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イデアの影
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イデアの影の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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文体の特性として、無知な人間が描かれることが多い作家。 今回は若くして名家に嫁いだ女性が主人公。 メランコリックな世界が描かれる。 強く共感する女性は少なくないだろう。 | ||||
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こんなお話しも書かれるのですね。 夢中になって、一気に読んでしまいました。 主人公の刹那的な人格が、まるで少女漫画を読んでいるかのように描かれていました。 今、まだ彼女が自分に乗り移っているかのような余韻があります。 違う世界に誘ってくださいましてありがとうございました。 | ||||
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目に見えないものを描けるのが小説の強みであると思うが、森博嗣はその点が特に卓越している もともと、彼の小説は、ネジが二本三本はずれたキャラに平気で視点が固定される 飛んでいるのだが、意識の流れのデッサン力が高いので違和感なく没入できる。そこに感じる自由な精神が彼の文体の魅力と言えるだろう 本作では、人が狂っていく様を、その筆力で描き出していくのだから、たまらなかった それは、しゅんしゅんと沸き上がる炎ではなく、真っ白な部屋の中で、静かに佇立しているような狂気である ホラーという、不安感情に焦点を当てているジャンルも、ものごとや感情の淡いを描ける著者と相性がいいことにも気がついた 私は読み進めるうちに、本作に、二人称小説のような読み味を感じた。というか、途中まで三人称だと気づかなかった自分に驚いた。 そして語りかけていたのは、たぶん神さまだったのだと思う イデアの影は、神さまとしての三人称ではなく、神さまが物語る二人称小説なのだ だから、この作品は美しいのではないだろうか | ||||
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人が多く死ぬ物語だ。森博嗣執筆史上最大ではないか。数えたことはないが。最初は、彼女の周りの人物が死ぬのだと思っていたが、読み進めていくと、それは彼女の影が感じているだけで、実は全て彼女が殺しているのだろうと思い始め、恐ろしく感じた。 影の物語なのだが、タカヤナギ先生からもらった饅頭だけが、唯一、影が実像っぽく振る舞ったところだろうか。 全編、谷崎風なのだが、Wシリーズの非有機性と言うか、ロボット稼働性みたいなものと重なる部分を感じ、森さんは、こう言うのは書けるな、と妙に納得する物語である。 解説を読まない方が、森さんの世界観を失わないと思う(読んで後悔した)。 | ||||
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女性が魅力的に書かれている。その女性は最後には死んでしまう。幻想的で物憂げな物語。 | ||||
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大好きな作家さんなので、もう、小説からエッセイから絵本からムックまで、なんでも持ってます! 詩的な静謐と、独特の目線がいい。 | ||||
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資産家の後妻として嫁いできた主人公、しかしその周りで死が続いていき――と、この作品の中身について、言えてここまでだろうか。世の中にはちょっとでも概要を語るだけで等しくネタバレというか、作品の面白さを損なってしまうような、そんな紹介に困るものも少なからずあるわけで。今回の森博嗣『イデアの影』もそれに近いものとなっている。 さて、それはどこに準拠するか、と言えば語りであり、描写である。 この作品は三人称、つまり自分をして「彼女」として、進んでいく。だが、夫のことを指して「主人」としたり、客人・家人を指して「~~さん」「~~くん」としたりする。ここに疑問を覚えるかどうかがひとつの分水嶺かもしれない。そして丁寧なことに作中で通奏低音として引用されるのは谷崎潤一郎『細雪』であり、作中のある一定の場面において、ちょっとした「ネタばらし」まである。そういう点からすれば、明確な答え合わせはないにせよ、親切な小説かもしれない。 が、小難しい語りの理屈や構造などを意識しなくても充分に楽しめることだろう。純粋さそれこそ媚にならない視座で持って語られる作中の出来事や、虚実と幻想が入り混じった描写作中のサナトリウムに訪れる冬の描写、さながらしんしんと降る雪が人の肌で溶けていくかのような「淡い」を持って語られる。そうした一つ一つを味わうだけでも満足感を覚えられるはずだ。 作者が生来持っていたであろう少女漫画趣味な耽美な要素と、意味不明と理解の間をするりと抜けてくるポエジーな要素とが、この主人公というフィルターを通し上手く昇華されている。人を選ぶにせよ、森博嗣のそういった部分を許容できる読者であれば、楽しめる一冊でないかと思う。逆に厳格な論理の物差しでのみ物語を測る方には薦めかねる内容だ。 | ||||
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