これはペンです
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これはペンですの評価:
3.43/5点 レビュー 21件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1〜20 1/3ページ
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非常に面白いが、他社の反応を調べたところ、評価が二分していることに興味をそそられたので、レビューします。
芥川賞選評会のなかでも意見が分かれたことが有名らしく、それだけ評価が難しい本なのだろうと思います。
村上龍さんがDNAの記述に誤りがあると言っておられたらしいですが、これは誤解ではなかろうかと推察します。
DNAだけでできたウィルスは考えられない、みたいな文章が小説内でみられるが、これは、文字通りDNAのみで構成されたウィルスは存在しないと言っているのであって、細胞に侵入するためのタンパク質等でできたインターフェイスの存在を欠いたウィルスは存在しないだろうということを言っていると思われます。村上氏は、これを曲解したのではないかと愚考します。
ただ、いずれにせよ、そのような些末な事象を取り上げて、全体の評価を決定づけるというのは短絡的なようにも思えます。
※この芥川賞周辺の議論を読んでみましたが、芥川賞選評委員会の構成員にもっと多様性を持たせた方が良いかもしれないですね。所謂、老害みたいに言われている石原氏みたいな人もいる一方で、がちがちの理系作家や、フェミニスト女性作家、10代の若い作家、ホームレス読書家など、カオス空間にしちゃえばいいのにと勝手に思っています。
また、難解だと言われているようですが、恐らく以下のポイントが要因のように思います。
・複雑系や情報科学(プログラミング言語だけでなく、より広義の意味で、例えばDNAや自然言語、身体言語を含む)、脳科学あたりの知識を知らないと分かりにくいかもしれない。
・物事をフラットにみる視点が不足していると読みにくいかもしれない。つまり、相対化できる能力。これはどの純文学にも共通して問われる能力のように思います。
・sf小説やsfアニメなど、sf作品を触れていないと読みづらいかもしれない。ネタバレになるので詳しく言えないが、攻殻機動隊sacシリーズが問題としているテーマと、少し関連があるように思える。また、円城さんとも縁が深い伊藤計劃さんの本なども読んでおくと、入り込みやすいように思える。
ただし、以上のポイントが不明瞭でも、問題としているテーマは音楽や詩歌のように響いてくると思われます。あるいはその不明瞭さそのものが味わいであり、テーマであると言って差し支えないように思われます。だから、そのまま、ありのままに読めばよいのではないかと愚考します。また、関係やネットワークというキーワードを念頭に置きながら読むとより楽しみやすいと思います。
僕は、タイトルのように、叔父が姪との関係性の中で「輪郭」を獲得しつつある物語であると認識していますが、他にもいろいろな見方ができそうなところがこの小説の魅力の一つではなかろうかと思います。