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緋色の囁き
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緋色の囁きの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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綾辻行人の囁きシリーズ第一作。まさしく、作中で登場する「サスペリア」宛らの女学校の狂気が、耽美的な綾辻調で描かれる。 正体不明の「少女」の猟奇性。主人公・冴子の奇怪な学園生活。これらが交互に繰り出される叙述を意図した構成は、ほぼ同時期に上梓された「十角館」を彷彿とさせる、卓越したものだ。 著者も述べている通り、デビュー後間もない故か、文章がまだぎこちないのが残念ではあるが、それでも綾辻作品独自の恐怖が霧のように漂ったゴシック調のタッチには変わりがなく、心地よい。 犯人がおよそ事件と関連があるとは思えない存在感の希薄な人物だった為、正体が明かされた時はやや拍子抜けしてしまう。だが、事件に至るまでの真相が判然となってくると、謎の氷解と得心のいく整合性、そして、何よりも見事なミスリードに唸らされる。 何とも後味の悪い、ラストの冴子の意味深な微笑。彼女が母親と同じ轍を踏まないことを、思わず祈らずにはいられないものだ。 綾辻が本格ミステリから次第に幻想小説やホラーへもフィールドを広げていく分岐点となった意味においても、これは誠に意義深い作品である。綾辻ファン(特に館シリーズしか既読でないという方)は必見。 | ||||
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笠井潔によると「血」というものは「奇」というものを典型的に表しているものだという。「血」を経ることは、新たな自分となって蘇るための通過儀礼であり、そこに死と再生という日常とは違う「奇」があるのだと。そう考えるならこの幾重にも重なった「血」をテーマとした「緋色の囁き」とは当に一大伝奇小説とも言える趣を持っているといえる。 名家の女子が集まる聖真女学園。密かにささやかれる魔女の伝説。伝説とおなじ場所で起こった魔女と噂される生徒の不可解な死。その後に次々と起こる殺人事件。そして、明るみになる和泉冴子の「血」の謎。 新本格派ミステリーの嚆矢とされる著者綾辻行人氏だが、舞台となる閉鎖的な全寮制の女学校という世界の設定、登場人物たちを脅かす伝説の存在、ストーリー全体に通底する「血」の伝承、これら伝奇的道具立てがとても有効に配置されている。しかも、最後のページを見るならば、このどんでん返しは犯人探しのどんでん返しを超えた、ミステリーと伝奇とのメインジャンルのどんでん返しにもなっているのである。 確かに謎解きがこの作品の目玉ではある、しかし真の面白さは伝奇的な部分、つまり世界観の設定と空気作りにある。文章の端々に非日常としての物語世界を構築するための配慮が見られ、すべての描写がその維持のために向かっているのである。伊藤整の言うように小説の面白さとは「事件の一つ一つが起こるごとに、そこに、その作者の持っている思想がテーマの形で反復して演奏され、しかも、それが全部連絡のある必然性を持っていること」だというなら、この作品の本質的な面白さは謎そのものより、むしろそれを盛り上げるための反復して強調される伝奇的道具立てにあるということができよう。 | ||||
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館シリーズでお馴染みの綾辻氏ですが、「緋色の囁き」は館シリーズのような本格ミステリーではなく、ホラー・サスペンスです。なので、館シリーズのような謎解きを期待して読むと肩透かしを食らいます。しかし、ホラー・サスペンスの作品としては、非常に良い出来だと思います。全寮制・厳格な校風の女子高という、一見ありがちにも思える設定ですが、その舞台設定が醸し出す陰鬱とした雰囲気が、効果的に作用しています。特に後半は緊迫感があり、ホラー映画「スクリーム」を彷彿とさせます。本格ミステリーではないにせよ、ラストで明かされる真実にはびっくり、このあたりは、さすが綾辻氏。館シリーズでしか綾辻氏を知らないという人には是非読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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館シリーズでお馴染みの綾辻氏ですが、「緋色の囁き」は館シリーズのような本格ミステリーではなく、ホラー・サスペンスです。 なので、館シリーズのような謎解きを期待して読むと肩透かしを食らいます。 しかし、ホラー・サスペンスの作品としては、非常に良い出来だと思います。 全寮制・厳格な校風の女子高という、一見ありがちにも思える設定ですが、その舞台設定が醸し出す陰鬱とした雰囲気が、効果的に作用しています。 特に後半は緊迫感があり、ホラー映画「スクリーム」を彷彿とさせます。 本格ミステリーではないにせよ、ラストで明かされる真実にはびっくり、このあたりは、さすが綾辻氏。 館シリーズでしか綾辻氏を知らないという人には是非読んでもらいたい一冊です。 | ||||
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最後に謎は明らかにされるのだが,「十角館の殺人」とは違って,必ずしも犯人探しが前面に出てくる作品ではない。記憶の闇の持つ恐怖感・不安感を味わう心理サスペンスとして読むなら,それなりに楽しめるかもしれない。 ただ,謎が明らかにされても,「なるほど」と強く納得するものが少なかったような気がする。犯人の動機も,人間関係も,なんだか安易すぎないだろうか? | ||||
