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昨日の海は
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昨日の海はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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読ませてしまう筆力が凄い。特段大きな謎ときがあるわけではない。 東京にいる叔母が8歳の娘を連れて四国の海沿いの町に帰って来る。東京を引き払って実家で暮らすことにしたのだ。 主人公は高1の男子。自宅は、かつてやっていた写真屋の看板を下ろさずシャッターを下ろしたまま手を付けず、ずっと生活していた。主人公が生まれたときから既にそうなっていた。実家に帰ってきた叔母さんはその店をリストアし、商売を始める。その店はもともと祖母と祖父が営んでいたものだが、母が16歳の時、二人は心中をしてしまった。 ただ、それは二人が同意して一緒に死んだというより無理心中だったのではないか、だとしたら、どちらが相手を殺したのかということが叔母さんは気になる。それを聞いた主人公も気になり調べだす。地元の中古カメラ店の店主や祖父のかつての弟子の女性からの聞き込み、そしてかつて祖父が個展を行うことになっていた東京の美術館の職員への聞き込みからそれが明らかになっていく。 結果として、たぶんこうだというところまでは明らかになる。おそらく、祖母が母を守るために、祖父の作ったプリントを駄目にして個展を阻止し、さらに順延での開催をやめさせるために睡眠薬を飲ませて祖父を殺したのだろうと。個展で展示される写真のモデルが十代の母でありそれがヌードであったことを祖母は受け入れられなかった。 謎解きの主題は大きくない。この問題が意味を持つのは自分の家族だけ。それを分かっても分からなくても日常の生活には何の影響も与えない。 しかも、その明かされた動機にどれほどの重みがあるだろうか。自分の娘のヌードが東京で見知らぬ人達の目にさらされることに納得できない母親がいることは理解できる。しかし、その写真はポルノではない。全国的にも評価の高い写真家である父親が、芸術として自分の娘の姿を撮影し完成させたものだ。少々の気恥ずかしさはあっても、誇ってよい成果だろう。そのことに納得が行かなくても、それを阻止するためには無理心中さえ辞さないというところまで行くのか。説得力を感じない。しかも、娘の姿は自分に似て美しいものだったのに。 動機については納得がいかないが、それでも、最後まで読んで一定の満足感を与えて貰えた。それは、高1の主人公の揺れる気持ちの描写が見事であったからだろう。しつこすぎると嫌になるのだが、そうならない程度に微妙な心の変化が描かれている。うまいなぁと感じた。 | ||||
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真相は!?真犯人は!? ラストで衝撃のどんでん返しが!?というのを 期待して読むと肩透かしを食います。 ですがビストロシリーズやその他の作品と同じく 繊細で曖昧で簡単には割りきれないそれぞれの心理描写に 共感したり切なくなったり 読後はじんわり優しい気持ちになりました。 嫌ミスや重苦しい作品を続けて読んだ後は 安心して読める近藤さんの作品に助けられます^^ | ||||
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爽やかなのに、それに似合わない言葉や情景の過去など読んでいて家族でも引き継がないものもあるギャップについて考えらせられる。読み感は軽いのでスラスラ読めます。 | ||||
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謎はあります。そして答が導き出されます。却ってラストにやや蛇足感がありましたが、推理小説として作者としての結論を提示したかったのだと思います。 ミステリーとしての謎解きを期待して読むと、少しすっきりしないかもしれません。 が、少年を主人公にした、ひと夏のドラマとして読むにはとても良質な物語でした。 憶測でしかない答は、けれどそうであったに違いないと思えるものでした。 何より物語がとても心地よいものでした。少年と少女と両親と叔母と、海と日差しと夜と嵐と、ひとつひとつがとても丁寧に描かれていて、読後感がとても良かったです。 もともと好きな作家さんですが、読んで良かったと思いました。 | ||||
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近藤さんらしい端正な文章で、 物語はゆったりと進む。 祖父母の心中にかかわる謎が、 田舎に住む少年の成長を促す。 決して派手な作品ではありませんが、 しみじみとした素晴らしい小説と思います。 一読をお勧めします。 なお、謎は完璧に解かれています。 ややくどいほどです。 芹さんはもとより、おそらく主人公の父母も真相にたどりついています。 | ||||
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