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昨日の海は
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昨日の海はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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片田舎に両親と暮らしている高校生の光介の家に東京からシングルマザーの伯母と小学生の従姉妹が一緒に住むこととなる。光介の祖父は写真家で美人の祖母をモデルに写真を撮っていたという。しかし、祖父母はまだ未成年だった伯母と母を残して心中してしまったのだった。それが無理心中だったのではないか、自分は両親から愛されていなかったのではないか、と伯母は悩んでいる。母は家計を支えてくれた伯母に感謝しながらも祖父母のことを光介に語ることはない。祖父母の心中の真相を探る光介の行動を、彼の成長とともに描く佳作である。 | ||||
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読み出すと止まらなかった。登場人物に悪い人はいなく、共感出来ることが多い。主人公の観察力を高くしすぎかな。 | ||||
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感情表現が細やかでとても良かったです。 自分が生まれる前のことを知りたいと思う過程で いろんな想いや思惑が絡み合っていきます。 私はとても好きな作品です。 | ||||
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ただのミステリー視点で見ると、そこまで凝った展開でもなく、まぁ普通の、といったかんじ。 しかし、この本はそこに重きを置いていない気がする。 1人の少年が、子供の心から大人の心に変わっていくという成長の過程を描きたかったのではないだろうか。 後者の視点で読み進めると、かなりいい物語だったように思う。 | ||||
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読ませてしまう筆力が凄い。特段大きな謎ときがあるわけではない。 東京にいる叔母が8歳の娘を連れて四国の海沿いの町に帰って来る。東京を引き払って実家で暮らすことにしたのだ。 主人公は高1の男子。自宅は、かつてやっていた写真屋の看板を下ろさずシャッターを下ろしたまま手を付けず、ずっと生活していた。主人公が生まれたときから既にそうなっていた。実家に帰ってきた叔母さんはその店をリストアし、商売を始める。その店はもともと祖母と祖父が営んでいたものだが、母が16歳の時、二人は心中をしてしまった。 ただ、それは二人が同意して一緒に死んだというより無理心中だったのではないか、だとしたら、どちらが相手を殺したのかということが叔母さんは気になる。それを聞いた主人公も気になり調べだす。地元の中古カメラ店の店主や祖父のかつての弟子の女性からの聞き込み、そしてかつて祖父が個展を行うことになっていた東京の美術館の職員への聞き込みからそれが明らかになっていく。 結果として、たぶんこうだというところまでは明らかになる。おそらく、祖母が母を守るために、祖父の作ったプリントを駄目にして個展を阻止し、さらに順延での開催をやめさせるために睡眠薬を飲ませて祖父を殺したのだろうと。個展で展示される写真のモデルが十代の母でありそれがヌードであったことを祖母は受け入れられなかった。 謎解きの主題は大きくない。この問題が意味を持つのは自分の家族だけ。それを分かっても分からなくても日常の生活には何の影響も与えない。 しかも、その明かされた動機にどれほどの重みがあるだろうか。自分の娘のヌードが東京で見知らぬ人達の目にさらされることに納得できない母親がいることは理解できる。しかし、その写真はポルノではない。全国的にも評価の高い写真家である父親が、芸術として自分の娘の姿を撮影し完成させたものだ。少々の気恥ずかしさはあっても、誇ってよい成果だろう。そのことに納得が行かなくても、それを阻止するためには無理心中さえ辞さないというところまで行くのか。説得力を感じない。しかも、娘の姿は自分に似て美しいものだったのに。 動機については納得がいかないが、それでも、最後まで読んで一定の満足感を与えて貰えた。それは、高1の主人公の揺れる気持ちの描写が見事であったからだろう。しつこすぎると嫌になるのだが、そうならない程度に微妙な心の変化が描かれている。うまいなぁと感じた。 | ||||
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真相は!?真犯人は!? ラストで衝撃のどんでん返しが!?というのを 期待して読むと肩透かしを食います。 ですがビストロシリーズやその他の作品と同じく 繊細で曖昧で簡単には割りきれないそれぞれの心理描写に 共感したり切なくなったり 読後はじんわり優しい気持ちになりました。 嫌ミスや重苦しい作品を続けて読んだ後は 安心して読める近藤さんの作品に助けられます^^ | ||||
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爽やかなのに、それに似合わない言葉や情景の過去など読んでいて家族でも引き継がないものもあるギャップについて考えらせられる。読み感は軽いのでスラスラ読めます。 | ||||
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光介は高校1年の夏、祖父母が海で心中をしたことを知る。東京から母の姉と従妹がやってきた。祖父は写真屋でアマチュアの写真家、祖母はモデルをしていた。切ない青春ミステリー。 近藤史恵のミステリーは、話の展開にちょっと無理があり、これは小説だからと自分に言い聞かせながら読んだ。 | ||||