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最後に謎は明らかにされるのだが,「十角館の殺人」とは違って,必ずしも犯人探しが前面に出てくる作品ではない。記憶の闇の持つ恐怖感・不安感を味わう心理サスペンスとして読むなら,それなりに楽しめるかもしれない。 ただ,謎が明らかにされても,「なるほど」と強く納得するものが少なかったような気がする。犯人の動機も,人間関係も,なんだか安易すぎないだろうか? | ||||
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トリック重視の本格物である館シリーズと違い、囁きシリーズは 主人公の忘れ去られた記憶が重要なキーワードとなるサスペンス タッチの作品です。 物語の舞台は全寮制の名門女子高。 ある意味一般社会からは隔絶された世界と言えます。 主人公の冴子が転校してきてから次々と殺人事件が発生する。 はたして、魔女とはなんの事か? 犯人はいったい誰なのか? そして、冴子がなくしてしまった遠い記憶とは? 数々の謎と共に息詰まるサスペンスが展開されます。 人間の心理面に深く切り込んだ作品です。 館シリーズとは一味違った綾辻行人の世界が楽しめます。 講談社文庫版表紙の天野可淡の人形も、作品の雰囲気と とても良く合っています。まるでこの人形のために作られた小説、 もしくは、この小説のために作られた人形みたいです。 | ||||
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トリック重視の本格物である館シリーズと違い、囁きシリーズは 主人公の忘れ去られた記憶が重要なキーワードとなるサスペンス タッチの作品です。 物語の舞台は全寮制の名門女子高。 ある意味一般社会からは隔絶された世界と言えます。 主人公の冴子が転校してきてから次々と殺人事件が発生する。 はたして、魔女とはなんの事か? 犯人はいったい誰なのか? そして、冴子がなくしてしまった遠い記憶とは? 数々の謎と共に息詰まるサスペンスが展開されます。 人間の心理面に深く切り込んだ作品です。 館シリーズとは一味違った綾辻行人の世界が楽しめます。 講談社文庫版表紙の天野可淡の人形も、作品の雰囲気と とても良く合っています。まるでこの人形のために作られた小説、 もしくは、この小説のために作られた人形みたいです。 | ||||
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囁きシリーズ初めて読みました。学園物ミステリというか・・・ホラーチックな気がしました。ただ、主人公の心の内とかの描写が何ともうまいというか高校時代の気持ちの変化とか毎月の事とか綾辻さんて女なのかなぁ?って疑問も持ってしまいました。 | ||||
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囁きシリーズ初めて読みました。 学園物ミステリというか・・・ホラーチックな気がしました。 ただ、主人公の心の内とかの描写が何ともうまいというか 高校時代の気持ちの変化とか毎月の事とか 綾辻さんて女なのかなぁ?って疑問も持ってしまいました。 | ||||
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「館シリーズ」を何冊か読んでからこの作品に触れたのですが、あまりにも印象が違っていて、最初は「えっ?」という感じでした。 この作品は、トリック面や、犯人の動機付け、ストーリーテラーや謎解きをする人物の位置付けなど、少なくとも本格ミステリーの範疇には入りずらい要素が多いです。 ただ、精神的に追い詰められていく人物の描写や、物語の背景(お嬢様だけ集めた全寮制の学園、秘密の儀式や行方不明の少女etc.)の表現などが非常に秀逸で、読者をぐいぐいと物語の中へ引っ張りこんでいくパワーがあります。 「囁きシリーズ」は、いわゆる本格ミステリーというより、心の闇や記憶の欠落の中に潜む恐怖といったものを描いたサイコサスペンスです。 綾辻行人氏は、いくつかのテーマを異にした「シリーズ」を執筆されておりますが、この「囁きシリーズ」は雰囲気や心理描写を楽しむ作品群なのでしょう。故に「謎解き」を期待して読むと肩透かしを食らいますが、これはこれで非常に味わい深い作品だと思います。 | ||||
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「館シリーズ」を何冊か読んでからこの作品に触れたのですが、あまりにも印象が違っていて、最初は「えっ?」という感じでした。この作品は、トリック面や、犯人の動機付け、ストーリーテラーや謎解きをする人物の位置付けなど、少なくとも本格ミステリーの範疇には入りずらい要素が多いです。ただ、精神的に追い詰められていく人物の描写や、物語の背景(お嬢様だけ集めた全寮制の学園、秘密の儀式や行方不明の少女etc.)の表現などが非常に秀逸で、読者をぐいぐいと物語の中へ引っ張りこんでいくパワーがあります。「囁きシリーズ」は、いわゆる本格ミステリーというより、心の闇や記憶の欠落の中に潜む恐怖といったものを描いたサイコサスペンスです。綾辻行人氏は、いくつかのテーマを異にした「シリーズ」を執筆されておりますが、この「囁きシリーズ」は雰囲気や心理描写を楽しむ作品群なのでしょう。故に「謎解き」を期待して読むと肩透かしを食らいますが、これはこれで非常に味わい深い作品だと思います。 | ||||
