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昨日の海は
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昨日の海はの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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| 自殺or 他殺した祖父と祖母には何があったのかを巡る子供と孫の物語。 主人公はもしかして殺人者の孫かもしれないという始まりにはその後を期待したけれど、主人公はそれを知ってどうするわけでもなく、ただ淡々と自分のルーツを探すのみ。 かつて渦中にいた人たちの、衝動に突き動かされた狂気の場面は最後まで描かれることはなく、本当のところどうだったのかは主人公(読者)の想像に任されたままで終わる。 エンタメ小説としては弱い。でもこの本はエンタメ的な盛り上がり(過去の事件を明るみにすること)を期待する本じゃないことに読み終わってから気づいた。 祖父を調べ始めてから写真を始めた主人公と写真屋を再開する叔母、祖父と馴染みだったカメラ屋……なにかしら写真家の祖父に繋がっていて、真相に絡んできそうなのに絡まない人達は、“日常”の枠を超えることはない。 かといってつまらないわけでも、ダレることも、無駄に焦らされることもなく、ただ静かに主人公に共感させる書き口が本当に見事だった。私と主人公の距離がゼロで読んでいることすら気にならなくなるほど。 やがてそこかしこに雪解けの気配が漂い、登場人物たちは顔を上げて未来に視線を向けはじめる。 この本は、人間関係が狭い地域で凶事に息を潜めていた一家が、過去の傷にもう一度向き合い、静かに、そっと、『なんでもない日常』に変えていく温かさを味わう本だった。 ラストで、祖父たちが最期にいた海を眺めるシーンが印象的で、『昨日の海』というタイトルがピッタリなのもジンとくる。 描写は本当に素晴らしいけれど、ストーリー的な起伏はないから…この本を思い出すことはあまりないだろうなー、という感想で星3.5。 | ||||
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| ミステリー好きなので、最後にもっと驚く様な結末を期待してしまいました! | ||||
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| ある日突然同居人ができて平凡な日常に変化が起こり、家族の謎を 知り、それを探索するために旅に出て、途中で謎の人物と出会う、 そんなヒーローズジャニーそのもののようなストーリーです。 読みやすく読んでいる時は面白いのですが、読んだあとの印象は 弱いです。 | ||||
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| 作者の思い入れのある作品なのかもしれませんが、通常の作品とは異なる印象を受けました。作者の1作目として読むのは、あまりお勧めしません。 | ||||
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| ストーリーは、どんどん引き込まれる、所々に、学生の年齢の思いや生活がみずみずしく、描かれていてストーリ展開を気にしながらも、清々しくも、読み進められた ただ、祖父母の人格、特に祖母の人格がわかるような、エピソードがあれば、もっと、良かった気がする | ||||
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| 光介は高校1年の夏、祖父母が海で心中をしたことを知る。東京から母の姉と従妹がやってきた。祖父は写真屋でアマチュアの写真家、祖母はモデルをしていた。切ない青春ミステリー。 近藤史恵のミステリーは、話の展開にちょっと無理があり、これは小説だからと自分に言い聞かせながら読んだ。 | ||||
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| 高校生の光介の家に、母の姉の芹とその娘の双葉が引っ越してきた。しばらくは一緒に住むという。光介は叔母の芹から、心中だと思っていた25年前の祖父母の死が、実は無理心中であったと聞かされる。もしそれが本当なら、いったいどちらがどちらを殺したのか?真相を追い求める光介がつかんだ真実とは・・・? 「祖父母の死は、無理心中かもしれない・・・。」 そう聞かされた光介がショックを受けたくらいだから、光介の母や芹は、どれほどショックを受けたことだろう。それはあまりにも残酷なできごとだ。「ふたりだけで死ぬことにためらいはなかったのか?」「残していく子供たちのことを案じることはなかったのか?」真実を知らない限り前へは進めないと思う芹の心情は痛いほど分かる。真実を追い求める光介。途中で真実を追い求めることをやめた芹・・・いったいなぜ?心中か?無理心中か?どちらだ?どんどん話の中に引き込まれていく。 真実は、光介の母や芹にとって救いのあるものだったかもしれない。けれど、それが心中の動機だとしたら、あまりにも弱いのではないか?ふたりで死ぬほどのことだとは思えない。面白いとは思ったが、そこのところに疑問を感じ、物足りなさが残った。 | ||||
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| 帯には「青春ミステリー」とうたってありますが、ミステリーにしては緩いし、青春小説として読むのも物足りない。 ミステリー未満、青春小説未満、のどっちつかず、という印象でした。 まず、ミステリーとして。 最初に謎が提示されます。 でも、その謎を、主人公の少年、光介が、どうしても解き明かさなければならない、という説得力が足りない気がします。 そのため、最後にその謎が解き明かされたとき、 「で? だから、どうだって言うの?」 と言いたくなります。 いっそ、光介の伯母の芹が主人公だったら、謎を解きたい動機に説得力があると思いました。 次に青春小説として。 物語の初めと終わりで、主人公に変化がある、というふうに作るのが普通だと思います。 主人公の少年が、人間的に大きく成長する、というパターンが多いでしょうか。 でも、本作では、主人公の少年は、高1から高2になるだれもが成長する程度の成長をするにすぎません。 だから、物足りない。 文章がきれいで、読みやすいので、読んで損、とは思いませんが、少し残念でした。 | ||||
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| 何というか、「種明かし」というか「実はこうだった」の開示が物足りない。 多分こういう事だったんだろう、までで終わってしまった様な。 案件処理はなされてますが、好みで言えば、事実の究明で全編来たんなら、「推し量ってみるに、こうだった」より、当時の描写を入れて貰った方が読後がすっきりするかな。 | ||||
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| 近藤 史恵さんの最新長編です。 最近読んだ「はぶらし」がとても面白かったので手に取りました。 今回は四国の海辺の小さな町で暮らす高校生・光介が主人公で 近藤さんのブラックの部分はなく青春ミステリーとなっています。 夏休みのある日、東京から光介の母(夢)の姉である芹(せり)とその娘の双葉がやって来て同居を始めます。 その同居を機に光介の祖父母の死は心中と聞かされていたけれど 実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件だった事が明らかになり 光介は死の真相を探り始めます。 カメラマンであった祖父とそのモデルを務めていた美しい祖母。 二人の間には一体何が起こったのかが徐々に明らかになって行き エピローグでは全ての謎が解けます。 当初は同じように真相を探っていた芹でしたが途中でその動きを止めてしまいます。 わずかに不穏な空気感はありますが、誰かが誰かの為に 隠している嘘であろう事は読者にも想像が付く展開です。 登場人物が少ない分、脳内映像でそれぞれの人物が動いていましたが 45歳の祖父と42歳の祖母が無理心中に至るまでの動機が弱い気がしました。 丁寧に描かれた作品ではありますが全体的に淡々としているせいか物足りなさが残りました。 | ||||
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