてこれは「ホラー」だろうか。それほど怖くないじゃないか。どっちかというと、つげ義春の「ねじ式」の雰囲気や、「終わらない今日」という設定は夢野久作の「ドグラ・マグラ」や、押尾守監督脚本「うる星やつら ビューティフルドリーマー」のそれに重なるのではないかと思う。これはおそらく「大量殺人」が描かれた「ファンタジー」で、「永遠の今日」の世界についてはあくまでも森吾という主人公が「解析」できた部分しか明示されていない。(それも当たっているかどうかはわからない)筆者の「あとがき」にもあるように「明示されている部分と、明示されていない部分」が混在しており、そこに企みがあるのは明らかだ。だとすれば、キツネの面をかぶった人物が主人公に語った「君がそのように思うから、そのように見えるのさ」ということば通り、「確実な内容、答え」なるものはそこにはないと思うべきだろう。そのことは、もうひとつ別の角度からもいえる。それは内容ではなく、この本そのものの構成からだ。巻末に「痴呆症」(「認知症」)についての「参考文献」があがっているのだが、そのなかに架空のものが一冊だけある。おそらくこれも作者の「企み」=明示と非明示の混在をあらわしているのだろう。綾辻のこの「企み」には星5つをあげたいと思う。
最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)より
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No.2:
(5pt)

繊細なホラー小説

繊細な筆致で、じわじわと主人公の心をむしばむ恐怖が描かれているホラー小説。もっと大ざっぱで力強い物語が好きな人はだめかもしれないけど、じっくりとこの雰囲気に浸ることのできる人はハマると思います。わたしはハマりました。とっても深く。
「恐怖の風景」しか残っていない「最後の記憶」という設定が、まず怖いです。「白髪痴呆」という架空の病気の設定も、怖いです。それを恐れる主人公の心理も、怖いし、なんか悲しい。
母が子供の頃に経験した「恐怖」とは何なのか?を探る旅に出た主人公を待ち受けていたものは……?
終盤の展開には、驚くよりも、まいりました。じっくりと深読みすればするほど、ラストシーンの意味には心が震えます。
最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (カドカワ・エンタテインメント)より
4047881732
No.1:
(5pt)

いい感じです。

痴呆の病気にかかってしまった母の
奇妙な記憶に悩まされ、
またその病気が遺伝性ではないのかと
恐怖を感じている主人公。
母の記憶の真相とは?またその記憶と
周りで起こる殺人事件との関連は?
この様々な謎が少し解きあかされていく
ミステリーとホラーを融合させた
綾辻行人の意欲作である。
感想としては、話しの流れもいいし、
ページも多からず少なからずといった感じで、
読みやすい作品でした。
ホラーといったら、綾辻先生の殺人鬼を思い浮かべて
しまいますが、あれは血みどろぐちゃぐちゃの
スプリッターホラーですから、読む前はそう想像する
かもしれませんが、それよりはかなり平和ですw。
最後の記憶 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:最後の記憶 (角川文庫)より
404385501X

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