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綾辻さんの、「囁きシリーズ」1作目。ミステリーというより、サスペンス調です。赤川次郎さんの、主人公が女子高生風です。でも、綾辻さんらしく、人間の個性や、建物や風景の描写が上手に描かれてます。その世界観にたっぷり、入り込めます。お勧めしてもいいと思います。 | ||||
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綾辻さんの、「囁きシリーズ」1作目。 ミステリーというより、サスペンス調です。 赤川次郎さんの、主人公が女子高生風です。 でも、綾辻さんらしく、人間の個性や、建物や風景の描写が 上手に描かれてます。 その世界観にたっぷり、入り込めます。 お勧めしてもいいと思います。 | ||||
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綾辻行人が初めて『館』シリーズから離れて書いた作品です。こちらも後にシリーズ化され、『囁き』シリーズと呼ばれることになります。今作のキーワードはタイトルにもなっている“緋色”。要するに赤という色にやたらとこだわっているのです。当たり前のことですが文章には色はありません。それを何とか読者の視覚に赤いイメージを現出させようと努力しています。綾辻にとって新機軸と言っていいと思います。色以外にも本作では、文学では(特に推理小説では)伝えにくい、雰囲気・空気感・気配といったものを捉えたいという綾辻の欲求が感じられます。「新本格はバカバカしくて小説として読む気がしない」といった批判に応えようとしたのでしょうか。ところで、ラストの結末の付け方って何となく「精神病は遺伝する」という昔の考え方に基づいていて、現在の人権的見地からはやばいんじゃないの?と思ったのは僕だけでしょうか。 | ||||
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綾辻行人が初めて『館』シリーズから離れて書いた作品です。こちらも後にシリーズ化され、『囁き』シリーズと呼ばれることになります。今作のキーワードはタイトルにもなっている“緋色”。要するに赤という色にやたらとこだわっているのです。当たり前のことですが文章には色はありません。それを何とか読者の視覚に赤いイメージを現出させようと努力しています。綾辻にとって新機軸と言っていいと思います。 色以外にも本作では、文学では(特に推理小説では)伝えにくい、雰囲気・空気感・気配といったものを捉えたいという綾辻の欲求が感じられます。「新本格はバカバカしくて小説として読む気がしない」といった批判に応えようとしたのでしょうか。ところで、ラストの結末の付け方って何となく「精神病は遺伝する」という昔の考え方に基づいていて、現在の人権的見地からはやばいんじゃないの?と思ったのは僕だけでしょうか。 | ||||
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全寮制の女子校で次々と起こる、凄惨な殺人。「私は殺人鬼なのだろうか?」わが血に怯える薄幸の美少女の運命は? 息もつかせぬ展開で、鳥肌もののサスペンス・ホラー。ミステリというよりもオカルトかスプラッタ・ホラーみたいですね……。しかしどぎつい殺人シーンもそれほど違和感なく読めるのは、女子校&女子寮ならではの雰囲気がしっかり描かれているからかも。どうして綾辻さんは、こう女の子の屈折した心理を描くのがうまいんでしょう? そして、どうしてこう恐くて美しい話を書けるんでしょう? | ||||
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全寮制の女子校で次々と起こる、凄惨な殺人。「私は殺人鬼なのだろうか?」わが血に怯える薄幸の美少女の運命は? 息もつかせぬ展開で、鳥肌もののサスペンス・ホラー。 ミステリというよりもオカルトかスプラッタ・ホラーみたいですね……。しかしどぎつい殺人シーンもそれほど違和感なく読めるのは、女子校&女子寮ならではの雰囲気がしっかり描かれているからかも。どうして綾辻さんは、こう女の子の屈折した心理を描くのがうまいんでしょう? そして、どうしてこう恐くて美しい話を書けるんでしょう? | ||||
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「読んで」「絶対面白いから」と手に取った時、呼ばれるような気がしました。むさぼるように読んでしまったという思い出のある本です。 冒頭から息もつかせぬ展開、意外な犯人、不思議な血のつながり・・ 一部ご都合的な所もなくはありませんが、素直に楽しめました。 モデルになった某映画はさほど意識せず、病的な美少女の学園ホラーという感じで緋色の世界を堪能しました。舞台に女子高を持ってくる辺りもうまいですね。同性として彼女らの振る舞いもあるある、と思いながら読みましたよ。囁きシリーズ通してもこれが一番好きです。 | ||||
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全寮制の女子学校…「ソロリティ」まがいの集団、カリスマ性を持つ美少女・・・魔女狩り・・・集団とは、女性とは、恐い!鬱屈された閉鎖的な世界で、女性しかいないと、キット、誰でもこうなる…。ある意味、非常にリアリスティックな作品と思いました。こういうこと、起こっているのでしょうね。心理的に良くわかります。栗本薫氏の「やさしい密室」が読みたくなりました。 | ||||
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