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謎はあります。そして答が導き出されます。却ってラストにやや蛇足感がありましたが、推理小説として作者としての結論を提示したかったのだと思います。 ミステリーとしての謎解きを期待して読むと、少しすっきりしないかもしれません。 が、少年を主人公にした、ひと夏のドラマとして読むにはとても良質な物語でした。 憶測でしかない答は、けれどそうであったに違いないと思えるものでした。 何より物語がとても心地よいものでした。少年と少女と両親と叔母と、海と日差しと夜と嵐と、ひとつひとつがとても丁寧に描かれていて、読後感がとても良かったです。 もともと好きな作家さんですが、読んで良かったと思いました。 | ||||
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高校生の光介の家に、母の姉の芹とその娘の双葉が引っ越してきた。しばらくは一緒に住むという。光介は叔母の芹から、心中だと思っていた25年前の祖父母の死が、実は無理心中であったと聞かされる。もしそれが本当なら、いったいどちらがどちらを殺したのか?真相を追い求める光介がつかんだ真実とは・・・? 「祖父母の死は、無理心中かもしれない・・・。」 そう聞かされた光介がショックを受けたくらいだから、光介の母や芹は、どれほどショックを受けたことだろう。それはあまりにも残酷なできごとだ。「ふたりだけで死ぬことにためらいはなかったのか?」「残していく子供たちのことを案じることはなかったのか?」真実を知らない限り前へは進めないと思う芹の心情は痛いほど分かる。真実を追い求める光介。途中で真実を追い求めることをやめた芹・・・いったいなぜ?心中か?無理心中か?どちらだ?どんどん話の中に引き込まれていく。 真実は、光介の母や芹にとって救いのあるものだったかもしれない。けれど、それが心中の動機だとしたら、あまりにも弱いのではないか?ふたりで死ぬほどのことだとは思えない。面白いとは思ったが、そこのところに疑問を感じ、物足りなさが残った。 | ||||
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帯には「青春ミステリー」とうたってありますが、ミステリーにしては緩いし、青春小説として読むのも物足りない。 ミステリー未満、青春小説未満、のどっちつかず、という印象でした。 まず、ミステリーとして。 最初に謎が提示されます。 でも、その謎を、主人公の少年、光介が、どうしても解き明かさなければならない、という説得力が足りない気がします。 そのため、最後にその謎が解き明かされたとき、 「で? だから、どうだって言うの?」 と言いたくなります。 いっそ、光介の伯母の芹が主人公だったら、謎を解きたい動機に説得力があると思いました。 次に青春小説として。 物語の初めと終わりで、主人公に変化がある、というふうに作るのが普通だと思います。 主人公の少年が、人間的に大きく成長する、というパターンが多いでしょうか。 でも、本作では、主人公の少年は、高1から高2になるだれもが成長する程度の成長をするにすぎません。 だから、物足りない。 文章がきれいで、読みやすいので、読んで損、とは思いませんが、少し残念でした。 | ||||
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何というか、「種明かし」というか「実はこうだった」の開示が物足りない。 多分こういう事だったんだろう、までで終わってしまった様な。 案件処理はなされてますが、好みで言えば、事実の究明で全編来たんなら、「推し量ってみるに、こうだった」より、当時の描写を入れて貰った方が読後がすっきりするかな。 | ||||
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近藤さんらしい端正な文章で、 物語はゆったりと進む。 祖父母の心中にかかわる謎が、 田舎に住む少年の成長を促す。 決して派手な作品ではありませんが、 しみじみとした素晴らしい小説と思います。 一読をお勧めします。 なお、謎は完璧に解かれています。 ややくどいほどです。 芹さんはもとより、おそらく主人公の父母も真相にたどりついています。 | ||||
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近藤 史恵さんの最新長編です。 最近読んだ「はぶらし」がとても面白かったので手に取りました。 今回は四国の海辺の小さな町で暮らす高校生・光介が主人公で 近藤さんのブラックの部分はなく青春ミステリーとなっています。 夏休みのある日、東京から光介の母(夢)の姉である芹(せり)とその娘の双葉がやって来て同居を始めます。 その同居を機に光介の祖父母の死は心中と聞かされていたけれど 実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件だった事が明らかになり 光介は死の真相を探り始めます。 カメラマンであった祖父とそのモデルを務めていた美しい祖母。 二人の間には一体何が起こったのかが徐々に明らかになって行き エピローグでは全ての謎が解けます。 当初は同じように真相を探っていた芹でしたが途中でその動きを止めてしまいます。 わずかに不穏な空気感はありますが、誰かが誰かの為に 隠している嘘であろう事は読者にも想像が付く展開です。 登場人物が少ない分、脳内映像でそれぞれの人物が動いていましたが 45歳の祖父と42歳の祖母が無理心中に至るまでの動機が弱い気がしました。 丁寧に描かれた作品ではありますが全体的に淡々としているせいか物足りなさが残りました。 | ||||
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