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死の迷路(死の迷宮)
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死の迷路(死の迷宮)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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10年くらい前に古本屋の100円コーナーで置いてあったのが目につき、買って読んだ。読んでいる最中は面白いと思ったが、少しして手放してしまった。ディックの小説はとくにヴァリスなんかは保存して何度も読みなおしているのだが、これは売ってしまった。 なんでかな、と思って今回電子書籍で買い直したが、それも納得だった。 これはディック後期の小説で、当時の彼の私生活では妻との不仲や知人の死が続発して参っていた時期のもの。その気分が小説に徹底的に反映されていて登場人物は次々に死ぬのに、それに恐怖するわけでもなく、助けようとするわけでもない。最後にSF的にありふれたオチがつくのだが、それもこの小説を覆う絶望感を覆すものではない。 ただ、全体的にユーモアはあり、慢全と読んでしまう。後期のディックは人生につきまとう絶望感に自分で発明した新宗教で対抗しようとした。この小説でもその新宗教の片鱗はあるものの、最後の三部作ほど徹底して捏造されたものではなく、擬似現実のキーアイテムでしかない。 ディックの小説の魅力はディックみたいな社会不適合者たちがたとえ狂ってでも現実に立ち向かおうとするところにあると私は思う。それは最後の三部作には顕著でそれが静かな感動を呼ぶのだが、今回は狂気の度合いが抑えられていて物足りないと感じた。 | ||||
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